2025年4月
TEXT:TET編集部
ヒョンデのFCEVが2代目に大進化! 初代とは似ても似つかないタフなスタイリングで新型ネッソが飛躍を狙う

2代目にフルモデルチェンジしたFCEV「ネッソ」 ヒョンデは、2025年4月3日に韓国のソウルモビリティショーで開催されたグローバルローンチイベントにおいて、フルモデルチェンジされたミッドサイズSUVの水素電気自動車(FCEV)「NEXO(ネッソ)」を発表した。 この新型ネッソは、大胆なエクステリアを持ちながらも柔軟性、効率性、安全性を重視した設計がなされている。いわずもがな充電時間の短縮と航続距離の延長にも重きが置かれ、5分間の水素充填で700km以上の航続距離を確保することが開発目標に掲げられている。 2代目ネッソのエクステリアデザインは、2024年10月に発表されたINITIUMコンセプトをベースに、ヒョンデの新しいデザイン言語「アート・オブ・スティール」を体現し、素材本来の強さと自然な造形性を反映しているのだという。 初代ネッソとは似ても似つかぬほど無骨さを感じさせる2代目ネッソは、大胆なラインと堅固な構造にアーチ形の断面によって力強さが加えられた。頑丈で洗練されたデザインは、車両の耐久性を強調するドアに施された水平の溝パターンと相まって、全体的に都市とアウトドアの両方のライフスタイルに適合する仕上がりとなっている。 さらに、FCEV特有のデザインを引き立てる4つのドットランプは、このクルマがヒョンデのクルマであることを夜間でも主張する。 インテリアはドライバーを中心に湾曲したディスプレイをはじめ、直感的なコントロール性を重視し、収納スペースに優れたアイランド型センターコンソールが特徴なのだという。加えてデジタルサイドミラーディスプレイは、ダッシュボードの一部としてシームレスに統合され、開放感と実用性を最大限に高めているようだ。 これら先進的なデザインを有しながらも、ヒョンデ曰く「家具付き空間」をイメージし、家のなかにいるような温かさと快適さをミックスしているというから、インテリアの画像が公開されるのを楽しみに待ちたい。 居住スペースは、先代モデルよりも全方向にサイズアップしたことで快適性が向上。特に2列目シートは前席の背もたれがスリムになったことで膝まわりの余裕が拡大したほか、頭上、肩まわりともに従来以上の快適性を得ているのだという。 そして、先進の運転支援システムとトップクラスの衝突安全機能を搭載し、ドライバーと乗員を包括的に保護し、安心感の高いドライビング環境を提供する。 むろんFCEVからイメージされる通り、バイオプロセスレザーやリサイクルPETファブリック、リサイクル自動車用プラスチック廃材など環境に配慮した素材がクルマ全体に用いられる。 水素モビリティにおけるヒョンデの技術開発はすでに27年に達するという。バッテリー電気自動車(BEV)やハイブリッド車と並び、水素電気自動車は同社の車両電動化戦略を示すものであり、消費者へさまざまなパワートレインを提供し、選択する余地を残してくれている。 そして、ヒョンデ自身はFCEVインフラを拡大し、ヒョンデモーターグループが推進する水素ブランド「HTWO」のもと水素モビリティのパイオニアとして市場ポジションを強化する意思を示している。2025年の後半から世界各地で販売を開始する予定だという新型ネッソ、そこにかけるヒョンデの期待は大きい。

TAG: #FCEV #ネッソ #ヒョンデ
TEXT:高橋 優
またもBYDがやってくれた! 高級ブランド「Denza」のフラッグシップSUV「N9」が驚異の安さで爆誕

