2025年4月
TEXT:TET 編集部
全国41番目の正規ディーラーがオープン! 三重県内では四日市に続き2店舗目となる「BYD AUTO 松阪」

伊勢志摩エリアからもアクセス抜群の新店舗 BYDの正規ディーラー「BYD AUTO 松阪」が、4月26日(土)にオープンする。運営するのは愛知県に本社を構えるエフエルシーで、全国で41店舗目、三重県内では四日市に続く2店舗目のショールームを備えた正規ディーラーとなる。 BYD AUTO 松阪は、松阪市内でも有数のディーラー街にあたる国道166号線沿いに位置し、伊勢自動車道「松阪インター」からはクルマで約15分程度でアクセスが可能な場所に店舗を構える。 ショールームには、オープン直前に発売されたばかりのクロスオーバーe-SUVの新型車「シーライオン 7」をはじめ、シール、アット3、ドルフィンといった現在BYDが日本に導入しているすべてのEVモデルが展示される。 店内はほかのBYD正規ディーラーにならい、白を基調とした清潔感とゆとりを感じさせる心地よいショールームに仕上げられているという。 また、専任のセールススタッフに加え、BYDアカデミーでBYDのEVに関して高度なトレーニングを受けたサービススタッフも常駐し、松阪市や津市、さらに伊勢・志摩エリアなどの周辺地域のEVライフを力強くサポートしていくという。 ■BYD AUTO 松阪 所在地:〒515-2121 三重県松阪市市場庄町1148-1 開業日:2025年4月26日(土) 営業時間:10:00~19:00 定休日:水曜日(年末年始、祝日を除く) 電話番号:0598-20-8080

TAG: #BYD #ディーラー
TEXT:高橋 優
コスパで比較するとEVはヒョンデが圧倒! スズキやホンダの新EV登場でますます激化する日本の電気自動車市場

BYDがATTO 3とドルフィンの値下げを実施 BYDが2025年度にさらなる販売攻勢を仕かけるためにドルフィンとATTO 3の値下げを実施しました。補助金を含めた実質の値段設定も含めて、競合のEVなどと競争力を比較します。 まずBYDジャパンは2022年7月に日本市場に正式に参入を表明しながら、2023年1月にコンパクトSUV「ATTO 3」を発売。さらに9月中に2車種目のコンパクトEV「ドルフィン」を発売。また、2024年6月中に、ミッドサイズセダンの「シール」を発売。そして、2024年4月15日からはミッドサイズSUVの「シーライオン7」を発売しました。 その一方で、BYDジャパンは2025年に突入してから最初の2カ月間で215台の乗用車を発売したものの、前年同四半期では318台を販売しており、前年比32%以上のマイナス成長に留まっています。また、シールの1000台の初回限定モデルはいまだに売れ残っています。いずれにしても、販売増加のためにさらなる販売戦略の更新の必要性に迫られていたのです。 そして、このような背景においてBYDジャパンが新たに発表してきたのが、価格戦略のアップデートです。具体的にはATTO 3とドルフィンの値下げを実施しました。まず、現在450万円のATTO 3は32万円値下げされ、418万円となりました。さらに、ドルフィンロングレンジは33万円値下げされて、374万円を実現。そして363万円という通常グレードはラインアップから落ち、Baselineという新たなエントリーグレードを設定。このBaselineの値段設定は299.2万円となり、実質的に63.8万円もの値下げを行ってきた格好となります。 BYDジャパンは、今後の車種展開に備えて商品ポートフォリオを最適化すると説明しており、今後投入されるシーライオン7と新型PHEVモデルには、新たな価格基準で値段が設定されることから、さらなるコスパのよさを期待可能でしょう。 それでは今回の値下げによって、具体的にどれほどコスト競争力が高まったのかについて、とくに競合となる韓国ヒョンデのインスターやコナなどと比較検討したいと思います。 まず、ドルフィンロングレンジとATTO 3が該当するコンパクトセグメントの競合車種として、ヒョンデ・コナVoyageグレードと比較しましょう。 ドルフィンロングレンジは、日本WLTCモードで476kmを確保しながら85kWの急速充電に対応、2700mmというゆとりのホイールベースを確保して374万円で発売中です。ATTO 3も470kmの航続距離、85kW急速充電、そして418万円からという値段設定です。 その一方で、ヒョンデ・コナは625kmというゆとりの航続距離を確保しながら、466リットルというトランク容量と27リットルのボンネット内収納を確保。そして値段設定が452.1万円と、値段だけをみるとATTO 3比でわずかに割高に見えます。 ところがヒョンデは2025年度の補助金において67万円を適用可能となり、これにより実質の値段設定でATTO 3とまったく同等となります。それでいて航続距離が150km以上も長いことから、コナのコスト競争力の高さが際立つのです。

