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TEXT:TET 編集部
「航続距離保証付き中古EVリース」でレアメタルの海外流出を防げ! 国内3社による中古EVを利用した画期的新サービスが始まる

レアメタルの塊なEVの約8割は海外流出している危機的状況 スマートフォンには貴重で高価なレアメタルが多く使用されていることから、故障品、機種変更等による代替の場合、本体の回収が積極的に進められていることは周知の事実だろう。そして、状態に応じて中古品として市場に出まわる場合や、レアメタルを抽出してバッテリーや電気機器の生産に活かされているケースも少なくない。 しかし、ことEVに関してはどうだろうか? 乗らなくなったら買い取り業者かディーラーへ下取りに出すのが一般的だと思うし、そうしたクルマを売買する行為そのものは、例え電気自動車であったとしてもそれまでの内燃機関(ICE)を搭載したクルマとさして変わるところはないはずだ。 だが、日本国内では、ICE車が新車登録から2オーナー、3オーナーと所有者を変えながら10年超は国内で利用されているのに対し、EVに関しては新車登録から5~7年程度の比較的高年式な個体であっても、国内需要の乏しさもあり、約74%が海外に輸出されているそうだ。これでは貴重な資源が国内循環せず、各産業の資源調達コストの抑制や産業発展にはつながらないばかりか、多量のレアメタル、レアアースをみすみす他国に献上しているようなものだ。 その状況を打破しようと動き出したのが、循環型流通事業のコンサルティングや中古医療機器、ブランド品、クルマなどのオンラインオークションを行っている「オークネット」と、リース大手の「東京キャピタル」、そして「三菱HCキャピタル」の3社だ。 EV導入でカーボンニュートラル化を加速させるために必要のこととは? 国内の新車販売におけるEV販売シェアは年々上昇しているものの、それでも2023年時点で1.6%に達したに過ぎない。個人所有はもちろんのこと、事業用車両としてEVの導入を検討している企業にとって、車種構成の少なさや利用料金の高さから、新車EVのリースは勢いを欠いているのだという。 ならば、中古EVで企業のカーボンニュートラル化を進めよう!……と思っても、リチウムイオンバッテリーの性能劣化による航続距離の低下に懸念を抱き、導入を見送るケースが少なくないという声もある。 これらの理由により、比較的状態のよい中古EVであっても、需要がなく市場流通しない。オークネットが直近10カ月のオートオークションの結果を調べたところ、先述の通りバッテリーの劣化がそれほど進んでいない、新車登録から5~7年程度の中古EVのうち、約74%が海外に輸出されてしまっているというのが現状だ。 そこで、まだ十分利用できる中古EV、ならびにそこに搭載されている貴重資源の海外流出を防ぐべく、オークネットがリース大手の東京センチュリー、三菱HCキャピタルと「航続距離保証付き中古EVリースサービス」の構築に向け基本合意書を締結したと、2024年12月16日に発表した。 航続距離保証付き中古EVリースサービスの概要は次の通りだ。 1.オークネットが保証する航続距離(リース開始時のEVバッテリー劣化度合を加味した、満充電時の航続距離)を付した中古EVを、提携リース各社が関係会社を通じて提供する 2.万一、リース契約期間中に保証する航続距離を走ることができなくなった場合は、リース契約を解除する、もしくは、再度航続距離を満たす車両に交換することを可能とする 3.リース期間中の故障についても、オークネットと提携リース各社との規定に従った保証を受けることを可能とする また、リース後の車両(新車登録後8~10年程度経過)は、オークネットが買取り、使用済みEVバッテリーを活用したリパーパス製品流通プラットフォーム「Energy Loop Terminal(エナジー・ループ・ターミナル)」を通じて、リパーパス(製品における使用を終えたものを、目的を転じて別の製品に組込んで再度活用すること)による資源循環を進めていくという。 使用済みEVバッテリーをリパーパス製品として価値をつなぐ エナジー・ループ・ターミナルとは、EVに搭載されていた使用済みEVバッテリーを、診断結果や買い手企業のニーズに応じてリパーパス製品として流通させることを目的とした、B to B向けの流通プラットフォームだ。 2024年8月にリリースされたエナジー・ループ・ターミナルは、オークネットがプラットフォームの開発・運営・顧客開拓等を行い、パートナー企業のMIRAI-LABOがバッテリーの劣化診断業務と、バッテリーマネージメントシステム(BMS)付きバッテリーおよびリパーパス製品の商品化および製品保証、評価業務などを行う。 こうすることで、航続距離保証付き中古EVリースサービスでの利用を終えたEVバッテリーは、リパーパス製品設計事業者や製造事業者、リサイクル事業者などにその価値をつなぎ、国内のサーキュラーエコノミー実現に貢献していく構えだ。 また、オークネットは、中古EVの導入先が日々運行するのに必要な航続距離をデータ取得により算出し、バッテリーの劣化度合を加味して算定した満充電時の航続可能距離を保証する。そして東京センチュリーは、新車EVに比べ安価なリース料金で顧客に提供する考えだ。 東京センチュリーが発表したリリースのなかでも、自社グループ全体で約70万台ある車両管理台数のうち、EVの管理台数を2030年までには10万台へ引き上げる旨が語られており、EVシフトに積極的な姿勢だ。だからこそ一充電走行距離が保証されている中古EVを、安価に提供することにも積極的な動きを見せることが予想される。 カーボンニュートラルに向け産業界全体が電動化シフトを進めるなか、EVへの転換に二の足を踏んでいた企業にとって、自社の車両利用実績を分析のうえ、必要十分な航続可能距離をもった中古EVを保証付きでリースできれば、安心かつコストの低減にもつながるだろう。EVの利活用促進と、貴重な資源の国内循環活性化の両面から、期待の持てる取り組みになりそうだ。早期の実現を期待したい。

