アウディ 記事一覧

TEXT:生方 聡
高性能を手懐けるクワトロの威力 [アウディe-tron GTクワトロ試乗記:その3]

前後2基の電気モーターにより、システム最高出力390kW、システム最大トルク640Nmを発揮するe-tron GTクワトロの加速を体験する。 踏み方次第で羊にも狼にも e-tron GTクワトロには前後1基ずつ交流同期モーターが搭載されている。最高出力はフロントモーターが175kW(238ps)、リアモーターが320kW(435ps)。システム総出力は350kW(476ps)に達し、さらにローンチコントロール使用する際のブースト時には2.5秒間だけ390kW(530ps)を発揮する。トランスミッションはフロントアクスルが1速固定であるのに対して、リアアクスルは2速。通常は2速ギアを使うが、前述のブースト時には1速を用いることで0-100km/hを4.1秒で加速して見せるのだ。 今回の試乗ではブースト時の加速を試す機会はなかったが、e-tron GTクワトロの実力は十分知ることができた。このクルマには「efficiency」「comfort」「dynamic」の3つの走行モードがあらかじめ用意されており、まずはcomfortで走り出すことにする。 センターコンソールのギアセレクターでDレンジを選び、ブレーキペダルから足を離すと、e-tron GTクワトロはゆっくりとクリープ走行を始める。ここから浅めにアクセルペダルを踏むだけで、2,290kgのボディは軽々とスピードを上げていく。その感覚は4L V8を扱うような頼もしさで、しかもEVだけに静かにスムーズに加速するのが実に爽快。走り出したあとの加速も余裕たっぷりで、アクセルペダルを穏やかに操作するかぎりはラグジュアリーサルーン顔負けの心地よさである。 一方、高速道路への流入や追い越しの場面でアクセルペダルを深く踏み込めば、e-tron GTクワトロはその本領を発揮し、鋭い加速を見せてくれる。2基のモーターによる電動“クワトロ”のおかげで、通常時でも最大630Nmに達するシステムトルクを4輪でしっかりと受け止め、安定しきったままスピードを上げていく。涼しい顔で高性能を手懐けられるのがクワトロの伝統である。

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TEXT:生方 聡
ポルシェ・タイカンとはどこが違う? [アウディe-tron GTクワトロ試乗記:その2]

ポルシェ・タイカンと共通のプラットフォームを採用するe-tron GTだが、エクステリアもインテリアも、アウディらしさに溢れている。 ひとめでアウディとわかるエクステリア 「タイカンとプラットフォームが共通」と聞くと、つい同車との共通点を探してしまうが、エクステリアを眺めるかぎり、e-tron GTは紛う方ないアウディである。アウディのシンボルであるシングルフレームグリルは、e-tron GT用に開口部が少ないデザインにアレンジされ、エンジン車とは明らかに異なる表情を見せている。 4ドアクーペを名乗るe-tron GTでは、窓枠のないサッシュレスドアを採用。低く流れるようなルーフラインや6ライトキャビン、さらに前後のブリスターフェンダーがサイドビューを特徴づける。最新のアウディに共通するブリスターフェンダーは、アウディの代名詞である「クワトロ」の起源である伝説の「アウディ・クワトロ」(“ビッグクワトロ”、“オリジナルクワトロ”とも呼ばれる)のイメージを受け継ぐものだ 面白いのが、試乗車にはメーカーオプションの「タングステンカーバイドコーティング」ブレーキディスクが装着されていること。ブレーキダストが少ないうえに、錆が発生しないため、油圧ブレーキをあまり使用しないEVには打ってつけのアイテムといえる。 ユーザーフレンドリーなコックピット ドアを開けて運転席を覗くと、レザーではなくファブリックのスポーツシートが目に入る。環境を考慮してレザーフリー化に取り組むブランドが増えているが、アウディも例に漏れない。メーカーオプションの「レザーフリーパッケージ」が選択された試乗車には、リサイクルペットボトルからつくられた素材の「カスケード」でシートが覆われ、さらに、マイクロファイバー素材「ダイナミカ」が施されたメーターナセル、アルカンターラのステアリングホイールなどがコックピットを彩っている。ドア内側の上の部分に触れると、見た目と違ってカサカサした感触があるが、シートやステアリングホイールの触感に違和感はない。 コックピットは開放感がある一方、やや高めのセンターコンソールや、ドライバーに傾けられたダッシュパネルなどにより、運転席には適度なタイトさも感じられる。バーチャルコックピットと呼ばれるフルデジタルメーターや、ダッシュボード中央のタッチパネルなどは、デジタル化された最新のアウディに乗る人にとっては見慣れた眺めだ。その一方で、エアコンの調整パネルに物理スイッチを残すことで、直感的かつ素早く操作できるのがうれしく、こうした細かい配慮がアウディらしいところである。

