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TEXT:TET 編集部
スズキ初の電気自動車「e VITARA」初公開! 完全新設計のBEV世界戦略車第一弾に期待大

スズキ初の電気自動車はクロスオーバーSUV 多くのメーカーが電気自動車(BEV)をラインアップに加えるなか、長らく内燃機関搭載車のみで戦ってきたスズキが満を持してブランド初の電気自動車を欧州にて発表した。 その名は「e VITARA」。2023年1月にインドで開催されたAuto Expo、次いで同年10月に日本で開催されたJAPAN MOBILITY SHOWで公開したコンセプトモデル「eVX」をベースとした量産仕様であり、スズキのBEV世界戦略車第一弾を担うモデルとなる。 エクステリアは、「High-Tech & Adventure」をテーマに、BEVの先進感とSUVの力強さを併せ持ち、冒険心を刺激する力強いたたずまいとなっている。大径タイヤとロングホイールベースによって、存在感もバッチリだ。 インテリアでは、フル液晶となったメーターパネルとセンターディスプレイが統合されたインテグレーテッドディスプレイがEVらしい先進的な印象をもたらす。また、タフさを期待させる独特の造形をもったパネル類やセンターコンソールは、レザーやピアノブラックなどといった上質な仕上げによって高級感も手にしている。 注目のパワートレインは、もちろん完全新設計。モーターとインバーターを一体化した高効率のeAxleと、安心・安全を追求したリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用する。 プラットフォームは電動車用に新設計された「HEARTECT-e」となり、軽量な構造、高電圧保護、ショートオーバーハングによる広い室内空間を特長としている。 また、同時に見逃せないのが4WDモデルだ。というのも、e VITARAの「VITARA」とは、悪路走破性に優れるスズキのSUV「エスクード」の海外名。それだけに、このe VITARAも単なる都会派SUVとは一線を画したタフネスさを備えている。 それを実現しているのが、「ALLGRIP-e」と呼ばれる新設計の電動4WD機構。これは前後に独立したふたつのeAxleを配置したもので、パワフルな走りだけではなく、レスポンスに優れた緻密なコントロールも可能としている。 また、片側のタイヤが浮くような路面でも空転したタイヤにブレーキをかけ、反対側のタイヤに駆動トルクを配分(LSD機能)することで悪路からスムーズに脱出できるTrailモードも備えるというから、その悪路走破性には期待していいだろう。 このe VITARAは、2025年春よりインドのスズキ・モーター・グジャラート社で生産を開始し、2025年夏頃から欧州、インド、日本など世界各国で順次販売を開始するとされている。 現段階では日本仕様の価格やスペックは未発表となっており、続報が楽しみなところだ。

TAG: #BEV #SUV #国産車
TEXT:TET 編集部
メルセデス・ベンツが新会社設立で「EV急速充電ネットワークの整備」を強化! 2026年末までに計100口の設置を目指す

メルセデス・ベンツが充電器を増設へ メルセデス・ベンツは日本で電気自動車(EV)の普及を加速させるべく、11月1日に新会社「メルセデス・ベンツ・ハイパワー・チャージング日本合同会社」の設立を発表した。 新会社は、高出力の急速充電ネットワーク(HPC:High Power Charging Network)の設置を通じて、すべてのEVユーザーにメルセデス・ベンツならではの充電体験を提供することを目的に、急速充電施設の設置及び運営を行う組織として設立された。 高出力の急速充電インフラ(HPC)の整備により、EVの充電時間を短縮し、EVユーザーの利便性向上が見込まれる。また、より急速充電ニーズの高い3大都市圏の周辺を中心に導入を進めることで、長距離移動時や基礎充電設備の不足による充電の不安を解消し、EVの実用性を高めるとしている。 なお、新会社「メルセデス・ベンツ・ハイパワー・チャージング日本」は、HPCの設置および運営事業に関して、大型蓄電池の製造・販売、EVチャージステーションのサービス展開で実績のあるパワーエックス社と事業提携し、共同で協議・検討を進めていくことを発表した。 これにより、充電設備のスペックならびに具体的な設置予定箇所は未公表ながら、2026年末までに25カ所50基、合計100口の急速充電設備を設置していく予定であることも発表。 ドイツのプレミアムブランド各社が急速充電ネットワークの拡充を推し進めるなか、メルセデス・ベンツも追随する姿勢を示したことは、同社のEQシリーズを検討および保有しているユーザーにとっては心強いのではないだろうか。今後の発展に期待したいところだ。