TAG: #バッテリー #レアアース #中古車
TEXT:TET 編集部
全国35店舗目のBYD正規ディーラーが早くも誕生! 「BYD AUTO 滋賀」が2025年1月11日にオープン決定

京都からのアクセスも良好な新店舗 滋賀県に初のショールームを備えたBYDの正規ディーラーが誕生する。オープンは2025年1月11日(土)で、全国で35店舗目となる正規ディーラー「BYD AUTO 滋賀」として開店する。ちなみに現在、BYDはショールームは備えていないものの試乗や購入に関する相談および購入後のアフターサービスの受付などが可能な開業準備室を含めると、計59の拠点が存在する。 2025年1月だけでも、広島県福山市に3日オープンする「BYD AUTO 福山」に続き、この滋賀で2店舗目の正規ディーラーがオープンすることとなり、そのネットワークはまだまだ拡大中。展開のペースもかなり早い。 なお、今回発表された「BYD AUTO 滋賀」は、JR南草津駅や名神高速道路の「草津田IC」からほど近く、周辺地域からのアクセス性に優れた国道1号線沿いに位置している。ショールームを備え、シールやアット3、ドルフィンなど、注目車種計5台を展示予定だという。 もちろん、専用のサービス工場も併設されるから、購入後のアフターサービスも万全の体制だ。 これまで近畿エリアのBYD正規ディーラーは、大阪府吹田市の「BYD AUTO エキスポシティ」より東側に店舗がなかったため、京都府・滋賀県に在住でBYDのクルマが気になっていた方には「BYD AUTO 滋賀」のオープンは朗報といえよう。試乗も可能な店舗なので、お近くの方は足を運んでもらいたい。 ■BYD AUTO 滋賀 〒525-0053 滋賀県草津市矢倉2丁目6-10 2025年1月11日(土)オープン 営業時間:10:00~18:30 定休日 :毎週水曜日 電話番号:077-516-6116 メール :byd-shiga@libertynet.jp 運営会社:リバティ

TAG: #BYD #ディーラー
TEXT:TET 編集部
フォーミュラE開幕戦は波乱続きで赤旗2回の大荒れ! ジャガーのエバンスが最後尾スタートからまさかの大逆転優勝

