#新型車情報
TEXT:斎藤充生
EVミニバンは誰が買うのか? VWが明かした意外な「ID.Buzz」の購入者像

日本で唯一のEVミニバン「ID.Buzz」に勝機はあるのか? フォルクスワーゲンの大型EVミニバン「ID.Buzz」が日本に上陸した。ここ日本では、全長約4.2mのコンパクトなトヨタ・シエンタやホンダ・フリードから、全長約5mに迫りスペースユーティリティとラグジュアリー性を極めたトヨタ・アルファード/ヴェルファイアに至るまで、さまざまなタイプのミニバンがラインアップされ成熟した市場が形成されている。 それだけに、ID.Buzzがポップな見た目と日本市場で唯一のEVミニバンという特徴を武器にしても、最安モデルのノーマルホイールベース「Pro」で888万9000円と、決して安くはない車両本体価格が足かせとなり、あまり多くの販売台数は見込めないはずだ。 フォルクスワーゲングループジャパンの名誉のためにお断りすると、ドイツでの車両価格は6万ユーロ前後、日本円に換算して約980万円前後なので、輸送費や日本に合わせたローカライズ作業を考えれば十分頑張った価格設定だと言える。しかし、ミニバンに900万円というのは庶民的な価格ではない。 そのような高額なミニバン、ましてやEVに対して風当たりの強い日本でフォルクスワーゲンはどのように販売していくつもりなのだろうか。そしてID.Buzzを選ぶ顧客層をどのように想定しているのだろうか。ID.Buzzの発表会場で聞いた関係者のコメントをもとに紐解くとしよう。 ふたつの異なるターゲット層 ID.Buzzの新車発表会後、記者らの囲み取材に応じたフォルクスワーゲン ジャパンのブランドディレクターであるイモー・ブッシュマン氏は、ID.Buzzの購入者像はふたつあると語った。 「このID.Buzzを、ご自身の2台目もしくは3台目として所有されるお客さまをターゲットとしています。フォルクスワーゲンの歴史やヘリテージに理解のある方、そして電気自動車などの新しいテクノロジーに関心の強い方を主な対象としています」 「もうひとつのターゲット層ですが、それはいわゆるファミリー層です。クルマを1台しかお持ちでない方のなかでも、MPV(いわゆるミニバン)や新しいテクノロジーを好む方を対象としています。そして、フォルクスワーゲンに求められるクラフトマンシップや安全性、ドライビングパフォーマンスを高く評価してくださる方をターゲットとしています」 後者のターゲット層は想定の範囲内というか、いわゆるミニバンの正当なターゲット層だと感じたが、前者に関しては想定外の回答だった。900万円前後のEVミニバンがセカンドカー? そんな需要が本当にあるのだろうか。

TAG: #ID.Buzz #フォルクスワーゲン #新型車情報
TEXT:斎藤充生
フォルクスワーゲン「ID.Buzz」がついに日本上陸! 日本試乗で唯一となるBEVミニバンは888万9000円から

