2025年3月
TEXT:山本晋也
レシプロ・ロータリーみたいに全然違う! EVで使われるモーターにもさまざまな種類が存在した

もっとも多いのは「永久磁石型同期モーター」 エンジンに2サイクルガソリン、4サイクルガソリン、ディーゼル、ロータリー(ヴァンケル)……とさまざまな種類があるように、じつは駆動用モーターも複数のタイプが存在、実際に市販車に搭載されている。諸元表ではモーターではなく「電動機」と表記されているが、ここではモーター表記で進めていこう。 基本的な分類としてはAC(交流)モーターが大多数で、いわゆる四輪のEVでは三相交流が主流となっている。構造の違いにより同期モーターと誘導モーターが二大派閥状態で、同期モーターは永久磁石型と巻線界磁型に分類することができる。 それぞれのモーターには、どのような特徴があるのだろうか。 もっとも多数派となっているのが「永久磁石型同期モーター(PM:Permanent Magnet Synchronous Motor)」だ。 その構造は、いわゆるモーターと聞いて思い出すものに近い。回転する部分(ローター)に永久磁石を置き、そのまわりを囲む部分(ステーター)に交流電流を流すことで生まれる反作用を利用して、ローターを回転させるという仕組みになっている。 日産アリアなど採用例の少ない「巻線界磁型同期モーター(EESM:Electrically Excited Synchronous Motor)」は、上記PMモーターの永久磁石を電磁石に置き換えたものと捉えると理解しやすい。 特性上のメリットは、高回転・高出力時の効率にある。また、永久磁石を使わないということは、資源リスクの面からもメリットといえる。 高性能な永久磁石にレアアースが欠かせないことはいうまでないだろう。レアアースについては、採掘環境が非常に劣悪ということが社会問題になることもあるし、その調達にカントリーリスクが存在する面もある。永久磁石を使わないことは時代の要請ともいえる。

TAG: #モーター #種類
TEXT:TET 編集部
先進技術と高度な安全装備はまさにフラッグシップそのもの! 新型EV「ボルボES90」は今後のブランドの成否を占う重要な1台だった

特徴的な外観以上に凄い中身 ボルボの新型EV「ES90」がオーストリア、ベルギー、フランス、ドイツ、イタリア、ノルウェー、スウェーデンなどの一部市場での注文受付を開始した。ES90は、セダン、5ドアクーペ、SUVの特徴を兼ね備え、革新的なスタイルと実用性を両立させた唯一無二の存在だとボルボは主張している。 ES90はボルボのEVラインアップの最新モデルにして、EX90、EM90、EX40、EC40、EX30に続く6番目のEVだ。 「SUVのEX90とともに、ボルボのフラッグシップのひとつとなり、コアコンピューティングのパワーを活用したソフトウェア・デファインド・カーにおける業界のリーダーとしての地位を確固たるものにします」とは、ボルボのCEOであるジム・ローワンの弁。 進化するクルマ「ES90」 このES90は、ボルボのモジュラープラットフォーム「SPA2アーキテクチャー」を基盤に構築され、統合型のハードウェアとソフトウェアのモジュールとシステムで構成された「ボルボ・カーズ・スーパーセット・テックスタック」を採用。これにより、ソフトウェア・デファインド・カーとして、無線アップデート(OTA)による性能向上が可能となり、データとAIを活用した安全性とパフォーマンスの向上が図られている。 これに対し、ボルボ・カーズのエンジニアリング&テクノロジーの責任者であるアンダース・ベルは、「スーパーセットは、コアコンピューティングによって実現され、ES90は、ボルボ車として初めてデュアルNVIDIA DRIVE AGX Orinコンフィギュレーションを搭載しています。コアコンピューティングの能力という点では、我々がこれまでに開発したなかでもっともパワフルなクルマです。これにより、データやソフトウェア、AIを通じて、安全性と総合的なパフォーマンスの水準をさらに引き上げていきます」と述べている。 ボルボ初の800ボルトテクノロジーは、より高速な充電と優れた総合性能、さらに高効率性を実現している。ES90の場合、350kWの急速充電ステーションでわずか10分間の充電で300kmの航続距離を追加でき、WLTPテストサイクルでは最大700kmの航続距離を可能にしている。それには、0.25という優れたCd値を実現したボディデザインも寄与している。