TAG: #値下げ #新車購入
TEXT:渡辺陽一郎
毎回無料充電器を使えばEVはかなりお得……だけどそれってアリ? EVの充電マナーを考える!

充電は自宅で行うのが基本 数は少ないが、市役所などには無料で使える急速充電器もある。そのような場所に出かけるときは、自宅で行う充電量を迷うこともあるだろう。自宅では少なめに充電して電気代を節約し、外出先でしっかり充電すれば、経済的ともいえる。 ただし、この判断は状況によって異なる。たとえば自宅から5km圏内に無料で使える急速充電設備があるようなときは、満充電にして出かける必要はない。急速充電では、もともと満充電の80%程度までしか充電できないため、自宅では控えておく必要も生じる。 それでも駆動用電池がほとんど充電されていないギリギリの状態で出かけるのは避けたい。外出先で急速充電器の作動が止まっていたり、混雑して使えないことも考えられるからだ。自宅から近い場所で充電するとしても、そのまま帰宅できる充電量は残しておくべきだ。 遠方まで出かけて充電するときは、無理をしないほうがいい。事故による渋滞や迂回により、予想以上の電力を使うことも考えられる。基本はあくまでも自宅での充電で、外出先の充電設備はサブ的に考えたほうが安全だ。 以前、日産の販売店から以下のような話を聞いた。 「以前のゼロエミッションプログラムには、使いホーダイプランがあった。月額2000円を支払うと、販売店の充電器が文字どおり使い放題になるものだ。このサービスを開始したら、ほぼ毎日、販売店でリーフへ大量に充電するお客さまが現われた。販売店で充電したら、自宅に戻り、その電気をリーフtoホームの機能を使って家屋へ給電する。そうすれば自宅の電気代は節約できるが、販売店は非常に困る。このような事情もあり、使いホーダイプランは終了して、ゼロエミッションプログラムも次第に値上げするようになった」 これは、先代リーフを販売していたころの話だ。当時のリーフで毎日急速充電を行ったら、駆動用電池の劣化も激しくユーザーの不利益も多かったと思う。 極端な例だが、充電は自宅で行うのが基本だ。外出するときも、十分に充電した上で出かけたい。そのほうが安心して運転できる。不安を感じながらのドライブは、運転操作に集中できず、安全面でも好ましくない。

TAG: #充電 #充電器
TEXT:桃田健史
中国にはBYD以外にも多数のEVメーカーが存在! BYDの成功で日本に押し寄せることはある?

