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TEXT:烏山 大輔
テスラ、モデルSとモデルXの受注を再開。納期は最短で8月から

テスラはフラッグシップセダンのモデルS と、多機能SUVモデルXの注文受付を5月12日(金)再開した。  最上級グレードは、Plaid(プラッド)と名付けられた。トルクベクタリングと3つの独立したカーボンスリーブローターを装備したトライモーターAWDによって、モデルSプラッドは停止状態からわずか2.1 秒(モデルXプラッドは2.6 秒)で100km/hまで到達する。新しいモデルSとモデルXは量産車最速クラスを標榜する。  車内は中央に配置された17インチのタッチスクリーンを含む3つのディスプレイが備わる。中央のタッチスクリーンは左右チルト機構を搭載し、2,200×1,300の解像度、True Colors、優れた応答性によりゲームや映画なども楽しむ ことができる。また、最大10テラフロップスの処理能力によって、車内でも最新ゲーム機器と同じようなスピード感を楽しむことができる。  モデルSとモデルXは、アメリカ本国と同じ全世界共通の左ハンドル仕様となる。 販売価格は12,969,000 円(消費税込)より、納期は最短で8月からを予定している。  日本仕様のラインナップと価格 (2023年5月12日現在) モデルS (デュアルモーターAWD) 12,969,000円(消費税込) モデルSプラッド (トライモーターAWD) 15,969,000円(消費税込) モデルX (デュアルモーターAWD) 14,469,000円(消費税込) モデルXプラッド (トライモーターAWD) 16,669,900円(消費税込)    

TAG: #モデルS #モデルX
TEXT:TET 編集部
補助金がさらに10万円上乗せ。日産「アリア」「リーフ」「サクラ」がメーカー別上乗せ補助金制度の対象に

日産自動車は自社の電気自動車(EV)「アリア」「リーフ」「サクラ」の3車種が、東京都の車両購入補助金上乗せ制度の対象に認定されたと発表した。これにより、上記3車種には、これまでの補助金にさらに10万円が上乗せされることとなる。 国や都による補助金に追加で受給可 東京都では国の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」(最大85万円)とは別に、EVや燃料電池車などのゼロエミッションビークル(ZEV)購入に対し、45万円の補助を実施しているが、令和5年度からは自動車メーカー別のさらなる上乗せが設定された。今回、日産の3車種が認定されたのはこの上乗せ制度で、「アリア」「リーフ」「サクラ」を新車で購入した者(東京都内に住所を有する個人)は、最大で計110〜140万円の補助を受けられることとなる。 実は、この自動車メーカー別の上乗せ補助について、10万円給付の対象となるのは容易ではなく、令和4年に都内でZEV乗用車の新車を20台以上、ZEV乗用車とハイブリッド乗用車の新車を300台以上販売した上で、最も多くの台数のZEV乗用車の販売、対前年比2倍以上の台数のZEV乗用車の販売、などの条件を複数満たすことが必要。他に10万円給付を受けられるのがテスラと三菱自動車だけという事実も、困難さを裏付ける。 ちなみに、東京都ではこの上乗せ以外に、再エネ100%の電力契約で15万円もしくは太陽光発電設備の設置で30万円の上乗せ補助も行っている。さらに、都とは別に自治体の補助金も充実しており、例えば千代田区では20万円の独自補助を実施している。日産のEV3車種を新車で都内のユーザーが購入した場合、自治体の補助金を除いても、経済産業省によるCEV補助金が最大85万円(軽EVは55万円)+45万円(東京都/給電機能有り)+10万円(都の自動車メーカー別上乗せ補助)で最大140万円の補助金を受給することが可能だ。 >>>次ページ サクラは車両の実質負担額、約155万円となるケースも