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TEXT:生方 聡
最高出力390kW! 「アウディe-tron GTクワトロ」ってどんなEV? [アウディe-tron GTクワトロ試乗記:その1]

その名前が示すとおり、アウディがEVの時代を切り拓くために送り込んだGT(グランツーリスモ)がアウディe-tron GTである。ポルシェのDNAを持つこのクルマにはどんな特徴があるのか、まずはそのあたりから探っていこう。 e-tronは三車三様 プレミアムEVブランドナンバーワンを目指すアウディには、現時点で3モデルの「e-tron」、すなわち、EVが用意されている。ラグジュアリーSUVタイプのアウディe-tron/e-tronスポーツバック、コンパクトSUVタイプのQ4 e-tron/Q4スポーツバックe-tron、そして、4ドアクーペのe-tron GTだ。 面白いのが、この3モデルの成り立ちがすべて異なっていること。具体的には、アウディe-tron/e-tronスポーツバックは、同社の主力モデルのA4などにも使われている「MLB evo」プラットフォームを用いる生粋のアウディである。ちなみにアウディe-tron/e-tronスポーツバックは、マイナーチェンジを機にQ8 e-tron/Q8スポーツバックe-tronにモデル名が変更されている。今年中には日本にも導入される予定だ。 一方、Q4 e-tron/Q4スポーツバックe-tronは、フォルクスワーゲングループがEV向けに専用開発した「MEB」プラットフォームを採用。フォルクスワーゲンID.4と基本設計を共有しているのは、ご存じのとおりだ。 これに対して、e-tron GTはポルシェ・タイカンと同じJ1パフォーマンス・プラットフォームをベースとしている。911や718ケイマン/ボクスターといった2ドアモデルはいうまでもなく、マカンやカイエン、パナメーラ、そしてタイカンにいたるまで、全モデルを“スポーツカー”と位置づけるポルシェが手がけたプラットフォームだけに、e-tron GTの走りにおのずと期待が高まってしまうのは、私だけではないだろう。

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TEXT:福田雅敏、ABT werke
アウディ、クロスオーバーEV 「Q8 e-tron」を日本で発表……デイリーEVヘッドライン[2023.03.02]

内外装を刷新するとともに航続距離を延長 最高出力150kWの急速充電にも対応 【THE 視点】アウディジャパン(Audi)は、クロスオーバー型EVの「Q8 e-tron(Q8 e-トロン)」および「Q8 e-tron Sportback(Q8 e-トロン・スポーツバック)」を発表した。 アウディ初のEV 「Audi e-tron(アウディ・イートロン)」および「e-tron Sportback(イートロン・スポーツバック)」を大幅にアップデート、モデル名にも電動SUV/クロスオーバーのフラッグシップの証である「Q8」を冠した。 今回の改良では、一充電あたりの走行距離と急速充電性能を向上させるとともに、フロントとリアのエクステリアデザインを刷新。本年夏以降に発売予定となる。 バッテリーの容量が最も大きいモデル「55 e-tron quattro S line(55 e-トロン・クワトロ・Sライン)」は、総容量114kWh(先代比19kWh増/正味エネルギー容量106kWh)の大容量バッテリーを搭載し、最大航続距離は501km (先代比78km増/WLTC)を達成。バッテリーの総容量に対して使用可能な正味エネルギー容量を増加させ、さらに空力性能やモーターの効率アップを図ることにより、航続距離を大幅に向上させている。 急速充電も最高出力150kWまで対応可能となった。アウディジャパンがポルシェジャパン、フォルクスワーゲンジャパンとともに事業展開している「プレミアム・チャージング・アライアンス(PCA)」のサービスや、e-tron店が設置を進めている150kW急速充電器を利用できる。 先代の「アウディe-tron」に試乗した経験があるが、その当時でも完成度の高さを感じていた。今回の改良によって、より魅力的なモデルとなっていることは間違いないだろう。 そしてこのクラスのEVはバッテリー搭載量100kWhが普通になってきたように感じる。性能面を考えるとこれぐらいは必要なのかもしれないが、価格面のユーザー負担が高いことに加えて、一昔前のEVを知る身としては、多すぎるように思うのは私だけだろうか? (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★BYDジャパン、乗用モデルに健康への影響はないと見解……日本導入の「ATTO 3(アット・スリー)」「DOLPHINE(ドルフィン)」「SEAL(シール)」が欧州の廃自動車基準「EU ELV指令」に適合 ★★ホンダと韓国LGの合弁企業「L-H Battery Company, Inc.」、米オハイオ州に建設の新工場が着工……北米四輪車工場生産のEV向けに、バッテリーを供給予定 ★自動運転開発のチューリング、東京アールアンドデーと提携……2025年発売予定の自動運転EVを共同開発 ★ステランティス、米インディアナ州で機電一体型駆動装置「e-AXLE(イー・アクスル)」生産へ……同州の3つの工場に1億5,500万ドルを投資 ★MINI(ミニ)、EV仕様を含むクロスオーバーモデル「MINI Countryman(ミニ・カントリーマン)」の生産を開始……BMWグループのライプツィヒ工場にて ★パナソニック・オートモーティブシステムズ、中国にオートモーティブ事業の統括法人を設立……中国で高成長する電気自動車(EV)市場に対応 ★ジェイテクト、「[国際]二次電池展」(東京ビッグサイト:東京都江東区/3月15日(水)〜17日(金))に出展……大電流に対応する「高耐熱リチウムイオンキャパシタ」などを出展