75年の時を超えて現代に蘇りし「ワーゲンバス」 いまから75年前というはるか昔のデビューながら、いまだ根強い人気を誇っているフォルクスワーゲンのアイコニック的存在、フォルクスワーゲンType2。ニックネームの「ワーゲンバス」のほうが多くの方にとっては思い浮かべやすいだろうか。 100年に1度の転換期と呼ばれる現代において、そのワーゲンバスがBEVのフルサイズミニバン「ID.Buzz」に生まれ変わって日本へ上陸した。 と大上段に構えたものの、その源流となるコンセプトカーが登場したのは2017年。そしてフォルクスワーゲンの母国ドイツで生産車が発売されたのは2022年11月のことだから、日本へ正式に導入されるまでずいぶんと待たされたというのが本音だ。 発表会では、舞台上にご先祖様であるType2が鎮座し、その隣へ末裔のID.Buzzが迎え入れられる格好で登場した。 ホイールベースの異なるふたつのグレードが設定され、装備はもちろん、価格もバッテリー容量も異なることから、それぞれのグレードについて豊富な内外装の画像とともにお伝えしていきたい。 見た目はポップに中身は真面目に 晴れて日本の地を踏んだID.Buzzは、ドイツのハノーバーにあるフォルクスワーゲン商用車部門の工場で生産され、現時点で日本市場で購入可能な唯一のミニバンタイプの電気自動車だ。「MEB(モジュラー・エレクリックドライブ・マトリクス」を土台に設計されたID.Buzzは、2022年11月に日本へ導入された電動SUV「ID.4」に続く、フォルクスワーゲンのEV第2弾で、フォルクスワーゲンのeモビリティ戦略を推進する重要な役割を担っていくという。 エクステリアデザインは、先祖にあたるワーゲンバスの要素がふんだんに取り入れられている。切り詰められたフロントオーバーハングに、フロントマスクに鎮座する巨大なVWロゴ、ワーゲンバスではV字型に塗分けられたフロント部分をID.Buzzではボディパネルで表現するなど、安全基準が大きく異なる現代においてよくぞここまでワーゲンバスの要素をデザインに落とし込んだものだと感心する。 インテリアは、フォルクスワーゲンらしく質実剛健な造形のなかにポップな印象を与える色味やパネルを用いているが、外見ほどのユーモアさはなく、むしろ真面目に作られている印象を受ける。 6人乗りのノーマルホイールベース仕様(NWB)は2列目にキャプテンシートを採用し、センターウォークスルーを可能にしている。一方の7人乗りロングホイールベース仕様(LWB)は、2列目がベンチシートタイプになっている。 シートは厚みのあるクッションで構成され造りもガッシリとしており、ドイツのミニバンらしさを感じるポイントだ。その分シートアレンジに多少力を必要とする部分もあるが、それゆえのガッシリ感なのだからトレードオフの関係性と考えたい。 運転席と助手席の間には「ID.Buzzボックス」と呼ばれる脱着可能な収納ケースが装備されている。 取り外すと6人乗りのNWB仕様の場合、1列目から3列目までウォークスルーが可能になる。使用目的に応じて臨機応変にアレンジしたいところだ。 両手が塞がった状態でもドアを開け閉めすることができるイージー・オープン&クローズ機能を搭載したテールゲートを開けると、実用的な荷室空間が広がっており、3列目を畳めば荷室のアッパーボードからフラットな空間を作り出すことができる。 なお、LWB仕様の場合は3列目シートを脱着することで、荷室積載量を最大2469リットルまで拡大することが可能だ。

TAG: #ID.Buzz #フォルクスワーゲン #新型車情報
TEXT:TET編集部
日本初のEVマイクロバスとEV大型観光バスがついに姿を見せた! EVモーターズ・ジャパン「V8-Micro Bus」と「F8-Coach」がバステクで初公開

ついに一般公開された2種類のEVバス 福岡県北九州市に本社を構え、自社で電気自動車(EV)の開発を行なっているEVモーターズ・ジャパン。昨年10月に開発完了を公表していた国内初のEVマイクロバス(全長6.99m)と大型観光EVバス(全長12m)の2車種を、神戸で開催された「2025 バステクフォーラム」の会場でついに一般向けに初公開した。 EVマイクロバス(全長6.99m) EVマイクロバスは厳密にいえばモデル名を「V8-Micro Bus」といい、全長5.99mと6.99mの2車種がラインアップされ、一般向け初公開となったのは後者の方だ。 この国内初のEVマイクロバスは、主にスクールバスやデマンドバス、送迎バスなどに利用されることが想定されており、バイワイヤ制御を標準搭載して快適性の向上と、安全な先進運転支援の提供を実現している。 全長5.99mのモデルはフロアがステップありの高床タイプ。一方の全長6.99mのモデルは低床ノンステップタイプも選択することができる。全長の違いはそのままホイールベースの長さにあてがわれ、乗車定員16名から補助席の利用を含む最大24名まで、利用規模に応じた車種選択を可能としている。 大型観光EVバス(全長12m) 初公開となったEVバスの2車種目は、全長12mの大型観光EVバスだ。こちらもマイクロバスと同様に大型観光バスとしては国内初のEVバスだ。 大容量の貫通式トランクルームを設置し、観光目的やエアポートバスなど、さまざまな用途を想定しており、乗車定員は52名となる。 初公開の場となった「2025 バステクフォーラム」で2台を試運転および試乗した来場者からは、「加減速の滑らかさとEVならではの静穏性に驚いた」「小型のEVマイクロバスを工場の送迎車両として活用したい」などといった声がEVモーターズ・ジャパンに寄せられたという。 同社はこれらのリアルな声を大切にし、さらなる製品改良とラインアップの拡充に努めていきたいとしている。