Zeekrが日本参入を表明 まさか、ここまでBYDが一気に日本市場に浸透するとは。そう思っているユーザーは少なくないだろう。 BYDは、まだコロナ禍だった2022年7月に、日本市場参入を発表。その時点では「BYDって何?」「中国車の性能はどうなの?」「ちゃんとメンテや補償はしてくれるの?」といった、ユーザーやメディアの声があった。 ポジティブ、またはネガティブというより、未知の領域というイメージを、多くの人が中国車に対してもっていたといえるだろう。 その後、BYDは横浜赤レンガ倉庫を起点とした「ATTO 3」の期間限定試乗会とあわせて、日本への投入予告として「DOLPHIN」と「SEAL」を展示して話題を呼んだ。全国各地にディーラー網が徐々に拡大していき、有名女優によるテレビCMが流れるようにもなった。 直近では、東京お台場で1月24日、乗用車・商用車部門合同の事業方針発表会を実施して、日本市場での事業ロードマップを披露している。 このように、ふと気がつくとBYDが日本の街なかを走ることに違和感がなくなってきている状況だ。むろん、ユーザーの間でBYDの商品性に対して賛否両論あることは当然だ。これからは、長期間所有した際の車両性能、そしてリセールバリュー(中古車価格)など、ユーザーのBYDに対する関心事が広がっていくことになる。 こうしてBYDが切り開いた、日本における中国車枠は今後、どう変化していくのだろうか。BYDに次ぐ中国メーカーが日本市場に続々参入する可能性はあるのだろうか。 現時点で正式に日本参入を表明しているのは、Zeekr(ジーカー)だ。2025年にSUVやMPV(マルチパーパスビークル)を皮切りに販売計画を練っているところだ。 すでに一部の日本メディアが中国で実施されたZeekrの商品説明会を取材しており、Zeekrの企業として、また商品としてのポテンシャルの高さが紹介される記事が出まわっている。 また、中国地場大手の第一汽車に関連して、高級ブランド・紅旗(こうき)を国内販売する動きがあったが、今後の動向について具体的な方向性は確認できていない。 そのほか、中国メーカーといえば、上海汽車、東風汽車、長安汽車、吉利汽車、長城汽車などがあるが、こうした従来型のメーカーが日本市場へ参入する可能性はあまり高くないように感じる。 一方で、ベンチャー企業では日本市場に対して斬新な手法で参入することも考えられなくはない。たとえば、IT関連産業を手掛けるシャオミなどだ。 いずれにしても、企業活動の枠を越えた、日本と中国の政治的な2国間協議を踏まえると、中国車の日本参入動向を予測することは現時点で極めて難しいといわざるを得ない。

TAG: #メーカー #中国
TEXT:御堀直嗣
電気自動車に雷が落ちるとどうなる? 巨大なバッテリーを積んでいるけど安全性は??

自動車メーカーは試験を行っている 高電圧の電気で走る電気自動車(EV)に、もし雷が落ちたら大丈夫なのか、安全なのか? 答えは、そういった試験を自動車メーカーではやっており、安全を確認している。雷の威力は、数億~数十億ボルトの高電圧で、数万から数十万アンペアもの電流が流れるといわれる。100ワットの電球90億個というエネルギーだ。これが、1000分の1秒という速さで瞬時に通り過ぎる。 大木でさえ割けてしまうような出力なので、雷に打たれたらひとたまりもない様子は、そうした数字の大きさからも推定できる。 そのうえで、電気は流れやすい場所を選んで流れるという特性がある。したがって、電気が流れやすい通り道を用意しておけば、そのほかの場所は安全といえるのである。クルマのなかにいれば安全だというのは、人間の体に比べ、鋼板で作られているクルマの車体のほうが電気は流れやすいためだ。 EVも車体が鋼板でつくられているので、一番電気がとおりやすいところを伝って雷の巨大な電力が流れるため、問題はないとされる。実際、初代リーフのときから、人工的な雷の電力に相当する巨大なエネルギーを使って落雷の実験をし、安全を確認している。 ただし、雷の直撃を受ければ、莫大な電気エネルギーが車体を流れるので、車内の電気系がなんらかの悪影響を受ける可能性は考えられる。 大平原にクルマが1台というような状況は、避けられるなら避けるべきだろう。ゴルフ場に傘やクラブをもって、ひとりで立っているようなことはしないようにと注意喚起されるのと同様だ。近くに避雷針を設けた頑丈な建物があればそこへ避難し、避雷針の誘導線から離れて待機できればより安全だ。 ところで、科学の知識のある人は、タイヤで使われるゴムや大気中の空気は、電気を通さない絶縁体であるはずだと疑問に思うかもしれない。 その知識は物性として正しい。しかし、雷ほど強烈な数値に達する電圧や電流の電気エネルギーは、絶縁体であるか伝導体であるかを問わず、それを突き抜けてしまうほどの威力があるということだ。したがって、電気がとおりやすい車体の鋼板を伝い、タイヤのゴムさえもものともせず、地面へ電気が流れていくのである。

