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交換式バッテリーの実用化は商用・フリートから! 米Ample社と三菱ふそうが提携し都内で実証実験開始


TEXT:TET 編集部 PHOTO:Ample/三菱ふそう
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EVの交換式バッテリーが現実に

Ample社は、アメリカを拠点とする電気自動車(EV)のバッテリー交換技術を開発・提供する企業である。独自のモジュール式バッテリーを採用し、専用ステーションで数分以内にバッテリー交換を完了できる仕組みを構築。従来の充電方式に比べて時間を大幅に短縮し、ライドシェア車両やフリート(商用車)向けの効率的なエネルギー補給手段として注目されている。

Ample社のバッテリー交換ステーション

今回Ample社は、三菱ふそうトラック・バスおよび三菱自動車工業と提携し、東京にバッテリー交換ステーションを設置することを発表した。この取り組みは、東京都が掲げる2030年までに温室効果ガス排出量を50%削減する目標を支援するものとなる。

Ample社のバッテリー交換ステーションでは、5分で電気自動車のバッテリー交換が可能であり、交換費用は32kWhバッテリーで約2000円からとなっている。プロジェクトの第一段階では、商用・配送フリート向けに展開し、最終的には一般消費者にも利用可能なネットワークを構築する計画だ。

三菱ふそうのトラックとAmpleステーション

日本は自動車産業において世界をリードする立場にあるが、電気自動車(EV)の普及は他国に比べて遅れている。その要因には、充電時間の長さや電力供給の制約、都市部の限られたスペースといった課題がある。Ample社のバッテリー交換技術はこれらの障壁を克服し、EV利用をガソリン車並みに便利にすることを目的としている。

Ample社のモジュール式バッテリーは、ほぼすべてのEVモデルに対応可能であり、既存のバッテリーの代替として機能する。さらに、同社のバッテリー交換ステーションはコンパクトかつ短期間で設置が可能であり、高密度都市に適したソリューションとなっている。

Ample社のバッテリーモジュール

2024年初頭、Ample社は三菱ふそうトラック・バス株式会社およびENEOSホールディングスとのパートナーシップを通じて、京都でバッテリー交換ステーションの運用を開始した。京都での実証実験では、既存のフリート運用への影響を最小限に抑えながら、迅速なエネルギー供給による運用効率の向上や電力網への負荷軽減といった成果を導きだしている。

協業内容のフローイメージ

この成功を受け、東京への展開が決定。各ステーションは100台以上の車両をサポートし、物流・商用車両向けの追加充電ソリューションとしての役割を果たす。これにより、都内の商用EV導入を促進し、持続可能な都市環境の実現に寄与するという。

Ample社のCEOであるカーレド・ハスーナ氏は、「東京は持続可能な都市開発において世界をリードしており、商業配送の主要市場でもある。私たちは、東京都が人口密集都市の電動化モデルを示すのを支援できることを光栄に思う」とコメントした。

EVインフラの拡充と環境負荷の軽減を目的とし、持続可能な都市モビリティの未来に向けた重要な一歩となる本プロジェクトの進捗に、今後も注目してゆきたい。

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