TAG: #東京都 #補助金
TEXT:烏山 大輔
ボルボ、2023年4月のBEV販売台数は前年比88%増。全体でも10%増で好調を維持

ボルボのグローバルでの2023年4月と1月〜4月までの販売台数から、電動化を進める同社の実績を観察する。 リチャージモデル(BEVとPHEV)のシェアが拡大 ボルボは2023年4月の世界販売台数が51,976台と前年同月比10%増だったことを発表した。この販売台数は、88%増(4,709台→8,830台)と大幅に伸びたBEV(バッテリー電気自動車)が牽引した。 地域別では、欧州は販売台数が5%増加し20,804台となった。リチャージモデルのシェアは63%に達し、BEVのシェアは26%だった。 一方、中国では販売台数が46%増加し、12,543台となった。リチャージモデルの販売台数は86%増加(677台→1,260台)し、シェアは10%。まだまだ伸び代が大きいように感じる。 米国では販売台数が4%減少し、9,611台となったが、リチャージモデルのシェアは31%に達した。BEVが71%増加(793台→1,356台)したことが大きい。 ボルボのBEVまたはプラグイン・ハイブリッド(PHEV)パワートレインを搭載した電動化モデルである「リチャージ」は、世界で販売されたボルボ車全体の40%を占めた。BEVのシェアは17%であった。 また、2023年1月から4月にかけてのボルボの販売台数は214,914台で、こちらも前年同期比10%増となった。 SUVが売れ筋 同じく23年4月を車種別で見ると、販売台数のトップは16,658台(全販売台数に占める割合は32%)の販売数を記録したXC60、前年同月比で11%増加した。次いで13,740台(同26%)を販売したXC40、8,179台(16%)を販売したXC90が続く。XC40とXC90は前年同月とほぼ同じ水準である。この3車種合計で74%と大多数を占めることとなる。 販売台数のトップ3は全てSUVとなった。さらにボルボは新たなフラッグシップとしてBEVのEX90を投入する。そして小型BEVのSUVとなるEX30の発表は来る6月に迫る。これらのSUVによって、ますますボルボの勢いが加速しそうだ。 2040年までにクライメートニュートラル(温室効果ガス実質ゼロ)企業になることを目指すボルボは、2025 年にグローバルでBEV販売の割合を50%まで伸ばし(日本国内におけるEV販売の割合は45%)、2030年までにグローバルで販売するすべての新車をBEVにするという目標を掲げている。

TAG: #EX30 #EX90 #SUV #XC40 #XC60 #XC90 #リチャージ
TEXT:栁 蒼太
イオンでEV電力買取サービス「V2AEONMALL」が開始

フェリカポケットマーケティング株式会社は、イオンモール株式会社が運営する「イオンモールアプリ」の追加機能として、EV放電サービス「V2AEONMALL」を2023年5月11日(木)にサービス提供することを発表した。 放電して貢献 「V2AEONMALL」は、家庭で発電した電力をEVでイオンモールに放電すると、「イオンモールの脱炭素社会に向けた取り組みに協力した御礼」として、後日ポイントを進呈するサービスだ。 放電コネクターの抜き差し以外はアプリ操作で完結する。2023年5月リリース時点での導入店舗は、イオンモール堺北花田・イオンモール堺鉄砲町・イオンモール橿原の3店舗となり、イオンモール株式会社では、今後全国へのサービス展開を予定している。 放電の工夫、地産地消の再エネを創出 イオンモール株式会社では、2025年までに同社が管理・運営する国内の約160モールで使用する電力を再エネに転換することを目指し、各地域での再エネ直接契約による実質CO2フリー電力調達から、順次地産地消の再エネへ切り替え、2040年度には同社直営モールにおいて100%地産地消の再エネでの運営に向けて取り組みが進められている。 そして、今回発表の「V2AEONMALL」は、「お客さまとともに脱炭素社会を実現する」という同社の理念が大きく関わっている。顧客を巻き込んだ再エネ循環プラットフォームを整え、顧客の家庭で発電した電力(余剰電力)をEVでモールに放電するというサイクルにたどり着いたようだ。 ところで、V2H〔車(Vehicle)から家(Home)〕を進化させたものと言える本取組は、数多くの商業施設のロールモデルになるのではなかろうか。余った電力を近くのお店に還元、というのが日常の姿になるかもしれない。 【利用の流れ】 ①「イオンモールアプリ」にて導入店舗を「よく行くモール」に登録の上、「サステナアクション」>EV放電サービス「V2AEONMALL」を選択 ②TOP画面「放電する」よりカメラを起動し、スタンドに設置の二次元コードを読み込む ※使用時にはカメラおよび位置情報の許可が必要 ③電気自動車へ放電コネクタを差し込み、認証後、放電時間を選択(放電は30分単位で選択可能)  ④安全確認後、放電開始