TAG: #ES90 #ボルボ #新型車情報
TEXT:渡辺陽一郎
EVで得する人は「自宅充電可&セカンドカー」! そうじゃなければ燃費のいいハイブリッドのほうが経済的にはメリットあり

充電は自宅で行うのが割安 いまは急速充電器が普及している。駆動用電池の温度管理も入念に行っているから、急速充電器の利用だけでEVを使うことも可能だ。しかし、基本的には充電は自宅で行い、急速充電器は緊急用と考えたい。駆動用電池の負荷を考えると、理想は従来と同じく普通充電になり、急速充電器は施設の都合で廃止されることもあるからだ。 また、日産は急速充電器を利用できるゼロ・エミッション・プログラム3を提供しているが、利用料金を考えると割安とはいえない。たとえばプレミアム200のプランは、月々6600円で急速充電器を200分、普通充電器を600分利用できる。 リーフGの場合、急速充電器を200分使って走れる距離はWLTCモードで約850kmだ。普通充電の600分では約400kmになる。両方合わせて1250kmだ。 一方、レギュラーガソリン価格が1リッター当たり170円として、6600円分を給油すれば39リッターになる。1リッター当たり30kmを走行可能な燃費の優れたハイブリッド車なら、39リッターで1170kmを走行可能だ。レギュラーガソリン価格が以前のように1リッター当たり140円まで下がれば、6600円で1400kmを走行できる。 しかも外出先での普通充電は使い勝手が悪いから、急速充電に頼ると、850kmで6600円を支払うことになって割高感が強まる。このように考えると、充電は自宅で行うのが割安だ。 また、EVは1回の充電で走行できる距離がエンジンを搭載するクルマに比べて短い。これを伸ばそうとすれば、大型のリチウムイオン電池が必要でボディも重くなり、モーターは大型化する。拡大の悪循環に陥ってしまう。 そうなるとEVは、自宅に充電器を設置できる一戸建てのユーザーが、買い物などの短距離移動に使うセカンドカーに適する。長距離移動にはファーストカーを使うから、EVのセカンドカーが長い距離を走れる必要はない。 このニーズに応えて、サクラはEVの国内販売ナンバーワンになった。毎月のEVの販売状況を見ると、国内で売られるEVの40%近くをサクラが占めることもある。サクラのリチウムイオン電池は20kWhと小さく、1回の充電で走行できる距離も180kmと短いが、セカンドカーとして使うなら不都合はない。軽自動車だからボディはコンパクトで、街なかの移動でも使いやすく、Xは実用装備を充実させて価格を259万9300円に抑えた。国から交付される補助金の55万円を差し引くと、実質価格は200万円少々だから購入しやすい。 以上のようにEVライフは、自宅に充電設備を設置できるユーザーが、セカンドカーとして利用するのにピッタリだ。

TAG: #充電 #所有
TEXT:琴條孝詩
クルマで儲けないでソフトで稼ぐ! EVメーカーが狙う「新たな」クルマのあり方とは!!

さまざまな施策は新たなビジネスモデルへの布石 近年、EV(電気自動車)の販売競争は世界的に激化している。とくに中国メーカーの台頭が目立ち、価格競争が熾烈を極めるなか、テスラやBYDなどの大手EVメーカーは、大幅値引きや金利0%キャンペーンを実施し、シェア拡大を狙っている。これらの施策は単なる販売促進策ではなく、新たなビジネスモデルへの布石といえるだろう。 <ハードウェアからソフトウェアへの価値転換> テスラが2024年6月まで実施した0%金利キャンペーンでは、Model 3 RWDの購入に際し、金利負担をなくすことや補助金の活用により、総額80万円以上の恩恵を受けられた。現在は、3月末までに納車されるModel Yの在庫車とModel 3を購入すると5年間スーパーチャージャーでの充電料金が無料になるというキャンペーンをやっている。 BYDも本体価格を割安に設定し、CEV補助金を活用して手に入れやすい価格戦略を打ち出している。これらの積極的な価格攻勢は、第一義的には単に販売台数を増やすためだけでなく、顧客基盤を早期に確保する意図がある。 また、従来のICE(内燃機関)車とは異なり、EVはハードウェアよりもソフトウェアで収益を上げるビジネスモデルへと移行しつつある。クルマ本体の販売価格を抑えることで、より多くの顧客を獲得し、アフターサービスやサブスクリプション型のサービスで継続的な収益を得ることを目指しているのだ。 そのほかEVメーカーにとって、販売台数を増やすことは単なる収益向上だけではなく、クルマを通じて得られる膨大な運転データや利用者情報を収集し、活用することが重要な目的となっている。 これらのデータを分析することで、ユーザーのニーズや嗜好を深く理解し、より魅力的な製品やサービスの開発につなげることができるのだ。加えて、自動運転技術の向上やMaaS(Mobility as a Service)の実現にも欠かせない要素となっている。

