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TEXT:福田 雅敏、ABT werke
VW、新型EVセダン「ID.7」を4月17日に初公開……デイリーEVヘッドライン[2023.04.11]

新世代プラットフォーム「MEB」を使用 EVリムジンとしてのポジションを狙う 【THE 視点】フォルクスワーゲン(VW)は4月5日、新世代EV「IDシリーズ」のフラッグシップモデル「ID.7」を4月17日にワールドプレミアすると発表した。VWの新世代プラットフォーム「MEB」が用いられたシリーズ初のセダンモデルで、販売は欧州・中国・北米の予定。 実車は現在スペインの山岳道路で最終段階の開発テスト中という。搭載されるパワーユニットも「ID.7」用により強力な新しいものが用意されるとのこと。 航続距離は、バッテリー容量に応じて最大700km(WLTC)で、最高出力200kWの急速充電に対応する。この航続距離には、高効率の新パワートレインと優れた空力性能が貢献している。 高い走行性能を保持するとともにインテリアの快適性も追求したという。VWは、革新的なテクノロジーと高品質の外観を備えた「ID.7」で、アッパーミッドサイズクラスの長距離旅行用のEVリムジンとしての地位を明確に位置付けていく。 日本での販売はアナウンスされなかった「ID.7」であるが、航続距離700kmという数値に見られるように高性能さは容易に想像できる。日本には「ID.7」はもちろんEVセダン自体が少ないだけに、導入を希望するユーザーは多いのではないだろうか。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★MINI、「上海モーターショー2023」にEVを出展……「MINIクーパーSEコンバーチブル」は世界初、「MINIコンセプト・エースマン」は中国で初公開予定 <関連記事> ・MINI初のオープンEV「クーパーSEコンバーチブル」製品詳報[詳細はこちら<click>] ・純正ホイールに変化。MINI(ミニ)が電気自動車に採用したホイールはエコなだけでなく、スタイリッシュで空力にも配慮[詳細はこちら<click>] ・MINI Concept Aceman(コンセプト エースマン)が日本初上陸、3月5日まで一般公開も実施[詳細はこちら<click>] ・次期MINIクロスオーバーEV版の詳細が公開。航続距離450kmでツアラーとしてのポテンシャルも[詳細はこちら<click>] ★テスラ、中国で大型蓄電システム「メガパック」を生産へ……年間1万個製造、「カリフォルニアでの生産量を補う」とマスク氏 ★横浜ゴム、「アドバンV61」が「レクサスRZ」の純正タイヤに採用……EVに求められる高い静粛性と転がり抵抗の大幅低減などを両立[詳細はこちら<click>] ★裏面でも発電可能なソーラーパネルを備えたカーポートが発売……三谷産業/三共立山/三共アルミの3社協業、路面からの反射光でも発電 ★V2Hのニチコンとオリコが包括的業務提携……V2Hの普及やオリコの決済サービスの活用などについて協業 ★台湾ホンハイグループのフォックスコン、米オハイオ州で農業用EVトラクターを生産……米モナークトラクターと提携、予定通りにEVトラクター「MK-V」シリーズの生産を開始 ★テスラ、2023年第1四半期は44万808台を生産……納入は42万2,875台

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TEXT:福田 雅敏、ABT werke
アウディ、リユースバッテリーを活用した充電ハブをベルリンに開設……デイリーEVヘッドライン[2023.04.10]