Denzaの大型SUV「N9」が発売 BYDの高級ブランドDenzaがフラグシップ大型SUVのN9の正式発売をスタート。タンクターンや4.65mの最小回転半径、エルクテスト時速85km超などというスペックを実現してドイツ御三家との競争が激化するという最新動向を解説します。 まず、中国BYDの高級ブランドであるDenzaは2010年にメルセデス・ベンツと合弁して立ち上がった高級ブランドだったものの、これまで目立った実績を上げることができていませんでした。そこでBYDは、メルセデス・ベンツとの合弁比率を大幅に見直して9割のシェアを獲得しながら、2024年中にもBYDが完全子会社化を完了することで、BYDの高級ブランドとしてリブートさせた格好です。 このグラフはDenzaの月間販売台数の変遷を示したものです。ミニバンEVのD9を中心に、ミッドサイズSUVのN7、さらにフラッグシップセダンとなるZ9とZ9GTも投入しました。 とくにZ9GTから採用されたe3プラットフォームでは、最高回転数が2万1000rpmの高性能モーターを3つ搭載するというトライモーター仕様、高効率なセルトゥボディ、後輪操舵機能を組み合わせた最新システムです。また、PHEVモデルでは熱効率44.13%を実現する2リッターのPHEV専用エンジンも搭載されています。 よってZ9GTは最高出力640kW、最大トルクも1035Nm、最高速も230km/hとパフォーマンス性能を向上させながら、WLTCモードにおける燃費性能は6.6L/100kmを実現。これはメルセデス・ベンツEクラスの2リッターエンジンを搭載するPHEVと同等の燃費ですが、Eクラスは313馬力しか発揮することができないものの、Z9GTのPHEVバージョンは870馬力を発揮可能です。 そして、今回Denzaが発売をスタートしたのがN9と名付けられた大型SUVの存在です。N9は全長5258mm、全幅2030mm、全高1830mm、ホイールベースが3125mmという、3列シートを搭載する大型SUVのPHEVです。 e3プラットフォームを採用することで、最高出力680kW、最大トルク1035Nmを発揮。それによって0-100km/h加速も3.9秒を実現しています。また、47kWhもの大容量バッテリーを搭載することによって、EV航続距離はWLTCモードで145kmを確保。最大100kW級の急速充電に対応しながら、V2L機能も6kWをサポートしています。 さらにDisus-Aと名付けられた、BYD独自内製の連続可変ダンピングコントロール付きデュアルチャンバーエアサスペンションを標準搭載。最低地上高も220mmを確保しながら、最大渡河性能も550mmと、本格オフロードSUVとしての悪路走破性も実現しています。さらに、最小回転半径も4.65mと、全長5.2m超えの大型SUVとしては思えない取りまわしを実現。安全性という観点でも9つのエアバッグを標準搭載しながら、高張力鋼の配合割合も90%超、最大2000MPaもの超高張力鋼も採用することで堅牢性を確保しています。 そのうえ、安全性という観点に追加して、3つのモーターを制御することによって、時速180kmでタイヤがパンクしたとしても安全に停車可能。さらに、時速144kmでカーブを走行していたとしても安全に停車可能という、その優れたモーター制御システムもアピールされています。 自動運転については、God’s Eye Bと名付けられたLiDARとNvidia Drive Orin-Xプロセッサーによって、信号の右左折やラウンドアバウト、障害物に対する回避挙動などを含めたシティNOAに対応可能です。 インテリアには17.3インチの巨大なセンタースクリーンや助手席、2列目向けのディスプレイも搭載しながら、シートマッサージなどに対応する高級ナッパレザーシートを採用。フランスのDevialet製の26スピーカーシステムや冷温庫も搭載しています。このようにして、現在ますます激しさを増すプレミアムセグメントのEVとして、現状考えられうる装備内容を完全網羅してきているのです。

TAG: #Denza #N9 #SUV #新型車
TEXT:TET 編集部
このご時世にあえて値下げに踏み切り300万円以下で狙えるEV登場! BYDがより身近に感じられる価格改定に踏み切った