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TEXT:岡崎 宏司
岡崎宏司の「EVは楽しい!」第5回:Audi e-tron Sportsback 55 quattro 1st editionで開眼した

プジョーe-208GTで、EV生活に大満足な岡崎宏司さん。「EVは楽しい!」と気づいたのは「Audi e-tron Sportsback 55 quattro 1st edition」。「恍惚」と感じ入ったストーリーの今回です。 未来ではなく、現実となった この連載の1回目……「最新のアウディEVの走りに心を奪われ、恍惚状態で箱根を走った!」と書いた。 そして、EVを「未来ゾーンから現実ゾーンへ招き寄せるキッカケになった」とも書いた。 そのEVとは、アウディe-tron スポーツバック 55クワトロ 1st edition。日本に初導入されたアウディのBEVだ。 試乗会は2020年10月に開かれた。会場はFUJIMI CAFE。御殿場から乙女峠を登り、乙女トンネルに入る直前に位置する。 木造りのカフェの前には広いオープンスペースがあり、パラソルを立てたテラス席が設けられている。 そして、その正面には、富士山がほぼその全容を見せる。最高のロケーションだ。 試乗車は、たしか5~6台用意されていたと記憶しているが、クリーンなBEVの試乗会には、まさにぴったりの環境設定だった。 クールで先進的なEV 4900×1935×1615mmのサイズは大きいが、クーペライクなルックスは、グッと引き締まって見えた。アウディならではのクールで精度感の高い内外装にも惹きつけられた。 小型カメラを用いた「バーチャル・エクステリア・ミラー」の形状が、そして、カメラが捉えた映像を映し出す7インチのパネルが、クールで先進的な印象をさらに高めていた。 心地よいテラスでコーヒーを一杯飲んでスタート。そして、箱根路を自由に走った。 より正確にいえば「自由自在に」走った。僕が意図し期待した以上に走った。走り出した瞬間から、レスポンスと瞬発力の高さに惹きつけられた。すぐ夢中になった。 システム・パワー/トルクは230kW(408ps)/664Nmと強力。前後2基のモーターの出力をコントロールすることで、クワトロ=4WDシステムをも成立させている。 走りは文字通り「意のまま!」。発進は滑らかであり軽やか。アクセルを深く踏み込むと、直線的な加速で、周囲のクルマをあっという間に置き去りにする。 追い越しでも同じ。低速でも、中速でも、高速でも……アクセルを踏み込んだ瞬間、滑らかに、軽やかに、強力に加速する。 Sレンジのブースト機能を使ってのフル加速は「快感そのもの!」。クワトロシステムが強力なトルクをしっかり受け止め、無駄なく前進する力に変えてくれる。 そんな加速ぶりを表現するには、「速い!」とか「すごい!」というよりも、「快感!」という方が当たっている。 重量は2560kgあるが、そんな重さを感じさせられることはまるでない。 バッテリーは低い位置に配分よく積まれる。なので、重心は低く、前後重量配分もよく、心地よい走り味、乗り味をもたらしている。 また、大きな重量と低重心がもたらす重厚な乗り味、エアサスペンションがもたらす優しくフラットな乗り味……このコンビネーションも素晴らしい結果を生み出している。 体感する運動性能、そして上質さに恍惚 EVの静粛性の高さは当たり前だが、各部遮音のレベルは高く、ロードノイズまでもしっかり抑え込まれている。 僕はあえて、中小のコーナーが連続するコースを選んだが、背の高いSUVがまるで、よくできたスポーツカーのように走った。 3段階の回生ブレーキの効きを、パドルでコントロールするのもすごく楽しかった。とくに、ワインディングロードの下りでの楽しさにはすっかりはハマってしまった。 パドルのデザイン、触れた感触、クリックの節度感等々の上質さが、楽しさをより一層加速していたことをも報告しておこう。 僕は、中小の複雑なコーナーが連続する、上記ワインディングロードを何度も往復した。 初めに書いた「恍惚状態で箱根を走った!」とは、主にこのことを指す。 その日、EVは「未来ゾーンから現実ゾーンへと入ってきた!」。そして僕は、真剣にEVに乗ることを考え始めたのだ。 第6回はこちら