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TEXT:TET 編集部
「bZ4Xツーリング」の車名で日本でも2026年春に発売予定の新SUV! トヨタ bZ4Xのワゴン版となる「bZ Woodland」を北米で発表

BEV需要が堅調な北米に新たなトヨタのBEV選択肢 トヨタのバッテリーEVシリーズである「bZ」は「Beyond Zero」の頭文字から命名されている。そこには、トヨタが作るEVはCO2排出量ゼロという、EVならではの価値に加え、それを超えた価値を届けたいという想いが込められているのだという。 ここ日本ではSUVタイプのbZ4Xが存在し、EVの需要が高い中国においてはbZ3シリーズとしてクーペスタイルのbZ3CとSUVタイプのbZ3Xなどがラインアップされ、今後は大型セダンのbZ7の発売も控えている。欧米でもbZ4XをはじめとしたトヨタのBEVは販売されており、先ごろ進化した改良版bZ4Xが欧州で発表されたばかりだ。 その改良版bZ4Xは、今年後半にも国内で販売が開始されることが予告されているが、今回それとは別に北米向けのbZ4に新たなボディタイプが追加されることが、トヨタの北米事業体「TMNA」の新型車発表イベントで明らかにされた。また、この新たなbZ4は、2026年春ごろから日本での発売を予定しているというから、俄然注目すべき存在なのだ。

TAG: #bZ4X #トヨタ #新型車情報
TEXT:TET 編集部
新型リーフを筆頭に世界中に新型EVを投入して戦力底上げ! 日産が今後の経営戦略を発表

起死回生を目指す日産の2025年度以降のEV新車投入計画 2024年9月中間連結決算で表面化した日産の深刻な経営不振。企業存続のためライバルメーカーであるホンダに救いを求めるも破談に終わり、責任を取る形で経営トップが交代することとなった日産。経営の在り方はもちろんだが、そもそも不振の原因として挙げられるのは「売れるクルマが無い」ことだとされている。それだけに、今後の日産がどのような商品展開を実施するのか、当然注目されている。 その日産は、2025年3月26日に2025年度から26年度にかけて世界各地へ投入する新車およびマイナーチェンジ車、新技術に関する発表を行なった。そのなかで3代目「リーフ」がデビューすることや、市場ごとに異なるニーズに合わせコンパクトEV「マイクラ」のデビュー、「ジューク」にEVモデルが追加ラインアップされることが明らかとなった。 日産が起死回生を狙った商品展開について、EVに軸足を置いてレポートしたい。 計画が目指すところ 日産のチーフパフォーマンスオフィサーであるギョーム・カルティエ氏は、今回の発表について「日産は市場戦略を見直し、よりお客さまのニーズにお応えし、売上を成長させるため、市場毎に最適な商品戦略を導入します。パワートレインの多様化と新型車を通じて、お客さまの多様な嗜好を満たす幅広い選択肢を提供し、日産とインフィニティの両ブランドをさらに差別化していきます」と述べている。 また、チーフプランニングオフィサーであるイヴァン・エスピノーサ氏は「今後2年間で、新型『リーフ』や新型『マイクラEV』を含む魅力あふれる商品ラインアップを構築します。さらに、SUVのラインアップを刷新し、運転体験を向上させます。また、次世代e-POWERは新次元の洗練された高効率な走りを実現します。私たちは最高の日産を体現する商品に投資し、世界中の熱いファンの皆様と日産を支えてくださっているお客さまにワクワクする体験をお届けすることをお約束します」と述べ、EVの一本鎗ではなく、市場ニーズに応じた商品ラインアップに注力する旨が語られている。 注目の3代目新型「日産リーフ」が登場 世界に先駆けて電気自動車の量産化を実現した日産のリーフは、初代からから数えて3代目へとフルモデルチェンジを果たす。注目はそのスタイリングだ。 これまでの日産リーフは、比較的オーソドックスなハッチバックスタイルのボディをまとっていたが、3代目となる新型リーフでは一新され、洗練されたデザインと広々とした室内空間を併せ持つクロスオーバーに生まれ変わるという。 現行の2代目リーフに比べ、大幅な航続距離の延長を見込むと発表された3代目新型リーフは、同社のアリアから採用されたCMF EVプラットフォームを採用する。さらに、3-in-1パワートレインによる効率的なエネルギーマネージメントと優れたパッケージング、走行性能の向上が図られる。 北米仕様車にはNACS充電ポートが搭載され、日産のEVとして初めて「テスラスーパーチャージャーネットワーク」へのアクセスも可能になる。これにより北米市場での成功を目指す構えだ。 その3代目新型リーフの詳細は、2025年半ばに発表予定だという。市場投入に関しては、2025年度内にまず米国とカナダでの発売が予定され、年度内には日本と欧州にも導入される見込みだ。 米国とカナダ向けの新車投入計画では、2027年度の後半から「冒険心にあふれるSUV」と謳われる新型EVがミシシッピ州のキャントン工場で生産が開始されることにも言及。さらに、2028年度には最新のインフィニティデザインと技術を取り入れた、インフィニティブランドの電動SUVを新たに投入する計画も明らかにした。

