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TEXT:TET 編集部
ゲームにインスピレーションを得た姿に若い世代はぞっこん!? 「ゲーミングEVでも作ったろ」の精神で開発されたヒョンデ「インステロイド」

スモールコンパクトEV「インスター」が激変 昨年、韓国で発売を開始し、今春には日本でも発売が予定されているヒョンデのスモールコンパクトEV「INSTER(インスター)」をベースにした、未来を予見するようなデザインのコンセプトカー「INSTEROID(インステロイド)」が、ソウルモビリティショーで展示された。 インステロイドはゲームから得たインスピレーションと広範なカスタマイズで、新世代のドライバーを魅了するヒョンデの大胆なアプローチを体現しているのだという。「インステロイド」という名前の由来は、「INSTER」の本質である遊び心と、「STEROID(ステロイド)」のもつダイナミックなエネルギーを巧みに融合させたことにちなんでおり、エネルギーにあふれる力強いルックスを表現したものだとされている。 「インステロイドは純粋に『楽しむ』ためのクルマです。細部に至るまで、人の感情や想像力を刺激する新しい方法を探求して生まれました。見た目だけでなく、発するサウンドや体験してどう感じるかといったことにも注目してください。大胆なビジュアルランゲージから没入型のサウンド体験まで、誰もがもっと大きな夢を見て、もっと長い間笑顔でいられるように、というコンセプトになっています」と語るのはヒョンデデザインセンターの責任者であるサイモン・ローズビー専務。 コンセプトも姿もまさに「ゲーミングEV」 大幅に広げられたフェンダーに、空気力学に基づいたウイングスポイラーとディフューザー、ホイールアーチベントなど、非現実的とも思えるほどに攻撃的なフォルムを与えられたインステロイドは、まさにゲーム的思考によるスタイリングだ。 車内も、バケットシートとロールケージ、それに専用のインストルメントクラスターのみという極めてシンプルな構成となっており、これにより没入感のあるドライブ体験を生み出すのだという。 もちろんゲームに不可欠な音にもこだわりをみせ、感情を刺激するユニークなサウンドシグネチャーと統合型ビートハウスサウンドシステムがリヤに搭載されている。 走りの面でもドリフトモードによるドライビング体験の変革を目指して開発がなされており、軽快な運転の楽しさとレースのスリルの両方を味わうことをコンセプトにしているというから、どこまでも現実離れしたゲーミング的発想のクルマだ。 そして、このインステロイドはソウルの「Peaches D8NE」と呼ばれるカルチャー&ショップスペースで行われたメディア・コンテンツクリエイター向けのイベントでお披露目され、そこではインステロイドを使ったさまざまなゲーム体験をする専用スペースも設けらたそうだ。 そのゲームでは、ノーマルのインスター車内でアイテムを集めることで、インステロイドへ進化することができるというタイムアタック形式のゲームが展開されたそうだ。なお、後日このゲームに関しては一般向けに公開される見込みだという。 また、世界中で1000万ダウンロードを記録しているゲームアプリ「Kartrider Rush+」で使える強力なツールとして、「INSTEROID Kart」が後日リリースされることもアナウンスされている。 若い世代に対し、インスターのイメージを良い意味で変化させることを狙っているとも伝えられているインステロイド。販売ボリュームを期待する車種だけに、今後世界各地でそのイメージリーダーとしての役割が展開されるかもしれない。

TAG: #インスター #インステロイド #コンセプトカー
TEXT:TET編集部
ヒョンデのFCEVが2代目に大進化! 初代とは似ても似つかないタフなスタイリングで新型ネッソが飛躍を狙う