創業期から成長期へ移行するBYDの戦略的価格見直し 「eモビリティを、みんなのものに」を創業時からの企業スローガンとしているBYD Auto Japan(以下、BAJ)は、1月に開催したBYD事業方針発表会のなかで、今後を「創業期から成長期」に移行する時期として以下の活動目標と約束を宣言した。 BAJの今後の活動目標は次のとおり。 ①:さらなる認知獲得のための「話題づくり=コミュニケーションの強化」 ②:お客さまに安心をお届けする「拠点づくり=販売店ネットワークの拡大」 ③:クルマの電動化社会と日本の低炭素社会を推し進めるための「実績づくり=プロダクトの拡充」 続いて「BAJの3つの約束」として宣言された内容は次の通りだ。 ①:多くの人々のeモビリティへの移行をサポート ②:さらなる電動車両の普及を促進 ③:日本の政府目標(CO2排出削減)の達成に貢献 これらは、BAJのいわゆる経営方針として捉えることができ、今後の中長期的な車種展開に備え、商品ポートフォリオの最適化を進めるとしている。 それらを受け、BAJは日本国内におけるBYDラインアップのうち、SEAL(シール)を除く2車種3グレードについて、4月1日から値下げ方向での価格見直しを図った。これにより、BYDを身近に感じてもらい、次の愛車購入候補にBYDが選ばれる環境を整えるのが目的だとBAJはアナウンスしている。 アンダー300万円のドルフィンが通常ラインアップ化 コンパクトEVの「DOLPHIN(ドルフィン)」は、従来エントリーグレードを担っていた車両本体価格363万円の「ドルフィン」を廃止。かわりに、昨年11月にドルフィンの日本発売1周年を記念して発売された限定車「ベースライン」と呼ばれるグレードが通常ラインアップに加わった。 ベースラインは300万円以下で買えるEVとして注目を集めたが、通常ラインアップ化された今回も299万2000円という値ごろ感のある価格設定を維持した。これによりドルフィンの通常エントリーグレード価格は一気に63万8000円も安くなったのだから、ライバルは戦々恐々としていることだろう。 また、ドルフィンの上級グレードにあたる「ロングレンジ」も、今回を機に従来価格から33万円安となる車両本体価格374万円に変更された。 もう1車種、BYDのミドルサイズSUV「ATTO 3(アットスリー)」も価格見直しの対象となり、従来価格から32万円安の車両本体価格418万円と発表されている。 物価高騰と為替の兼ね合いから、値上げ方向の価格見直しが相次ぐなかでのBYD値下げの動き。よりEVが身近に感じられる手ごろな価格設定となり、消費者としては歓迎的な変更ではあるが、その一方でライバルメーカーにとっては脅威に映るかもしれない。

TAG: #ATTO 3 #BYD #ドルフィン
TEXT:御堀直嗣
EVが静かすぎて歩行者に気付かれない問題! 簡単に解決できるのに法が邪魔をするってどういうこと?

歩行者がクルマの接近に気づかないケースは少なくない 電気自動車(EV)に限らず、多少でもモーター走行機能をもつハイブリッド車(HV)は、車両接近通報装置を取り付けることになっている。各自動車メーカーが趣向を凝らし、人口の音色を車外へ発している。 これは、発進から時速30km前後で機能するようになっている。 それでも、歩行者にEVの接近を気づいてもらえない場面があり、音量をより高めるなどの対応を求める声がある。しかし、それには疑問がある。 そもそも、エンジン車の場合でも、アクセルをあおってエンジンをふかし、排気音の大きさで人をあおるようなことをしていいのだろうか? 道路交通法上は、歩行者優先の原則がある。 一方で、クラクションを鳴らすことにはばかる思いがあるのも事実だろう。ただ接近に気づいてほしいだけにもかかわらず、ビーッというような強いクラクションを鳴らしたのでは、それこそ感情的になり、争いを起こす元になるかもしれない。 日産自動車は、初代リーフを世界で発売するに際し、米国の盲人協会の協力を得て、既存のエンジン車とリーフとを試験し、どちらの接近を先に気づけるか調べたことがある。結果は、リーフのほうが先に接近に気づかれたとのことだ。 つまり、エンジン車といえども、走行音を必要とするようなゆっくりした速度で近づいてくる場合はエンジン回転数が低く、また近年では通過騒音や排気音の規制が厳しく、かなり静かに走っているという証だ。ただ、先にも紹介したように、エンジン車の場合はあえてエンジンをふかし、排気音量を高め、歩行者に気づかせる運転の仕方をするので、運転者はあまり意識していない。 私自身、商店街の歩道のない道で、エンジン車の接近に気づかなかった経験がある。EVだから静かという時代ではなくなっているのだ。 また、車両接近通報音を大きくすれば、逆に騒音公害のもとになりかねない。ではどうするか。