TAG: #災害 #雷
TEXT:TET 編集部
ゲームにインスピレーションを得た姿に若い世代はぞっこん!? 「ゲーミングEVでも作ったろ」の精神で開発されたヒョンデ「インステロイド」

スモールコンパクトEV「インスター」が激変 昨年、韓国で発売を開始し、今春には日本でも発売が予定されているヒョンデのスモールコンパクトEV「INSTER(インスター)」をベースにした、未来を予見するようなデザインのコンセプトカー「INSTEROID(インステロイド)」が、ソウルモビリティショーで展示された。 インステロイドはゲームから得たインスピレーションと広範なカスタマイズで、新世代のドライバーを魅了するヒョンデの大胆なアプローチを体現しているのだという。「インステロイド」という名前の由来は、「INSTER」の本質である遊び心と、「STEROID(ステロイド)」のもつダイナミックなエネルギーを巧みに融合させたことにちなんでおり、エネルギーにあふれる力強いルックスを表現したものだとされている。 「インステロイドは純粋に『楽しむ』ためのクルマです。細部に至るまで、人の感情や想像力を刺激する新しい方法を探求して生まれました。見た目だけでなく、発するサウンドや体験してどう感じるかといったことにも注目してください。大胆なビジュアルランゲージから没入型のサウンド体験まで、誰もがもっと大きな夢を見て、もっと長い間笑顔でいられるように、というコンセプトになっています」と語るのはヒョンデデザインセンターの責任者であるサイモン・ローズビー専務。 コンセプトも姿もまさに「ゲーミングEV」 大幅に広げられたフェンダーに、空気力学に基づいたウイングスポイラーとディフューザー、ホイールアーチベントなど、非現実的とも思えるほどに攻撃的なフォルムを与えられたインステロイドは、まさにゲーム的思考によるスタイリングだ。 車内も、バケットシートとロールケージ、それに専用のインストルメントクラスターのみという極めてシンプルな構成となっており、これにより没入感のあるドライブ体験を生み出すのだという。 もちろんゲームに不可欠な音にもこだわりをみせ、感情を刺激するユニークなサウンドシグネチャーと統合型ビートハウスサウンドシステムがリヤに搭載されている。 走りの面でもドリフトモードによるドライビング体験の変革を目指して開発がなされており、軽快な運転の楽しさとレースのスリルの両方を味わうことをコンセプトにしているというから、どこまでも現実離れしたゲーミング的発想のクルマだ。 そして、このインステロイドはソウルの「Peaches D8NE」と呼ばれるカルチャー&ショップスペースで行われたメディア・コンテンツクリエイター向けのイベントでお披露目され、そこではインステロイドを使ったさまざまなゲーム体験をする専用スペースも設けらたそうだ。 そのゲームでは、ノーマルのインスター車内でアイテムを集めることで、インステロイドへ進化することができるというタイムアタック形式のゲームが展開されたそうだ。なお、後日このゲームに関しては一般向けに公開される見込みだという。 また、世界中で1000万ダウンロードを記録しているゲームアプリ「Kartrider Rush+」で使える強力なツールとして、「INSTEROID Kart」が後日リリースされることもアナウンスされている。 若い世代に対し、インスターのイメージを良い意味で変化させることを狙っているとも伝えられているインステロイド。販売ボリュームを期待する車種だけに、今後世界各地でそのイメージリーダーとしての役割が展開されるかもしれない。

TAG: #インスター #インステロイド #コンセプトカー
TEXT:高橋 優
最大90万円だがモデルによってはわずか12万円の車種も! 2025年度のEV購入補助金の車種名と具体的金額