リユースバッテリーの電力で急速充電 ハブ自体への充電はグリーン電力を使用 【THE 視点】アウディは4月6日、ベルリンの中心街にEV充電施設「Audi charging hub(アウディ・チャージング・ハブ)」を開設したと発表した。本施設はニュルンベルクやチューリッヒに続いて3番目となる。 新設の本ハブでも、リユースバッテリーが蓄電装置として使われた。蓄電装置を使用することで、各充電器では、320kWの安定した出力で車両を充電することができる。 またこの施設では、4口のコネクターを持つコンパクトな急速充電器が用意されているが、コネクターは需要に応じて6口まで増やすことも可能とのこと。 蓄電装置への充電は、商業施設のFrischeparadiesからの電力を使用するが、商業施設のエネルギー需要が低い場合にのみハブに電力供給がされる仕組みを取る。その電力はグリーン電力だという。EVには、ハブに設置されている1MWhの容量の蓄電装置から安定的に電力が供給される。充電料金は、1kWhあたり0.35ユーロ(約50円)と他の充電料金のおよそ半分だという。 ベルリンの中心街では、EVユーザーの多くは自宅に充電設備を持っていないため、都市の中心部での急速充電ステーションの設置を望んでいたという。充電の待ち時間にショッピングや食事を楽しむこともでき一石二鳥だ。 首都の中心街に充電ハブを作りグリーン電力で稼働させ、さらにリユースバッテリーを活用して急速充電を可能とした「アウディ・チャージング・ハブ」は、急速充電ステーションのひとつの理想形と言えるだろう。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★トヨタ、2026年までに新型EV10車種を投入……FCEVは商用車として量産化目指す[詳細はこちら<click>] ★★フォルクスワーゲン、「ID.7」のテストをほぼ完了……4月17日(月)にワールドプレミア ★★新生ランチア、新型コンセプトモデルの新たな部分画像を公開……オープンモデルか、4月15日(金)ワールドプレミア ★★ヒョンデ、「アイオニック6」が「ニューヨーク国際オートショー2023」で受賞……「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」「ワールド・カー・デザイン・オブ・ザ・イヤー」「ワールド・エレクトリック・ビークル」の三冠王に[詳細はこちら<click>] ★テスラ、インフレ抑制法によるクレジット額を公開……本国公式webにて、各車価格と控除額は以下 ・「モデル3」:車両価格4万1,990ドル〜/最大控除7,500ドル ・「モデルY」:車両4万9,990ドル〜/控除7,500ドル ・「モデルS」:車両8万4,990ドル〜/控除記載なし ・「モデルX」:車両9万4,990ドル〜/控除記載なし ★フォード、商用EV「E-トランジット・クーリエ」を欧州で発表……2024年後半に生産開始、欧州の商用車らしい2ボックスタイプのボディ ★GMC、「ハマーEVオーバーランダー・コンセプト」を2023年夏終わりに発表……オフロードカスタムメーカー「アース・クルーザー」とコラボ ★キア、2030年までにEV160万台の販売を目指す……2027年までにEV15車種を投入 ★米スーパー大手のウォルマート、店舗でのEV急速充電を大規模拡充……2030年までに数千台規模 ★ユビ電、オムロンベンチャーズをリード投資家に3億円の資金を調達……スマホで決済可能な充電サービス「WeCharge」の普及などを目指す ★安川電機、2022年度の売り上げは5,560億円で増収増益……リチウムイオン・バッテリーやEV関連が好調、23年度もプラスの見通し ★トルコ新興のTogg、ブランド初のEV「T10X」を出荷開始……航続距離523km(WLTP)のミドルクラスSUV ★ゼロホーム、CEV補助金の申請代行受付を開始……V2H補助金も代行

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TEXT:福田 雅敏、ABT werke
日本製EVがアメリカでの税優遇から除外……デイリーEVヘッドライン[2023.04.07]

米財務省が「インフレ抑制法」による減税指針を発表 北米生産以外のEVは税優遇の対象とならず 【THE 視点】米財務省は3月31日、消費者がクリーンビークル(EV、PHEV等)を購入する際の税優遇の指針を発表した。いわゆる「インフレ抑制法」で、日本・欧州・韓国が求めていた北米以外で生産した輸入車への優遇適用が見送られた。 これにより、措置が見送られた国の車両は税優遇を受けられないまま販売を継続するか、北米で現地生産に切り替えるかの判断を迫られることになる。ただし、バッテリーに使用される重要鉱物の割合を北米産とした場合など一部税優遇を受けられる措置は、日本などの要求を受け入れた。 このインフレ削減法の対象となる北米産の車両は、最大7,500ドル(約100万円)の税優遇を受けられることになる。ちなみにフォードからは、ピックアップEVの「F-150ライトニング」で7,500ドル、乗用EVの「マスタング・マッハ-E」で3,750ドルの税優遇となるとの発表があった。 今回のアメリカでの税優遇の対応については、EVの販売拡大が著しい中国に対抗するとともに、国内の産業振興にもつなげたい狙いがあると思われる。 日本・欧州・韓国は北米での工場建設に動き出しているが、今回の指針が23年4月から始まることから、しばらくの間はアメリカでの販売において苦戦をしいられることになる。 これまで日本政府もアメリカと交渉はしてきたが、結局は受け入れられなかったという残念な結果となった。日本国内での販売よりも輸出の方が多いメーカーもある。日本メーカーにとっては今後販売台数に大きく影響が出ることが予想される。 日本にも、CEV補助金[詳しくはこちら]があるが、生産国による差別はされていない。来年以降の改善を望まざるを得ない。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★フォード、米インフレ抑制法を受けて税額控除対象になるEVを発表……「F-150ライトニング」「マスタング・マッハE」「E-トランジット」の3台、各車クレジットも決定 ★★ステランティス、EVピックアップトラック「ラム1500REV」を発売……バッテリー容量168kWh/航続距離563kmと229kWh/804kmの2種類を用意[詳細はこちら<click>] ★アウディ、リユースバッテリーを活用した充電拠点「アウディ・チャージング・ハブ」をドイツ・ベルリンに開設……最高出力320kWの急速充電に対応した3番目の充電ハブ、既存の電力インフラをそのまま利用 ★自動運転EVのチューリング、「J-Startup企業」に選出……経済産業省主導のスタートアップ支援施策、「世界の自動車業界進出に向けた高い技術力」などが評価 ★メルセデス・ベンツ、スウェーデンの極寒地で次世代のブレーキシステムをテスト……EVモデルへの使用を見据えた開発[詳細はこちら<click>] ★東洋紡と三菱商事が合弁会社「東洋紡エムシー株式会社」を設立・事業開始……車両の軽量化が可能な高機能樹脂開発など推進 ★西武バス、EVバス2台の運行を4月上旬から開始……[清63] 清瀬駅北口~けやき通り~旭が丘団地系統に導入予定、安全性対策済み

