パナメーラ「E-ハイブリッド」がマイナーチェンジ ドイツのポルシェAGは、多くの市場において効率的で運動性能に優れたe-ハイブリッドパワートレインへの関心がとくに高まっていることを受けて、パナメーラに新しいパワートレイン技術を採用した新型「パナメーラ4 E-ハイブリッド」と新型「パナメーラ4S E-ハイブリッド」を導入すると発表した。 あらゆる性能が強化されたモーター 新型パナメーラ4 E-ハイブリッドとパナメーラ4S E-ハイブリッドの最大のトピックは、電気モーターが刷新されたこと。先代モデルに対し、電気モーターでの航続距離延長、充電速度の向上、スロットルレスポンスの改善など、ほぼすべての分野での走行性能の向上が図られている。 最高出力140kW(190馬力)、最大トルク450N・mを発生し、大幅なパワーアップを実現しただけでなく、効率的かつ重量を最適化した方法でハウジングに組み込まれ、ポルシェ独自のトランスミッションであるPDKのオイル冷却循環に統合されている。内部ローター設計(ローターがステーター内で回転)により、質量慣性は50%減少し、スロットルレスポンスも向上。最大88kWまで回生可能な電気モーターは、パナメーラE-ハイブリッドモデルの航続距離の大幅な向上にも貢献している。 この新たな電気モーターと組み合わせ「e-ハイブリッドシステム」を形成するエンジンは、大幅に改良された2.9リッターV6ツインターボガソリンエンジンだ。 パナメーラ4 E-ハイブリッドは、最高出力224kW(304馬力)のエンジンを搭載。システム出力は345kW(470馬力)、トルク650N・mだ。これにより、0-100km/hの加速タイムは4.1秒、最高速度は280km/h、モーターでの航続距離は96km(WLTOサイクル、EAER city)という性能を手にしている。 一方のパナメーラ4S E-ハイブリッドは、ドライビングダイナミクスと高回転域での持続的なパワー供給に重点を置いたセッティングが施されている。2.9リッターの6気筒ツインターボエンジンの最高出力は260kW(353馬力)へと高められ、システム出力は400kW(544馬力)、最大トルクは750N・mを発揮するまでに至っている。むろん加速性能も向上し、パナメーラ4S E-ハイブリッドの0-100km/h加速タイムは3.7秒、最高速度は290km/hにも達する。 車両とナビのデータが連携して一歩先を読む 続いて走行モードに目を移そう。新型パナメーラ4 E-ハイブリッドと4S E-ハイブリッドは、4つのE-ハイブリッド専用ドライビングモードと、改良されたスポーツおよびスポーツプラスモードを備え、E-ハイブリッドモデルの効率をさらに最適化する。 各モードの役割を走行シーンに合わせて説明すると、まずクルマは常にフル電動状態の「E-パワーモード」で発進する。バッテリーの充電状態が一定の最小値を下まわると、自動的に「ハイブリッドオートモード」へと切り替わり、そのときの走行条件に応じたドライビングモードが自動的に選択される。 このモードでは車両とナビゲーションシステムの両データを連携した「アクティブルートガイダンス」によって、前方のルートを把握しながら運転戦略の最適化がなされる。これにより市街地走行における電気走行距離の割合を最大化し、効率を高めている。 3つ目のモード「E-ホールドモード」では、バッテリーの現在の充電状態が保持される。一方、「E-チャージモード」では、郊外や時速55km/h以上で走行しているときにはエンジンによってバッテリーを最大80%まで充電。市街地などを時速55km/h以下でを走行するときには、モーターがエンジンをアシストしてハイブリッドドライブならではの効率的な走行メリットを発揮する。 スポーツモードとスポーツプラスモードは、性能を犠牲にすることなく効率を高めるための改良が施されたモードだ。バッテリーの目標充電状態をスポーツモードで20%(先代は30%)、スポーツプラスモードで30%(同80%)に引き下げたことで、ポルシェらしいダイナミックな走りが楽しめる。
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