予選から波乱の連続! どうなるサンパウロePrix 電気自動車の最高峰レース「ABB FIA フォーミュラE 世界選手権」のシーズン11が、12月7日(土)にブラジルのサンパウロ市街地コースで開幕した。 今シーズンはデュエル予選、決勝スタート時、アタックモード使用時に最大パワーを350kW(通常時は300kW)に引き上げると同時に、フロントホイールも駆動させ四輪駆動で走行する新型マシン「GEN3 Evo」を全車が使用することになり、レース中のエネルギーマネージメントと、二駆と四駆がレース中に切り替わることでのドライビングとレース展開の変化に注目が集まった。 決勝レースに先立って行われた予選では、最初のグループ予選でシーズン10のチームチャンピオンであるジャガーTCSレーシングのミッチ・エバンスがマシントラブルから戦線離脱。まさかの最後尾スタートとなった。チームメイトのニック・キャシディも精彩を欠いたことで、ジャガーは2台揃ってセカンドステージとなるデュエル予選への進出を逃す波乱の展開からスタートした。 なお、今シーズンからパワートレインの供給を開始したローラ/ヤマハは、好走を見せたものの14・19番手スタートとなった。 続くデュエル予選では日産のオリバー・ローランドが躍進を見せるも、最後はディフェンディングチャンピオンであるポルシェのパスカル・ウェーレインがコンマ1秒上まわり、シーズン11最初のポールポジションを獲得した。 決勝2周でセーフティカー出動 決勝のスタートでも波乱が起きた。ダミーグリッドから動き出した直後、ジャガーのパワートレインを積むエンビジョン・レーシングのロビン・フラインスがまさかのトラブルでストップ。マシン撤去のためにスタート進行が一時中断する騒ぎが起きた。 レースのスタートは四輪駆動・350kWのパワーによりF1を凌ぐ加速力で全車一斉にターン1になだれ込む。ここで抜群の蹴り出しを見せたのは日産のローランド。イン側から一気にポールのウェーレインを交わしてトップに立つ。 2周目にはマセラティのジェイク・ヒューズと、ポルシェのパワートレインを使用するアンドレッティのニコ・ミュラーが絡み合うようにクラッシュ。両者コースサイドにマシンを止めてしまう。これにより早くもレースはセーフティカーが導入され、全車追い越し禁止に。 なお、フォーミュラEではセーフティカーが3分30秒走行するごとに、レースのラップ数が1周ずつ追加されていく仕組みが採用されている。結局、このセーフティカーランは9分40秒ほど続き、31周のレースにアディショナルラップが数周加わることが確定した。 このセーフティカー中にも波乱は続く。日産のパワートレインを積むマクラーレンチームの2台、さらに日産チームのノーマン・ナトーに最大出力を超えて走行したことによるペナルティが発動される。これでローランドを除く日産勢は一時最後尾近くまでドロップダウンしてしまう。 6周目にレースが再開されると、中断グループで数台がコース外側に設置されたアタックゾーンを通過。最大出力が50kW増え、駆動方式も後輪駆動から四輪駆動に変わるアタックモードが起動し、追い上げ開始。 すると、アタックモード使用組のトップ、10番手を走行するジャガーのニック・キャシディは、モード使用開始からわずか2分30秒で、前を行く9台を一気にパスしトップに躍り出る。GEN Evo3マシンはストレート区間の中盤での伸びが凄まじく、その効果は絶大だ。 前シーズンまでは、ある意味で消化義務で仕方なく起動していたアタックモードだが、今シーズンは目に見えて効果を発揮し、この様子を見た各車はこのあと続々とアタックモードを起動させ、目まぐるしく順位が変わり始める。 ここでもっともジャンプアップしてきたのは、最後尾スタートのジャガーを駆るミッチ・エバンス。2周目までに7台を抜いて15番手まで順位を上げ、その後もジワリとポジションを上げてはいたものの、このアタックモードで一気に4番手まで進出してきたのだ。 15周目、自力でトップに返り咲いていたローランドが、満を持してこの日1回目のアタックモードを2分間起動。後続を引き離しにかかる。 20周目、ここまでトップ6圏内を常に走行していたアンドレッティのジェイク・デニスが、ターン1をオーバーラン。どうもリヤの緊急ブレーキが作動したような止まり方で、ターン1に集団でアプローチするなか、間一髪で前走車への追突を避けながら、ランオフエリアにエスケープし立ち往生した。この影響でレースは赤旗中断。全車ピットレーンでの待機となる。 この赤旗に泣かされたのは、日産のローランド。トップ集団でもっともアタックモードの使用時間を長く残し、トップ返り咲きを狙っていたものの、モードを起動させた直後に赤旗が掲示され3分半近くあった使用時間がピットで無残にも消化されてしまった。 一方で笑ったのはジャガーのニック・キャシディ。赤旗時点でアタックモードの使用機会を残しているマシンのなかでは最上位の6番手。4分の使用時間を残していた。1回目の起動時に9台抜きを演じただけに、レースが再開されればトップに立つことが容易に想像できた。 そのほか、11番手のミッチー・エバンスをはじめ、後方にはあえてアタックモードの使用を残して、後半のスパートに賭けるマシンが6台ほどいる状態となった。