2代目にフルモデルチェンジしたFCEV「ネッソ」 ヒョンデは、2025年4月3日に韓国のソウルモビリティショーで開催されたグローバルローンチイベントにおいて、フルモデルチェンジされたミッドサイズSUVの水素電気自動車(FCEV)「NEXO(ネッソ)」を発表した。 この新型ネッソは、大胆なエクステリアを持ちながらも柔軟性、効率性、安全性を重視した設計がなされている。いわずもがな充電時間の短縮と航続距離の延長にも重きが置かれ、5分間の水素充填で700km以上の航続距離を確保することが開発目標に掲げられている。 2代目ネッソのエクステリアデザインは、2024年10月に発表されたINITIUMコンセプトをベースに、ヒョンデの新しいデザイン言語「アート・オブ・スティール」を体現し、素材本来の強さと自然な造形性を反映しているのだという。 初代ネッソとは似ても似つかぬほど無骨さを感じさせる2代目ネッソは、大胆なラインと堅固な構造にアーチ形の断面によって力強さが加えられた。頑丈で洗練されたデザインは、車両の耐久性を強調するドアに施された水平の溝パターンと相まって、全体的に都市とアウトドアの両方のライフスタイルに適合する仕上がりとなっている。 さらに、FCEV特有のデザインを引き立てる4つのドットランプは、このクルマがヒョンデのクルマであることを夜間でも主張する。 インテリアはドライバーを中心に湾曲したディスプレイをはじめ、直感的なコントロール性を重視し、収納スペースに優れたアイランド型センターコンソールが特徴なのだという。加えてデジタルサイドミラーディスプレイは、ダッシュボードの一部としてシームレスに統合され、開放感と実用性を最大限に高めているようだ。 これら先進的なデザインを有しながらも、ヒョンデ曰く「家具付き空間」をイメージし、家のなかにいるような温かさと快適さをミックスしているというから、インテリアの画像が公開されるのを楽しみに待ちたい。 居住スペースは、先代モデルよりも全方向にサイズアップしたことで快適性が向上。特に2列目シートは前席の背もたれがスリムになったことで膝まわりの余裕が拡大したほか、頭上、肩まわりともに従来以上の快適性を得ているのだという。 そして、先進の運転支援システムとトップクラスの衝突安全機能を搭載し、ドライバーと乗員を包括的に保護し、安心感の高いドライビング環境を提供する。 むろんFCEVからイメージされる通り、バイオプロセスレザーやリサイクルPETファブリック、リサイクル自動車用プラスチック廃材など環境に配慮した素材がクルマ全体に用いられる。 水素モビリティにおけるヒョンデの技術開発はすでに27年に達するという。バッテリー電気自動車(BEV)やハイブリッド車と並び、水素電気自動車は同社の車両電動化戦略を示すものであり、消費者へさまざまなパワートレインを提供し、選択する余地を残してくれている。 そして、ヒョンデ自身はFCEVインフラを拡大し、ヒョンデモーターグループが推進する水素ブランド「HTWO」のもと水素モビリティのパイオニアとして市場ポジションを強化する意思を示している。2025年の後半から世界各地で販売を開始する予定だという新型ネッソ、そこにかけるヒョンデの期待は大きい。

TAG: #FCEV #ネッソ #ヒョンデ
TEXT:TET 編集部
このご時世にあえて値下げに踏み切り300万円以下で狙えるEV登場! BYDがより身近に感じられる価格改定に踏み切った