TAG: #接近通報音 #車両接近通報装置
TEXT:桃田健史
トランプは石油推し! でもイーロンマスクが政権入り! アメリカのEV動向はいまだ不透明のまま

イーロン・マスク氏が政府効率化省のトップに 「掘って掘って掘りまくれ」 トランプ大統領が、第二次政権発足前から強調しているアメリカ国内での石油関連事業の拡大。これを受けて、日本では「トランプ大統領はEV普及に否定的」といった報道が目立つ。 そもそも、トランプ第一次政権の時点でも、EV普及を協力に後押ししたという印象はない。また、トランプ氏が返り咲きを目指した大統領選挙活動中でも、EVが普及することでアメリカの石油産業が縮小することに対して、トランプ氏は懸念を表明してきた。 一方で、テスラのイーロン・マスク氏がトランプ氏の大統領選挙活動に対して多額の寄付をし、あわせて全米各所でトランプ氏に対する応援演説をするなど、トランプ氏とマスク氏の交友関係が深まった印象が報道を通じてグローバルで広まった。 すると、「トランプ氏はEV普及に柔軟な姿勢を見せるのかもしれない」という見方が日本でも出てきた。さらに、トランプ第二次政権ではサプライズ人事が実行された。マスク氏が政府効率化省のトップとして政権入りしたのだ。これにより、マスク氏はアメリカ連邦政府関連機関での大胆なリストラを決行すると見られている。 日本人の感覚からすれば、大手EVメーカーのテスラ、またロケットなど宇宙事業を手がけるスペースX、さらにSNS大手のX(旧ツイッター)などさまざまな先進事業を手がける企業の経営トップが、政府の中核にそのまま入ることに違和感を覚えるだろう。それを実現できてしまうのがアメリカ社会であり、トランプ第二次政権のあり方なのだと、つくづく思う。 要するに、EVや自動運転など、次世代自動車や次世代交通について、現時点でアメリカの行方を先読みすることは極めて難しい。 大まかな予想では、バイデン政権が実施したIRA(インフレ抑制法)の見直しよって、7500ドルの税額控除が変更される可能性があげられている。仮にこれが減額されたり制度自体が廃止されたりすれば、当然ユーザーのEV購入動機に影響するのは確実だ。 また、マスク氏をテスラCEOの立場としてみれば、グローバルではとくに中国メーカーによるEV攻勢が激しくなるなかで、北米市場でのEV需要を確実にとっていきたいと考えるはずである。 マスク氏が政府の一員としての立場と、企業トップとしての立場をどのように両立させて事業計画を立てていくのかが注目される。 こうしたさまざまな要因によって、アメリカのEV市場がどのような振れ幅で動くのかまったく検討がつかず、日本メーカーとしては「つねに柔軟に動けるように準備するしかない」(大手自動車メーカーの開発部門幹部)という状況である。

TAG: #アメリカ #トランプ
TEXT:高橋 優
トヨタはEV「も」本気! ランクルやハイラックスも含めて新型EVが続々登場する!!