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TEXT:田中 誠司
[アウディQ4 e-tron試乗記]アウディの売れ筋BEVがついにローンチ その3 走りと今後の展開

アウディに対する期待をすべて満たすハードウェア 市街地を走り出して、最初に感じるのは静粛性の高さだ。パワートレインはむろんエンジン付きのクルマに比べて格段にスムーズで静か。路面状況の変化に伴うロードノイズの変動が少ないのは、最近設計されたブリヂストン・トゥランザENLIGHTENの特性と、入念な遮音対策の成果だろう。 最高出力は150kW/204ps。これに対して車重は2,100kgなので、加速力は必要にして充分というレベルに過ぎない。パワーウェイト・レシオでいえばひと昔前のトヨタ・カローラ程度だが、そう聞いて想像するよりも低速からのピックアップは鋭く充実していて、実用車に期待する水準としては十分以上なのではないか。 20インチ・タイヤの逞しい外観から想像する通り引き締まった乗り心地で、車高の高いSUVではありがちな、大きな入力に対して煽られて、車体の向きと操舵の方向が一致しないようなアンバランスさは見られない。 そうした市街地でのマナーを経験し、安心しながら高速道路へ進入するランプへと向かう。緩いカーブで速度を加減しつつ操舵のフィーリングを確かめてみると、後輪駆動プラットフォームならではのひらひらと思い通りに旋回するレスポンスを味わうことができた。前後重量配分は車検証上で48:52と後ろ寄りで、スポーツカー並みとまで表現するには至らないが、クルマ好きの心をつかむ自然な操縦性だ。 元来、アウディは前輪駆動もしくはそれをベースとする四輪駆動が主体で、路面の状況を繊細に伝えつつも高速道路ではどっしりとした直進性を示すモデルが多かった。Q4 e-tronはそうしたアウディの基準からするとビシッと腰の据わった感触が薄いとはいえ、精密に作られたステアリング機構と巧妙なアライメント設定の組み合わせで、高速クルージングを安心してこなすことが可能だ。 ステアリング機構といえば、大柄な車体サイズのわりに非常に小回りが利くことには驚かされた。フロントにエンジンなどが備わらないことを活かしてタイヤの最大切れ角はかなり大きく採られており、最小回転半径を5.4mと小さく設定できているのだ。「こんなところでUターンできるの?」と思うような狭い道でも一発で方向転換できる。ロック・トゥ・ロックは3回転に近く、ハンドルが半回転余計に回る感覚である。 全体として、Q4 e-tronのハードウェアや内外装の品質は、これまでの経験から600〜700万円クラスのアウディに期待する水準をすべて満たしている。既存のアウディ・ユーザーで、航続距離や充電などの心配がクリアできる人にとっては、価格も含め何の迷いもなくBEVに転向できると言っていいだろう。 クワトロを待つかどうかが課題 前述のとおり1年を超えるという納車までの待ち時間は、Q4 e-tronの購入を検討している人にとって悩ましい要素だ。またアウディジャパンからは何の発表もないが、すでに本国ではよりハイパワーで、フロントにモーターを加えた4WDシステムを備える「Q4 e-tron 45クワトロ」 (最高出力195kW)および「Q4 e-tron 50クワトロ」(同220kW)が発売されていることも念頭に置いておくべきかもしれない。 日本市場は当初後輪駆動の「40」のみのラインナップで始まったが、すでにQ4 e-tronが多数を受注していることを考えれば、そのグレード構成が将来的に拡充されるであろうことは間違いない。 アウディといえばクワトロ4WDの多用途性を楽しみたい、それに2トンを超える車体をスポーティに走らせるならもっとパワーがほしい、という意見も理解できる。本社のカタログデータを見比べたところ、「50クワトロ」の車重は「40」に対して85kg増えるものの、航続距離はわずか3%少ないだけだ。 スペック上で唯一、目立ったクワトロの弱点は、小回り性能が後輪駆動モデルに比べ劣ることだ。Q4 e-tron 40の最小回転直径は本国のデータで10.2mだが、フロントにモーターとその関連コンポーネンツが収まるQ4 e-tron 45/50クワトロでは11.5mに伸びてしまう。それにツインモーターとなれば、価格も「e-tronクワトロ(1070万円〜)」に近づくはず。敢えてクワトロの登場を待たず、リーズナブルな価格の後輪駆動モデルで発売したアウディ ジャパンの戦略は日本市場にはフィットしているのだろう。 Audi Q4 Sportback 40 e-tron S-line 全長:4,590mm 全幅:1,865mm 全高:1,630mm ホイールベース:2,765mm 車両重量:2,100kg 前後重量配分:前1,010kg、後1,090kg 乗車定員:5名 交流電力量消費率:145Wh/km(WLTCモード) 一充電走行距離:594km(WLTCモード) 最高出力:150kW(204ps)/–rpm 最大トルク:310Nm(31.6kgm)/–rpm バッテリー総電力量:82kWh トランスミッション:1速固定式 フロントサスペンション:マクファーソン・ストラット式 リアサスペンション:マルチリンク式 フロントブレーキ:ベンチレーテッド・ディスク リアブレーキ:ドラム タイヤサイズ:前235/50R20、後255/45R20 最小回転半径:5.4m 荷室容量:520L 車体本体価格:7,160,000円