創業期から成長期へ移行するBYDの戦略的価格見直し 「eモビリティを、みんなのものに」を創業時からの企業スローガンとしているBYD Auto Japan(以下、BAJ)は、1月に開催したBYD事業方針発表会のなかで、今後を「創業期から成長期」に移行する時期として以下の活動目標と約束を宣言した。 BAJの今後の活動目標は次のとおり。 ①:さらなる認知獲得のための「話題づくり=コミュニケーションの強化」 ②:お客さまに安心をお届けする「拠点づくり=販売店ネットワークの拡大」 ③:クルマの電動化社会と日本の低炭素社会を推し進めるための「実績づくり=プロダクトの拡充」 続いて「BAJの3つの約束」として宣言された内容は次の通りだ。 ①:多くの人々のeモビリティへの移行をサポート ②:さらなる電動車両の普及を促進 ③:日本の政府目標(CO2排出削減)の達成に貢献 これらは、BAJのいわゆる経営方針として捉えることができ、今後の中長期的な車種展開に備え、商品ポートフォリオの最適化を進めるとしている。 それらを受け、BAJは日本国内におけるBYDラインアップのうち、SEAL(シール)を除く2車種3グレードについて、4月1日から値下げ方向での価格見直しを図った。これにより、BYDを身近に感じてもらい、次の愛車購入候補にBYDが選ばれる環境を整えるのが目的だとBAJはアナウンスしている。 アンダー300万円のドルフィンが通常ラインアップ化 コンパクトEVの「DOLPHIN(ドルフィン)」は、従来エントリーグレードを担っていた車両本体価格363万円の「ドルフィン」を廃止。かわりに、昨年11月にドルフィンの日本発売1周年を記念して発売された限定車「ベースライン」と呼ばれるグレードが通常ラインアップに加わった。 ベースラインは300万円以下で買えるEVとして注目を集めたが、通常ラインアップ化された今回も299万2000円という値ごろ感のある価格設定を維持した。これによりドルフィンの通常エントリーグレード価格は一気に63万8000円も安くなったのだから、ライバルは戦々恐々としていることだろう。 また、ドルフィンの上級グレードにあたる「ロングレンジ」も、今回を機に従来価格から33万円安となる車両本体価格374万円に変更された。 もう1車種、BYDのミドルサイズSUV「ATTO 3(アットスリー)」も価格見直しの対象となり、従来価格から32万円安の車両本体価格418万円と発表されている。 物価高騰と為替の兼ね合いから、値上げ方向の価格見直しが相次ぐなかでのBYD値下げの動き。よりEVが身近に感じられる手ごろな価格設定となり、消費者としては歓迎的な変更ではあるが、その一方でライバルメーカーにとっては脅威に映るかもしれない。

TAG: #ATTO 3 #BYD #ドルフィン
TEXT:TET 編集部
新型リーフを筆頭に世界中に新型EVを投入して戦力底上げ! 日産が今後の経営戦略を発表

起死回生を目指す日産の2025年度以降のEV新車投入計画 2024年9月中間連結決算で表面化した日産の深刻な経営不振。企業存続のためライバルメーカーであるホンダに救いを求めるも破談に終わり、責任を取る形で経営トップが交代することとなった日産。経営の在り方はもちろんだが、そもそも不振の原因として挙げられるのは「売れるクルマが無い」ことだとされている。それだけに、今後の日産がどのような商品展開を実施するのか、当然注目されている。 その日産は、2025年3月26日に2025年度から26年度にかけて世界各地へ投入する新車およびマイナーチェンジ車、新技術に関する発表を行なった。そのなかで3代目「リーフ」がデビューすることや、市場ごとに異なるニーズに合わせコンパクトEV「マイクラ」のデビュー、「ジューク」にEVモデルが追加ラインアップされることが明らかとなった。 日産が起死回生を狙った商品展開について、EVに軸足を置いてレポートしたい。 計画が目指すところ 日産のチーフパフォーマンスオフィサーであるギョーム・カルティエ氏は、今回の発表について「日産は市場戦略を見直し、よりお客さまのニーズにお応えし、売上を成長させるため、市場毎に最適な商品戦略を導入します。パワートレインの多様化と新型車を通じて、お客さまの多様な嗜好を満たす幅広い選択肢を提供し、日産とインフィニティの両ブランドをさらに差別化していきます」と述べている。 また、チーフプランニングオフィサーであるイヴァン・エスピノーサ氏は「今後2年間で、新型『リーフ』や新型『マイクラEV』を含む魅力あふれる商品ラインアップを構築します。さらに、SUVのラインアップを刷新し、運転体験を向上させます。また、次世代e-POWERは新次元の洗練された高効率な走りを実現します。私たちは最高の日産を体現する商品に投資し、世界中の熱いファンの皆様と日産を支えてくださっているお客さまにワクワクする体験をお届けすることをお約束します」と述べ、EVの一本鎗ではなく、市場ニーズに応じた商品ラインアップに注力する旨が語られている。 注目の3代目新型「日産リーフ」が登場 世界に先駆けて電気自動車の量産化を実現した日産のリーフは、初代からから数えて3代目へとフルモデルチェンジを果たす。注目はそのスタイリングだ。 これまでの日産リーフは、比較的オーソドックスなハッチバックスタイルのボディをまとっていたが、3代目となる新型リーフでは一新され、洗練されたデザインと広々とした室内空間を併せ持つクロスオーバーに生まれ変わるという。 現行の2代目リーフに比べ、大幅な航続距離の延長を見込むと発表された3代目新型リーフは、同社のアリアから採用されたCMF EVプラットフォームを採用する。さらに、3-in-1パワートレインによる効率的なエネルギーマネージメントと優れたパッケージング、走行性能の向上が図られる。 北米仕様車にはNACS充電ポートが搭載され、日産のEVとして初めて「テスラスーパーチャージャーネットワーク」へのアクセスも可能になる。これにより北米市場での成功を目指す構えだ。 その3代目新型リーフの詳細は、2025年半ばに発表予定だという。市場投入に関しては、2025年度内にまず米国とカナダでの発売が予定され、年度内には日本と欧州にも導入される見込みだ。 米国とカナダ向けの新車投入計画では、2027年度の後半から「冒険心にあふれるSUV」と謳われる新型EVがミシシッピ州のキャントン工場で生産が開始されることにも言及。さらに、2028年度には最新のインフィニティデザインと技術を取り入れた、インフィニティブランドの電動SUVを新たに投入する計画も明らかにした。