TAG: #メーカー #販売促進
TEXT:桃田健史
BYDが強いのは「バッテリー技術」が手の内にあるから! 今後も「自動車メーカー以外」がEVの世界で躍進する可能性は大

変化が起こる可能性は十分ある EVでのコア技術といえば、駆動用の大型バッテリーだ。 見方を変えると、バッテリー技術を得意とする企業がEV市場を仕切るようになるのか、といったイメージをもつ人がいるかもしれない。 もっともわかりやすい事例が、中国BYDだ。 この数年でグローバル販売台数を急激に伸ばし、2024年にはついにホンダ超えを実現しまうほどの成長を見せた。 そのBYDをテレビやネットで紹介する場合、「電池メーカーとして創業した」を報じられることが多い。確かに、そうしたルーツがあるにせよ、BYDは中堅自動車メーカーを買収することで、それまで社内に蓄積がなかった自動車の設計・開発・製造の技術をものにして、プラグインハイブリッドやEVの量産を始めたという経緯がある。 筆者はこうしたBYDが成長していく様を中国現地で見ながら、これまでBYD各モデルと世界各地で接してきた。 そうした経験を踏まえると、BYD躍進の背景には、電池技術を「手の内化」していることがコスト面での強みになっていることは確かだといえる。 ほかの電池メーカーを見た場合、彼らが主導してEVプラットフォームを確立するという明確な動きはないように思う。 一方で、直近では日産絡みの報道でよく登場する台湾の鴻海(ほんはい)のような、電気製品やEVなどをメーカー側から委託されて、製造に向けたトータルパッケージ化する企業の存在も目立つようになってきた。 だが、そうしたポジショニングにあるグローバル企業はけっして多くはない。 では、自動車部品大手はどうか? ドイツでは、ボッシュやコンチネンタルというツートップがいるが、彼らもこれまでEVや自動運転技術など次世代自動車の基幹部品を製造しながら、EVプラットフォームという発想はコンセプトとしては存在するものの、量産に向けた商流を真剣に構築しようという動きはないのように思う。 そうとはいえ、EVと社会を結びつける基本体系であるエネルギーマネジメントという大きな括りのなかでは、EV本体の製造にかかわるサプライ側の中核企業が、EVプラットフォーマーへと変化していく可能性は十分にあるはずだ。 それは、バッテリーメーカーに限らず、半導体メーカーであれ、またはデータ通信企業であれ、1社ではなく複数社による連携体が自動車メーカーとビジネスモデルについて対等な立場で協議することも考えられるだろう。 いわゆる、100年に一度の自動車産業大変において、EVプラットフォームに対する商流の変化が起こることは十分にあり得る。

TAG: #バッテリー #メーカー
TEXT:TET 編集部
CHAdeMOに挿すだけで30秒で診断完了!? データマイニング法を用いた画期的なバッテリー診断機が「EverBlüe Drive」から登場

