最新の輸入EVに試乗! 近年モデル数が増えてきているBEV。バッテリーに充電した電力のみで駆動するクルマたちだ。国産車でもさまざまなBEVがあるが、輸入車はそのバリエーションが多い。今回は個性やコンセプトがそれぞれ異なる輸入BEVモデルに一気乗り! それぞれのもつ世界観を味わってみた。 フィアット600e 今回試乗したBEVモデルのなかで、もっとも乗り味が普通だと感じたのが600eだ。「普通」というのは、ICE車に近い乗り味ということ。スロットルに対しても自然なトルクの出方で、パフォーマンスをアピールするようなBEVにありがちなビックリな加速は見せないし、全体的な乗り味も以前乗ったことがあるノーマルモデルの500を思い出させる雰囲気だ。おそらく狙った作り込みだと思うが、日本人が「フィアット」と聞いて思い浮かべるような乗り味がBEVでも再現されている。 乗り心地も割とマイルドでフワッとした感じに仕上がっていて、BEVらしさを感じない。1580kgというBEVとしては軽量な車重もこの乗り心地に影響していそうだ。このBEVらしくない自然な乗り味は初めてのBEVにオススメの1台といえる。 MINIエースマン MINI初の専用BEVモデルとしてラインアップされているエースマン。3ドアにはBEVとICE両方がラインアップされているが、エースマンはBEVのみの専用ボディだ(3ドアもそれぞれで異なる専用プラットホームとなっている)。 MINIの乗り味といえばゴーカートフィーリングと呼ばれるクイックな操作性が特徴。ステアリングとフロントタイヤが直結しているかのようなシャープなノーズの動きが、MINIの愛されポイントのひとつといえる。しかし、エースマンに実際に乗ってみるとゴーカートフィーリングは思ったより薄め。いや、普通のモデルと比べるとフロントがクイックかつシャープなフィーリングとなっているのだが、MINIファミリーのなかで考えるとその味付けが薄い印象だ。 どちらかといえばその乗り味はBMWのBEVモデルに近いかも? と思った。MINIらしさはしっかりとあるが、BEVで濃いMINIらしさを味わいたいのであれば3ドアのほうがいいかもしれない。
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