2026年末までに6車種の新型EVを投入 トヨタが欧州市場において年次製品戦略イベントを開催し、最新のEV戦略を発表しました。2026年末までに、ランドクルーザーEVを含めた合計6車種のBEVを投入する方針を表明しながら、レクサスからもステアバイワイヤーなどの最新テクノロジーも発表されました。とくに注目するべきはトヨタブランドにおいて、2026年末までに6車種の新型BEVを投入する方針を表明した点です。 まずはbZ4Xの2026年モデルとして、EV性能や装備内容を大幅にアップデートした改良モデルを投入します。現在、bZ4XはDセグメントの電動SUVというカテゴリーにおいて欧州トップ5の人気を誇っているものの、電費や冬場の充電性能などの問題点が指摘されていました。そこで新型bZ4Xでは、57.7kWhと73.1kWhのふたつを設定することで、さらにユーザーのニーズをカバーします。また、より高効率な炭化ケイ素インバーターを採用することで効率性だけでなく動力性能もアップ。AWDの場合、最高出力は252kWと、現行型の160kWと比較しても向上。よって欧州市場で重要視される牽引能力も、これまでの750kgから1500kgへと倍増されました。 さらに、エクステリアデザイン、とくにフロント部分が空力性能の最適化によって、より滑らかさを感じるデザインに変更。これによって航続距離はWLTPサイクルで最長573kmと、現行モデル比50km以上の延長を実現しました。 そして何といっても、ついに待望されていたバッテリーの温度調整システムが搭載されました。これは急速充電ステーションを目的地にセッティングすると、自動で電池ヒーターが作動して急速充電性能を最大化してくれるという機能です。さらに、手動での調整モードも用意。現行モデルで指摘されてきたEV性能の低さを改善してきた格好です。欧州市場では2025年夏頃に正式発売がスタートする予定ですが、日本国内でも導入されるはずなので期待です。 次に、bZ4Xよりもひとまわり小さいC-HR+というバッテリーEVを発表しました。C-HR+はbZ4Xと同様にe-TNGAプラットフォームを採用しながら、全長4520mm、全幅1800 mm前半、ホイールベースが2750 mmという欧州で人気のコンパクトSUVセグメントです。 電池容量について、エントリーグレードはbZ4Xと同じ55.7kWhを共有しながら、さらに77kWhのロングレンジグレードも追加し、最長で600kmの航続距離を確保。充電性能は最大150kW級に対応。 さらに、FWDだけでなくAWDもラインアップすることで、最高出力は252kWを発揮。よって時速100kmまで到達するのに5.2秒と、GRシリーズを除いてもっともパワフルなモデルになります。 C-HR+は2025年末までに欧州の一部地域において正式に発売スタートしながら、2026年にかけて欧州全土に投入されます。はたしてbZ4Xと比較してどれほど安価に発売できるのか。ハイブリッドモデルが3万3990ユーロ、PHEVモデルが3万8490ユーロで発売されていることから、3万7000ユーロあたりで発売されることが予想できるでしょう。

TAG: #新型車 #欧州
TEXT:TET編集部
災害に備えて未来を楽しむ! 「AWAJI EV MEET 2025」の参加はまだまだ受付中

クルマの枠を越えたEVの可能性を体感 次世代モビリティと防災の可能性を体験できるイベント「AWAJI EV MEET 2025」が、2025年4月19日(土)に淡路島・国営明石海峡公園で開催される。主役は、いま注目を集める電気自動車(EV)だ。単なる交通手段を超え、防災やアウトドアでの活用法にまで広がるEVの可能性を、見て・聞いて・触れて確かめられる体験型イベントとなっている。 全国からEVユーザーが集う交流の場 イベントの目玉のひとつが、全国のEVオーナーが自慢の車両を持ち寄る「ミートアップゾーン」だ。オーナー同士でカスタムや活用法を語り合ったり、車両を囲んで記念撮影を楽しんだりと、オンラインでは味わえないリアルなつながりが生まれる。EVに乗っていない人でも見学自由なので、気軽に立ち寄って雰囲気を楽しむことができる。 試してわかるEVの進化、試乗体験で未来を先取り 最新EVに実際に乗って体験できる「試乗プログラム」も展開される。加速性能、静粛性、操作感など、百聞は一見にしかず。メーカーのスタッフが同乗し、車両の特徴や機能についても丁寧にレクチャーしてくれるため、初めての人でも安心して体験できるのがポイント。 EVが防災に強い理由とは?専門家によるトークで学ぶ もうひとつの注目テーマが「防災」。近年、災害時にEVを“動く蓄電池”として活用する動きが広がっている。会場では、防災士やEV関連の専門家によるセッションを通じて、非常時の電力供給や避難生活におけるEV活用の現実的な知識を得られる。電源供給のデモンストレーションなども予定されており、実用面の理解が深まる内容だ。 EVとアウトドアの融合を車中泊キャンプで体感 イベントの締めくくりとして、EVによる車中泊体験が楽しめるキャンプ企画も実施される予定だ。アイドリング不要の静かな環境、EVからの電源供給による快適な夜など、EVがアウトドアと抜群の相性を持っていることを実感できるはず。ファミリー層にもぴったりの企画となっている。 まだまだ事前申込受付中で誰でも参加OK! EVに乗っている人も、まだ検討中の人も、防災やアウトドアに興味のある人も、誰でも参加できるのがこのイベントの魅力。現在、公式サイトにて事前申し込みを受付中(参加無料)。未来のライフスタイルに一歩近づくチャンスを、ぜひ体験してみてほしい。 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」 〈申し込みサイト〉 AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS 〈参加費〉 EVミートアップ:1台2000円、追加オプション:車中泊1台7000円 ※税込み ※車中泊は複合型温泉天然温泉(アクアイグニス)利用料の500円割引がございます。 ※車中泊は参加台数に制限がございます。ご希望多数の場合は先着順とさせていただきます。 〈主催〉 株式会社交通タイムス社/株式会社ONE