TAG: #リーフ #事業戦略 #新型車情報 #日産
TEXT:TET 編集部
BEV用の新開発プラットフォーム「PPE」初採用! アウディQ6 e-tron/SQ6 e-tronがついに日本デビュー

新型電動SUV「Q6 e-tron」「SQ6 e-tron」を発表 アウディ ジャパンは、プレミアムミッドサイズ電動SUV「Q6 e-tron」およびスポーツグレード「SQ6 e-tron」を発表した。2024年4月15日から全国の正規ディーラーにて発売を開始する。 Q6 e-tronシリーズは、アウディがポルシェと共同開発した新しいBEVプラットフォーム「PPE(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)」を採用した初の市販モデルで、アウディのSUVシリーズ「Qモデル」らしいスタイルと、BEVシリーズ「e-tron」のデザイン言語を融合させ、高い走行性能と充電速度、さらに最長672km(SQ6 e-tron)という優れた一充電航続性能を高次元にバランスさせた次世代電動SUVだ。 テクノロジーを可視化したエクステリアとインテリア Q6 e-tronは、全長4770mm×全幅1940mm×全高1695mm、ホイールベース2895mmの堂々としたプロポーションを備える。全体的にはソフトな印象を与える流れるようなフォルムを持ちつつも、シャープなラインやエッジがコントラストを生み出し、静止しているときでもダイナミックな存在感を放つデザイン処理が施されている。とくにDピラー下部のquattro(クワトロ)ブリスターと呼ばれる部分は、アウディのデザインDNAである「テクノロジーの可視化」を表現しており、「e-tron GT」の流れを汲んだ力強さと安定感を視覚的に訴えかける。 インテリアは、立体的でハイコントラストな3Dデザインを採用し、奥行と洗練された美しさを実現したという。また、新開発された未来志向の電子アーキテクチャー「E³ 1.2」により、車両のデジタル化をこれまで以上に直接体験できるようにしている。これにより生み出されたコネクテッド機能を備えたデジタルインテリアが、特徴的な空間の演出に深く貢献している。 11.9インチのバーチャルコックピットプラスと14.5インチのMMIパノラマディスプレイで構成されたコクピットは、明るく広々としたスペース感覚を与える。また、助手席側にも10.9インチのMMIパッセンジャーディスプレイが装備され、デジタルコンテンツを楽しんだり、充電ステーションの検索をサポートしたりといった機能を有し、新たな移動体験を提供する。 室内空間はソフトラップと呼ばれるトリムが、ドアからコクピット全体、そしてセンターコンソールにまでシームレスに広がる。これにより、乗員を包み込むような調和の取れたスペースを生み出している。また、eモビリティにシフトするアウディの新しいラグジュアリーの在り方を、リサイクル素材を活用するなどして表現。レザーフリーマテリアルのオプションも提供され、サスティナビリティへの配慮も忘れない。 トランクは526リットルの容量を備え、3分割式のリヤシートを倒すことで最大1529リットルまで拡大する。さらに、64リットルのフロントトランク(フランク)を設け、高い実用性を誇る。 むろん新開発のPPEプラットフォームにより、広々とした室内空間と快適な居住性を手に入れていることはいうまでもない。 Audiならではのライティング技術がさらに進化 Q6 e-tronには、世界初の「アクティブデジタルライトシグネチャー」が装備されている。このフロントフェイスを引き立てるデジタルライトは、12のLEDセグメントとアルゴリズムの相互作用により、8パターンのライトシグネチャーの選択が可能だ。 リヤのデジタルOLEDライトは、従来の10倍にあたる合計360のセグメントを備えた6枚のOLEDパネルを装備している。これにより、リヤエンドのデザイン性を高めるだけでなく、周囲の状況に応じた警報シグナルを発する「コミュニケーションライト」機能を搭載し、安全性の向上に寄与する。