TAG: #リーフ #事業戦略 #新型車情報 #日産
TEXT:TET 編集部
BEV用の新開発プラットフォーム「PPE」初採用! アウディQ6 e-tron/SQ6 e-tronがついに日本デビュー

新型電動SUV「Q6 e-tron」「SQ6 e-tron」を発表 アウディ ジャパンは、プレミアムミッドサイズ電動SUV「Q6 e-tron」およびスポーツグレード「SQ6 e-tron」を発表した。2024年4月15日から全国の正規ディーラーにて発売を開始する。 Q6 e-tronシリーズは、アウディがポルシェと共同開発した新しいBEVプラットフォーム「PPE(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)」を採用した初の市販モデルで、アウディのSUVシリーズ「Qモデル」らしいスタイルと、BEVシリーズ「e-tron」のデザイン言語を融合させ、高い走行性能と充電速度、さらに最長672km(SQ6 e-tron)という優れた一充電航続性能を高次元にバランスさせた次世代電動SUVだ。 テクノロジーを可視化したエクステリアとインテリア Q6 e-tronは、全長4770mm×全幅1940mm×全高1695mm、ホイールベース2895mmの堂々としたプロポーションを備える。全体的にはソフトな印象を与える流れるようなフォルムを持ちつつも、シャープなラインやエッジがコントラストを生み出し、静止しているときでもダイナミックな存在感を放つデザイン処理が施されている。とくにDピラー下部のquattro(クワトロ)ブリスターと呼ばれる部分は、アウディのデザインDNAである「テクノロジーの可視化」を表現しており、「e-tron GT」の流れを汲んだ力強さと安定感を視覚的に訴えかける。 インテリアは、立体的でハイコントラストな3Dデザインを採用し、奥行と洗練された美しさを実現したという。また、新開発された未来志向の電子アーキテクチャー「E³ 1.2」により、車両のデジタル化をこれまで以上に直接体験できるようにしている。これにより生み出されたコネクテッド機能を備えたデジタルインテリアが、特徴的な空間の演出に深く貢献している。 11.9インチのバーチャルコックピットプラスと14.5インチのMMIパノラマディスプレイで構成されたコクピットは、明るく広々としたスペース感覚を与える。また、助手席側にも10.9インチのMMIパッセンジャーディスプレイが装備され、デジタルコンテンツを楽しんだり、充電ステーションの検索をサポートしたりといった機能を有し、新たな移動体験を提供する。 室内空間はソフトラップと呼ばれるトリムが、ドアからコクピット全体、そしてセンターコンソールにまでシームレスに広がる。これにより、乗員を包み込むような調和の取れたスペースを生み出している。また、eモビリティにシフトするアウディの新しいラグジュアリーの在り方を、リサイクル素材を活用するなどして表現。レザーフリーマテリアルのオプションも提供され、サスティナビリティへの配慮も忘れない。 トランクは526リットルの容量を備え、3分割式のリヤシートを倒すことで最大1529リットルまで拡大する。さらに、64リットルのフロントトランク(フランク)を設け、高い実用性を誇る。 むろん新開発のPPEプラットフォームにより、広々とした室内空間と快適な居住性を手に入れていることはいうまでもない。 Audiならではのライティング技術がさらに進化 Q6 e-tronには、世界初の「アクティブデジタルライトシグネチャー」が装備されている。このフロントフェイスを引き立てるデジタルライトは、12のLEDセグメントとアルゴリズムの相互作用により、8パターンのライトシグネチャーの選択が可能だ。 リヤのデジタルOLEDライトは、従来の10倍にあたる合計360のセグメントを備えた6枚のOLEDパネルを装備している。これにより、リヤエンドのデザイン性を高めるだけでなく、周囲の状況に応じた警報シグナルを発する「コミュニケーションライト」機能を搭載し、安全性の向上に寄与する。