TAG: #V2H #イオン
TEXT:烏山 大輔
ボルボ、「EX30」の来月の発表を予告、新しい小型の電気自動車

ボルボは6月7日に、新型BEV(バッテリー電気自動車)の小型SUV、「EX30」を世界に向けて発表することをプレスリリースで伝えた。 また「この新しい小型SUVについて、今後、数週間にわたって詳細をお知らせしていきます。是非、ご注目ください。小さく考えることは、私たちの最大のアイデアのひとつです」とリリースは締められている。 「EX30」という名前について ボルボは1990年代中盤以降の車名を、アルファベットと二桁の数字で表してきた。 アルファベットは、Vがボルボの代名詞とも言えるステーションワゴンを意味し、Sはセダン、Cはクーペ、XCはSUVと、ボディタイプを示してきた。 そしてEXの頭文字は昨年11月に発表された「EX90」から使われはじめた。同車は、ボルボが「新しい完全電動フラッグシップSUV」と位置付ける。 XにSUVの要素があるとすれば、EはやはりEVのEだろう。これまでのXCとは異なりEを最初に持ってきたEXからもEVを推進していくというボルボからのメッセージとも思える。 30という数字は特徴的なリアガラスを持つ「C30」以来となる。現行のラインナップでは40がミニマムだったので、つまりEX30はBEVのSUVで、最もサイズが小さいモデルになると考えられる。 SUVは、グローバルでひとときのブームではなく、もはやボディタイプの主流となっている。ボルボが「XC90」をラインナップしたのは2002年のことである。そしてSUVは床下に大量のバッテリーを搭載するBEVとも相性がよいこともあり、ついにボルボもEX90を新たなフラッグシップとして発表した。 ボルボと言えばワゴンという認識は、既に過去のものとなりつつあり、一抹の寂しさも感じるが、それもこれも「100年に一度の大変革期」にある自動車業界がボルボにもたらしたものと割り切るしかなさそうだ。  

TAG: #EX30 #コンパクトカー
TEXT:岩尾 信哉
次期MINIの3ドアボディの電気自動車仕様、「クーパー・エレクトリック」がティザー公開

BMWはMINIブランドに関して、去る4月に新型「カントリーマン(日本名:クロスオーバー)」のカムフラージュされた車両とスペックの概要の披露に続き、5月初旬に新型MINIの3ドア仕様の電気自動車(EV)をティザー公開した。発表が近づきつつある次期型MINIについて、3ドアBEV(バッテリー式電気自動車)である「クーパー・エレクトリック」を中心に、限られた情報から探ってみる。 EVであることを明確に表現 今回の発表では、BEVとなる3ドアMINIの呼称として「クーパー・エレクトリック」の名が与えられることが明らかにされた。これには現行の3ドアBEVである「クーパーSE」のような単一グレード(先頃発表されたコンバーチブルを除く)ではなく、後述するようにパワーと航続距離の違いによって2グレードを設定予定であることに起因するのだろう。 現行型(残念ながら日本未導入のままだが)での呼び名である「クーパーSE」の「E」は「ELECTRIC」を意味するとはいえ、多少のわかりにくさを補填する意図も感じられる。MINIの3ドアEVとして、“クーパー”というスポーティさをイメージさせる名を残すとともに、電気自動車であることを明示するために「エレクトリック」の呼称を加えたに違いない。 2020年に現行MINIに加えられたBEVである「クーパーSE」は、2022年には前年比25.5%の販売台数を達成し、4万3,000台が世界で販売された。現状ですでに路上のMINIの5台に1台が電動化モデルということになる。 2030年までにEV専売ブランドとなるMINIであれば、今回加えられた「エレクトリック」の名も、いずれは取り除かれるのかもしれない。 MINI初のドイツ生産モデル オリジナルから続くコンパクトカーとしての成功を受け継ぐ3ドアMINIの中で、BEVとして登場する「クーパー・エレクトリック」は、5代目(オリジナルミニからのカウント)となる次期MINIのティザー的役割を果たすことになる。 新型MINIに関する情報では、BEVの生産工場の変化が挙げられる。MINIの生産拠点といえば、60年以上の歴史を持つ英国オックスフォード工場が有名だ。去る3月には3ドアMINIの100万台目を世に送り出している。 いっぽう「クーパー・エレクトリック」は、生産工場をBMWのドイツ・ライプツィヒ工場として、5ドアBEVである新型カントリーマンとともに、MINI初のドイツ生産モデルとなる予定だ。 クリーンエネルギーによって稼働するなど大規模投資が実施された同工場において、BEVである2種類のMINIが、BMWグループとして初めてBMWの1/2シリーズなどと同じ生産ラインで混流生産される。すなわち、次期型のカントリーマンと3ドアのフル電動MINIはプラットフォームを共用することを意味する。

