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EVで得する人は「自宅充電可&セカンドカー」! そうじゃなければ燃費のいいハイブリッドのほうが経済的にはメリットあり


TEXT:渡辺陽一郎 PHOTO:TET 編集部/写真AC
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充電は自宅で行うのが割安

いまは急速充電器が普及している。駆動用電池の温度管理も入念に行っているから、急速充電器の利用だけでEVを使うことも可能だ。しかし、基本的には充電は自宅で行い、急速充電器は緊急用と考えたい。駆動用電池の負荷を考えると、理想は従来と同じく普通充電になり、急速充電器は施設の都合で廃止されることもあるからだ。

また、日産は急速充電器を利用できるゼロ・エミッション・プログラム3を提供しているが、利用料金を考えると割安とはいえない。たとえばプレミアム200のプランは、月々6600円で急速充電器を200分、普通充電器を600分利用できる。

リーフGの場合、急速充電器を200分使って走れる距離はWLTCモードで約850kmだ。普通充電の600分では約400kmになる。両方合わせて1250kmだ。

日産リーフ

一方、レギュラーガソリン価格が1リッター当たり170円として、6600円分を給油すれば39リッターになる。1リッター当たり30kmを走行可能な燃費の優れたハイブリッド車なら、39リッターで1170kmを走行可能だ。レギュラーガソリン価格が以前のように1リッター当たり140円まで下がれば、6600円で1400kmを走行できる。

しかも外出先での普通充電は使い勝手が悪いから、急速充電に頼ると、850kmで6600円を支払うことになって割高感が強まる。このように考えると、充電は自宅で行うのが割安だ。

また、EVは1回の充電で走行できる距離がエンジンを搭載するクルマに比べて短い。これを伸ばそうとすれば、大型のリチウムイオン電池が必要でボディも重くなり、モーターは大型化する。拡大の悪循環に陥ってしまう。

充電のイメージ

そうなるとEVは、自宅に充電器を設置できる一戸建てのユーザーが、買い物などの短距離移動に使うセカンドカーに適する。長距離移動にはファーストカーを使うから、EVのセカンドカーが長い距離を走れる必要はない。

このニーズに応えて、サクラはEVの国内販売ナンバーワンになった。毎月のEVの販売状況を見ると、国内で売られるEVの40%近くをサクラが占めることもある。サクラのリチウムイオン電池は20kWhと小さく、1回の充電で走行できる距離も180kmと短いが、セカンドカーとして使うなら不都合はない。軽自動車だからボディはコンパクトで、街なかの移動でも使いやすく、Xは実用装備を充実させて価格を259万9300円に抑えた。国から交付される補助金の55万円を差し引くと、実質価格は200万円少々だから購入しやすい。

以上のようにEVライフは、自宅に充電設備を設置できるユーザーが、セカンドカーとして利用するのにピッタリだ。

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