標準装備や収納スペースも充実
それでは、このSealion 05 EVのコスト競争力について、兄弟車のYuan Plusや競合として注目されているLeap Motor B10、トヨタbZ3X、Galaxy E5などと、EV性能と標準装備内容の両面で比較考察します。まず、EV性能について、今回チョイスしているエントリーグレードでは、Sealion 05 EVは50kWhバッテリーを搭載して430kmの航続距離を確保、さらには130kWの急速充電にも対応。18分という充電時間はセグメントトップクラスを実現しています。収納スペースについて、Sealion 05 EVはトランクを採用することで収納力をアピールしており、実際にセグメントトップクラスの収納スペースを確保しています。
そして、値段設定について、Sea lion 05 EVはYuan Plusと同等に設定してきたものの、B10やbZ3X、E5という競合は11万元未満を実現しています。
また、標準装備内容を比較すると、Sealion 05 EVの上級グレードは、
・18インチホイール
・12.8インチのセンターディスプレイ
・インフォテインメント周りを駆動するのがプロセスノード6nmのDi Link 100
・USB Cポートは最大60Wの急速充電に対応
・ワイヤレス充電も50Wの急速充電
・セントリーモード
・電動シート調整とともに、運転席助手席ともにシートヒーターとともにシートクーラーを装備
・アンビエントライト
・ヒートポンプシステムと電池温度プレコンディショニング機能
・一面のガラスルーフは電動サンシェード搭載
・−6℃から50℃に対応する冷温庫
・God’s Eye CによるハイウェイNOA
・最大3.3kWのV2L機能
・8スピーカー音響システム
・リヤサスペンションは5リンクを採用
・ファーサイドエアバッグを含めて7つのエアバッグを搭載
・車両保証は6年15万km、バッテリー保証はファーストオーナーに限って無制限保証
このように、標準装備内容を見てみると、電動コンパクトSUVとは考えられないほどに装備内容が充実しています。トヨタbZ3XもシティNOAを使用することができるという点は強みですが、値段設定は80万円以上も高額であるという点は注意する必要があります。
その一方で、唯一Sealion 05 EVに対抗できるのがLeap Motor B10の存在でしょう。B10は4月10日に正式発売。Sealion 05 EVと比較しても装備内容で遜色がなく、しかもLiDARを搭載してシティNOAにまで対応可能です。値段設定もほとんど同等であり、BYDと新興EVブランドで勢いのあるLeap Motorとの販売対決の行方にも注目です。
このSea Lion 05 EVが該当するコンパクトSUVセグメントは、日本メーカー勢のホンダCR-V、日産キャッシュカイ、トヨタRAV-4、Wildlander、カローラクロス、そしてFrontlanderという、月間1万台級の人気のガソリン車が集結しています。BYDをはじめとする中国勢は、このコンパクトSUVセグメントに魅力的なBEVを投入して、日本勢のシェアを奪おうとしてきているわけです。
ますますプレッシャーがかかる日本勢のガソリン車の販売動向をはじめとして、巨人BYDとジーリー、Leap Motorの三つ巴の戦い。そしてトヨタbZ3Xがその競合にどこまで対抗できるのかを含めて、競争が激化するコンパクトSUVセグメントの販売動向に注目です。