発売3年目の2024年でも2万台超えの人気ぶり
日産自動車は、軽自動車EV「サクラ」がすべての電気自動車(EV)を対象とした2024年度の国内販売台数トップを獲得したと発表。これにより、発売初年度の2022年度から3年連続のトップ獲得となった。
日本の自動車市場の常識を変えるゲームチェンジャー として、2022年度に日産が発売した「サクラ」は、新たなクルマの選択肢として選ばれ続けている。その結果、国内累計EV販売台数においても、約4割をサクラが占めるまでに至り、2024年度も年間2万832台を売り上げ好調を維持している。
軽自動車のEV「日産サクラ」は、洗練されたデザインに加え、小まわりの利く軽自動車ならではの特性や、EVの特長である静かでスムーズな加速を実現。それまでのEVとは異なり、手の届きやすい車両価格設定やランニングコストを抑えた経済性、運転支援機能の充実などが顧客から支持されている要因だと日産は分析している。
また、個人客のみならず、SDGsの実現に向けた取り組みとして、自治体や法人が導入する例が多いそうで、日産が掲げる「持続可能な社会の実現に向けて、競争力のあるEVを提供する」という目標を見事に体現している。それらの利用シーンは営業車や商品配送に留まらず、空港内での荷物輸送の牽引車などにも用いられ、環境負荷の高い事業用車両のEV転換を大きく後押ししている。
なお、サクラは価格と装備のバランスが良い中間グレード「X」が人気で、半数以上の購入者が選択しているという。また、ボディカラーはホワイトパールが一番人気、次いでスターリングシルバーとオーソドックスなカラーが上位に連なる。このあたりはまとまった台数を導入する事業用車両のニーズが反映した形なのかもしれない。
一方、CMやカタログに掲載されているサクラに用いられるイメージカラーだからだろうか、昨年追加された新色「シルキーライラック」も人気なのだという。こちらは一転して明るいカラーなだけに個人客の需要が人気を下支えしているといえそうだ。
必要十分な航続距離で、日本の道路事情に適した軽自動車規格のEV。年に数回の遠出よりも日常に軸足を置いて商品企画を行ったサクラは、目下ライバル車が見当たらないだけに、当面その地位は揺るぎそうにもない。