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TEXT:福田 雅敏、ABT werke
メルセデス・ベンツ、新型EV「EQE SUV」を欧州で発売……デイリーEVヘッドライン[2023.04.06]

セダンの「EQE」よりもホイールベースを短縮 最高出力180kW(245ps)〜300(408ps)の4グレード展開 【THE 視点】メルセデス・ベンツは5日、2020年12月に受注を開始したミドルサイズのSUV型EV「EQE SUV」を欧州で発売した。 今回発売となったのは、後輪駆動の「EQE 300」「EQE 350+」2車種に、四輪駆動の「EQE 350 4MATIC」「EQE 500 4MATIC」2車種の4車種。価格は8万3,478.5ユーロ(約1,185万円)から。 「EQE SUV」には、「EQS」や「EQE」同様にメルセデスの新しい電動プラットフォームが与えられるが、この「EQE SUV」は「EQE」のホイールベースを90mm短くして、「SUVらしからぬアジリティ」を表現したという。 動力性能は、最高出力180kW(245ps)~300kW(408ps)で、最大トルクは一番大きいもので858Nm(87.5kgm)と非常に強烈である。 一充電あたりの航続距離は、セダンの「EQE」と同じ90.6kWhのバッテリー容量で最大596km(WLTC)。この「EQE SUV」には、先日のデイリーEVヘッドライン[詳しくはこちら]でも取り上げたアイシン製のサンルーフが採用されたのも特徴だ。 「EQS SUV」は既に日本でもお披露目済みだが、「EQE SUV」はまだだ。日本での導入時期などは2023年中ということ以外は明らかにされていない。 ホイールベースが短くてバッテリー容量がセダンの「EQE」と同じ。ということは、ホイールベース間のスペースを余裕を持って設計していたということだろう。今後のバリエーション展開もあると思われる。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★MINI、新世代EVモデル「カントリーマン」の生産を開始……最高出力230kW(312ps)、バッテリー容量64.7kWなど性能値も公表[詳細はこちら<click>] ★★ボルボ、EV特化型店舗「ボルボ・スタジオ東京」を青山(東京都港区)にオープン……EV特化型としては世界初[詳細はこちら<click>] ★テラモーターズ、商業施設「ガレリア・ユギ」(東京都八王子市)にEV用充電器を設置……「Terra Charge」の急速充電器も導入 ★豊田合成、ミリ波レーダーを備えた発光エンブレムを開発……レクサスの新型EV「RZ」に世界初採用 ★ボルボ、2023年第1四半期の販売台数は16万2,938台……うち完全電動モデルのシェアは18% ★フォード、第1四半期のEV売り上げが41%増の1万866台……EVモデルの生産能力を増強へ ★電力シェアリング、EVのタイムシフト充電で特許を取得……V2GやV2HでのCO2削減効果の算定・評価・取引の技術を開発 ★佐賀県基山町が「基山町脱炭素型カーシェア事業」を実施……「日産リーフ」「三菱eKクロスEV」を1台ずつ導入、ソーラーカーポートやV2Hシステムも導入 ★ホンダのインド二輪子会社HMSI、インド国内にEVバイク専用工場を建設……2024年度にEVバイク2台を発売、「ホンダ・モバイル・パワー・パックe:」も活用

