中国は官民連携でEVの研究を進めてきた
グローバルでEVの普及が進むなか、搭載されるバッテリーも世界各国で生産されるようになっている。そうしたなかで、中国製や韓国製のバッテリーの生産量も増加してきた。日本製バッテリーと比較して、性能はどうかという視点をもつ人がいるかもしれない。
また、EV市場規模で見れば、中国が世界最大の生産・販売大国であるので、自ずと中国製バッテリーの性能も、いまや世界の水準以上、または世界的に見て高水準であるはずと思う人もいるだろう。
韓国についても、ヒョンデ「IONIQ 5」の世界累計販売台数が34万台を突破しているなど、韓国ブランド車のEVシフトが着実に進んでおり、バッテリー性能も当然に高いと考える人が少なくないはずだ。
時計の針を少し戻してみると、中国でのEVシフトが鮮明になったのは、2000年代後半から2010年代前半にかけてだ。
当時、3大国家イベントだった2008年の北京オリンピック、2010年の上海万博、そして同年の広州アジア競技大会を、中国政府は中国のEV開発実態を内外に示す貴重な機会と位置付けた。それにあわせて、バッテリー、モーター、制御システム等、EV関連部品については、高度な次世代技術開発を国として統括する「863計画」が中核となり、官民連携でEV関連の研究開発を加速させた。
バッテリーについては、サイズの指標を示すなどして、メーカー間の性能差を可能な限り少なくする試みを行っていた。
そうした流れのなかで、BYDやCATLが事業基盤を徐々に築いていった。また、海外資本メーカーが中国国内でEVを製造する際、中国地場のバッテリーを導入することが必須であったことも、中国バッテリーメーカーの知見を増やすために大いに役立ったといえるだろう。
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