EVの補助金は最大90万円に 2025年度における電気自動車購入補助金「CEV補助金」の詳細、および車種ごとの具体的な補助金額が決定しました。果たして、2025年にコスパの高いEVはどれなのか、その補助金を含めたコストパフォーマンスを含めて解説します。 まずCEV補助金は、安倍政権時から発足して10年以上継続して拠出されている電気自動車購入補助金です。安倍政権時は最大40万円程度の補助金額だったものの、脱炭素政策を強力に推進する方針を表明した菅政権下で最大80万円へと倍増。さらに岸田政権下では5万円ほど増額されて、最大85万円という規模感となりました。 そして令和7年度、つまり2025年4月1日以降に登録されたEVに対する補助金の要件と具体的な補助金額が公開されました。まず補助金要件は昨年度の要件が基本的に踏襲されるものの、いくつかの追加要件も存在します。これまでは、 ・EV性能として電費性能や航続距離の長さ ・充電インフラ整備 ・車両整備の人材育成 ・サイバーセキュリティへの対応 ・ライフサイクル全体でのCO2排出量削減対策 ・災害時における外部電源の有無や災害連携協定 などが項目として存在したものの、さらに ・重要鉱物の安定調達に係るリスク低減のための取り組み ・調達先に対する支払い期間 ・車両や蓄電池の火災発生状況 などを追加。その上、GX推進に向けた鋼材の需要の喚起として、環境負荷を低減して製造された鋼材の導入の取り組みが評価された場合、さらに追加で最大5万円が上乗せ。よって最大90万円というEV購入補助金となりました。 そして、EVの車種ごとの補助金額について、主要なEVの補助金額を列挙していきましょう。 アウディQ4 e-tron:66万円 アウディQ6 e-tron:66万円(quattro/SQ6 e-tronは52.8万円) ジープ・アベンジャー:69万円 スバル・ソルテラ:88万円(ET-HSのみ66万円) テスラ・モデル3:87万円 テスラ・モデルY RWD(レガシー):67万円 テスラ・モデルY ロングレンジ/パフォーマンス(レガシー):87万円 トヨタbZ4X:90万円 日産アリア:89万円(NISMO B9 e-4ORCEのみ71.2万円) 日産リーフ:89万円 BMW i4:65万円(M50のみ52万円) BMW i5:52万円 BMW iX1/iX2/iX3:65万円 BYD ATTO 3:35万円 BYDドルフィン:35万円 BYDシール:45万円 BYDシールAWD:35万円 BYDシーライオン7:35万円 ヒョンデ・コナ:67万円 ヒョンデIONIO 5:67万円 フォルクスワーゲンID.4:66万円 ポルシェ・マカン:20万円 ポルシェ・マカン4/4S/ターボ:12万円 ポルシェ・タイカン:12万円 ボルボEX30:46万円 ボルボEX40/C40:36万円 […]

TAG: #CEV補助金 #補助金
TEXT:山本晋也
エンジン車の醍醐味チューニング! EVはそんな楽しみ方は不可能?

アルミホイールなどのカスタマイズは可能 ずいぶん前から「これからの時代、クルマはシェアリングで利用するものだ」といった未来予想がされているが、そうした風潮に反発するクルマ好きは少なくない。そうした理由のひとつに「やっぱり愛車を、自由にカスタマイズしたい」という感情があることは否定できないだろう。 ちょっとしたステッカーを貼るだけのカスタマイズから、クルマの基本性能を変えてしまう大がかりなチューニングまで、カスタマイズという言葉が示す内容はさまざまだが、自分色に染めていくことは、愛車を所有する醍醐味のひとつだったりする。 そうしたカスタマイズの楽しみは、EVだからといってなくなってしまうわけではない。 たとえば、王道カスタマイズの「アルミホイール交換」はEVであっても可能であるし、実施しているオーナーも数多い。ホイールの意匠が変わったり、サイズを大きくしたりすることで外観イメージを大きく変えることができるのは、アルミホイール交換の魅力であり目的のひとつだろう。また、ホイールによっては重量も変化してくるし、合わせてタイヤ銘柄も変えれば、走りの味を変化させることもできる。 また、いわゆる「エアロパーツ」と呼ばれるようなエクステリアに関するカスタマイズは、エンジン車で行っているユーザーは少なくないが、もちろんEVにおいても、外観イメージを変えるようなエアロパーツの装着は可能といえる。 ただし、注意したいのは、タイヤ銘柄の変更やエアロパーツ装着によるカスタマイズは、走行抵抗を増やしてしまうことがある。それは航続距離を短くすることにつながりかねないので、そうした点については注意・留意しておく必要があるだろう。 さて、エンジン車のチューニングといえば、エアクリーナーやマフラーなどの吸排気系パーツのグレードアップやエンジン本体に手を入れるハードチューンも知られている。エンジン制御コンピュータの書き換えによるパワーやレスポンスの向上も定番メニューだ。しかし、こうしたパワーユニットに関するチューニングについては、EVでは不確実な未来といえる。 EVによってはドライブモードの切り替え機能を標準装備していたりするため、制御プログラムによる走り味の変更は不可能ではないだろうが、ここで問題となるのは「OTA」の普及だ。