TAG: #Q6 e-tron #SQ6e-tron #アウディ #新型車情報
TEXT:TET編集部
ルノーが手がけた伝説の名車が現代に蘇る! 小型EVホットモデル「ルノー5 ターボ 3E」とは

現代版「ルノー5」が超過激モデルに変貌を遂げて復活 ルノーはフランスを代表する量産メーカーでありながら、時に奇想天外なクルマを世に送り出し、我々クルマ好きを驚かせてくれる。もともとフロントエンジン駆動だったクルマを、わざわざミッドシップ化して販売するなんて発想は、利益を重視する一般的な大メーカーなら企画段階で却下されてしまいそうなものだが、ルノーはそれを情熱を持ってやりきってしまうのだから愛おしくてたまらない。その姿勢たるや、もはやお家芸の領域に達するのだが、ここでは称賛を込めてあえていおう、「ルノーは変態」だと。 3月17日にフランスで発表されたルノー最新のEVは、まさにその変態的お家芸が炸裂したといえる。 専用に改良されたアルミシャシーには、過激なフェンダーを備えたカーボンボディをまとう。リヤには540馬力を発生する革新的なインホイールモーターが与えられ、0-100km/h加速を3.5秒以下でこなす。このハイパフォーマンス性能を手に入れたEVスーパーカーこそ、「ルノー 5 ターボ 3E」だ。 車名の「5」はフランス語読みで「サンク」と読む。この名前にピンと来た方は古くからのエンスージアストか、最新のEVについて情報収集に余念のない方だろう。 迫力に満ちたボディは、1980年代にラリーで活躍した同社の小型ミッドシップモデル「ルノー5ターボ」および「ルノー5ターボ2」へのオマージュだ。そのルノー5ターボおよびターボ2のベースとなったのは、同社の小型実用車「ルノー5(サンク)」であり、小粋で洒落たボディは持つものの、至って真面目なFFの実用車だ。それを、当時ラリーでの勝利に飢えていたルノーが、競技ベース車両として仕立てたのが「ルノー5ターボ」であり、過激なミッドシップ化は強烈な印象とともに人々を魅了した。 それから約40年あまりの月日が流れ、ルノー5は現代的なアレンジによりコンパクトEV「ルノー5 E-Tech electric」となって昨年欧州で復活を遂げた。 そしてルノーは、「EVでも過激なモデルを作れるんだぞ!」と家系の血が騒いだのか、またしても過激なまでにチューンされたスペシャルモデル「ルノー5ターボ 3E」という化け物を作ってしまったというわけだ。もはや脱帽である。 内装に至っては競技車両でもないのにBピラー内側にロールバーが備えつけられ、ラリーで勝利を重ねた先祖の姿がオーバーラップする。 公開された欧州仕様のスペックは次の通りだ。ボディは全長4080×全幅2030×全高1380mm、ホイールバースは2570mm、最低地上高は118mmで車重は1450kgと発表されている。後輪に備わるインホイールモーターは1輪あたり200kWを発生し、合計出力は400kW/540馬力に達する。 バッテリーは容量70kWのリチウムイオンで最大航続距離は400km(WLTP)になるという。これらにより0-100km/h加速は3.5秒以下、最高速度は270km/hという刺激的な性能を発揮する。 世界生産台数は初代ルノー5ターボのデビューイヤーに合わせたと思しき1980台。そしてご安心あれ、この種のクルマを好む者が多いといわれる日本にも導入される予定であることが、ルノー・ジャポンからアナウンスされている。詳細は決まり次第改めて発表されるというから、いまから首を長くして待ちたい。さあ、伝説のサンクターボが現代に蘇るぞ!