TAG: #パワーエックス #メルセデス・ベンツ #急速充電
TEXT:TET 編集部
2024年末の発売を目指すヒョンデ中型EVバスを展示! 「エレクシティタウン」が富士スピードウェイのホームストレートを走った

富士のストレートをEVバスが初めて走った日 2024年末からの発売を控えているヒョンデの新型中型EV路線バス「ELEC CITY TOWN(エレク シティ タウン)」が、10月27日に開催された「ジャパントラックショー in Fuji Speedway 2024」に展示された。 当日は富士スピードウェイのコース上を走行する姿も披露し、安全性と走行性能の高さを来場者にアピールした。なお、この走行は富士スピードウェイにおいて初めてEVバスがコースを走行した記念すべきシーンにもなった。 現在の日本市場においては、EVバスの国内外のメーカーラインアップが限られている。環境問題に対応できる車両の導入が、公共交通機関を運営する自治体や事業者などにとって急務である状況を踏まえると、適切なサイズでしかも部品供給体制が整い、アフターサービスの充実しているメーカーの参入が強く望まれていた。 そこで、ヒョンデは課題解決に向け、一定の需要が見込まれる郊外路線やコミュニティバスなどに向け、日本のバス車体規格ガイドラインに準拠し、日本市場のニーズに合わせた開発・設計を行って誕生させたのが、この「エレク シティ タウン」である。 すでに当サイトでお伝えしている通り、ヒョンデは同社が販売している大型観光バス「ユニバース」と同様に、部品の国内翌日納品率を95%以上にすべく初期部品在庫の準備を進めている。また、フロントガラスやサイドミラー、タイヤパンクなどについては、充実した修理・交換サービスの提供が予定され、導入自治体や事業者に対し、アフターサービスの充実性をアピールしている。 同時に、CHAdeMO急速充電器適合試験にも合格。日本独自のインフラ体制にも十分に対応していることを証明済みだ。 イベント当日には、8月から富士スピードウェイ初のEVオフィシャルカーとなった同社のハイパフォーマンスEV「アイオニック 5 N」も同時に展示された。 乗用車、バスの両面で、ヒョンデは日本市場でEVのリーディングブランドとして確固たる地位を築き上げようとしている。

TAG: #EVバス #hyundai #エレクシティ #ヒョンデ
TEXT:TET 編集部
補助金を受ければ約215万円で輸入EVが買える衝撃! BYD ドルフィンにお買い得な限定車と特別仕様車が登場