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TEXT:福田 雅敏、ABT werke
テスラ、「モデルY」にロングレンジモデル追加……デイリーEVヘッドライン[2023.04.05]

航続距離605km(WLTC)を達成 走り重視の「パフォーマンス」とどちらを取るか 【THE 視点】テスラは4月4日、ミッドサイズのSUV「モデルY」に航続距離が長い仕様の「ロングレンジ」モデルを追加した。納車は5月末から開始される。一充電あたりの航続距離は605km(WLTCモード)となり、価格は676万600円(税込)に設定された。 従来の「RWD」(後輪駆動)モデルは航続507kmで価格は583万4,600円。対して「パフォーマンス」(AWD)は595kmで754万4,600円。「ロングレンジ」は航続距離をグレード中最長としながら、価格的には両車の中間を埋める形となる。 テスラはバッテリー容量やモーター出力などについては未公表だが、車両重量からみるとバッテリー容量は航続距離も近い「パフォーマンス」と同じと思われる。ちなみに、それぞれの車重は「パフォーマンス」が2,000kg、「ロングレンジ」が1,980kgだ。 しかし動力性能は大きく異なり、「パフォーマンス」の 0-100km/hの加速性能は3.7秒、「ロングレンジ」では5.0秒となる。合わせて最高速度も「パフォーマンス」が250km/hで「ロングレンジ」が217km/hだ。この性能の違いは、モーターやインバーターの違いによるものと思われる。 購入を検討している人は、文字どおりにパフォーマンスを重視するか、航続距離を含めたコストパフォーマンスを重視するか、悩まなければならない。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★アークエルテクノロジーズ(AAKEL)と日東工業、EV充電システムで連携……日東工業の普通充電器「Pit-2Gシリーズ」でスマート充電システム「AAKEL eFleet」の機能が利用可能に[詳細はこちら<click>] ★EV開発のGLM、車載用サブバッテリーを開発……商用車向け、バッテリー容量は2.45kWh

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TEXT:福田 雅敏、ABT werke
EVカートを使用したレベル4の自動運転を認可……デイリーEVヘッドライン[2023.04.04]

国土交通省が国内で初めてレベル4を認可 2kmの区間を12km/hで走行 【THE 視点】国土交通省中部運輸局は、全国で初めて運転者を必要としない自動運転車(レベル4)を認可したと発表した。福井県永平寺町で移動サービスとして運行する車両について、道路運送車両法に基づき3月30日付けで全国初の認可となった。 この自動運転車両は運転者を必要としないが、走行エリアは限定される。自動運転を継続することが困難な状況(故障や天候の急変等)が生じた場合に安全に停止することが可能だ。 今回認可された車両は、ヤマハ発動機製の電動カートを国立研究開発法人産業技術総合研究所が改造し、自動運転機能を追加したもの。道路に敷設した電磁誘導線上を追従しながら12km/hで走行するが、限定領域内ということで今回の運行区間は約2kmにとどまる。 今後国内では、走行エリアが限定された自動運転シャトルバスなどが走り出す見通し。レベル4での運行状況を見ながら安全性を確認し、やがては場所・条件を問わずに、いつでもどこでも自動運転が可能でハンドルのない水準のレベル5「完全運転自動化」を目指すものと思われる。 海外では自動運転レベル4の車両が既に走っている国もあるので、ようやく日本もそれに追いついた感じだ。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ヒョンデ、高性能EV「アイオニック5 N」の極寒テストを実施……ー30℃の北極でテスト、2023年7月デビュー予定[詳細はこちら<click>] ★★エネチェンジ、ルートインホテルにEV充電器を導入および更新……全国214店舗に最高出力6kWタイプの普通充電器「EV充電エネチェンジ」を設置 ★京急バス、小型電気バスを上大岡山地区(上大岡駅~大岡交番前・笹堀・岡村梅林入口・泉谷公園~岡村・泉谷循環)で運行……「BYD J6」を使用、六価クロム対策済み ★ウィル、成田空港第1・2ターミナル内で自動運転サービスを開始……1人乗りの電動パーソナルモビリティで計4台を稼働 ★日産、EVコンセプトモデル「マックスアウト」を中国で公開……「上海モーターショー2023」に出展[詳細はこちら<click>] ★トヨタとCJPT、タイでカーボンニュートラルを推進……タイのCharoen Pokphand Groupと基本合意しEVなどを提供へ ★GCストーリー、ソーラーカーポートの導入を法人向けに無償サポート……「ソーラーカーポートPPAモデル」を開始、EV用充電コンセントやV2Hの設置も相談可能

