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今度のBYDはクルマの屋根にドローンを搭載だと!? 留まるところを知らないBYDの開発スピードがヤバイ!


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
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今後もBYDの最新テクノロジーに注目

そして、今回のインテリジェント車載ドローンシステムは、中国深圳に本拠地を置くドローンメーカーのDJIと共同で開発されています。2000人ものエンジニアが開発に関与しながら、2億元もの研究開発費用を投じて開発されています。

まさに、このハードウェアだけでなく車載ソフトウェアと深く統合されたインテリジェントドローンシステムというのは、競合が簡単に真似することができないBYDのEVならではの付加価値となるでしょう。

ちなみに付加価値という観点では、BYDは2025年モデルの多数車種に対して車載冷温庫を搭載しています。とくに主力モデルであるドルフィンやYuan Plusにも設定。冷温庫はマイナス6度から50度という幅広い温度帯をカバーしており、ファミリー層の乳幼児のミルクの保温などの需要に対応します。この車載冷温庫もBYDの完全内製品であり、すでに車載冷温庫を生産する工場を稼働中です。生産規模も年産315万台という、自動車メーカーとは思えない生産能力を実現しています。

車載冷温庫

先ほどのGod’s Eyeシステムの全車種導入と同じように、2025年以降のBYDというのは、ただ単純にEVのコストを押し下げてコスパの高いEVをラインアップするというだけでなく、さらにハイエンドADASやスマートコックピット、その上でドローンシステムや車載冷温庫などというさらなる付加価値を提供します。それらを内製することによって、コストを抑制できるだけでなく車載ソフトウェアと深く統合することが可能となり、BYDのEVでなければならないという付加価値を押し上げることにつながるのです。

BYDは、3月中にもさらなる最新テクノロジーの発表会を開催予定です。EVのコアテクである新世代バッテリー、および最新プラットフォームを含めた次世代EVテクノロジーの発表です。BYDは新型フラグシップモデルとなるHan LとTang Lに対して、1000Vプラットフォームを採用する見通しです。また、最高回転数3万RPM超という超高性能な新型モーターも搭載予定です。

Han L

そして、ブレードバッテリーの第2世代にも注目です。エネルギー密度を高めながら、ブレードバッテリーの弱点ともされてきていた超急速充電に対応させます。

さらにBYDは、ここにきて超急速充電インフラに値する莫大な投資をスタートする見込みです。最大1000kW級の1000V超急速充電ネットワークを中国全土に設置。自社製の蓄電池やソーラーパネルも取り付けることによって、充電料金とグリッドへの負担を緩和しながら、さらにエアコンが装備されたラウンジも併設することによって、BEVユーザーの長距離走行における充電まわりのUXを改善する予定です。

Tang L

※Tang L

この2025年に投入される新世代BEVプラットフォームの存在こそ、BYDのBEVシフトという点において、極めて重要なテクノロジーなのです。果たして日本メーカー勢は、このスマートカー競争、そして今回BYDがさらに一段ハードルを上げてきたスマートカー+戦争で、どれだけの存在感を示すことができるのでしょうか。

このBYDのインテリジェント車載ドローンシステム「Lingyuan」が搭載されるYangwang U8、FCB Bao 8、Denza N9、BYD Tang L、Sea lion 07 DM-iの販売動向、さらに新世代BEV専用プラットフォームや第2世代ブレードバッテリー、超急速充電ネットワーク普及のタイムラインなどを含めて最新情報に注目です。

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