TAG: #フォーミュラE #モータースポーツ
TEXT:TET 編集部
自動車メーカーが作ったウェアラブルロボット誕生! Hyundai Motor CompanyとKiaの新ブランド「X-ble」が現場作業員の負担軽減に貢献

高所作業を助ける「X-ble Shoulder」とは 韓国のHyundai Motor CompanyとKiaが、産業現場での作業者の効率を高め、筋肉や骨、じん帯や関節などの筋骨格系の怪我を減らすことを目的に開発したウェアラブルロボット「X-ble Shoulder(エックスブル・ショルダー)」を発表した。 この「X-ble」という名前はウェアラブルロボットのブランド名で、Hyundai MotorとKiaのロボティクスラボで開発された製品に今後付けられるものだという。 エックスブル・ショルダーは、頭より高い位置で腕を上げながらする作業に対し、着用者の上腕の筋力を補助する。肩にかかる負荷を最大で60%、前部/外側三角巾の活動を最大30%削減することで、作業従事者の上肢骨格系への負担を軽減することができるのが特徴だ。 カーボン複合材料と耐摩耗性材料を使用することで、軽量ながら高強度で長時間の作業も無理なく安定して行うことができる。また、体に直接触れる部分には、自動車のクラッシュパッド上部に使われている耐衝撃性材料を採用し、産業現場で起こりうる怪我から着用者を守る点も見逃せない。 最大の特徴は、無動力のトルク発生構造により、電気系統に代わり筋肉補強モジュールを通じてアシスト力を発生させている点だ。別途充電する必要がないうえ、バッテリーを搭載しないため軽量かつ安全でもある。また、ロボットコンポーネントはモジュール式になっており、ベストは取り外して洗濯することができるので衛生的。 補助力は、筋肉補強モジュール内の特許取得済みマルチリンク構造により生み出される。マルチリンク内の各リンクは、さまざまな作業環境において最適な補助力が得られるように調整が可能だ。このモジュール自体も、産業環境において折りたたんで広げる動作を年間約70万回行うことを想定して設計され、耐久性も兼ね備える。 重量は約1.9㎏で、着用者に合わせてサイズ調整が可能。ボディの長さは406mmから446mmの間で調節できる。腕は0度から180度まで動かせるため、作業中や休憩中の動きを妨げることがないという。 これらの仕様や構造は、2022年から2024年にかけてHyundai MotorとKiaの工場で働く約300名の作業員と衛生健康管理者を対象に行った、パイロットトライアルからフィードバックされた情報や提案、要望により決定されたのだという。

TAG: #ウェアラブルロボット #ヒョンデ
TEXT:TET 編集部
ケータハム「プロジェクトV」のバッテリーは最新の冷却技術を採用! 優れた放熱性と安全性と高いエネルギー密度を持った「液浸冷却バッテリーパック」に超期待

採用するのは最先端バッテリー「液浸冷却バッテリーパック」 現在、日本のVTホールディングスの傘下にいる英国の老舗ライトウェイトスポーツカーメーカーのケータハムは、次世代のEVスポーツクーペ開発計画「プロジェクトV」を進めている。 「プロジェクトV」は、ライトウェイトスポーツ、シンプル、ファン・トゥ・ドライブという、ケータハムのドライビングプレジャーを最重視するDNAを受け継ぐEVスポーツクーペであるとケータハムは説明している。現在は量産・市販化に向けて、開発パートナー各社と、2025年の完成を目指してプロトタイプ車両の開発・製作が進行中だ。 そして2024年12月9日、今年10月にEVの主要コンポーネントである「eアクスル」の供給をヤマハ発動機から受けることを発表したのに続き、バッテリーに台湾のXing Mobility Inc.(シン・モビリティー)が開発した最先端の車載バッテリー冷却技術である「液浸冷却バッテリーパック」を採用することが、VTホールディングスから発表された。これによりプロジェクトVの主要部分が徐々に明らかになってきた。 シン・モビリティーが開発した液浸冷却バッテリー「IMMERSIO™ Cell-to-Pack (CTP)」は、優れた放熱性、安全性、そして高いエネルギー密度を特徴としたバッテリーパックなのだという。バッテリーのセルを誘電性の液体に浸す液浸冷却技術で、迅速かつ均一に放熱することで高い安全性を誇り、最大200Wh/kgというトップクラスのエネルギー密度を実現しているそうだ。 シン・モビリティーというまだまだ聞き馴染みのない会社ではあるが、テスラとパナソニックの元技術者によって2015年に設立された、台湾に生産工場を持つバッテリーパックメーカーであり、液浸冷却バッテリー技術においては世界的な先進企業なのだという。 日本との関係も浅からぬもので、チューニングパーツの製造開発の大手メーカーで、近年はEV用交換式バッテリーパックの開発およびその実証事業など、サステナブル商品にも力を注ぐエッチ・ケー・エスと、EV事業における戦略的協業を発表している。 ケータハムのプロジェクトVは、ただライトウェイトEVスポーツクーペを開発するという単純な話ではなさそうだ。こうした液浸冷却バッテリーにみられる最先端技術を取り入れた、非常に高度なスポーツクーペになるのかもしれない。2025年1月の東京オートサロンでは、再びプロトタイプが展示されるということなので、さらに開発が進展していることを期待したい。