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TEXT:福田 雅敏、ABT werke
車工会とCJPT、商用EVの架装対応に向けてワーキンググループを設立……デイリーEVヘッドライン[2023.04.03]

商用EVの普及に避けて通れない架装 円滑な開発実現に向けて積極的に情報開示・共有を 【THE 視点】3月31日、トヨタ自動車やいすゞなどが加盟するCJPT(コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ)は、商用電気自動車の普及にあたって課題の架装について解決に動き出した。 車工会(日本自動車車体工業会)と連携し、初の試みとして架装メーカーおよび関連架装機器メーカー(以下、業界各社)と共に、商用車電動化のワーキンググループを設立。商用EVと架装に関わる課題と対応の方向性を共有したと発表した。輸送業が抱える課題の解決やカーボンニュートラルの実現への貢献を目指す。 商用車の中でも、小型・中型トラックは「はたらく車」の中核で重要な社会インフラと言える。トラックの電動化を進めるうえでは、架装においても従来とは異なる技術的対応が必要。架装の種類や方法は多種多様であり、今後それらの電動化に向けて開発を円滑に行うため、CJPTは業界各社の輪を拡げ、商用EVの普及を着実に進めていくという。 トラックの多くはカタログモデルではなく、荷台などを架装業者が製作して1台の働くクルマとしてデリバリーされている。 これがEV化となると、高電圧バッテリーや車両制御の通信などエンジン車とは異なる仕様となるため、架装作業が難しくなる恐れがある。エンジン等から外部への補助駆動としてPTO(パワー・テイク・オフ)などが付いた車両では尚更だろう。また、FCEVトラックなどは、高圧水素を搭載しているためタンクやその周辺機器などが多い。架装業者にとってはブラックボックスであり改造を躊躇する課題ではないだろうか。 筆者もこれまでに、改造のEVトラック・バス、そしてFCEVのトラック・バスの開発に携わってきたので、架装業界が抱えている不安は理解できる。電動車両を、これまでのエンジン車のように汎用的に改造・架装ができるようになるこの取り組みは、架装業界にとって非常に重要で、トラックなどの電動化推進に寄与するものと考え歓迎する。 是非とも電動車両のシャシーを販売するメーカーには、架装がスムーズにできるような車両の開発と、より多くの架装情報を提供して頂きたいものである。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★マツダ、「MX-30 e-SKYACTIV R-EV」を日本初公開……「オートモビルカウンシル2023」にて[詳細はこちら<click>] ★★国土交通省、レベル4(無人)の自動運転車を認可……ヤマハ発動機のEVカートを産業技術総合研究所が改造、「永平寺参ロード」(福井県永平寺町)のうち2kmを走行 ★★ジープ、「ラングラー・マグネトー3.0コンセプト」を初公開……AWD・6速MTのEVオフローダー[詳細はこちら<click>] ★ デンソー、SiCパワー半導体を用いたインバーターを開発……EVの航続距離を延伸、レクサスの新型EV「RX」に初搭載※SiC:シリコンカーバイド[詳細はこちら<click>] ★レゾナック、デンソーのインバーターに「パワー半導体用SiCエピウェハー」が採用……「レクサスRZ」のインバーターに、熱の発生・電力損失を低減 ★フォード、リチウムイオン・バッテリー用のニッケルをインドネシアで生産……インドネシアVale Indonesia社と中国Zhejiang Huayou Cobalt社と提携、バッテリー価格の低減を目指す ★エネチェンジ、3自治体の施設に普通充電器(最高出力6kW)を設置……福岡県北九州市/同みやま市/神奈川県横須賀市の公共施設に ★日産、「アリア」の長距離冒険がスタート……北極から南極を目指して2万7,000kmの旅、12月にゴール予定[詳細はこちら<click>] ★エネルギー事業の鈴与グループ、「カーボンニュートラル宣言」を表明……社用車のEV化および車両管理システムを導入 ★BYD、新規店舗「BYD AUTO 越谷」(埼玉県越谷市)を4月7日(金)にオープン……国内3店舗目のショールームを備えた正規ディーラー ★BYD、ドライブレコーダー等のアイテムをプレゼントする企画「スプリングフェスタ」を実施……工賃を含めて20万円相当をサポート、5月31日(水)まで ★BYD、「普通充電器・V2H機器 導入サポートキャンペーン」を実施……設備費用最大5万円をサポート ★トヨタ、燃料電池車「ミライ」の電力で新宿御苑の桜をライトアップ……「NAKED桜の新宿御苑2023」(東京都新宿区)を4月23日(日)まで開催 ★IHI、航空機推進系の小型大出力モーターの試作に成功……容積3L級に収めた250kW(340ps)級、将来的に1MW(1,360ps)以上を目指す

