パワーエックスは7月14日、同社の蓄電池型急速充電器Hyperchargerが国際標準規格 CHAdeMO の最新プロトコルである2.0.1認証を取得したと発表した。今夏より同社のEVチャージステーションなどに設置する予定だ。
Hyperchargerは、蓄電池を内蔵しているため、高圧変電設備が無くても最大240kWという急速充電が可能。
具体的には、通常の急速充電器は高圧鉄塔(電柱ではない)からAC(交流)6600Vの電気を引き込む高圧充電契約が必要で、その電気を高圧受電設備でAC6600VからAC200V/400Vにし、変電器でDC(直流)に変換、急速充電器に供給して電気自動車への充電という段階を踏む。
一方、Hyperchargerは、流れがスタート時点から異なっており、電柱から商用低圧契約のAC200V/400Vの電気をそのままHyperchargerに供給し、蓄電池内でACからDCに変電、電気自動車へ充電するシンプルなものだ。再生可能エネルギーを溜めて電気自動車の充電に使うこともできる。
Hyperchargerは、変電器、パワコン、充電器を備えたオールインワン蓄電池で、低圧契約で使用可能なので、高額な高圧契約のコストがかからず、「簡単な工事」で設置できるとされるため工事費用も節約できる。
同製品は、蓄電池容量が179kWhで充電ポートが1口の「Compact」と蓄電池容量が358kWhで充電ポートが2口の「Standard」の2種類を用意する。両方とも120kWの連続出力が可能で、10分間だけ150kWで出力するブーストモード(Standardは1ポートのみの対応)も備える。
今後のアップデートで最大240kW対応となること、非常時の BCP(事業継続計画)電源としても使える双方向電力機能が追加予定であることも発表された。