TAG: #ケータハム #スポーツカー
TEXT:TET 編集部
トルク増大でより俊敏なパフォーマンスを発揮! アウディ「Q4 e-tron」が大幅アップグレード

Q4 45 e-tronは40と比較して何が変わった? アウディの電気自動車(EV)は、車名に「e-tron」の名を冠する。大型SUVのQ8 e-tronを手始めに、クーペのような流麗なボディフォルムをもつ4ドアグランツーリスモのe-tron GTがその後デビューし、そしてここで取り上げるプレミアムコンパクトSUVのQ4 e-tronが、アウディのEV第3弾として登場した。 それから月日を経て、このたびQ4 e-tronに大幅なアップグレードが施され、それまでのQ4 40 e-tronおよびQ4 スポーツバック 40 e-tronから、それぞれ数字を5つずつアップさせ、Q4 45 e-tron/Q4 スポーツバック 45 e-tronとしてデビューした。今回のアップデート注目ポイントを項目ごとに見ていこう。 ボディ形状が異なるふたつの「Q4 e-tron」 Q4 e-tronと一概にいってもボディタイプはふたつ存在し、「Q4 45 e-tron」はSUVらしい存在感のあるマッシブなボディ形状を持つ。 一方の「Q4 スポーツバック 45 e-tron」は、リヤハッチをスラントさせたクーペスタイルのフォルムをまとい、パーソナル感を強めたSUVとなっている。 全長4590mm、全幅1865mmというサイズは両モデルに共通しているが、荷室容量は意外にもリヤハッチを傾斜させたQ4 スポーツバックの方が15リッター多く、535リットルになるという。 アップデートの目玉は+235Nmの大トルク 今回のアップデートは動力性能の向上に重点が置かれ、両モデルとも従来型に比べ出力が60kW強化され、最高出力が210kWに増強された。さらにトルクは235Nmも増え、最大トルク545Nmを発揮するまでに至った。 システム電圧400V、総電力量82kWh(正味容量77kWh)の駆動用バッテリーが前後アクスル間の床下に搭載され、リヤアクスルに搭載された1基の電気モーターが後輪を駆動する。これにより0-100km/h加速は6.7秒をマークする。 回生ブレーキの効きはパドルシフトで3段階に調整が可能で、最大レベルの3はいわゆるBモードに該当し、アクセルペダルだけで速度調整ができるワンペダルドライブの間隔を味わうことができる。 最高出力が大幅にアップしたにもかかわらず、より綿密な制御を行うことで一充電走行距離は従来比+19kmの613kmに達するという。なお、200Vの普通充電は3kWを標準とし、オプションで最大8kWまで対応。急速充電はCHAdeMO規格の125kWに対応しており、理論値ではあるが残量5%から80%までの充電が38分で可能な受け入れ能力を持つ。

TAG: #e-tron #Q4 #SUV #輸入車
TEXT:TET 編集部
0-100km/h加速3.8秒の俊足セダンが「実質500万円未満」ってもはや価格崩壊!? 補助金増額で「BYD SEAL AWD」がさらに安く買える!