100台だけのスペシャルプライス! 衝撃的なプライスを提げて上陸し、多くの人の注目を集めることに成功したBYDから、日本での発売開始から1年を記念して、売れ筋モデルのドルフィンに記念限定車と2種類の特別仕様車が設定された。 注目は「BYDドルフィン ベースライン」と名付けれた記念限定車だ。なぜなら輸入車のBEV(バッテリー式電気自動車)として、初めて車両本体価格が300万円を切っている点にほかならない。 これに各種補助金を加味するとさらに安くなる。東京都で購入した場合を例にすると、35万円のCEV補助金、45万円の東京都の自治体補助金、エコカー減税などの税制優遇を含め、総額で約85万円の補助金が受けられる。そのため、実質の車両本体購入価格は215万円前後となり、軽EV並みの金額で普通車のBEVを購入できる算段となる。 この価格を実現した背景には、ベースモデルとなる「BYDドルフィン」の標準装備の見直しがある。元々、BEVのコンパクトカーとしては充実した装備を誇るドルフィンではあるものの、この記念限定車「BYDドルフィン ベースライン」では、充電ケーブル、NFCカードキー、フロアマット、三角表示板をオプション扱いにすることで価格を抑えているのだ。 また、購入後に複数回の利用実態アンケート、レポートに協力することが購入条件として設定されていることにも注意が必要だ。これらの諸条件はあるものの、ベースモデルから税込み63万8000円安い299万2000円の車両本体価格は、十分に魅力的な価格設定なはず。ボディカラーはサンドホワイト、アーバングレー、コーラルピンクの全3色展開。100台限りの特別価格なので、気になっている人はまたとないチャンスといえそうだ。 一方、ドルフィンの発売1周年を機に設定された2種類の特別仕様車「BYDドルフィン リミテッド」と「BYDドルフィン ロングレンジ リミテッド」の内容は次の通りだ。 「BYD ドルフィン リミテッド」 一充電航続距離が400kmのドルフィンをベースモデルに仕立てた「BYDドルフィン リミテッド」は、ボンネットとリヤフードに特別デザインのホワイト・グレーのストライプのラッピングを装着。レーシーなイメージを与えている。また、ETCとドライブレコーダーが特別装備されている点も嬉しい。 ボディカラーはサンドホワイトとアーバングレーの2種類を用意。各販売店の12月最終営業日までの受注生産となる。車両本体価格はベースモデルと同額の税込み363万円だ。 「BYDドルフィン ロングレンジ リミテッド」 もう1種類の特別仕様車「BYDドルフィン ロングレンジ リミテッド」は、その名の通り一充電航続距離を476kmまで伸ばした「ドルフィン ロングレンジ」がベースモデルだ。 フロントのヘッドライトからボディ側面のウエストラインを通り、リヤゲートのガラス下部を経て、ボディーを1周するストライプラインがラッピングで施されている。また、ドアミラーにも特別デザインのラッピングを施し、ロングレンジモデルならではのツートーンカラーをより際立たせている。 ボディカラーはサーフブルー×アーバングレー、アトランティスグレー×ブラック、スキーホワイト×アーバングレーの全3色。ドルフィン リミテッドと同様に、ETCとドライブレコーダーが特別装備され、各販売店の12月最終営業日までの受注生産となる。車両本体価格もベースモデルと同額の税込み407万円だ。 11月9日(土)、10日(日)には、ドルフィンの日本導入1周年を記念したフェアの開催も予定されている。詳しくはBYDのホームページで確認してもらいたい。

TAG: #BYD #特別仕様車 #限定車
TEXT:TET 編集部
中国地方にヒョンデが初進出! ショールーム付き施設「Hyundai Mobility Lounge 岡山」が誕生

国内4店舗目の「Hyundai Mobility Lounge」 ヒョンデにとって中国地方では初となるショールーム「Hyundai Mobility Lounge(ヒョンデ・モビリティー・ラウンジ) 岡山」が2024年11月9日(土)にグランドオープンする。 岡山市の中心部から児島へと伸びる県道21号線と、県道236号線が交わる野田の交差点近くにショールームを構えるのだが、ヒョンデが入居する以前のテナントの影響だろうか、大型立体駐車場を建物の背面に抱え、店舗前のスペースも広大でとにかく目立つ。 この施設は、ヒョンデのZEVの購入を検討する顧客をサポートし、最新のEVライフスタイルを提案する場所として設立するという。「Hyundai Mobility Lounge」としては京都四条、東京ベイ、富山に続く国内4店舗目であり、中国地方には初お目見えとなる。 店舗にはヒョンデの整備工場が併設されているから、EVの購入だけでなく、メンテナンスや買取サービスまでを提供する、総合的なサポート拠点として機能することになる。 Hyundai Mobility Lounge 岡山では、最新モデルの「IONIQ 5(アイオニック ファイブ)」や「KONA(コナ)」の車両展示・試乗体験が提供され、オンライン購入のサポートや納車・整備に関するサービスまで幅広く対応してくれる。また、全天候型のショールームには急速充電器も完備されている。 さらに、初めてEVを体感する方々に向けた魅力的なイベントの実施を計画し、ヒョンデの車両をより身近に感じてもらえる環境を提供していくとしている。 オープニングセレモニーには有村 昆氏も登壇予定 そんなHyundai Mobility Lounge 岡山では、11月9日(土)11時から12時まで、オープニングセレモニーが開催される。セレモニーではテープカットが行われるほか、特別ゲストに映画コメンテーターの有村 昆さんを招いたスペシャルトークショーの開催などが企画されている。セレモニー参加者には、Hyundaiオリジナルグッズのプレゼントなども予定されているそうだ。 また、同日の13時から19時、および翌10日(日)の10時から17時にかけては、レーシングシミュレーター体験や、キッチンカーによる食の提供など、家族連れで楽しめるイベントが開催される。特別割引やメンテナンスパッケージを含む限定キャンペーンも実施されるので、ZEVの購入を検討している岡山周辺の方々は、この機会に足を運んでみてはいかがだろうか。 ■「Hyundai Mobility Lounge 岡山」店舗情報 所在地 :岡山県岡山市北区野田2-14-28 営業時間:10時ー19時(※日曜日は17時まで) ※11月9日(土)のみ13時から19時 定休日 :毎週月曜日 電話番号:086-245-0310 ホームページ https://www.hyundai.com/jp/showroom