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TEXT:TET編集部
オフロード対応のEV「アウディ・アクティブスフィア・コンセプト」発表……デイリーEVヘッドライン[2023.01.30]

アウディ、クロスオーバーコンセプトEV「アクティブスフィア」を発表 【THE 視点】アウディは2023年1月26日、「スフィア」のコンセプトカーの集大成となる4番目のモデル「アクティブスフィア・コンセプト」を発表した。  今回発表されたモデルは、多彩な目的に対応するボディデザインを備えた4ドア・クロスオーバー・クーペだ。単なるラグジュアリースポーツカーではなく、オフロードの走破性を高めるために最低地上高を大きくとり22インチの大径ホイールを備えているのが特徴である。  ルーフの後部はボタンひとつでオープンし、カーゴベッドとして利用可能。簡単に言えばボタンひとつで簡易的なピックアップトラックに変わり、自転車などのスポーツ用具を積むことが可能となる。  ボディサイズは全長4,980×全幅2,070×全高1,600mmで、ホイールベースは2,970mm。容量約100kWhのバッテリーを搭載し、前後輪に配置されたモーターは、合計最高出力325kW(442ps)、最大トルク720Nm(73.4kgm)を発生。航続距離は600kmを超えるという。  充電は急速800Vのシステムに対応し、最高出力270kW・10分の充電で300km以上の走行エネルギーを確保することが可能だ。  そのほか自動運転機能も採用されており、自動モードで走行しているときはステアリングやペダル類は格納され、車内がまるでラウンジのようになり快適に移動ができるという。  この「アクティブスフィア・コンセプト」は近未来的なデザインを採用しながら、「テスラ・サイバートラック」のように実用以上の積載性を確保している。非常にユニークなコンセプトのクロスオーバーEVだ。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★日産、「ゼロ・エミッション・ビークル」の新型コンセプトカーを2月2日に公開予定……グローバル・ウェブ・サイトなどでテール部分を公開 ★日産、EVの電源でエレベーターを駆動する実証実験を実施……日立ビルシステムと「V2X」システムの普及に向けて協創 ★プジョー、最大航続距離700kmのSUV「E-3008」の登場を予告……2023年後半に発表、「E-5008」も直後に続く ・愛媛県の伊予鉄バス、大型EV路線バスを納入し1月26日より運行開始……EVモーターズ・ジャパン製の車両で川内線 (松山市駅~川内・さくらの湯間)に投入 ・ルノー、ヴィンテージモデルのEV化キットをフランスで発売……初代「トゥインゴ」などに対応 ・パナソニックのEVチャージャーシェアリングサービス「エブリワ」の本人確認業務がスムーズに……eKYC本人確認サービス「トラストドック」を導入 ・東京都中央区とNTTドコモが展開する「中央区コミュニティサイクル」にEVトラックを導入……シェアサイクルの運搬車にEVを使用する実証実験 ・東京センチュリーと関西電力、EVの使用済みバッテリー・リサイクル事業で提携……リサイクル・バッテリーを定置型蓄電池化、系統用電池などに活用 ・高田松原津波復興記念公園(岩手県陸前高田市)内の自動運転EVバスが2023年2月から運行開始……2025年度本格運用を目指す ・フォーミュラE第2・第3戦ディルイーヤ終了、パスカル・ウェーレイン選手(タグホイヤー・ポルシェ)が連勝……2位は両戦ともにジェイク・デニス選手(アヴァランチ・アンドレッティ)でポルシェのパワートレイン組がワン・ツー・フィニッシュ ・三菱、PHEVオーナーズミーティングを開催……2023年2月25日に三菱自動車岡崎製作所にて限定100組