TAG: #Q6 e-tron #SQ6e-tron #アウディ #新型車情報
TEXT:TET 編集部
交換式バッテリーの実用化は商用・フリートから! 米Ample社と三菱ふそうが提携し都内で実証実験開始

EVの交換式バッテリーが現実に Ample社は、アメリカを拠点とする電気自動車(EV)のバッテリー交換技術を開発・提供する企業である。独自のモジュール式バッテリーを採用し、専用ステーションで数分以内にバッテリー交換を完了できる仕組みを構築。従来の充電方式に比べて時間を大幅に短縮し、ライドシェア車両やフリート(商用車)向けの効率的なエネルギー補給手段として注目されている。 今回Ample社は、三菱ふそうトラック・バスおよび三菱自動車工業と提携し、東京にバッテリー交換ステーションを設置することを発表した。この取り組みは、東京都が掲げる2030年までに温室効果ガス排出量を50%削減する目標を支援するものとなる。 Ample社のバッテリー交換ステーションでは、5分で電気自動車のバッテリー交換が可能であり、交換費用は32kWhバッテリーで約2000円からとなっている。プロジェクトの第一段階では、商用・配送フリート向けに展開し、最終的には一般消費者にも利用可能なネットワークを構築する計画だ。 日本は自動車産業において世界をリードする立場にあるが、電気自動車(EV)の普及は他国に比べて遅れている。その要因には、充電時間の長さや電力供給の制約、都市部の限られたスペースといった課題がある。Ample社のバッテリー交換技術はこれらの障壁を克服し、EV利用をガソリン車並みに便利にすることを目的としている。 Ample社のモジュール式バッテリーは、ほぼすべてのEVモデルに対応可能であり、既存のバッテリーの代替として機能する。さらに、同社のバッテリー交換ステーションはコンパクトかつ短期間で設置が可能であり、高密度都市に適したソリューションとなっている。 2024年初頭、Ample社は三菱ふそうトラック・バス株式会社およびENEOSホールディングスとのパートナーシップを通じて、京都でバッテリー交換ステーションの運用を開始した。京都での実証実験では、既存のフリート運用への影響を最小限に抑えながら、迅速なエネルギー供給による運用効率の向上や電力網への負荷軽減といった成果を導きだしている。 この成功を受け、東京への展開が決定。各ステーションは100台以上の車両をサポートし、物流・商用車両向けの追加充電ソリューションとしての役割を果たす。これにより、都内の商用EV導入を促進し、持続可能な都市環境の実現に寄与するという。 Ample社のCEOであるカーレド・ハスーナ氏は、「東京は持続可能な都市開発において世界をリードしており、商業配送の主要市場でもある。私たちは、東京都が人口密集都市の電動化モデルを示すのを支援できることを光栄に思う」とコメントした。 EVインフラの拡充と環境負荷の軽減を目的とし、持続可能な都市モビリティの未来に向けた重要な一歩となる本プロジェクトの進捗に、今後も注目してゆきたい。