TAG: #hyundai Mobility Lounge 岡山 #ディーラー #ヒョンデ
TEXT:TET 編集部
EVモーターズ・ジャパンが小型・マイクロ・大型の新型「EVバス」3車種を発表! 細かなニーズに対応して自治体やバス事業者などのEVシフトを後押し

  これまでも全長12mのEV観光バスや8.8mのEV路線バスなど、さまざまなタイプのEVバスを開発・製造してきたEV モーターズ・ジャパンが、新たに「10人乗りの小型乗合バス」「EVマイクロバス」「大型路線EVバス」の計3車種の開発が完了したと発表した。 これら3車種でEVバスの選択肢を充実させ、従来以上に細かなニーズに対応し、自治体やバス事業者などのEVシフトを後押しするという。 今回追加された3車種のうち、EVマイクロバスの全長6.99mモデルを除いた車両は、先ごろ開催された「バステクin首都圏」で一般向けに初公開もされている。 両開き式乗降口が特徴の「小型乗合バス」 1車種目の「10人乗りの小型乗合バス」は、車名を「E1 乗合 エアサス仕様」という、全長5.38mのEVバスだ。エアサスを標準搭載したことにより、乗降口側の車高を落として床面を地面に近づけるニーリング機能が実装された。これにより最低地上高を270mm以下まで調整することが可能となり、高齢者や幼児、車いすの乗客がスムーズに乗り降りすることができる。 コンパクトなボディは、過疎地や入り組んだ住宅街の狭い道でも取り回しがよく、路線バスの経路を充実させる可能性を秘めている。また、乗降口は1か所ながら、開口部の広い両開きドアを採用しているので、買い出しで両手が塞がっているような状態や、ベビーカーの乗せ降ろしにも効果を発揮しそうだ。 E1 乗合 エアサス仕様の車両諸元は、下図をご覧いただきたい。 全長が異なる2タイプを用意する「EVマイクロバス」 2車種目の「EVマイクロバス」は、車名を「F8 series 1-Micro Bus」といい、全長5.99mと6.99mの2タイプがラインアップされた。じつはマイクロバスにはこれまでEVの設定が他社にもなく、EVモーターズ・ジャパンのものが国内初だという。 主な用途は、スクールバス、デマンド方式のバス、送迎バスなどを想定。バイワイヤ制御を標準搭載し、快適で安全な先進運転支援を実現しているのが特徴だ。 バッテリー容量は、全長に関わらず118kWhと共通。そのため、全長が長い6.99mモデルは航続距離が5.99mモデルに比べると10kmほど短くなる。ただし、低床のノンステップモデルは6.99mモデルのみに設定されるため、運行に求める乗降性や乗車定員に応じて各モデルを吟味する必要がある。 「F8 series 1-Micro Bus」の車両諸元は下図の通りだ。全長、床面構造、座席数が各タイプで異なる。 バッテリー容量を282kWhに拡大した新型「大型路線EVバス」 3車種目の「大型路線EVバス」は、車名を「10.5m 大型路線EVバス」という。これまで同社がライアンアップしていた同サイズのEV路線バス「F8 series2-City Bus 10.5m」に比べ、バッテリー容量が72kWh増え、282kWhに拡大。 これにより、航続距離が350km程度へと延長された。また、デュアルモーターを採用したことでスムーズな走行が可能となったのも特徴だ。 なお、「10.5m 大型路線 EVバス」の車両諸元は下図の通り。モノグレードのシンプルな構成だ。 この大型路線EVバスは、EVモーターズが本社を構える北九州市に建設中の体感型EV複合施設「ゼロエミッション e-PARK」で生産を行うことが予定されている。これにより、福岡県の新たな地場産業の創出や、雇用機会の創出による地域社会の発展が期待される。 同社は今後もニーズに応える製品および技術の開発に努め、環境エネルギーの浸透とゼロエミッション社会の実現へ貢献できるよう邁進していくと、改めて表明している。今後も同社の動きに注目していきたい。

