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イーロン・マスクの目は「EV販売台数」から「自動運転普及」へ! BYDとの販売台数争いは眼中なしか


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
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2024年の販売台数は178万9226台

テスラの2024年シーズンの納車台数が速報され、アナリストの予測を大きく下まわる結果に留りました。年間EV王者対決として注目されていた中国BYDとどれほどの販売台数の差がついたのか。2025年シーズンにおける展望も含めて解説します。

まず、2024年Q4におけるグローバル全体の納車台数は49万5570台と、2023年Q4と比較して2.28%のプラス成長となりました。その一方で、2024年シーズン全体の販売台数は178万9226台と、1.07%のマイナス成長と前年割れという結果に留まりました。

グラフ

車種別の販売台数を確認してみると、まずモデル3とモデルYの販売台数の合計は47万1930台と、Q4単体では前年比超えを実現したものの、2024年通しではモデル3とモデルYという主力車種の販売台数は前年割れとなりました。

また、モデルS、モデルX、そしてサイバートラックの販売台数の合計はQ4単体で2万3640台と史上最高を更新しながら、2024年シーズン全体の販売台数という観点でも前年超えを達成。サイバートラックの販売台数が伸びたぶんだけ販売ボリュームが増加していると推測できます。

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ところが、今回のQ4における最大の問題点は、主力車種であるモデル3とモデルYではなく、サイバートラックにあると思います。というのも、モデルS、モデルX、そしてサイバートラックの合計販売台数の伸びはたったの700台弱です。次にサイバートラックは、2023年Q4以降に生産体制を拡張することで、すでに年産12.5万台のペースに到達済みであると公式に発表。つまり、四半期ペースで3万台の生産能力を有しているということを意味します。

サイバートラックの生産ラインの稼働が一時的に停止したという情報や、さらに予約台数が200万台以上も存在するはずのサイバートラックが、2024年末には即納状態であることを示すタイムラインがテスラのホームページ上で表示されていましたが、やはり販売台数という観点からも、残念ながらサイバートラックの需要は想定を遥かに下まわっているのが現状であると推測できるのです。

テスラ・サイバートラック

テスラは2025年中にも、サイバートラックのエントリーグレードであるRWDを追加設定しながら、さらにベッド部分に追加バッテリーを搭載するというレンジエクステンダー仕様を追加予定。そのうえ2025年以降に登録された車両に対しては、連邦政府からの7500ドルの税額控除が追加で適用可能になったという点は好材料です。とはいうものの、トランプ政権下では税額控除が廃止される可能性が高いという点をはじめとして、サイバートラックの需要が大きく伸びるとも考えづらい状況です。

このサイバートラックの生産ラインの稼働率低下問題が、テスラ全体にどれほどの影響を与えるのかは決算内容に注視する必要がありそうです。

また、テスラは地域別の販売台数を公開していないものの、主力マーケットである中国市場の販売台数は2024年シーズン65.7万台と、前年比8.8%の成長を実現しています。よって、テスラが中国国内だけで販売した割合はQ4単体で4割程度という水準です。つまり、テスラは中国国内でさらに販売台数を伸ばすことに成功したものの、ホームマーケットである北米市場、そして欧州市場での販売がマイナス成長だったことにより、中国市場での成長分が相殺されてしまった格好なのです。

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