バッテリー診断機がEV循環サイクル実現のための隠れたカギ 日本国内でのEVシフトは、順調に進んでいるとはいえない状況にある。その大きな原因のひとつとして挙げられるのが、EV特有の残価率の低さだ。EVの駆動用バッテリーは、車両価格の3分の1から半分を占めるというのが定説だ。しかし、そのバッテリーは使用に伴い性能が劣化してしまうため、結果的にEVのリセールバリューは低いという課題を抱えている。 そこにブレークスルーを起こすべく立ち上がったのが三洋貿易の「EverBlüe Drive」ブランドである。EverBlüe Driveは、EVメインのリバースエンジニアリングビジネスや、自動車部品の輸出入、最新車両のベンチマーク情報サービスといった事業を手がけてきた三洋貿易のノウハウを活かし、モビリティ領域で安心・安全な循環型社会を実現すべく、EVバッテリーのメンテナンス用品を主軸に各種製品をリリースしている。 そのEverBlüe Driveから、画期的なEV・PHEV用のバッテリー診断機が発売された。 リセールの低さという課題を抱える一方で、EVのバッテリーは多くのレアメタルを含んだ高い価値をもつ部品であるという側面も無視できない。軽度の劣化ならば蓄電池として再利用したり、重度の劣化でもマテリアルを回収してリサイクルするといった再利用が可能なのだ。 適切な再利用にあたってはEVバッテリーの状態を適切に把握することが重要となるが、現在市場に流通している診断機は、測定に時間がかかる、筐体が高価、高電圧の充放電が必要となるなどといった課題を抱えているものがほとんどである。それもあって、国内での再利用は進まず中古EVの需要が高い海外への車両流出が多くなり、EVバッテリー循環の構造は十分に機能していないというのが現状だ。 今回発表されたEverBlüe DriveのEV・PHEV用バッテリー診断機「ETX010」は、既存の診断機が抱えていた諸問題をクリアした意欲的な新製品となっている。 まず注目したいのがそのサイズ感だ。本体は750gと軽量なハンディタイプとなり、ケーブルや別体の機器も必要としない。「いつでもどこでも使える」という点も、バッテリー診断を広めることにひと役買うことだろう。 使用方法はいたって明快で、急速充電口(CHAdeMO)に本体を挿入するのみ。測定に要する時間はわずか30秒程度で、自社で保有する膨大な車両解析データをもとに独自アルゴリズムを用いてSOH(State Of Health=バッテリー劣化状態)を推定。その結果は専用のアプリ上に表示され、PC上で一括管理も可能となる。 既存のEVバッテリー診断機では急速充電を必要とし、その充電データによる解析がメインとなっているが、EverBlüe Drive ETX010では車体の充放電の必要がなく、高電圧バッテリーの取り外しも必要としないデータマイニング法での測定となるため、より安全かつ手軽な診断が可能となっている。また、測定精度についても電気的な試験と同等に保たれているという。 EverBlüe Drive ETX010の価格は、税込19万5800円。別途でアプリ・システム利用料が必要となるが、絶対的な価格もリーズナブルで、診断回数が無制限ということも考えれば、バーゲンプライスといってもいいだろう。 EverBlüe Driveは、これからもバッテリーメンテナンス機器をシリーズとして順次発売予定としている。同社が製品を通じて目指すEVの循環型社会の実現に、今後の展開にも期待したい。

TAG: #カーライフ #バッテリー #メンテナンス
TEXT:御堀直嗣
EVの要「リチウムイオン電池」はレアメタルなしに作れない! そもそも「レアメタル」ってなに?

リチウムイオンバッテリーはレアメタルの塊 電気自動車(EV)を支える重要部品のひとつが、リチウムイオンバッテリーである。その正極には、レアメタルが使われている。 レアメタルとは、言葉通り「稀な」という意味があり、地球に存在する量が極めて限られ、鉱物などからの抽出が難しかったり、安定的な確保が難しかったりする、非鉄金属をさす。 希少さという意味では、貴金属もある。これは、数が限られるのはもちろん、腐食に耐える性質を備えた金属をさす。たとえば、金、銀、白金、パラジウムなど8つの元素がある。白金やパラジウムは、エンジン車の排気触媒で使われている。 そして、ベースメタルと呼ばれるのが、鉄、銅、アルミニウム、鉛、亜鉛など、生産量の多い金属だ。鉄やアルミニウムはクルマの車体で使われたり、銅は配線、鉛は鉛酸バッテリーで使われたりしている。 リチウムイオンバッテリーで使われているレアメタルは、多くが、リチウム、ニッケル、コバルト、マンガンなどで、一般に三元系とよばれるリチウムイオンバッテリーは、ニッケルとコバルトとマンガンを組み合わせた合金による電極を使う。そして、リチウムのイオンが正負極の間を移動することで充放電が行われ、まさにリチウムイオンバッテリーはレアメタルの塊だ。 レアメタルは、それぞれに産地が異なる。リチウムは南米の塩湖、オーストラリアの鉱石などから得られる。ニッケルはフィリピンやロシアなど、コバルトはアフリカのコンゴ、マンガンは南アフリカや中国などで、いずれも、日本はもちろん欧米も輸入に頼らなければならない。 中国のEVが、リン酸鉄を正極に使う背景は、普及を目指した原価の低減にある。リンも鉄も、レアメタルやレアアースではないので、安価に入手しやすい。一方、電池性能は高くないとされてきたが、セルの工夫などで三元系と競争力をもてる仕様になってきている。