TAG: #イベント #キャンプ
TEXT:さいば☆しん
冷暖房を使おうが排ガス出ないから自然のなかにベストマッチじゃない? それでもEVキャンピングカーが広まらない理由を達人が解説!!

EVがキャンピングカーのベース車両に選ばれることは少ない 環境に優しいカーボンニュートラルの実現に向け、バッテリーとモーターで100%走るElectric Vehicle(エレクトリック ビークル)モデルが続々と登場しています。事実、国内外の自動車メーカーもEVカーに注力しており、今後、EVキャンピングカーの市場は広がっていくと予想されています。 が、その一方で、二酸化炭素を排出しないEVは、自然を愛するキャンピングカーとは相性バッチリなはずなのに、キャンピングカーのベース車両としていまひとつ、EVに注目が集まらないのはなぜでしょうか? そこで今回は、EVのメリット、注目が集まらない要因となるデメリット、そして将来性について検証してみたいと思います。 EVキャンピングカーのメリット EVキャンピングカーのメリットとして、以下のような点が挙げられます。 ・二酸化炭素排出量が少ない。これは、とくに山や川などの自然のなかで楽しむキャンピングカーには最適だといえます。 ・大容量のバッテリーを搭載しているので、停車中でもクーラーを使用できるなど、従来のキャンピングカーよりも多くの電化製品を使用できる。 ・最近、高騰するガソリンを使用しないので燃料費を抑えやすい。 ・災害時、停電などにより電気が使えなくなった場合に非常電源として活用できる。 EVキャンピングカーのデメリット 車中泊やキャンピングカーの人気が高まるなかで、EVが、そのベース車両としてあまり注目されていない理由はいくつか考えられます。 1)航続距離の問題 キャンピングカーとして使用する場合、クルマ旅の長距離移動が前提となるため、航続距離の短いEVは不安要素になります。 とくにキャンプ地や山間部でエンコした場合、生死にも関わる問題です。とくに、そのようなところでは充電インフラが整っていないことも多く、充電スポット探しがストレスになる可能性があります。現在手に入るEVキャンピングカーの航続距離は270kmと決して満足できる値ではなく、東名高速では東京から浜松くらいまでしか行けません。 2)充電時間の長さ EVの充電には時間がかかります。ガソリン車なら短時間で給油できるのに対し、EVは急速充電でも30分~1時間、普通充電なら数時間以上かかることが一般的です。旅先で充電のたびに約1時間のロスは、クルマ旅スケジュールに悪影響を与えます。 3)車両価格 EVはガソリン車に比べて車両価格が高くなる傾向があります。 とくにキャンピングカーのベース車として考えた場合、製作費用が上乗せされ、トータルコストがさらに膨らむ恐れがあります。たとえば、ガソリン車の軽自動車では、EV軽自動車の価格は約1.5倍になります。

TAG: #キャンピングカー #車中泊
TEXT:大内明彦
電欠したから仲間のクルマに急速充電器まで引っ張ってもらう……は厳禁! EVが牽引できない理由とは?