TAG: #カスタム #チューニング #改造
TEXT:桃田健史
本当にEV時代はくるのか? 「EVシフトは踊り場」は本当か? 電気自動車のいまの立ち位置

「EVシフトは踊り場」という報道が目立つ EVシフトが踊り場になった。そんな表現が、ネットやテレビのニュースで目立つようになったのは2024年に入ってからだろうか。それまでは、「日本はEVシフトに乗り遅れている」といった報道があったのが、一転して「ハイブリッド車の技術で先行する日本はグローバル市場で優位」といったニュースを見ることが少なくない。 そもそも、こうしたEVシフトはなぜ生まれたのか? EVの歴史を振り返ると、古くは1900年代初頭にニューヨークのマンハッタンでEVタクシーが採用されている。 その後はガソリンエンジンの発達により、EVは特殊なクルマという扱いが続いた。1990年の米カリフォルニア州のZEV規制(ゼロエミッションビークル規制法)がEV量産化を後押しするも、すぐに失速。 大量生産型のEVが初めて登場したのは、2000年代末から2010年代にかけての、三菱i-MiEVと日産リーフまで待たなければならない。 その時点でテスラは、まだ小規模なベンチャー企業にすぎなかった。 ところが、2015年のCOP21(国連気候変動枠組条約 第21回締約国会議)で採択された「パリ協定」をきっかけに、グローバルでEV関連事業に対する投資が一気に活発化する。

TAG: #EVシフト #ニュース
TEXT:大内明彦
EVで加速したときの「ヒューン」って音はなに? 静粛性がウリなだけに気になるノイズの正体とは

EVのインバーターが独特な音を発する EV(モーターのみの走行時におけるHV)の走行音は、ガソリン/ディーゼルといった内燃機関車に比べるとかなり小さい。キャビン内も、当然、静粛になるのだが、機関から発生する音量レベルが下がることで、今度は別の音(ノイズ)が耳につくようになる。 もっとも気になるのは「ヒューン」という電気モーター周辺から発生する音(ノイズ?)だろう。同じ音でも、聞く人によってノイズ(騒音)か否かは違ってくるが、ノイズとは感じなくても、たとえば音楽(カーオーディオ)のような快適さ、心地よさとは受け止めていないだろう。要は、気になるかならないか、耳につくかつかないかで、極論すれば聞こえなくても影響のない音、といういい方もできるだろう。 EV(電気モーター車両)固有の「ヒューン」というノイズだが、これはインバーターが発する励磁音(れいじおん)と呼ばれるものだ。余談だが、磁励音という表現もあるが、この表現は技術用語として正しくなく、励磁音という表記が正解となる。この励磁音というのは、コイルの鉄芯などの磁性体が、流れた電流の大きさに応じて周辺に発生する磁界が共鳴し、その結果、わずかに膨張、収縮することにより、空気や冷却液を振動させて発生する音のことを指している。 さて、EVのおさらいだが、まず現在使われているモーターの大半が交流(AC)モーターであることを覚えておこう。モーターライズのプラモデルなどで使うモーターは、乾電池(直流)で動く直流(DC)モーターだが、大きな力を発生させるような場合(たとえば電車、EVなど)には、直流モーターより小型・軽量で大きな出力を発生する交流モーターが使われることになる。 しかし、EVの場合、動力電源となるバッテリーが直流であることから、交流モーターをまわすため、直流を交流に変換するインバーターが必要となる。インバーターは、スイッチング作用によって電流のON/OFFを高速で繰り返すが、周波数が低いと人間が聞きやすい帯域の音になり、自然と耳に届くことになる。

TAG: #ノイズ #音

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