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TEXT:福田 雅敏、ABT werke
ヒョンデ、電気自動車の充電作業を全自動化するロボットを開発……デイリーEVヘッドライン[2023.03.31]

カバーの開閉までロボットが全自動 駐車スペースと充電機器の効率化が可能 【THE 視点】ヒョンデ・モーター・グループは3月29日、EV用の自動充電ロボット「オートマティック・チャージング・ロボット(ACR)」を開発した。「ACR」は、ロボットが自らケーブルをEVの充電口に差し込み、充電が完了すると再びケーブルを取り外すことができるロボットである。 YouTubeにて、その機能と充電シーンを紹介する動画も公開している。その内容は「アイオニック6」がEV充電ベイ(駐車枠)に自動駐車するシーンから始まる。車両が停止すると、「ACR」は車両と通信して充電口を開き、内部に搭載したカメラで正確な位置と角度を計算する。 そしてロボットが充電器を手に取って車の充電用ポートに固定することで充電が開始される。充電が完了するとロボットは充電器を取り外して元の場所に戻し、車両の充電口のカバーも閉じてくれる。 この自動化の効果は大きく、重いケーブルを持たずに充電ができることや、雨の日に濡れながら作業する煩わしさから解放されることが期待できる。 例えばだが、充電ベイが幾つかあるも充電器が1台しかない場合などに、1台の充電が終わったらロボットが移動するなどして次の充電も自動でできるようになれば、充電完了後の車両移動の必要がなくなり、そのまま駐車できるメリットがあるのではないだろうか。 「ACR」の実用化が広まれば、駐車するだけで充電できる非接触充電とコストなどで比較されそうである。いずれにせよ、このようなユニークな機器の開発・実用化が進めば、EVユーザーの充電に対する不満の解消につながるのではないだろうか。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★レクサス、新型EV「RZ450e」を発売……EV専用モデル、新四輪駆動システム「DIRECT4」を採用[詳細はこちら<click>] ★★レクサス、「UX300e」を改良……新開発のバッテリーを採用、航続距離は512kmへ[詳細はこちら<click>] ★★東京都、電動車両向けに以下4つの補助金を用意  1、ZEV車両購入補助金  2、ZEV車両購入補助金(カーシェアリング事業等)  3、EVバイク購入補助金  4、EVバス・EVトラック等購入補助金 ★★国土交通省/経済産業省、「高速道路における電動化インフラ整備加速化パッケージ」を発表……一定時間内に高速道路の外でEV充電が可能に ★★キア、新型SUV「EV9」発表……800Vの急速充電に対応、航続距離541km(WLTC)[詳細はこちら<click>] ★★メルセデス・ベンツ、「メルセデス・マイバッハEQS 680 SUV」を4月17日(月)に公開……マイバッハ初のSUV EV ★★レクサス、EVオーナー向けの専用サービス「LEXUS Electrified Program」を開始……充電場所などの案内を24時間365日対応可能なコンシェルジュサービスなど用意 ★日産、EV・e-POWER車向けに「後付け急加速抑制アシスト」を発売……価格は7,400円(税込)、急なアクセル操作や踏み間違い事故の被害を軽減 ★新電元、レクサスのEVオーナー向けサービスを展開……「レクサス充電ステーション」(東京ミッドタウン日比谷:千代田区)を2023年夏にオープン ★スズキ、オーストラリアのApplied EVと協業……自動運転可能な電動台車を共同開発 ★テラチャージ、東京都限定で「急速充電器無料導入プラン」を開始……最高出力50kWの急速充電器の導入を無料サポート ★東京都、ZEVについての世論調査を発表……魅力の最多意見は「環境にやさしい」(65%)、心配事の最多は「充電・燃料補給場所が少ない」(40%) ★大阪府、「令和5年度 カーボンニュートラル技術開発・実証事業費補助金」の公募を開始 ★ユビ電、急速充電サービス「WeCharge」を開始……2027年までに100ヵ所以上、1ポートあたり最高出力150kWの充電器を設置 ★日本原子力研究開発機構開発の溶媒抽出技術「エマルションフロー」をバッテリーリサイクルに活用……レアメタルリサイクルベンチャーのエマルションフローテクノロジーズと流体制御機器のイワキが共同研究開発へ ★ISレンタリース、「BYD ATTO3」のレンタカーを導入……「アウディ e-tron GT」や「ポルシェ・タイカン」などのレンタルも展開 ★米EVトラックのニコラ、燃料電池車のトレーラーヘッド「トレ・ハイドロジェンFCEV」を100台受注……2023年第4四半期から納入開始 ★ホンダ、既存の自転車を電動アシスト化する「SmaChari」を発表……2023年9月発売予定、スマホの専用アプリでコネクテッドサービスも展開

