コンパクトSUV「Sealion 05 EV」が登場
BYDがコンパクトSUVセグメントのSealion 05 EVを正式発売しました。日本導入にも大いに期待したいコンパクトなサイズ感も含めて、そのコスト競争力の高さを分析します。
まず、BYDは2025年に突入してから、
・自動運転システム「God’s Eye」の全モデル導入
・車載ドローンシステム「Lingyuan」
・メガワット充電システム「スーパーeプラットフォーム」
という最新テクノロジーを発表しました。
そして3月中には、
・Yuan Plusのモデルチェンジバージョンの発売
・Han LとTang Lの正式発表
・DenzaのフラグシップSUVであるN9の発売
・大衆セダンQin L EVの正式発売
・ハイエンドブランドYangwangの超高級セダン「U7」の発売
・Fang Cheng BaoのコンパクトオフロードSUV「Tai 3」の発表
など、最新テクノロジーとともに新型EVを矢継ぎ早に発表しています。
そして今回発売したのが、大衆SUVのBEVであるSealion 05 EVです。BYDはOceanシリーズについて、セダンはシール、SUVはSealionに統一しながら、サイズが大きくなるごとに05/06/07/08/09と命名。よって今回のSealion 05 EVは、OceanシリーズのなかでもっともコンパクトなBEVのSUVということになります。またSealion 05 EVは、王朝シリーズのYuan Plusの兄弟車でもあります。
Sealion 05 EVは、全長4520mm、全幅1860mm、全高1630mm、ホイールベースが2720mmというコンパクトSUVセグメントであり、リヤにモーターを搭載した後輪駆動です。兄弟車であるYuan PlusはFWDであり、ここが大きな相違点です。よって、最小回転半径が4.65mと軽自動車を凌ぐ小まわり性能を実現しています。PHEVモデルのSealion 05 DM-iの最小回転半径が5.8m、Yuan Plusも5.3mであることから、パワートレインをリヤに移動させた分だけタイヤの切れ角を大きくすることに成功しています。
さらに、110リットルという大容量トランクを採用。たとえばテスラ・モデル3のトランク容量が88リットル、モデルYが116リットルであることからも、コンパクトSUVとしては広大な容量を確保していることがわかります。また、60.928kWhのLFPバッテリーパックを車両の構造として利用するセルトゥボディを採用。その上、Sealion 07 EVから採用を始めたeプラットフォーム3.0 evoを採用することで、急速充電性能を大幅に改善。最大400Aの電流値、最大156kWという充電出力に対応可能です。Yuan Plusは最大でも85kWまでしか対応することができていないことを踏まえると、充電性能を大幅に進化させてきているのです。
さらに、Sealion 05 EVには全グレードでDi Link 100と呼ばれるスマートコクピットシステムを採用。DeepSeekとの統合も含めて、音声認識や将来にわたるOTAアップデートに対応します。
また、God’s Eye Cを標準搭載することで、高速道路上における追い越しや分岐対応、障害物に対する回避挙動などを実現します。年末までには、いくつかの通勤ルートを記憶させることでシティNOAを可能にする、メモリーシティNOAもOTA経由で実装予定です。そして値段設定が11.78万元、日本円で約243万円からのスタートという驚異的なコスト競争力を実現しました。