TAG: #交換式バッテリー #充電インフラ
TEXT:TET 編集部
ホワイトで統一されたアクセサリーがカワイイ!  フィアット600eの特別仕様車「600e La Prima White Package」が登場

人気アクセサリー3点とETC車載器まで付いて価格据え置き フィアットのEV「600e」に、発売以来初の特別仕様車「600e La Prima White Package」の設定だ。3月29日(土)に発売開始、全国のフィアット正規ディーラーで取り扱う。 「600e La Prima White Package」は、通常モデル「600e La Prima」の装備をベースとしながら、ホワイトで統一された人気アクセサリー3点と、高速道路での移動に不可欠なETC車載器が特別装備された特別仕様車だ。 特別装備 ・自動防眩ルームミラー(ホワイト) ・ホワイト仕上げミラーキャップ ・FIATホワイトエンブレム(フロント/リヤ) ・ETC1.0 車載機 これら総額約11万円分のアクセサリーと機器を搭載しながらも、価格は通常モデルと同額に据え置かれているので、お買い得な特別仕様車といえよう。 さらに「600e La Prima White Package」を購入すると、成約特典として車内でも使える高性能空気清浄機「Airdog mini」がプレゼントされる。置き場所を選ばないペットボトルサイズの空気清浄機は、車内のニオイや花粉、ウイルス対策に効果を発揮してくれそうだ。 このほか、「600e La Prima White Package」の発売を記念して、3月29日(土)~ 30日(日)にデビューフェアが実施される。特設サイトより申し込みのうえ、フェア期間中に全国のフィアット正規ディーラーを訪れると、「フィアット オリジナル ステンレスボトル」がもらえるというので、気になっていた人はぜひこのタイミングで足を運んでみてほしい。 ホワイトのアクセサリーをさりげなく随所にあしらった統一感のある外装は、ちょっとお洒落でありながらカジュアルにEVを乗りこなしたいオーナーにおすすめの1台といえそうだ。フィアット600eの特別仕様車「600e La Prima White Package」は、メーカー希望小売価格585万円(税込み)となっている。

TAG: #600e #キャンペーン #フィアット #特別仕様車
TEXT:TET編集部
ルノーが手がけた伝説の名車が現代に蘇る! 小型EVホットモデル「ルノー5 ターボ 3E」とは