TAG: #ルノー #ルノー5 #新型車情報
TEXT:TET 編集部
ドライブレコーダーにETC車載器にカラオケマイクもついてくる!? 4月15日発売のBYD新型クロスオーバーSUV「シーライオン 7」の事前予約開始

初期購入特典は「カラオケマイク」!? BYDは、日本国内に導入するバッテリーEV(BEV)の4車種目となるクロスオーバーSUV「SEALION 7(シーライオン セブン)」について、3月15日から全国のBYD正規ディーラーで事前予約の受付を開始した。 シーライオン 7は、同社のコンパクトEV「ドルフィン」、スポーティEVセダン「シール」と同じく、BYDの「海洋シリーズ」と呼ばれる海洋生物の自由さや美しさから着想を得たデザインを採用しており、伸びやかでエレガントな外観が特徴的なクロスオーバーe-SUVだ。 モデルラインアップは、後輪駆動(RWD)のベースモデル「シーライオン 7」と四輪駆動(AWD)の「シーライオン 7 AWD」の2種となる。 AWDは230kWのリヤモーターに加え、フロントに160kWのモーターを備えることで、SUVでありながら0-100km/h加速は4.5秒という俊足の持ち主だ。 駆動用バッテリーには、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを刃(ブレード)型に成形した「ブレードバッテリー」が採用されている。これは安全性が高く、最新のバッテリー熱管理システムを用いることで卓越した充放電能力を備えたと謳われるBYD自慢のバッテリーだ。そして、「CTB(Cell to Body)」と呼ばれる技術で、バッテリーを隙間なく効率よく車体構造の一部として搭載することで、高い安全性と効率性、快適な室内空間を実現したという。なお、航続距離は前後にモーターを搭載するAWDが540km、後輪のみのRWDが590kmとなっている。 全国メーカー希望小売価格や詳細な仕様については、4月15日の正式発表・発売まで待たねばならないが、感度の高いEVファンでなるべく早期にシーライオン 7を手に入れたいという方は、この事前予約を利用してみてはいかがだろうか。 また、事前予約期間を含む6月30日までの間にシーライオン 7を成約し、車両登録を完了したオーナーにはドライブレコーダーとETC車載器のほか、ACタイプV2Lアダプターまたは車載カラオケマイクが初期限定購入特典としてプレゼントされるというから、買い得度も高く一層事前予約を利用する価値が高まる。詳しくは、BYD正規ディーラーに相談してもらいたい。

TAG: #BYD #キャンペーン #シーライオン 7 #新型車情報
TEXT:TET編集部
マルチパスウェイで世界中の要望に応える! トヨタが欧州で新型「C-HR+」「bZ4X」「レクサスRZ」のBEV3車種を発表