TAG: #MINI
TEXT:栁 蒼太
HWエレクトロ、お台場にショールームを開設

HW ELECTRO株式会社(以下、HWエレクトロ)は、2023年5月8日(月)より、賃貸オフィス「the SOHO」1階 (東京都江東区青梅)にて多用途EV商用車「ELEMOシリーズ」を展示したショールームをオープンする。 着々と拡大する HW ELECTRO HWエレクトロは、「環境問題」と「社会貢献」の視点から「The Essential Piece of Mobility(人に、社会に、不可欠なピースであるために)」をコンセプトに、次世代の多用途商用EV「ELEMOシリーズ」の車両の開発・製造と販売を行うファブレス(自社で製造ラインを持たずに、製品を設計・開発し、他社の製造ラインで生産するビジネスモデル)メーカーだ。 2021年4月に輸入小型のEV商用車として国内で初めてナンバーを取得し、2021年7月24日より「ELEMO」、11月20日より「ELEMO-K」の販売を開始。2023年6月には、中型バン「ELEMO-L」の販売開始を予定している。 期待の2店舗目のショールーム HWエレクトロは2021年12月、国内初となるショールームを東京都港区南青山に開設した。今回、より多くの人に実車に触れてもらうべく、お台場にHWエレクトロとして2拠点目となるショールームをオープンした。 ショールームは白をベースにコーポレートカラーであるブルーをアクセントカラーとして採用し、HWエレクトロの世界観が伝わるスマートで明るい店内となっている。実際にELEMOシリーズを見ながら、事業展開の紹介や商談など、新しいコンテンツや情報が発信されていく場としての活用を見込んでいる。 【ショールーム詳細】 場所:the SOHO1階(東京都江東区青海2丁目7-4) オープン日時:2023年5月8日(月) 営業時間:09:00~18:00(土日祝日お休み) ※通常営業は、5月15日(月)から

TAG: #HWエレクトロ #ショールーム
TEXT:TET 編集部
スタイリッシュに、航続距離も確保。シトロエンが新型SUVクーペ「Ë-C4 X」を欧州で発表、最大航続距離は420km

ステランティス・グループの仏シトロエンは欧州市場において、電動ハッチバック「Ë-C4」および電動SUV「Ë-C4 X」に、最高出力と航続距離を強化した「シャイン」グレードを追加すると発表した。 存在感溢れるリアビュー 個性的なフランス車の中でも、ひときわ存在感あるデザインが特徴のシトロエン。なかでもCセグメントハッチバックのC4は、クーペ風のルーフラインとワイド感を強調したフロントマスクが特徴で、日本にも電動版のË-C4を含め正式導入されている(日本名は、Ë-C4 エレクトリック)。 一方、昨年6月に欧州で発表されたばかりのC4 Xは、同じくCセグメントに属するが、車格的にはC4と最上位モデル「C5 X」の中間に位置するSUVで、クロスオーバーとサルーンを融合させたようなエクステリアがセリングポイント。こちらは、まだ国内導入されていないが、ラインナップに加わればコアなファンの心を鷲掴みしそうなキャラの立ったモデルだ。 そんな両モデルに今回、欧州で追加されたのはフル電動モデル(BEV)の上位グレードで、永久磁石同期電気モーターをハイブリッド同期電気モーターに置き換え、高レベルの効率性は維持したまま、最高出力を従来の100kW(136ps)から115kW(156ps)へ15%増強。さらに、これまでの50kWhバッテリーに代え、新しい54kWhのバッテリーを採用したことで、航続距離を360kmから最大420km(WLTPモード)にまで延長している。 加えてシトロエンは、気温0℃の都市部走行の場合、実走行可能距離は+30kmになり、実際のメリットはさらに大きいと主張する。 >>>次ページ ニッケル比率を高めた新設計のバッテリーを搭載