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TEXT:田中 誠司
[アウディQ4 e-tron試乗記]アウディの売れ筋BEVがついにローンチ その2 内外装

スポーツカー好きにもアピールするスタイリング 東京都の郊外、八王子駅にほど近い、真新しい公共施設でアウディQ4 e-tronの試乗イベントは行われた。プレゼンテーションを実施する広大なホールの中に十数台の試乗車が収められており、そこから搬送用の廊下を経てジャーナリストたちが公道での直接テストドライブに赴く。排ガスを出す内燃機関車の時代には考えられなかったシーンだ。我々に預けられた試乗車は「Q4 スポーツバックe-tron 40 Sライン」(716万円〜)。20インチ・タイヤを履く、最もスポーティなモデルである。 薄暗いホールの中で見るクールなカラーのQ4 スポーツバックは、全長4,590mmという数字から想像するよりも大きく感じられた。大きなタイヤを四隅に配し、ベルトライン(サイドウィンドウとドアの境目)も高い位置にあるから、かなり嵩高くマッシブで、第三者的な視点では近寄りがたい印象すら受ける。 そうしたボリューム感に加えて、フロントとリアのフェンダーにはそれぞれ深いキャラクターラインが彫り込むように加えられている。ファストバック風に弧を描くルーフから下りてきたリアエンドには、ダックテール風に跳ね上がったスポイラーも備わる。スタイリッシュさを重視してスポーツカーを乗り継いできたようなクルマ好きをもエキサイトさせるような外観だ。 インテリアもまたスポーティだ。小径のステアリングホイールは上下をストレートにカットされており、グリップの部分にはパンチング・レザーが巻かれる。エアコンのアウトレットはシャープな造形とされ、中央のメイン・モニターは若干ドライバーの方へ傾けて設置されている。 座ってみると広い後席 ルーフライン後方を絞り込んだQ4 スポーツバックe-tronは、室内も黒一色だったため広々とした印象とまでは言えないものの、前席頭上はアーチ状のルーフラインのため十分余裕があり、かつ後席に座ってみると前席までの距離はかなり広く取られていて、身長171cmの筆者が適切な運転姿勢で前席のポジションを決めて後席に移った場合、ひざ前には拳2個半ほどの空間が残される。さらに、動力を伝えるシャフトが室内には通っていないため、後席に3人乗っても中央の人が窮屈な思いをしなくて済むのがいい。 ラゲッジスペースは5人乗車でトノーカバーを被せた状態において520Lの容量を持つ。バックレストを倒せば1,490Lまで拡大可能だ。床面の長さは実測で88cm、幅は最も狭いところで98cm、広いところで130cmであった。 アウディの通例どおりパッケージングへの配慮も入念なQ4 e-tronだが、フロントのボンネットの下にはパワーステアリング等の補機類しか収まらないにもかかわらず、荷物を載せられるスペースになっていないのは意外だった。兄貴分のアウディe-tronやe-tron GTでは小さいながらもラゲッジスペースが設けられているので、Q4にも拡大してもらえればユーザーは喜ぶだろう。 ピアノブラックのパネルに置かれたスライド式スイッチからDレンジを選び、アウディQ4を発進させる。周囲の歩行者に危険を知らせる低い唸りが発進加速時には発せられる。がっちり作られたドイツ車らしさを想起させるサウンドだ。 Audi Q4 Sportsback 40 e-tron S-line 全長:4,590mm 全幅:1,865mm 全高:1,630mm ホイールベース:2,765mm 車両重量:2,100kg 前後重量配分:前1,010kg、後1,090kg 乗車定員:5名 交流電力量消費率:145Wh/km(WLTCモード) 一充電走行距離:594km(WLTCモード) 最高出力:150kW(204ps)/–rpm 最大トルク:310Nm(31.6kgm)/–rpm バッテリー総電力量:82kWh トランスミッション:1速固定式 フロントサスペンション:マクファーソン・ストラット式 リアサスペンション:マルチリンク式 フロントブレーキ:ベンチレーテッド・ディスク リアブレーキ:ドラム タイヤサイズ:前235/50R20、後255/45R20 最小回転半径:5.4m 荷室容量:520L 車体本体価格:7,160,000円

