ニュース
share:

GMが右ハンドルの電気自動車SUV「リリック」を日本導入もほんの序の口! 「オプティック」「ヴィスティック」と続々続く日本侵攻から目が離せない


TEXT:遠藤正賢 PHOTO:遠藤正賢
TAG:

GMの日本導入第1弾EVはキャデラック・リリック

キャデラックのみならずGM(ゼネラルモーターズ)全体においてもラインアップの電動化へ大きく舵を切る第一歩となった、フル電動の高級ミッドサイズSUV「リリック」がいよいよ日本へ上陸。2025年3月8日より販売が開始された!

キャデラック・リリックのフロントスタイリング

「リリック」はBEV専用の第三世代グローバルEVプラットフォーム「BEV」を採用するとともに、「アルティウム」と呼ばれるモジュラー駆動システムおよびLG化学との合弁事業を通じ開発されたリチウムイオンバッテリーを搭載する。

日本仕様のバッテリー容量は95.7kWhで、WLTPモード一充電走行距離は510km(いずれもGM社内測定値)。そして、100Vと200Vの普通充電器に加え、CHAdeMO(チャデモ)規格の急速充電器にも対応している。なお、1年以上にわたるテストを通じて、日本国内に現存する95%のCHAdeMO急速充電器に対し互換性があることを確認しているという。従来よりキャデラック車に求められるであろう、長距離長時間の快適な移動にも、十二分に応えてくれるはずだ。

キャデラック・リリックのプラットフォーム

なお、アメリカ市場向けに設定されているシングルモーターRWDモデルの設定はなく、170kW(231馬力)と309Nmを発するフロントモーターに、241kW(328馬力)と415Nmを発するリヤモーターを組み合わせ、トータル384kW(522馬力)と610Nmを発揮するAWD車の「スポーツ」グレードのみを設定。

前後モーターを独立制御することで、快適性重視の「ツアー」、レスポンス重視の「スポーツ」、低μ路向けにレスポンスを抑えた「スノー/アイス」、好みに応じて詳細に設定できる「マイモード」の4種類から選べるドライブモードに合わせた前後トルク配分を可能にしている。

キャデラック・リリックのロータリーコマンダー

また、最大0.4Gにも達するという回生ブレーキの強さも「オン」「オフ」「高」の3レベルから調整でき、さらにパドルシフトで回生ブレーキを操作可能。完全停止まで制御することで、ワンペダルドライブを実現した。

日本仕様のタイヤサイズは前後とも275/45R21 107V(後述の発表会で展示されていた車両はコンチネンタル・プレミアムコンタクト6を装着)。車重は2650kgと相応に重めながら、0-100km/h加速は5.5秒、前後重量配分50:50というから、スポーティな走りも大いに期待できそうだ。

キャデラック・リリックのタイヤ&ホイール

「リリック」に期待できるのは、もちろん走りだけではない。キャデラックの名にふさわしい迫力とモダンさを兼ね備えたデザインと質感、BEV専用プラットフォームならではの広さと快適性、実用性も、そこにはある。

日本仕様の「リリック」は、全長×全幅×全高=4995×1985×1640mm、ホイールベースは3085mmというスペックで、実車を見ても長くワイドで低いことがひと目でわかるプロポーションのもち主。室内もそんな外観から得られる期待を裏切らないレベルで広く、とくに後席の膝まわりは身長174cm・座高90cmの筆者が座っても30cmほどの余裕があった。

キャデラック・リリックのインテリア

しかも、1640mmの低い全高に前述の「アルティウム」バッテリーをホイールベース間に搭載し、前後席の頭上をカバーする電動サンシェード付きガラスルーフを標準装備しながら、そのヘッドクリアランスは同じく約10cm。筆者以上に大柄な男性が座ってもさほど窮屈さを感じないことだろう。

電動テールゲートで開閉可能なラゲッジルームは、後席使用時でも793リットルの容量があり、さらに6:4分割可倒式リヤシートを荷室内の電動スイッチで倒せば最大1772リットルまで拡大。さらに、荷室床下の手前側にも収納スペースを備えているため、日常の足としても使い勝手は申し分ない。

キャデラック・リリックのラゲッジルーム

内外装のデザインは、キャデラックらしい押し出しの強さを備えながら、極薄のランプ類や33インチのLEDディスプレイ、非動物由来の合成皮革「インタラックス」(カラーは「スカイクールグレーサントリーニブルーアクセント」)などの先進的な装備がもたらす、モダンかつ豪奢な質感も兼ね備えている。

キャデラック・リリックのインパネ

なお、標準装備の「インタラックス」ではなく、オプションのフルレザーシート(カラーは「ジュニパーウィズスカイクールグレーアクセント」)を選択すると、フロントドアトリムの加飾パネルに入れられた細かな開口部から木漏れ日のような光が発せられる「KOMOREBI」も同時装着されるので要チェックだ。

そして日本仕様の「リリック」は、全車が右ハンドルで導入される。

GMは近年、現行8代目シボレー「コルベット」のような世界戦略車において、右ハンドル車も設定する方針を採っており、日本仕様は全車右ハンドルとなっているが、キャデラック「リリック」の日本仕様もこの方針に則ったものといえる。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
リーフのバッテリーパックをバラして積むって意外に大変! 初代フィアット・パンダのEV化に挑戦してみた【その5】
「58協定」未加入国のクルマを日本で売るのは難しい! なのに未加入のアメリカや中国のクルマが日本で売られるカラクリとは
20万円も高かったのに20万円安くしか売れない! EVの将来はリセールバリューの向上努力にアリ!!
more
ニュース
これまでに40万人が参加したeモータースポーツイベント! 「Honda Racing eMS 2025」の開催が決定
ついに「コルベットがEV」に!? 2種類のコンセプトカーでシボレーが未来のハイパフォーマンスカー像を描く
ホンダが2026年に発売予定の新型EVは「アシモ」も搭載! アキュラRSXプロトタイプを米国・モントレーで初披露
more
コラム
ガソリン車よりも安くね? ジーリーの6人乗り大型SUVのEV「M9」のコスパが「嘘だろ」レベル
EVのネックのひとつは重量! その大半はバッテリー! ではなぜバッテリーは重いのか?
自動車専売メーカーだけでもかなりの数なのになぜ過当競争に挑む? スマホでお馴染み「ファーウェイ」「シャオミ」がEVに参戦する理由
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
more
イベント
公道レース「フォーミュラE東京」が帰って来る! チケットを持っていなくとも無料で1日遊び尽くせる2日間
災害に備えて未来を楽しむ! 「AWAJI EV MEET 2025」の参加はまだまだ受付中
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択