TAG: #SUV #SUVクーペ #シトロエン
TEXT:烏山 大輔
国内初、商用EV専用組み立て工場「ゼロエミッションe-PARK」建設開始

EVモーターズ・ジャパンは、国内初となる商用電気自動車専用の量産組み立て工場「ゼロエミッションe-PARK」を福岡県北九州市若松区に建設することを決定し、4月28日に起工式を行った。まずは2023年秋に組み立て工場と検査棟を完成させ、設備を順次拡大し、国産EVバスの展開を目指していく。 同社は、強固な商用EV量産体制の構築とさらなる車両ラインナップの拡充を図り、福岡県の新たな地場産業や雇用機会の創出に貢献することを目指す。そして地域社会の発展に寄与するとともに、ゼロエミッション社会の実現に向けて邁進していく。 年産1,500台へ向けて着々と進む準備 生産が予定されている製品としては、EVバス、EV物流車、EV特殊車両(移動電源車含む)、リユースバッテリー組立など。OEMパートナーからの半完成品及びパーツ類を輸入し、最終組み立てを行うことになっている。2023年は数台から生産をスタートし、最終的には年産1,500台を目指す。 建設計画は、第一期の組立エリアは2023年秋に稼働を開始する予定。順次、完成車両テストコース、実証験・自動運転テストコース等の建設にも着工していく。新工場の建設により、50人〜100人の新規雇用が創出される見込みだ。 EV生産工場だけじゃない。体感型EV複合施設「ゼロエミッションe-PARK」 ゼロエミッションe-PARKは、「EVを広げる・EVを感じる・施設を楽しむ」をテーマとして、EV車両の生産にとどまらず、EV体験(試乗・試運転)、工場見学、EV資料館などが一貫して楽しめる体感型EV複合施設である。 また施設内は風力発電やソーラー発電を活用した再生エネルギーによる自立発電にて稼働をする予定だ。この施設を通じてEV技術を発信し、EVに親しんでもらい、地域活性化につなげていくことも目的としている。 ゼロエミッション e-PARK 所在地 福岡県北九州市若松区向洋町22番地1 総面積 約58,000m² 施設詳細 商用EV最終組み立て工場、完成車両テストコース、実証実験・自動運転テストコース、リユースバッテリー組立、充電設備、工場見学、EV資料館、EV体験(試乗・試運転)等  

TAG: #ゼロエミッション #商用EV
TEXT:烏山 大輔
電気自動車のアバルトが誕生!ステランティスがアバルト500eを発表

アバルトは、アバルト500eのローンチエディションである「スコーピオニッシマ(Scorpionissima)」に続き、スコーピオンファミリーにアバルト500eとアバルト500eツーリズモを加えたことを発表した。両車ともにハッチバックとカブリオを用意する。 効率よりも走りや楽しさに振った個性派BEV(バッテリー電気自動車) アバルト版の500eが発表された。正確にはローンチエディションのスコーピオニッシマに続く、「量産型」の発表となった。 リリースから数字を拾うと42kWhのバッテリーで、“たった”265kmの航続距離となっており、電費(※)は6.31km/kWhと計算できる。ノーマルの「500e」は7.98km/kWh、ライバルとなりそうな同じステランティス・グループのプジョーe-208 GTはノーマル500eとほぼ同値の7.90km/kWhとなる。 この電費数値からも「より航続距離を」というよりも「より楽しい走りを」に振ったクルマであることが読み取れる。 ※電費に関しては、以下の数値から算出した。 アバルト500e:バッテリー42kWh、航続距離265km、電費6.31km/kWh、パワー155ps ノーマル500e:バッテリー42kWh、航続距離335km、電費7.98km/kWh、パワー118ps e-208 GT:バッテリー50kWh、航続距離395km、電費7.90km/kWh、パワー136ps ノーマル500eと写真を見比べてもヘッドライト上辺の“眉毛”の部分が光っていないこともあり、より睨みをきかせた顔となっており、ノーマルのかわいさにカッコ良さがプラスされている印象だ。室内もアルカンターラを多用したレーシーな雰囲気にまとめられ、フロントシートの黄色と青のステッチや「サソリ」のエンボス加工がマニア心をくすぐる。 アバルト500eの価格の発表はなかったが、ノーマル500eの日本(アイコングレードが522万円)と欧州(34,990ユーロ、約525万円)での価格差やローンチエディションのスコーピオニッシマ(ハッチバックが43,000ユーロ、約645万円)から推測すると、600万円を超えてくるのではないだろうか。 ただし、ライバル(例えばe-208 GTは512.4万円)よりも多少価格が高かろうが、電費が悪かろうが、アバルト500eにとっては大した問題ではないかもしれない。 それは類稀なる個性を持っていることに加えて、現状のICE(内燃機関)のアバルトが、同じイタリアの“跳ね馬”や“闘牛”のオーナーのセカンドカー(あるいはサードカーかもしれない)としての需要が一定数読めるからだ。近所への買い物など日常の移動にはこれまでのICEアバルトと同様に重宝されることだろう。 イタリア車に限らずともドイツやアメリカ製のBEVのオーナーが普段使いのセカンドカーにコンパクトなアバルト500eを選ぶこともあり得るだろう。 刺激的なコンパクトEVは唯一無二の存在で、BEVの世界に多様性をもたらしてくれそうなアバルト500eの日本での正式発表を楽しみに待ちたい。 ※リリースによる車両詳細については次の通り。

TAG: #500e #スコーピオニッシマ
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VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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