コラム
share:

新型リーフを日産が公開! 厳しい経営状況のなかで日産はどんな戦略をとるのか?


TEXT:桃田健史 PHOTO:日産/TET 編集部
TAG:

第3世代リーフはSUV?

日産が6月3日、第3世代「リーフ」に関して、デザインを中心とした情報を正式にリリースした。同月内には、国内で正式発表されるとの報道もある。

いわずもがな、リーフは日産EV戦略の中核であり、また次世代日産のシンボルである。

時計の針を戻せば、2000年代後半、当時のゴーン体制で日産は世界に先駆けてEV事業への本格参入を目指した最終準備段階にあった。

筆者は当時、日産が開発中のEV先行実験車両を日米で試乗している。アメリカでは、西海岸のカリフォルニア州からテネシー州へ北米日産の拠点が移転して間もないころだったが、その敷地内で同実験車両の走行や充電を体験した。

その後、リーフが発売されてから、日本、アメリカ、欧州、そして中近東でリーフを試乗したり、日産のEV開発者らが出席するEV関連の国際会議を数多く取材してきた。

日産リーフ(初代)

元来、リーフが日産の主力EVとして量産効果を生みながら、セダンモデル、商用モデル、さらにはリーフの技術を活用した小型モビリティなど日産EVワールドを構成する計画だった。

ところが、日産の当初予想に反してEV市場はグローバルで広がらなかった。一方で、独自ブランド戦略を突き進んだテスラの存在感が増していった。

2010年代後半になると、欧州連合の執務機関である欧州委員会による欧州グリーディール政策がきっかけとなり、グローバルでEV関連事業への過剰な投資が進んだ。

そうしたなかで、日産は「アリア」や、国内では「サクラ」を導入。

日産アリア

中国では、BYDを筆頭として中国地場メーカーによるEV価格競争が激化し、EVに限らず日系メーカー各社の事業に大きな打撃を与えるようになった。

コロナ禍を経て、欧州でのEVバブルが収束し、中国ではレンジエクステンダーやPHEVの需要が高まり、そしてアメリカでは第二次トランプ政権による自動車環境政策の大幅な見直しや関税政策が打ち出されているところだ。

以上のようなグローバル市場の動きを踏まえて、日産は北米市場に対しては、近年拡大傾向が明らかになっているハイブリッド市場を見据えて、第3世代e-POWERの導入を進める意向だ。

第3世代の日産リーフのイメージ

同システムを採用した次期「エルグランド」も日本市場に導入されることが明らかになっている。詳細は、10月にジャパンモビリティショーで公開されるだろう。そのほか、日本市場向けは、前述の第3世代リーフやサクラに次ぐ軽EVの登場を期待したいところだ。

いずれにしても、エスピノーサ体制での日産事業再生計画が今後、正式に発表されるなかで国や地域別でのEV及びe-POWERの導入ロードマップが明らかになることだろう。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
日本は3年連続「日産サクラ」がトップ! じゃあ中国・欧州・アメリカで一番売れてるEVってなにか調べてみた
電気自動車って「お金的に」得? エンジン車と諸々の費用を比べてみた
リーフのバッテリーパックをバラして積むって意外に大変! 初代フィアット・パンダのEV化に挑戦してみた【その5】
more
ニュース
「BEVですか?」→「マルチパスウェイです」を徹底するトヨタ! EVにこだわらない姿勢で今後も世界で支持される予感がビンビンに伝わってきた【ジャパンモビリティショー2025】
新型エルグランドがいよいよe-POWERで登場!? 「EVの雄」日産のジャパンモビリティショー2025は電動モデルが盛り盛り
トヨタの新型モビリティでお台場周辺が一気に便利になる! 「eパレット」と「C+walk」が街全体の活性化にも貢献
more
コラム
テスラはOKでもアフィーラは「ネット直販NG」ってどういうこと? ソニーホンダがカリフォルニアで訴えられたウラ事情
作る電力と走らせる電力を何で生み出すか? EVのエコ度は国と地域で大きく変わる!
1000馬力オーバーもザラなEVだけどそれって本当に必要な価値? 馬力じゃなくて本当に見るべき性能とは
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
more
イベント
見どころはスーパーワンプロトタイプだけじゃない! 全メーカー中でもっともモビリティショーしていたホンダは陸・海・空に加えて宇宙にも進出か【ジャパンモビリティショー2025】
スーパーオートバックスかしわ沼南に90台のEVとオーナーが集合してゆる〜く懇親! 「EV MEET 2025 AUTUMN」を開催
EVらしさをなるべく廃したスタイリングで乗り換えを自然に! スズキが軽EVコンセプトカー「Vision e-Sky」で考えたのはEVであることを気づかれないことだった【ジャパンモビリティショー2025】
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択