現代版「ルノー5」が超過激モデルに変貌を遂げて復活 ルノーはフランスを代表する量産メーカーでありながら、時に奇想天外なクルマを世に送り出し、我々クルマ好きを驚かせてくれる。もともとフロントエンジン駆動だったクルマを、わざわざミッドシップ化して販売するなんて発想は、利益を重視する一般的な大メーカーなら企画段階で却下されてしまいそうなものだが、ルノーはそれを情熱を持ってやりきってしまうのだから愛おしくてたまらない。その姿勢たるや、もはやお家芸の領域に達するのだが、ここでは称賛を込めてあえていおう、「ルノーは変態」だと。 3月17日にフランスで発表されたルノー最新のEVは、まさにその変態的お家芸が炸裂したといえる。 専用に改良されたアルミシャシーには、過激なフェンダーを備えたカーボンボディをまとう。リヤには540馬力を発生する革新的なインホイールモーターが与えられ、0-100km/h加速を3.5秒以下でこなす。このハイパフォーマンス性能を手に入れたEVスーパーカーこそ、「ルノー 5 ターボ 3E」だ。 車名の「5」はフランス語読みで「サンク」と読む。この名前にピンと来た方は古くからのエンスージアストか、最新のEVについて情報収集に余念のない方だろう。 迫力に満ちたボディは、1980年代にラリーで活躍した同社の小型ミッドシップモデル「ルノー5ターボ」および「ルノー5ターボ2」へのオマージュだ。そのルノー5ターボおよびターボ2のベースとなったのは、同社の小型実用車「ルノー5(サンク)」であり、小粋で洒落たボディは持つものの、至って真面目なFFの実用車だ。それを、当時ラリーでの勝利に飢えていたルノーが、競技ベース車両として仕立てたのが「ルノー5ターボ」であり、過激なミッドシップ化は強烈な印象とともに人々を魅了した。 それから約40年あまりの月日が流れ、ルノー5は現代的なアレンジによりコンパクトEV「ルノー5 E-Tech electric」となって昨年欧州で復活を遂げた。 そしてルノーは、「EVでも過激なモデルを作れるんだぞ!」と家系の血が騒いだのか、またしても過激なまでにチューンされたスペシャルモデル「ルノー5ターボ 3E」という化け物を作ってしまったというわけだ。もはや脱帽である。 内装に至っては競技車両でもないのにBピラー内側にロールバーが備えつけられ、ラリーで勝利を重ねた先祖の姿がオーバーラップする。 公開された欧州仕様のスペックは次の通りだ。ボディは全長4080×全幅2030×全高1380mm、ホイールバースは2570mm、最低地上高は118mmで車重は1450kgと発表されている。後輪に備わるインホイールモーターは1輪あたり200kWを発生し、合計出力は400kW/540馬力に達する。 バッテリーは容量70kWのリチウムイオンで最大航続距離は400km(WLTP)になるという。これらにより0-100km/h加速は3.5秒以下、最高速度は270km/hという刺激的な性能を発揮する。 世界生産台数は初代ルノー5ターボのデビューイヤーに合わせたと思しき1980台。そしてご安心あれ、この種のクルマを好む者が多いといわれる日本にも導入される予定であることが、ルノー・ジャポンからアナウンスされている。詳細は決まり次第改めて発表されるというから、いまから首を長くして待ちたい。さあ、伝説のサンクターボが現代に蘇るぞ!

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TEXT:TET 編集部
ドライブレコーダーにETC車載器にカラオケマイクもついてくる!? 4月15日発売のBYD新型クロスオーバーSUV「シーライオン 7」の事前予約開始

初期購入特典は「カラオケマイク」!? BYDは、日本国内に導入するバッテリーEV(BEV)の4車種目となるクロスオーバーSUV「SEALION 7(シーライオン セブン)」について、3月15日から全国のBYD正規ディーラーで事前予約の受付を開始した。 シーライオン 7は、同社のコンパクトEV「ドルフィン」、スポーティEVセダン「シール」と同じく、BYDの「海洋シリーズ」と呼ばれる海洋生物の自由さや美しさから着想を得たデザインを採用しており、伸びやかでエレガントな外観が特徴的なクロスオーバーe-SUVだ。 モデルラインアップは、後輪駆動(RWD)のベースモデル「シーライオン 7」と四輪駆動(AWD)の「シーライオン 7 AWD」の2種となる。 AWDは230kWのリヤモーターに加え、フロントに160kWのモーターを備えることで、SUVでありながら0-100km/h加速は4.5秒という俊足の持ち主だ。 駆動用バッテリーには、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを刃(ブレード)型に成形した「ブレードバッテリー」が採用されている。これは安全性が高く、最新のバッテリー熱管理システムを用いることで卓越した充放電能力を備えたと謳われるBYD自慢のバッテリーだ。そして、「CTB(Cell to Body)」と呼ばれる技術で、バッテリーを隙間なく効率よく車体構造の一部として搭載することで、高い安全性と効率性、快適な室内空間を実現したという。なお、航続距離は前後にモーターを搭載するAWDが540km、後輪のみのRWDが590kmとなっている。 全国メーカー希望小売価格や詳細な仕様については、4月15日の正式発表・発売まで待たねばならないが、感度の高いEVファンでなるべく早期にシーライオン 7を手に入れたいという方は、この事前予約を利用してみてはいかがだろうか。 また、事前予約期間を含む6月30日までの間にシーライオン 7を成約し、車両登録を完了したオーナーにはドライブレコーダーとETC車載器のほか、ACタイプV2Lアダプターまたは車載カラオケマイクが初期限定購入特典としてプレゼントされるというから、買い得度も高く一層事前予約を利用する価値が高まる。詳しくは、BYD正規ディーラーに相談してもらいたい。