TAG: #EVバス #EVモーターズ・ジャパン #新型車情報
TEXT:TET 編集部
EV化で最強オフローダーここに極まる! メルセデス・ベンツGクラスの究極形態「G 580 with EQ テクノロジー エディション1」が日本デビュー

電動化でGクラスが得たもの 1979年にNATO向けの軍用車両をベースに、民間用のクロスカントリービークルとして発売した「ゲレンデヴァーゲン」の誕生以来、連綿と続く改良を施し、その類稀なる堅牢さと突き詰められたオフロード性能に加え、グランドツアラーとしてのオンロード性能を磨き上げ、「究極の高級オフローダー」という唯一無二のポジションを確立したメルセデス・ベンツのGクラス。そのGクラスにも、ついに電動化の波が押し寄せた。 ハイブリッドなどという折衷案ではなく、100%電気自動車のBEVとしてGクラスに新たな価値観をもたらし、ラインアップに加わったのが今春ワールドプレミアされた「G 580 with EQ テクノロジー」だ。 それから約半年、2024年10月24日から「G 580 with EQ テクノロジー エディション1」として日本でも注文が開始された。 そこで、電動化により実現した新機能を中心に、初代ゲレンデヴァーゲンの誕生から45年という長い歴史のなかでも、最大級といっても過言ではないエポックメイキングな電気自動車「G 580 with EQ テクノロジー」について解説していきたい。 エクステリア 一目見てGクラスだとわかるスクエアボディはそのままに、G 580は後端が持ち上がったボンネットフードとリヤホイールアーチにエアカーテンを備えるなど、随所にこれがEVモデルであることを伝えている。 テールゲートに備わるボックスは、標準車の場合はスペアタイヤが中に収納されているが、G 580の場合は充電ケーブルや工具などを収納するためのスペースとしてあてがわれる。そのため、外観形状そのものも標準車とは異なり、やや縦長な印象だ。 今回導入されるG 580は、AMGラインパッケージが標準装備となるほか、ナイトパッケージやエディション1専用のブラック塗装20インチAMGホイール、ブルーのブレーキキャリパーなどの多くのエディション1専用装備が装着され、購入意欲を刺激する。 インテリア インテリアの基本デザインは標準車のものを踏襲するが、デフロック機能のスイッチ周辺はG 580専用に再設計され、後述するG-TURNやG-STEERINGの起動スイッチがレイアウトされ、ひと目でこれがEVモデルであることを識別できる。 ナッパレザーを贅沢に奢ったシートやダッシュボードはもちろんだが、随所にエディション1だけのブルーステッチが施され、先進テクノロジーを融合させた究極の高級オフローダーの内装にふさわしい仕上げとなっている。無論、車格に見合った快適装備も抜かりなしだ。 しかし、Gクラス初の電気自動車「G 580 with EQテクノロジー エディション1」の真価は、それら豪華な仕立てのエクステリアやインテリアの類ではない。なぜなら、電動化によりもたらされた技術革新があまりにも大きく、従来のGクラスでも十分に高かったオフロード性能がさらに進化したからだ。

TAG: #EQ #G580 #メルセデス・ベンツ #新型車情報
TEXT:TET 編集部
ヒョンデのEVコンパクトSUV「コナ」がワイルドに! 30台限定の特別仕様車「マウナ・ロア」登場