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TEXT:田中 誠司
[アウディQ4 e-tron試乗記]アウディの売れ筋BEVがついにローンチ その1 車両概要

発売を待たずにヒット決定 620万円〜という、高級実用車としてある程度現実的な価格、扱いやすそうなサイズ、人気のボディタイプであるSUVという要素の組み合わせで、昨年1月の日本導入発表以来市場の注目を集めたアウディの新型EV「Q4 e-tron」。EV需要の急速な高まりという波にも乗って、発売された昨年11月の段階で受注数が日本市場に対する年間割当台数である2000台を超えたという。インターネット上のユーザーの声を拾うと、運良くキャンセル待ちに当たらない限り、2023年初めに注文しても納車は2024年になってしまうらしい。 2021年の日本におけるBEV(内燃機関を持たない純粋な電気自動車)の販売台数は約2万1000台で、アウディ車全体の日本販売台数が約2万5000台。テスラが2021年までに日本で販売した「モデルS」の総数が2000台未満だという。つまりこの2000台は、市場におけるインパクトがかなり強い数字と表現してよいだろう。 アウディジャパンは、2026年以降は内燃機関を備えた新型車を発表せず、2033年以降は内燃エンジンの生産を段階的に廃止する、というアウディ ドイツ本社の方針を背景に、電気自動車へのシフトを明確に打ち出してきた。発売の10ヵ月も前から全国でQ4のプレローンチ・イベントを実施し、ディーラー来店者が実車に触れられる数多くの機会を設けたほか、インポーターとして再生可能エネルギーの活用をサポートするなど、サステイナビリティ最優先の方針を消費者に訴えてきた。 ユーザーにとってメリットが大きいのは、同じくVWグループに属するフォルクスワーゲンおよびポルシェと協力して、90kWレベル以上の急速充電器を利用できる機会をできるだけ多く提供する枠組み「プレミアム・チャージング・アライアンス(PCA)」を利用できることだ。3つのブランドが各ディーラーの充電設備を共有する取り組みで、全国合計約210のディーラーにおいて急速充電器の相互利用が可能になった。 これらアウディジャパンの施策が奏功し、すでにして非常に手に入れにくくなってしまった「Q4 e-tron」だが、アウディは2024年までに15ものBEVモデルを発表するとしているから、買いそびれてしまったな、と残念に思っている人も他の新着モデルを天秤にかけながら悩む楽しみを味わってみてはどうだろうか。 後輪駆動プラットフォームを採用 続いてQ4 e-tronのハードウェアの構成について紹介していこう。Q4 e-tronはアウディとして初めてVWグループの電動車専用プラットフォーム「MEB」(Modularer E-Antriebs-Baukasten)を採用。最高出力150kW(204ps)、最大トルク310Nmの「EBJ」型モーターはラゲッジスペースの下に置かれて後輪を駆動する。変速機は1段固定レシオ。2,765mmと長く採ったホイールベースの間の床面に288セル、82kWhのリチウムイオン・バッテリーが敷き詰められたレイアウトだ。 ボディサイズはベースモデルである「Q4 40 e-tron」が全長4,590×全幅1,865×全高1,630mm。クーペ・ライクな丸みを帯びたルーフラインを持つ「Q4 スポーツバック 40 e-tron」は全高が15mm低く、スポーツサスペンションを備える「Sライン」はそれぞれさらに15mm低く構える。 サスペンションはフロントがマクファーソン・ストラット式、リアがマルチリンク式。ということはポルシェ911と同じなのか? と思って調べてみると、911のリアサスペンションがトレーリングリンクを持つ5リンク式なのに対し、アウディQ4はダブルウィッシュボーンに近い4リンク式だった。ブレーキはフロントがベンチレーテッド・ディスクで、リアはドラム式とされる。コストダウンなのかとおもいきや、ドラムブレーキはディスク式と違って引きずり抵抗が少なく、加速にも燃費にも有利なのだという。タイヤはフロントが235、リヤが255と、前後で異なるサイズが選択されている。 Audi Q4 Sportback 40 e-tron S-line 全長:4,590mm 全幅:1,865mm 全高:1,630mm ホイールベース:2,765mm 車両重量:2,100kg 前後重量配分:前1,010kg、後1,090kg 乗車定員:5名 交流電力量消費率:145Wh/km(WLTCモード) 一充電走行距離:594km(WLTCモード) 最高出力:150kW(204ps)/–rpm 最大トルク:310Nm(31.6kgm)/–rpm バッテリー総電力量:82kWh トランスミッション:1速固定式 フロントサスペンション:マクファーソン・ストラット式 リアサスペンション:マルチリンク式 フロントブレーキ:ベンチレーテッド・ディスク リアブレーキ:ドラム タイヤサイズ:前235/50R20、後255/45R20 最小回転半径:5.4m 荷室容量:520L 車体本体価格:7,160,000円