CEV補助金の増額で買い得度マシマシ 動力性能の高さや、一充電航続距離の長さ、優れた内外装のデザインなど、コストパフォーマンスに優れたEVスポーツセダンとして一目置かれているBYDの「SEAL(シール)」が、少しお安く買えるようになった。 それは、シールの四輪駆動モデルである「シール AWD」に適用されるCEV補助金が、従来の35万円から45万円に増額されたからだ。 BYDシールの後輪駆動モデルと四輪駆動モデルは、日本での発売以来、両モデルで合計1000台を上限とした導入記念特別価格が適用されている。それによる車両本体価格は、後輪駆動モデルの「シール」が税込495万円、四輪駆動モデルの「シールAWD」が税込572万円というプライスタグを掲げ、すでに約600台を受注しているという。 今回のCEV補助金の増額は、後者の四輪駆動モデル「シールAWD」のみに適用されるものだ。これにより東京都内で購入および登録を行った場合は、国と東京都の補助金を合わせて、最大で約90万円もの優遇を受けることができる。その結果、実質的な購入価格は税込み約482万円となる。これはかなり魅力的な価格ではないだろうか。 BYD シール AWDは、後輪駆動モデルに対しフロントモーターが追加され、最高出力160kW、最大トルク310Nmのエクストラパワーで0-100km/h加速を3.8秒でこなす俊足セダンだ。それが500万円未満で購入できるのだから、昨今の物価上昇を鑑みれば、完全に価格設定がバグっている。本国では年次改良モデルがデビューしているが、日本への導入時期は未定だ。迷っている暇などない。導入記念キャンペーン価格が適用されているいまのうちに、買いに急ぐべきだ。

TAG: #BYD #CEV補助金 #SEAL
TEXT:TET 編集部
小さくても安全は揺るがない! ボルボ最小のSUV「EX30」がユーロNCAP安全性テストで最高評価を獲得

安全性にこだわるボルボは自車の周囲にも気を配る徹底ぶり ボルボの電気自動車(EV)ラインアップのなかでもっともコンパクトなSUV「ボルボEX30」が、最新のユーロNCAP安全性テストで最高評価の5つ星を獲得した。 ユーロNCAPは、ヨーロッパにおける代表的な自動車の安全性を評価するプログラムだ。市販されている車両の安全性能について、消費者が十分な情報に基づいた判断ができるようにするため実施されている。 これには車内の乗員安全性だけでなく、クルマ対クルマ、歩行者との衝突といった車外に対する安全性も評価項目に含まれる。つまり、万一の事故に対し、ドライバーおよび同乗者の保護性能だけでなく、オフセット衝突時の相手方車両への衝撃の加わり方であったり、歩行者への傷害軽減にも配慮したクルマづくりが評価につながるのだ。 ボルボはかねてから安全性に強いこだわりを持つメーカーだ。「EX30で私たちは、交通量の多い市街地で乗員だけでなく周囲の人々にも配慮したコンパクトSUVを作り上げ、シティ・セーフティを次のレベルに引き上げた」とボルボ・セフティセンターの責任者は自己評価している。 これには公式テストの基準を大きく上まわり、より複雑な現実世界で起き得るさまざまなシナリオに対応できるよう設計されていることが要因だという。 ドライバーエラー、ドライビングミスに対し積極的に働きかけるアクティブセーフティシステムを高次元に設定していることは当然のこと、さまざまな不測の事態に備えたパッシブセーフティシステムがEX30には備わっている。 例えば市街地で予期せぬタイミングでほかのクルマが自車の前を横切った場合には、自動ブレーキが介入しクルマを停止させる「インターセクション・サポート」がある。また、歩道に寄せて駐車しドアを開ける際に、自転車が脇を通り抜けようとすると資格と音声による警告でドアと自転車が接触するのを防ぐ「ドア・オープニング・アラート」などがそれである。 そうした日常使いでヒヤッとする瞬間の事故リスクを軽減することが、ボルボらしくもありユーロNCAP安全性テストでの最高評価につながっているのだろう。

TAG: #EX30 #ボルボ #安全性テスト
TEXT:TET 編集部
全国で34店舗目となるBYDディラーは広島県で2店舗目! 「BYD AUTO 福山」が1月3日にグランドオープン