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TEXT:TET編集部
マルチパスウェイで世界中の要望に応える! トヨタが欧州で新型「C-HR+」「bZ4X」「レクサスRZ」のBEV3車種を発表

BEVのニーズが高い欧州に新型車を投入 カーボンニュートラルの実現に向けて「マルチパスウェイ」という戦略を採用しているトヨタ。自動車の販売地域ごとで異なる課題やニーズに対して、さまざまなパワートレインを用意することで、顧客に選択肢を提供しながらカーボンニュートラル化を進める狙いがあるのは、よく知られているところだ。 そのトヨタは、電動車の保有率が高く、バッテリーEV(BEV)の保有率が高水準にあるとされる欧州市場に向け、BEVの商品力強化を図る。 3月12日にベルギーのブリュッセルで発表された3台の新型BEV車両は、トヨタブランドから「C-HR+」と「bZ4X」の2車種、レクサスブランドからは「RZ」の1車種。いずれも欧州で主力モデルとなる小型から中型サイズのボディを備えたSUVだ。発表された各数値に関しては、欧州仕様プロトタイプの値であることに注意する必要があるものの、意欲的なこの3台の特徴について順を追って見ていくこととする。 トヨタ「C-HR+」の主な特徴 小型SUVのC-HR+へ新たにBEVを導入する。全長4520×全幅1870×全高1595mmからなるボディは、スタイリッシュなデザインを採用しつつも、広々とした室内空間や416Lの荷室を確保するなど、実用面も配慮されている。 e-TNGAプラットフォームを採用し、専用に調整されたサスペンションによって満足感のあるドライブ体験を提供することを目指し、開発が行われているという。 パワートレインに関しては、電池セルに改良を加えたふたつのリチウムイオンバッテリーを設定。標準モデルのバッテリー容量は57.7kWhで、航続距離は455km。ロングレンジモデルは容量77.0kWhのバッテリーを搭載し、航続距離を600kmまで延長している。 なお、駆動方式は57.7kWhモデルが前輪駆動のみの設定。77.0kWh仕様は全輪駆動を選択することができ、その場合はシステム最大出力が252kWまで高められ、0-100km/h加速5.2秒という俊足ぶりを発揮する一方、前輪駆動に比べ航続距離は525㎞へと幾分短くなる。 新型C-HR+の欧州での発売は、2025年後半からを予定している。 トヨタ「bZ4X」の主な特徴 こちらもC-HR+と同様にふたつのリチウムイオンバッテリーが設定される。標準モデルのバッテリー容量は57.7kWhと変わぬものの、ロングレンジモデルは73.1kWhへと若干容量が減っている。ただし、eアクスルの高効率化もあり、後者の航続距離は従来型に比べ、WLTPモードで約70km延伸する予定だという。 この新型bZ4Xならではの特徴は、バッテリーを充電に最適な温度にする「バッテリープレコンディショニング」をトヨタ車として初めて搭載したことだ。これにより、マイナス10度での急速充電時間が約30分となるように開発が進められている。 bZ4XはBEV先進国といえる北欧のノルウェーでトップセールスを記録している車種であり、こうした“カイゼン”はトヨタの地域に根差したクルマづくりの真骨頂といえよう。 前出のeアクスルは出力アップが図られ、搭載するサスペンションもセッティングが見直されている。これにより走りが進化し、静粛性も含め乗り味がアップしているのだという。 新型bZ4Xの欧州での発売は、2025年後半からを予定している。

TAG: #トヨタ #レクサス #新型車情報
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VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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