EVを牽引する際は注意が必要 バッテリー残量があるうちはまだセーフだが、電気を使いきってしまたった場合、いわゆるEVが「電欠」を起こした場合はどうなるのだろうか。この点に関しては、現行の内燃機関車に対するEVのウイークポイントとしてずっと懸念されてきた問題だ。内燃機関車の場合は、燃料を調達(携行缶などに入れて補給)するだけで再び動けるようになるのだが、EVの場合はどうすればよいのか。非常時の動力源となる電気エネルギーの確保、これがEVの直面する問題となっている。 タンクローリーならぬ電力供給車があれば、電欠した車両のバッテリーに緊急充電することで急場をしのぐことができると考えてもしまうが、問題は電力供給車の電源の種類だ。交流電源を蓄電池とすることはできず、充放電可能な電池はすべて直流となっている。しかし、現状のEVは、交流電源(AC100V、AC200Vなど)による充電にしか対応しておらず、もち運び可能な電池(直流)による充電には対応していない。つまり、大容量電池搭載による電力供給車の存在そのものが成立しないのだ。 では、交流電源の発電機を積んだ救援車にすればよいのではないか、と瞬間的に考えそうになってしまうが、二酸化炭素の排出を避けるため強く普及が図られているEVに対し、二酸化炭素を排出する発電機(化石燃料)を使っての供電はいかがなものか、という本末転倒した話になってしまう。 なので、基本的に電欠(動力用電池)したEVの救援は、充電用の電源を電欠EVのところまで運ぶのではなく、電欠EVを充電設備のあるところまで運ぶ、というのが解決方法となっている(JAFの救援車なども存在はするが)。では、どうやって電欠EVを搬送するか、この方法が問題となる。 現状、取り得る方法はふたつ。 積載車に「載せて運ぶ」か、別のクルマで「牽引して運ぶ」か、このいずれかである。積載車(セフティローダーなど)に載せる方法は、電欠EVが完全停止した状態での移動となるので問題はないが、牽引の場合は注意が必要だ。

TAG: #牽引 #電欠
TEXT:御堀直嗣
結局「全固体電池」ってなに? どんなメリットがある? 「夢の電池」と言うには時期尚早な次世代バッテリーの中身

電解質を固体にしたのが全固体電池 電解質とは、電気を帯びたものから、電気の基となるイオンを分離し、移動させる作用を促す物質をいう。つまり、バッテリーの電極からイオンを分離する働きがある。 一般に、バッテリーの電解質は液体で、クルマの補器を動かす鉛酸バッテリーも、希硫酸の電解液によって鉛合金の電極を化学反応させ、イオンを分離して電子の移動が起き、電気が流れる。 リチウムイオンバッテリーは、リチウムのイオンが移動するだけで電気が流れる仕組みで、電極の物性は変化しない。リチウムイオンの移動を促すのが電解質で、リチウムイオンバッテリーもこれまでは液体または粘性を持つゲル状だった。この電解質を、無機物の固体にしたのが全固体電池だ。電極も固体、電解質も固体(液体率が0%)なので、すべてが固体の電池ということから、全固体となる。 利点は、電解質が水溶液であったりゲル状であったりする現状では、電解質が蒸発したり、分解したり、液漏れや発火、劣化などを起こす可能性があるが、無機物の固体を使う全固体式であれば、それらの懸念を解決できる可能性がある。 また、固体であることによって、バッテリーを車載するうえで、液体の電解質が偏るなどの懸念も払拭され、つねに安定した性能を発揮し、車両に搭載する際の自由度が増すことへの期待もある。要は、縦でも横でも、自由に置けるということだ。 次に、正負極の電極間をイオンが高速移動することが期待されるので、充放電性能が向上する。かつて、固体の電解質はイオンの移動速度が遅いとされたが、東京工業大学の菅野教授らにより、液体より早く固体のなかを移動するイオンの発見があり、今日の開発競争がはじまったとされている。 そのほか、耐熱性も高く、これまで以上のエネルギー密度をもつ電極材料を容易に使えるようになる。 構造的には、表裏に正極と負極を設定できるバイポーラ型にも適しているとされ、これによって容量の拡大も見込めるだろう。

TAG: #バッテリー #全固体電池

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