BEVのニーズが高い欧州に新型車を投入 カーボンニュートラルの実現に向けて「マルチパスウェイ」という戦略を採用しているトヨタ。自動車の販売地域ごとで異なる課題やニーズに対して、さまざまなパワートレインを用意することで、顧客に選択肢を提供しながらカーボンニュートラル化を進める狙いがあるのは、よく知られているところだ。 そのトヨタは、電動車の保有率が高く、バッテリーEV(BEV)の保有率が高水準にあるとされる欧州市場に向け、BEVの商品力強化を図る。 3月12日にベルギーのブリュッセルで発表された3台の新型BEV車両は、トヨタブランドから「C-HR+」と「bZ4X」の2車種、レクサスブランドからは「RZ」の1車種。いずれも欧州で主力モデルとなる小型から中型サイズのボディを備えたSUVだ。発表された各数値に関しては、欧州仕様プロトタイプの値であることに注意する必要があるものの、意欲的なこの3台の特徴について順を追って見ていくこととする。 トヨタ「C-HR+」の主な特徴 小型SUVのC-HR+へ新たにBEVを導入する。全長4520×全幅1870×全高1595mmからなるボディは、スタイリッシュなデザインを採用しつつも、広々とした室内空間や416Lの荷室を確保するなど、実用面も配慮されている。 e-TNGAプラットフォームを採用し、専用に調整されたサスペンションによって満足感のあるドライブ体験を提供することを目指し、開発が行われているという。 パワートレインに関しては、電池セルに改良を加えたふたつのリチウムイオンバッテリーを設定。標準モデルのバッテリー容量は57.7kWhで、航続距離は455km。ロングレンジモデルは容量77.0kWhのバッテリーを搭載し、航続距離を600kmまで延長している。 なお、駆動方式は57.7kWhモデルが前輪駆動のみの設定。77.0kWh仕様は全輪駆動を選択することができ、その場合はシステム最大出力が252kWまで高められ、0-100km/h加速5.2秒という俊足ぶりを発揮する一方、前輪駆動に比べ航続距離は525㎞へと幾分短くなる。 新型C-HR+の欧州での発売は、2025年後半からを予定している。 トヨタ「bZ4X」の主な特徴 こちらもC-HR+と同様にふたつのリチウムイオンバッテリーが設定される。標準モデルのバッテリー容量は57.7kWhと変わぬものの、ロングレンジモデルは73.1kWhへと若干容量が減っている。ただし、eアクスルの高効率化もあり、後者の航続距離は従来型に比べ、WLTPモードで約70km延伸する予定だという。 この新型bZ4Xならではの特徴は、バッテリーを充電に最適な温度にする「バッテリープレコンディショニング」をトヨタ車として初めて搭載したことだ。これにより、マイナス10度での急速充電時間が約30分となるように開発が進められている。 bZ4XはBEV先進国といえる北欧のノルウェーでトップセールスを記録している車種であり、こうした“カイゼン”はトヨタの地域に根差したクルマづくりの真骨頂といえよう。 前出のeアクスルは出力アップが図られ、搭載するサスペンションもセッティングが見直されている。これにより走りが進化し、静粛性も含め乗り味がアップしているのだという。 新型bZ4Xの欧州での発売は、2025年後半からを予定している。

TAG: #トヨタ #レクサス #新型車情報
TEXT:TET 編集部
アウディの新プラットフォーム採用の期待の新EVに見て触れる! 「A6アヴァントe-tron」をブランド発信拠点「Audi City 銀座」で期間限定展示

日本国内での発表を前に欧州仕様のA6 アバント e-tronを展示 昨年7月に欧州で発表された新型アウディA6 e-tronシリーズ。アウディにとって最新の電気自動車であり、PPE(Premium Platform Electricの略)プラットフォームを採用した2番目のモデルでもある。 そのアウディA6 e-tronシリーズにラインアップされているステーションワゴンタイプの「A6 アバント e-tron」が、日本国内での発表・発売に先駆けて、東京・銀座七丁目に構えるアウディブランドの最先端情報発信拠点「Audi City 銀座」において、3月13日から4月15日までの期間限定で、欧州仕様車ながら展示されることが決まった。 アウディA6 e-tronはPPEプラットフォームの採用により、アウディの強みであるパフォーマンス、一充電航続距離、効率性、充電能力を受け継ぎながらも、エレガントでプログレッシブなプロポーションを確立したモデルだ。 とくにボディ全体の細部に至るまで空気抵抗の最適化が図られ、空気の流れをコントロールすることで効率性が高められているのが特徴。 視覚的な要素では、近年のアウディを象徴する特徴的なライティングや、人間工学の観点からユーザーのニーズを重視して設計されたというインテリア、MMIパノラマディスプレイやパノラマガラスといった革新的な装備を備えており、e-tronシリーズの新章を迎えている。 今回、グレイシアホワイト色をまとった欧州仕様のA6 アバント e-tronが先行展示される「Audi City 銀座」では、この展示期間以外でも国内導入予定の最新モデルや限定モデル、コンセプトモデルを展示し、アウディの世界観が体験できる機会を提供しているという。 これを機に一度足を運んでみてはいかがだろうか。

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