EVヘッドライン
share:

車工会とCJPT、商用EVの架装対応に向けてワーキンググループを設立……デイリーEVヘッドライン[2023.04.03]


TEXT:福田 雅敏、ABT werke
TAG:

商用EVの普及に避けて通れない架装
円滑な開発実現に向けて積極的に情報開示・共有を

【THE 視点】3月31日、トヨタ自動車やいすゞなどが加盟するCJPT(コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ)は、商用電気自動車の普及にあたって課題の架装について解決に動き出した。

車工会(日本自動車車体工業会)と連携し、初の試みとして架装メーカーおよび関連架装機器メーカー(以下、業界各社)と共に、商用車電動化のワーキンググループを設立。商用EVと架装に関わる課題と対応の方向性を共有したと発表した。輸送業が抱える課題の解決やカーボンニュートラルの実現への貢献を目指す。

商用車の中でも、小型・中型トラックは「はたらく車」の中核で重要な社会インフラと言える。トラックの電動化を進めるうえでは、架装においても従来とは異なる技術的対応が必要。架装の種類や方法は多種多様であり、今後それらの電動化に向けて開発を円滑に行うため、CJPTは業界各社の輪を拡げ、商用EVの普及を着実に進めていくという。

トラックの多くはカタログモデルではなく、荷台などを架装業者が製作して1台の働くクルマとしてデリバリーされている。

これがEV化となると、高電圧バッテリーや車両制御の通信などエンジン車とは異なる仕様となるため、架装作業が難しくなる恐れがある。エンジン等から外部への補助駆動としてPTO(パワー・テイク・オフ)などが付いた車両では尚更だろう。また、FCEVトラックなどは、高圧水素を搭載しているためタンクやその周辺機器などが多い。架装業者にとってはブラックボックスであり改造を躊躇する課題ではないだろうか。

筆者もこれまでに、改造のEVトラック・バス、そしてFCEVのトラック・バスの開発に携わってきたので、架装業界が抱えている不安は理解できる。電動車両を、これまでのエンジン車のように汎用的に改造・架装ができるようになるこの取り組みは、架装業界にとって非常に重要で、トラックなどの電動化推進に寄与するものと考え歓迎する。

是非とも電動車両のシャシーを販売するメーカーには、架装がスムーズにできるような車両の開発と、より多くの架装情報を提供して頂きたいものである。
(福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー)

★★マツダ、「MX-30 e-SKYACTIV R-EV」を日本初公開……「オートモビルカウンシル2023」にて詳細はこちら<click>

★★国土交通省、レベル4(無人)の自動運転車を認可……ヤマハ発動機のEVカートを産業技術総合研究所が改造、「永平寺参ロード」(福井県永平寺町)のうち2kmを走行

★★ジープ、「ラングラー・マグネトー3.0コンセプト」を初公開……AWD・6速MTのEVオフローダー詳細はこちら<click>

★ デンソー、SiCパワー半導体を用いたインバーターを開発……EVの航続距離を延伸、レクサスの新型EV「RX」に初搭載※SiC:シリコンカーバイド詳細はこちら<click>

★レゾナック、デンソーのインバーターに「パワー半導体用SiCエピウェハー」が採用……「レクサスRZ」のインバーターに、熱の発生・電力損失を低減

★フォード、リチウムイオン・バッテリー用のニッケルをインドネシアで生産……インドネシアVale Indonesia社と中国Zhejiang Huayou Cobalt社と提携、バッテリー価格の低減を目指す

★エネチェンジ、3自治体の施設に普通充電器(最高出力6kW)を設置……福岡県北九州市/同みやま市/神奈川県横須賀市の公共施設に

★日産、「アリア」の長距離冒険がスタート……北極から南極を目指して2万7,000kmの旅、12月にゴール予定詳細はこちら<click>

★エネルギー事業の鈴与グループ、「カーボンニュートラル宣言」を表明……社用車のEV化および車両管理システムを導入

★BYD、新規店舗「BYD AUTO 越谷」(埼玉県越谷市)を4月7日(金)にオープン……国内3店舗目のショールームを備えた正規ディーラー

★BYD、ドライブレコーダー等のアイテムをプレゼントする企画「スプリングフェスタ」を実施……工賃を含めて20万円相当をサポート、5月31日(水)まで

★BYD、「普通充電器・V2H機器 導入サポートキャンペーン」を実施……設備費用最大5万円をサポート

★トヨタ、燃料電池車「ミライ」の電力で新宿御苑の桜をライトアップ……「NAKED桜の新宿御苑2023」(東京都新宿区)を4月23日(日)まで開催

★IHI、航空機推進系の小型大出力モーターの試作に成功……容積3L級に収めた250kW(340ps)級、将来的に1MW(1,360ps)以上を目指す

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
日本は3年連続「日産サクラ」がトップ! じゃあ中国・欧州・アメリカで一番売れてるEVってなにか調べてみた
電気自動車って「お金的に」得? エンジン車と諸々の費用を比べてみた
リーフのバッテリーパックをバラして積むって意外に大変! 初代フィアット・パンダのEV化に挑戦してみた【その5】
more
ニュース
ポルシェ史上最高出力の市販車は911でも水平対向6気筒でもない!? 新型カイエンにEVの「エレクトリック」と「ターボ・エレクトリック」が登場
ジープもフィアットもテスラのスーパーチャージャーで充電できる! ステランティスの傘下14ブランドがNACS規格採用で大きく変わる充電規格の勢力争い
「日産リーフ」の広告かと思いきやこれはスマホの充電器? 体験型屋外広告「BATTERY WALL」にギャルもびっくり
more
コラム
EVならカタログ数値超えの電費も夢じゃない……のにみんな出せないのはなぜ? 大切なのはエンジン車の乗り方を捨てたEV特有の操作だった
東京大学柏キャンパスに設置されている小野測器の1軸型台上試験装置(筆者撮影)
高度な電動車になればなるほど高精度な計測器が不可欠! 東大と小野測器が研究開発する台上試験装置の万能っぷり
中国でバカ売れの「N7」は日産の救世主となるか? 日本メーカーが苦しむ中国市場で人気車を生み出せたワケ
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
more
イベント
見どころはスーパーワンプロトタイプだけじゃない! 全メーカー中でもっともモビリティショーしていたホンダは陸・海・空に加えて宇宙にも進出か【ジャパンモビリティショー2025】
スーパーオートバックスかしわ沼南に90台のEVとオーナーが集合してゆる〜く懇親! 「EV MEET 2025 AUTUMN」を開催
EVらしさをなるべく廃したスタイリングで乗り換えを自然に! スズキが軽EVコンセプトカー「Vision e-Sky」で考えたのはEVであることを気づかれないことだった【ジャパンモビリティショー2025】
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択