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新電元工業、6kWのEV用「見せない普通充電器」販売開始


TEXT:烏山 大輔
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新電元工業は、2023年5月19日よりEV用「見せない普通充電器」の受注を開始すると発表した。

この充電器は、新電元工業の電源技術をコアに、充電サービスや見せ方を自由にアレンジできる「見せない」という新しいコンセプトを元に設計されている。この製品には操作ボタンなどを搭載せず、「挿すだけ充電」や「無線コントロール」といった独自の充電機能やサービスを主体としたユーザー体験を提案する。

自由なレイアウトと保守サービス

この充電器は、駐車場に設置する際にも非常にコンパクトであり、輪止めブロックよりも小さく、堅牢かつ完全防水のため地面にも設置することができる。例えば、自動車整備ピットでは、天井付近に本製品を設置し、充電コネクターをマテハンレール(機械などの移動用のレール)から吊り下げるなど自由なレイアウトで利用することができる。また、本体部はボルト4本で固定することができるため保守性にも優れている。

さらに、新電元工業は利用者の使い方をサポートするために「コールセンターサービス」や修理交換品の先出し発送が可能な「定額修理サービス」などのミニマルな保守サービスも提供する。導入後の運用コストを最小限に抑えたい利用者には買い切りでの導入も可能だ。

ミニマルデザインで基礎充電と目的地充電に対応

日常的な駐車場での「基礎充電」や旅行先の宿泊地などで利用する「目的地充電」には、長時間利用できる普通充電器の使用が推奨されている。普段使いのEV充電器には、特にアイコン性は求められない。この充電器は最小限の充電機能を備えており、そのまま設置することができる。使い方もシンプルで、充電器に接続するだけで簡単に充電が可能である。

アプリ&コントローラーの開発により、オリジナルの充電サービスも提供可能

無線でコントロールすることができる機能を搭載している。これにより、テレビのリモコンのように手軽に充電器を操作することができる。さらに、この機能を活用することで、決済認証や消費電力マネジメントなどの応用サービスの開発も可能ということだ。

例えば、無線通信プロトコルやクラウドサーバーの実装など、ITサービス開発に長けたシステム開発会社は、この充電器と連携させることで、独自のEV充電サービスに参入する際の障壁を大幅に下げることができるだろう(開発には新電元工業との契約が必要)。

超コンパクトかつ自由なレイアウトが可能な充電器

出力6kWのMODE3充電器(車両と通信しながら充電を制御する)でありながら、ケーブルやコネクターホルダーを自由にレイアウトし、地面、壁面、天井、斜面など、さまざまな場所に設置することができる。コンパクトなサイズであるため、限られたスペースでも効率的に充電器を配置することができ、また、ケースの中や梁の上、塀の裏側など、充電器が目立たない、見えない場所に設置可能だ。

さらに、この充電器は豪雨や浸水にも耐える完全防水仕様となっているため、屋外や湿気の多い場所に設置しても安心である。

新電元工業の「見せない普通充電器」は、普通充電では主流となりつつある6kWの出力を持つ。多くの壁掛け型やポール型の他社製品と異なり、あえて「見せない」ことをコンセプトとしていることが新しい。本体部分は車に踏まれても大丈夫なほどの堅牢性、豪雨による水没にも耐える防水性も持つ。価格(非公表)によっては、自宅や業務用途で大ヒットするかもしれない。

「見せない普通充電器」仕様
型式:
PM-CS09-M-CG
定格電圧:
単相2線 200V
定格電流:
30A(6kW相当)
期待寿命:
10年(平均周囲温度25℃)
充電方式:
Mode3(IEC61851-1e.d3.0)
通信方式:
Bluetooth®5.0内蔵
ケーブル長:
標準6m
周囲温度:
-20~55℃
強度:
11kN(ビークルドライブオーバー試験)
環境:
重塩害対応
寸法:
W84 × D400 × H80 mm
質量:
3.0kg(ケーブル・充電コネクタ含まず)

 

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