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TEXT:福田 雅敏、ABT werke
東京都、令和5年度のZEV購入補助金を独自に決定……デイリーEVヘッドライン[2023.03.30]

基本額含む最大70万円が給付される都独自の施策 「自動車メーカー別の上乗せ補助」を設定 【THE 視点】東京都は28日、令和5年度のZEVの車両購入補助金を発表した。ゼロエミッションビークル(ZEV:電気自動車(EV)/プラグインハイブリッド自動車(PHEV)/燃料電池自動車(FCV))の普及促進に向けて、車両購入費補助を本年度も実施する。 東京都は、「2050年CO2排出実質ゼロ」に貢献する「ゼロエミッション東京」の実現に向け、都内で販売される乗用車(新車)を2030年までに非ガソリン化することを目指している。 この購入費補助は、国の「CEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)」とは別に給付されるものだが、補助対象車両はCEV補助金に準ずる。また本年度より、都独自の「自動車メーカー別の上乗せ補助」が設けられたのも特徴だ。 基本補助(※画像参照)にその他の補助金を合わせると、都の補助金だけで最大で70万円上乗せされることになる。ただし高額車については、CEV補助金と同様に減額される条件もある。 申請受付期間は令和5年4月28日から令和6年3月29日までとなっている。また都内の各市区町村が独自に補助を設定している場合もあるので、お住いの自治体に確認することをおすすめする。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★日本政府、「日米重要鉱物サプライチェーン強化協定」に署名……「リチウム」「コバルト」など5種類を「重要鉱物」に指定 ★★経済産業省、令和4年度補正予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」の申請受付を開始……令和4年11月8日以降に新車新規登録(登録車)または新車新規検査届出(軽自動車)された車両が補助対象[関連記事はこちら<click>] ★★NEXCO3社とe-モビリティ・パワー、EV用急速充電器を大量増設へ……2025年までに1,100口[詳細はこちら<click>] ★★ホンダ、新型EV「e:N」シリーズのプロトタイプ第2弾を公開予定……「上海モーターショー」(4月18日(火)〜)にて[詳細はこちら<click>] ★★ヒョンデ、EV用充電ロボットを開発……ロボットが充電ポートを開口・プラグ差し込み、YouTubeに動画を公開 ★スズキ、EVスクーター「e-バーグマン」の実証実験を開始……都内にて4月〜6月まで実施、交換式バッテリーシェアリングサービス「ガチャコ」に対応 ★パナソニック/イチネン/パイオニアの3社がEVトータルマネジメントに向けて実証実験を開始……企業・自治体向けにEVの導入サポートから安定した電力供給・運用までをサポート ★メルセデス・ベンツ(MB)の戦略的パートナー「ロック・テック・リチウム」社が独ブランデンブルグにリチウム工場を着工……2026年からバッテリー用の水酸化リチウムをMBに供給 ★BMW、EVセダンの「i5」の耐久テストを実施……独バイエルンからスウェーデンの北極圏付近まで3,000km・5日間のテスト ★メルセデス・ベンツの「EQS SUV」「EQE SUV」にアイシンのパノラマサンルーフが採用……BEVに適した静粛性などが特徴 ★福島県会津若松市、「令和5年度電気自動車等購入補助金」を決定……1台につき4万円(子育て世代は5万円)を支給、1世帯・1法人1台までで合計30件程度を予定 ★テラモーターズ、高知県室戸市にEV充電器「テラチャージ」を導入……日本製が評価され100基の大規模導入、「室戸世界ジオパークセンター駐車場」や「むろと廃校水族館」などに ★金沢大学生が福井県越前市内での小型EV活用プランを提案、観光スポット巡りなど議論……先端科学・社会共創推進機構が推進する「Project:AERU」の一環、同市モーター開発のTOPなども参加 ★ジゴワッツ、自社製品のEV用普通充電器「JW-EVSE-3KI」がJARIの認証を取得……NeV(新エネルギー車)の補助金の対象製品に ★BYD、エヌビディアと提携……自動運転向けチップセット「DRIVE Orin」を「オーシャン」など複数モデルに拡大 ★BYD、コスタリカで「オーシャン」シリーズを発表……「ドルフィン」「シール」など4車種を導入 ★損保ジャパン、BYDフォークリフト・ジャパンと提携……EVフォークリフト購入者に対して部品交換・修理の保証を提供 ★ブレイズ、金利ゼロキャンペーンを実施……「ブレイズ スマートEV」「ブレイズ EVスクーター」が対象、4月1日(土)〜5月31日(水)までの期間