全国では34店舗目となるBYD正規ディーラー 広島県内では2店舗目となるBYDの正規ディーラー店舗「BYD AUTO 福山」が、2025年1月3日にオープンすることが決まった。同店のオープンにより、BYDの正規ディーラー店は全国で34店舗となる。 広島県東部の経済・交通の中心地として栄える福山市に位置するBYD AUTO 福山は、約300平米の広々とした新築のショールームを備える。その店内にはミドルサイズSUVのATTO3(アットスリー)、コンパクトカーのドルフィン、スポーツセダンのSEAL(シール)など、BYDのEVが計7台展示される予定だ。 また、専用のサービス工場も併設しているので、購入後のアフターサービスも万全といえる。 BYD AUTO 福山は、1月3日のグランドオープンに先駆けて、店舗準備期間として2024年12月7日(土)にプレオープンする。もちろんプレオープンであっても、一般の来場に対応してくれるというので、近隣の方は足を運んでみてほしい。 ■「BYD AUTO 福山」店舗概要 〒720-0801 広島県福山市入船町3-3-7 2025年1月3日(金)グランドオープン ※12月7日(土)プレオープン 営業時間:9:30~19:00(土日祝日は20:00まで営業) 定休日 :毎週火曜日、水曜日 電話番号:084-944-7888 メール :byd-auto.fukuyama@hshd.jp 運営会社:サンヨーオートセンター

TAG: #BYD #ディーラー
TEXT:TET 編集部
「クルマづくり」と「システム最適化」を分業して自動運転バスの普及を目指す! アイサンテクノロジーが「Minibus 2.0」の販売を開始

自動運転のパイオニアと測量システムの雄がタッグを組む 現在、全国各地で社会実験が進められている自動運転バス。これに新たなモデルが登場する。 そのモデルは、自動運転の一般化に向けたオープンソースソフトウェアを開発しているティアフォーが開発を行った。一方で販売は、測量に関わるシステムの技術開発を祖業とし、現在は高精度な地理空間情報プラットフォームを用いて、モビリティ分野にも進出を図っているアイサンテクノロジーが担う。なお、両社はともに愛知県名古屋市に本社を構える企業だ。 「Minibus 2.0」と呼ばれる新型の自動運転EVバスは、日本政府が定める自動運転レベル4の基準に準拠している。従来モデルの「Minibus1.0」よりも安全性を向上させるための冗長システムをさらに強化しているという。 開発元のティアフォーは、先に述べた通りオープンソース型の自動運転技術開発を行っている。2023年には「ファンファーレ」という自動運転機能に対応した電気自動車(EV)の生産を加速させる新たなソリューションの提供を開始している。 このソリューションは、無人自動運転移動サービスの事業化を各地で進めていくにあたって、一般公道での走行が可能な道路運送車両法の保安基準に準じた、レベル4水準の自動運転EVの調達が難しいことが開発背景に挙げられる。 そこで、ティアフォーでは、完成車メーカーから提供される車両、つまりは保安基準に適合した車体に対し、ステアリングやブレーキ等の駆動系の電動化モジュールと、レベル4水準の自動運転機能を実現するアーキテクチャを開発することで対処している。加えて、納入先ごとに異なる自動運転機能の定義に対応していく総合的なソリューションが「ファンファーレ」だという。 一方の販売元であるアイサンテクノロジーは、ファンファーレで出来上がった自動運転EVを、納入先ごとの運行形態や事情に合わせてシステムの最適化を行うほか、納入時の運行研修や納入後の保守メンテナンスサービスを提供していくのが役割となる。 つまり、「大元となる自動運転EVバスはティアフォーで作りました。あとは導入する現場ごとの要望に合わせて、アイサンテクノロジーが最終仕様に仕上げて納車します」というのが両社の立ち位置のようだ。 「Minibus 2.0」は、先進的なセンサー(長距離・短距離LiDAR、物体検出カメラ、信号機検知カメラ、レーダー、慣性計測装置、全地球航法衛星システム)を搭載し、ティアフォーの電子制御ユニットや車両制御ユニットによってサポートされている。これにより、車両とシームレスに統合し、自動運転性能をさらに向上させることが可能だという。 同モデルは、日本各地での展開を目指しており、2024年末を目途に納品を開始する予定。アイサンテクノロジーは今後、地域ごとの企業主導の導入拡大に加えて、海外展開も視野に入れて同モデルの生産と推進を実施し、自動運転バスへの高まる需要に応えていく予定だという。

TAG: #EVバス #自動運転EV
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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