ハワイの壮大な山々がテーマのワイルド&タフな特別仕様車 ヒョンデのコンパクトSUV電気自動車「KONA(コナ)」に、日常からアウトドアまでさまざまなシーンで存在感を放つ、オフロードテイストの内外装を纏った特別仕様車「KONA Mauna Loa(コナ・マウナ・ロア)」が、全国30台の限定車として10月25日から販売が開始された。 一見聞きなれない「マウナ・ロア」というグレード名は、車名の「コナ」と同様にハワイに由来し、「長い山」という意味のハワイ語なのだそう。ハワイの壮大な山々をテーマに、自然に溶け込むデザインでありながら、市街地でもスマートに走行することができるモデルとして名づけられたそうだ。 「コナ・マウナ・ロア」は、最大容量の64.8kWhのバッテリーを搭載し、コナのなかでも一充電走行距離が625kmと足の長いグレード「Voyage(ボヤージュ)」をベースにして仕立てられている。 ボディカラーには、自然を感じさせる「マウナ・ロア」専用の“ミラージュグリーン”が国内初採用された。また、バンパーやホイールアーチなどには艶を抑えワイルドな質感と傷にも強い「ワイルド&タフ ブラック塗装」が施され、ブラックアウトされたサイドモールディングとの相乗効果で、力強い印象を与えている。 インテリアにも、国内未導入の新色”セージグリーン2トーン”を採用し、外装色との調和を意識したコーディネートがされている。また、シート生地にはベース車に設定のない本革を使用することで、上質感をプラス。そこにイエローのアクセントを施すことで、「マウナ・ロア」の遊び心が演出されている。 専用アクセサリーとしては、ルーフクロスバーが付属されていたり、ラバー製のオールウェザーフロアマット、ラゲッジマットを装備することで、レジャーシーンでの利便性を向上させている。 足元には、ウェッズとの共同開発によるコナ専用のマットブラック16インチアルミホイールと、全天候に対応するホワイトレターのオールテレーンタイヤを装備。標準車からホイール径を1インチ落とすことで、タイヤのボリューム感を目立たせると同時に、悪路での走破性を向上させている。 特別仕様車「コナ・マウナ・ロア」は、標準車が持つ使い勝手の良さや快適性をスポイルすることなく、レジャーシーンでの実用性とタフでワイルドな印象をプラスしたギア感あふれるEVだ。さらに、ハワイの山々をイメージして名づけれらた同車ではあるが、山遊びだけでなくサーフシーンにもよく似合いそうだ。30台限定となるこの特別仕様車の車両本体価格は、税込み495万円となっている。 ■ヒョンデ「KONA Mauna Loa(コナ・マウナ・ロア)」専用装備 ボディカラー(ミラージュグリーン) ワイルド&タフブラック塗装 (フロント/リヤバンパー、ホイールアーチ、サイドガーニッシュ、ドアミラーカバー) ドアベルトラインブラックモールディング マッドガード(フロント/リヤ) インテリアカラー(セージグリーン2トーン、イエローアクセント付) 本革シート ■専用アクセサリー ウェッズ製16インチアルミホイール(マットブラック) 205/65R16オールテレーンタイヤ(ホワイトレター) ルーフクロスバー オールウェザーフロアマット オールウェザーラゲッジマット マットブラックエンブレム(フロント/リヤシンボル、リヤロゴ)

TAG: #hyundai #KONA #ヒョンデ #限定車
TEXT:TET 編集部
機動性の高さで孤立した被災地に電気をお届け! EVジェネシスが「小型EV電配車」を開発