TAG: #e-tron #Q4 #アウディ
TEXT:生方 聡
アウディ ジャパン、「Audi Sustainable Future Meeting」をアウディ浜松で開催。ショールームも急速充電もすべてグリーン電力で。

アウディ ジャパンは、1月27日、正規ディーラーのアウディ浜松で「Audi Sustainable Future Meeting」を開催し、同店舗における二酸化炭素排出ゼロの取り組みを紹介した。いまではワンワードで語られてしまう「カーボンニュートラル」だが、その背景には多くの工夫と大規模な投資が存在するようだ。 初期費用はゼロ 浜松駅と東名高速・浜松インターのほぼ中間という好立地、プレミアムブランドのカーディーラーが軒を連ねるエリアにアウディ浜松はある。2019年1月にリニューアルオープンした同店だが、今年の1月5日から新たな取り組みを始めた。日本の自動車ディーラーとして初めて、電気とガスの二酸化炭素(CO2)排出量実質ゼロを達成したのだという。 アウディ浜松を運営するサーラカーズジャパンは、愛知県東部、静岡県西部を中心に、都市ガスやLPガスなどエネルギー供給事業をはじめ、輸入車ディーラー、住宅関連事業などを手がけるサーラグループの一員。グループの売上ではエネルギー関連が約5割を占め、地域の生活をサポートする企業として、なくてはならない存在である。アウディ浜松が、電気とガスのCO2排出量実質ゼロを実現できたのは、グループ企業の連携があったのが大きい。 では、どのようにしてCO2排出量実質ゼロを達成したのだろうか。アウディ浜松の屋上には400枚、150kWのソーラーパネルが設置されている。この発電によりショールームと急速充電の電力をまかない、余った電気は電力会社が一定価格で買い取るFIT(固定価格買取制度)により売電している。 ソーラーパネルによる発電量は年間173,000kWhで、そのうち71,000kWhをアウディ浜松が消費する。ということは、102,000kWhの余剰電力が生じる計算だが、取材当日のように雪が降っているときや夜間はソーラーパネルによる発電は望めず、こうした太陽光発電が不足する場面では、サーラeエナジー社が供給する実質CO2フリー電力を利用する。さらに、ショールームの空調に用いるガスエンジンヒートポンプエアコンには、サーラエナジー社が供給する「カーボンニュートラル都市ガス」を使用。これにより、電気、ガスともにCO2排出量実質ゼロを達成するというわけだ。 なお、ソーラーパネルの設置や所有、維持管理はサーラエナジー社が担当し、同社からアウディ浜松が電気を買う契約を結んでいるため、アウディ浜松は初期費用0円で太陽光発電を導入できたという。導入の検討段階では業務用電力に比べて割高になる可能性があったが、昨今の電気料金高の状況では電気代が15〜20%節約になっているという。 このようにして、「自分たちが使う電気は自分たちでつくる」を実践するアウディ浜松では、もちろんEVの急速充電でもカーボンニュートラルな電気が利用できるため、EVの走行中だけでなく、発電段階でもCO2の排出量が実質ゼロになり、車両の生産から使用までに発生するCO2の量(ライフサイクルCO2)の低減を可能とした。 アウディ ジャパンでは、パワーエックスと業務提携を行い、再生可能エネルギーを急速充電に用いるための仕組みを構築する考えだが、アウディ浜松はいちはやく独自の方法でその実現に漕ぎ着けた。さらにサーラカーズジャパンは、このアウディ浜松を皮切りに、2023年4月にはフォルクスワーゲン/アウディ第2工場(浜松整備工場)、2023年年央にはフォルクスワーゲン浜松とフォルクスワーゲン浜松西でも、CO2排出量実質ゼロ化を計画している。 クリーンな電気で走りたいと思うEVオーナーのひとりとして、このような取り組みが今後ますます増えることを期待したい。

TAG: #アウディ
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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