TAG: #バッテリー #メカニズム #レアメタル
TEXT:高橋 優
EVは踊り場を迎えている? それ、間違ってます! 2024年の全世界EVの「本当の」販売状況

世界で売れたクルマの5台に1台以上がBEVまたはPHEV 2024年シーズン、世界全体でEVシフト減速といわれていたなかにおいて、果たしてどれほどEVシフトが減速してしまっていたのか。そして2025年はEVシフト減速の流れがさらに強まるのか。世界全体のEVシフト動向を解説します。 まず初めに、最新のデータが判明している2024年12月の世界全体でのBEVとPHEVの販売台数の合計は193万台超で前年同月比で24%アップしました。 さらに、新車販売全体に占めるBEVとPHEVの販売台数のシェア率も、12月単体では史上最高の30%に到達。とくに2021年シーズンから15%、21%、20%、そして2024年最新の30%と、明らかにEVシフトが加速している様子が見て取れます。 また、世界の主要マーケットと比較したBEVに絞った販売シェア率の変遷を比較すると、まず世界全体のシェア率は12月単体で史上最高の19%に到達。つまり、12月単体で世界全体で売れた自動車のうち5台に1台がBEVだったことを意味します。 なかでも中国市場は30%に到達。アメリカ市場も9%に到達しながら、さらに東南アジアのタイ市場も15%に到達するなど、世界各国でBEVシェア率が想定以上に上昇している様子が見て取れます。その一方で、日本市場は2.16%と、世界平均の19%と比較しても低迷している点は注目するべき動向でしょう。 また、年間ベースでのEVシフト動向について、このグラフは世界全体におけるBEVとPHEVそれぞれの年間販売台数の変遷、およびNEV(BEV+PHEV)とBEV単体の販売シェア率の変遷を示したものです。2024年シーズン通しでの世界全体のNEVシェア率は22%に到達。つまり、2024年通しで世界全体で売れた自動車の5台に1台以上がBEVかPHEVだったということになります。 また、BEVシェア率も14%に到達。つまり、2024年通しで世界全体で売れた自動車の7台に1台がBEVだったことになります。BEV販売は2023年シーズンは踊り場を迎えていたという背景が存在します。ところが、2024年シーズンというのは力強い成長を実現しており、このことからもEV減速という表現は誤りなのです。むしろ2023年シーズンの踊り場を乗り越えて、再び成長軌道に乗っていた1年だったという表現が正しいわけです。 さらに注目するべきは、欧州・米国・中国という主要マーケット3つを除いた、その他のマーケット全体では、NEV販売台数は前年比27%も増加しているというデータでしょう。つまり、この世界全体のEVシフト動向を考察する際にどうしても最大マーケットの中国市場や欧米市場の動向に左右されてしまい、本当に世界全体のEV動向を細かく分析することが難しいものの、じつは欧米中以外のマーケットでは、2024年シーズン、欧米以上にEVシフトが進んでいたということなのです。 いずれにしても、2024年シーズンにEVシフトが減速したという言説は、PHEVを含めないBEVのみという観点、また欧米中という主要マーケットを含めないその他のマーケットという観点でも明確に誤りであるといえるのです。

