伝統と先進技術が交錯する内外装
新型カイエン・エレクトリックおよびターボ・エレクトリックは、全長4985mm、全幅1980mm、全高1674mmの堂々たるボディに、内燃機関モデルより130mm近く延長した3230mmのホイールベースにより、伸びやかなスタイリングと広々とした後席空間を獲得している。
「新しいカイエンは、紛れもなくポルシェであり、紛れもなくカイエンです。ポルシェは、実績のあるデザインの特徴をベースに、このSUVの独自性を維持しました。その結果、カイエンを未来へと導くモダンなデザインコンセプトが生まれました」と、スタイル・ポルシェの責任者であるミヒャエル・マウアーが語る通り、力強い輪郭を描くフェンダーは、なだらかな傾斜のルーフラインと同様に、ポルシェ一族伝統のデザインを継承している。
しかし、細部のライティングには最新のLEDやイルミネーションが用いられ、伝統と先進技術の融合を果たしている。それはエアロダイナミクスにも反映され、独自のアクティブエアロダイナミクスシステムにより、走行状況や速度に応じて空力性能を最適化するだけでなく、ポルシェらしいエクステリアとしながらも空気抵抗係数を0.25にまで低減させることに成功している。
インテリアはデジタル化が一層進み、センターコンソールに溶け込むようにレイアウトされた新開発のフローディスプレイはそのハイライトと言えそうだ。そのうえ、14.25インチのフルデジタルメーターパネルと、オプションの14.9インチ助手席側ディスプレイを組み合わせると、ポルシェ史上最大のディスプレイエリアが出現する。
さらに、車両の10m前方に87インチ相当のディスプレイエリアを視覚的に表示する、AR技術を搭載したヘッドアップディスプレイも用意されるなど、革新的なドライバーエクスぺリンスを提供してくれる。
電動モデル追加後もICEとHVは継続
新型カイエン・エレクトリックとターボ・エレクトリックは、既存のドライブトレインの選択肢を補完するものであり、内燃機関とハイブリッドシステムは今後も世界中で並行して提供していく予定だという。
これについて、ポルシェのセールス/マーケティング担当取締役マティアス・ベッカーは次のように述べている。
「お客さまに感動を与えることはポルシェにとって最優先事項です。カイエンの電動化によって、ポルシェは将来の基準となる新たなレベルの性能に到達します。同時に、効率的な内燃エンジンとハイブリッドドライブを搭載したカイエンの開発を、次の10年に向けても続けていきます」
「この戦略は、ポルシェのすべてのモデルポートフォリオに適用されます。将来的には我々が展開するすべてのセグメントにおいて、お客さまはフル電動や内燃エンジンのパワートレインから選択できるようになります」
内燃機関搭載モデルこそポルシェと思われる向きもあるだろうが、電動モデルならではの最新技術に裏付けられた未来的なドライバーエクスペリエンスもまた、新時代のポルシェとして魅力を放っている。
新型カイエン・エレクトリックの税込希望小売価格は1335万円、同ターボ・エレクトリックは2101万円となっている。



































