日常使いできる小型EVを災害時には電気配達車に変身させる ペロブスカイトソーラーパネルを利用した、充電不要の小型EVモビリティ「スリールオーター」を開発しているEVジェネシスが、災害時の停電や孤立してしまった地域に電力を供給する「小型EV電配車」を開発した。 EVジェネシスによれば、次世代ソーラーパネルによって充電できるリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを搭載した小型EV三輪車で、電気を届ける仕組みは世界で初めての試みだという。 頻発する自然災害により、各地で避難所生活やライフラインの寸断が発生し、とくに山間部や海岸沿いの険しい地形で生活をしている住民においては、大型車両の通行が難しいゆえに復旧作業が長期化、一層生活を困難なものにしている。そのような事情を鑑みて、小型車両で迅速に被災地へ電力を届けるために開発されたのが、この「小型EV電配車」だ。 車両には、EVジェネシスが自社開発したリン酸鉄リチウムイオンの走行用バッテリーと電配用バッテリーが搭載されている。2種類のバッテリーを完全に分けて使用することで、より多くの電力を被災地に供給することができる。 走行用バッテリーは電圧64V、容量4.8kWh、サイズ520×315×200mmのものを搭載し、航続可能距離は150kmという性能。 一方の電配用バッテリーは少しでもたくさんの電気を被災地に届けられるよう、電圧は同じながら走行用に対し約1.2倍となる容量5.8kWhのものを搭載している。当然ながらサイズも660×410×310mmへと拡大。 供給能力としては、電配用バッテリー1台でスマートフォンが600台分充電でき、乳幼児のための電気ポット、スポットクーラー、冬場の電気毛布など、さまざまな電気機器に電力を供給することができると発表されている。なお、小型EV電配車にはこの電配用バッテリーを最大3台まで搭載することができるという。 これらのバッテリーと充電器は、今後海外での事業展開を念頭に開発され、CE、UN、FCC、MSDS、RoHSなどの安全基準を取得している。また、電気安全法に基づくPSEの安全試験にも合格したほか、IP67の防水性能を持つことから、ペロブスカイトソーラーパネルから発電した電力を、あらゆる気象条件下で給電することが可能になる。 車体である「スリールオーター」に関しては、通常時は「働くクルマ」として日常業務に利用しながら、災害時にはソーラーパネル、リン酸リチウムイオンバッテリー、ノーパンクタイヤ、特殊カーテンから成るオプションのプロテクターを装着することで、災害時に特化した車両へと変化するのが特徴だ。 普段、何の気なしに街ですれ違う小型EVが、ある日突然ピンチを救ってくれる救世主になる。そんなスーパーマンのような活躍が期待されるEVジェネシスの小型EV電配車。災害対策として市町村に配備が進めば、普段は環境負荷の少ない業務車両として使いつつ、たまに行う屋外での小規模イベント開催時には電源として活用すれば、導入効果も高いだろう。ぜひ今後の普及に期待したい小型モビリティである。

TAG: #EVジェネシス #小型EV #災害支援
TEXT:TET 編集部
ヒョンデのEVを買うとテラチャージの充電が1年無料になるってよ! ただし横浜・川崎・世田谷のテラチャージ充電器設置済みマンションに限る

地域・期間限定ながら1年間充電無料ってお得すぎ 電気自動車(EV)向けの充電サービスを行っている「Terra Charge(テラチャージ)」の充電器が設置されているマンションの住民で、ヒョンデのEV「KONA」または「IONIQ 5」を購入したユーザーを対象に、1年間マンション内での充電が無料になる「EV充電器設置マンション向け KONA・IONIQ 5購入キャンペーン」が開始された。 これは、ヒョンデとテラチャージが協業し、ヒョンデはEVの拡販を狙い、テラチャージは充電サービス設備の普及と利用率向上を目的として始まった第1弾企画だ。 すでにテラチャージの充電設備が設置されている神奈川県横浜市と川崎市、東京都世田谷区内の当該マンションの居住者で、EV関心度の高い人やEVへの乗り換えがハードルになっている人に向けて、購入の後押しをする地域・期間限定のキャンペーンだとヒョンデは説明している。また、基礎充電が無料になることで、思う存分EVの良さを体感しながら、各地へ出かけてみてほしいという思いも込められているようだ。 このキャンペーンを通じて「IONIQ 5」や「KONA」を新車購入した場合、先述の通りマンション内のテラチャージが1年間無料で充電できるほか、ヒョンデ・カスタマー・エクスペリエンス・センター横浜では、ショールーム来場記念プレゼントとして、特製ヒョンデクッキーがもらえるという。 年内12月31日(火)までの期間限定キャンペーンなので、横浜市、川崎市、世田谷区でテラチャージの充電器が設置されているマンションにお住まいの方は、どうぞお早めに。

TAG: #hyundai #キャンペーン #テラチャージ #ヒョンデ
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VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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