TAG: #2024年 #普及 #販売
TEXT:齊藤優太
EV時代に教習内容を見直す必要はある? 元教習所教官が出した答えとは

EVが普及しても教習所で教えるべきことは変わらない EVの普及に伴って、免許取得時に教える項目を増やすべきなのでしょうか。この記事では、指定自動車教習所での指導経験がある筆者が、EVの普及にあわせて教習所で教えることを変えるべきなのか考察します。 EVが増えたり日常的に目にしたり近所で借りられるようになったりしても、運転免許を取得する際に通う教習所で教える教習内容は基本的に変える必要がないでしょう。 その理由は、教習所は運転の基礎(基本的な運転操作や基礎的な知識)を教える場所だからです。つまり、EVの普及と教習所のカリキュラムの関係性は低いということになります。 ただし、EVはガソリン車やディーゼル車などの内燃機関を搭載するクルマと比べると、瞬時にトルクが立ち上がる特性があります。そのため、ガソリン車やディーゼル車よりも急発進する可能性が高いことについて教習所で教えておく方がよいかもしれません。 また、EVは内燃機関(ガソリン車やディーゼル車)と異なり、音や振動が少ないという特徴があります。そのため、歩行者や自転車運転者がクルマ(EV)の存在に気づかない可能性が高いです。 この特徴はハイブリッドカーも同じであるため、電動車(ハイブリッドカーやEVなど)を運転しているときに、歩行者や自転車の近くを通るときは内燃機関のクルマよりも慎重になる必要があるでしょう。 このように、EVをはじめとする電動車を運転している際の周囲の交通に対する配慮は教習所で補助的な知識として教えておくとよいかもしれません。

TAG: #免許 #教習所 #電気自動車
TEXT:TET 編集部
MINIブランド史上初となる電気じかけのJCW! 「MINIジョンクーパーワークスE」と「MINIジョンクーパーワークス エースマンE」が登場

MINI史上初の電動ハイパフォーマンスモデル ガソリンエンジンだけでなく、電気自動車(EV)もラインアップし、「カリスマティック・シンプリシティー」と呼ばれるデザイン言語でコンポーネントを削減し、シンプルかつ本筋にフォーカスして設計されたデザインとリサイクル素材を積極的に採用しサスティナビリティに配慮しながらも、MINIならでは痛快なドライブフィールはそのままに進化した新型MINIクーパー。 その高いポテンシャルは2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤーのインポート・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したことでも明らかだ。 その新型MINIクーパーのハイパフォーマンスモデルといえるのが「ジョン・クーパー・ワークス」だ。すでにガソリンエンジンを搭載したMINIクーパー、MINIコンバーチブル、MINIカントリーマン・オール4の3車種にジョン・クーパー・モデルを販売しているが、2025年2月27日からは、MINI史上初のEVハイパフォーマンスモデルとなる「MINIジョン・クーパー・ワークスE」と、「MINIジョン・クーパー・ワークス エースマンE」の2車種がそのラインアップに加わった。 ボディは違えど航続距離の差はわずか MINIクーパーの3ドアモデルをベースにしたMINIジョン・クーパー・ワークスEと、クロスオーバータイプのEVモデルMINIエースマンをベースにしたMINIジョン・クーパー・ワークス エースマンEは、レーシングスピリットにあふれる走りを特徴とし、精悍で卓越した走行性能と個性的なスタイリングを融合させたEVホットハッチといえる。 両車ともに前輪をモーターで駆動し、Eブースト機能作動時の最高出力は190kW、最大トルクは350Nmを実現している。ボディ床下に収納されているリチウムイオン電池のバッテリー容量も54.2kWhと共通だが、一充電走行距離はよりコンパクトなボディを持つMINIジョン・クーパー・ワークスEの方が18kmほど足が長く、421kmと発表されている。 停止状態からの発進や、よりパワーが欲しいシーンでは、「Eブースト機能」によりパワーを増強することが可能。JCWスポーツ・ステアリング・ホイールのパドル操作で作動し、アクセルペダルを踏み込むと、追加で約20kWのパワーが10秒間供給され、高加速なドライビングの楽しさを提供する。 むろんハイパワー化に伴い、足まわりには手が加えられ、専用チューニングのJCWスポーツサスペンションを採用したほか、スプリングやスタビライザー、ダンパーも特別に調整。前輪のキャンバー角は大きくされ、ハンドリングとコーナリング時のグリップを向上させている。

TAG: #JCW #エースマン

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