TAG: #EV政策 #THE視点 #補助金
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
日産自動車が「R32 GT-R」をEV化……デイリーEVヘッドライン[2023.03.29]

「脅威のハイテク戦闘機」をEVにコンバート 独自の4WD「アテーサE-TS」をどうするか 【THE 視点】日産は、「R32型 スカイラインGT-R」のEVコンセプトモデル「R32EV」を製作すると発表した。既存の「R32 GT-R」の車体を利用した「コンバージョンEV」となる。 「R32型」は8代目「スカイライン」として、1989年に発売された。中でも「GT-R」は実に16年ぶりの復活となり大きな話題を呼んだ。 「GT-R」のために専用設計された2.6L直列6気筒DOHCツインターボエンジン「RB26DETT」は、当時の国産車最強の280psを発生。駆動方式には、路面状況に応じて前輪に駆動力を配分するFRベースの電子制御4WD「アテーサE-TS」が採用された。 サスペンションも新開発の4輪マルチリンク方式を採用し、セダン派生型のスポーツカーとしては世界トップクラスの運動性能を実現した。1990年~1993年の全日本ツーリングカー選手権(JTC)では4シーズン29戦29勝0敗という戦績を残したことでも知られる。 「GT-R」は「アテーサE-TS」という独自の4輪駆動を採用し鉄壁の速さと技術の高さを証明していただけに、「R32 GT-R EV」もただ電動化しただけでは名折れになる。そこに日産の最新電動4WDシステム「e-4ORCE」を織り込むのかどうか、何よりRB26エンジンの強烈なインパクトを電動でどう表現するのか、フロントヘビーと言われる重量特性は変わるのか、期待が高まる。 「東京オートサロン2023」でのトヨタ「AE86 カローラ・レビン」のEVといい、人気のビンテージカーのEV化に注目が集まる中での発表なだけに、完成が待ち遠しい。また情報が入り次第お伝えしたいと思う。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★首都高、「都市計画駐車場」にEV用充電器を設置……汐留/日本橋兜町駐車場など計5カ所に普通充電器 ★★イーモビリティパワー、路上パーキングエリアにEV用急速充電器を設置……芝公園付近(東京都港区)と代官山付近(同渋谷区)の2ヵ所に ★アウディ、試乗会「Audi e-tron tour experience(半日プログラム)」を開催……5月12日(金)にインターコンチネンタルホテル大阪(大阪市北区)にて、「Q4 e-tron 」「e-tron GT」など計4車種を用意 ★公道対応の小型「EVトライク」が「蔦屋家電+」(二子玉川ライズS.C. テラスマーケット:東京都世田谷区)に展示……両備ホールディングスが取り扱い、前二輪・後一輪の三輪車[詳細はこちら<click>] ★テラモーターズ、大阪府交野市にEV充電器「テラチャージ」を導入……交野市役所はじめ公共施設計6箇所に ★米新興のルシード、「ルシード・エア」に「アップル・カープレイ」を標準装備化……「iPhone」の機能を車両側から利用可能に ★丸紅、世界初のEVタンカー「あさひ」がJ-クレジットに登録……CO2排出削減量を「クレジット」として国が認証 ★運送業向けDX推進企業のシステック、トラックの屋根を利用する太陽光発電「ロジソーラー」を発表……バッテリーに直接充電しオルタネーターの負担を低減

TAG: #GT-R #THE視点 #コンバージョンEV
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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