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マセラティのBEVシリーズ第3弾はカテゴリー最速のオープンモデル! 「稲妻」の名が与えられたグランカブリオ・フォルゴレ誕生


TEXT:山崎元裕 PHOTO:マセラティ
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速く美しすぎるBEVオープンカー

マセラティは2024年4月15日(現地時間)、本社のあるイタリアのモデナで、BEV(電動車)の第3弾モデルとなる、「グランカブリオ・フォルゴレ」を発表した。すでにマセラティは、当初2030年としていたプロダクションモデルの全電動化を2028年にまで前倒しする積極的な修正プランを発表しているが、このグランカブリオのベースとなった「グランツーリズモ」、そしてミディアムサイズのSUV、「グレカーレ」には、BEVの「フォルゴレ」は設定済み。さらにミッドシップスポーツの「MC20」においても、すでにそのコンセプトカーは完成している。

マセラティ・グランカブリオ・フォルゴレのフロントスタイリング

そのような状況のなかで誕生したのが、グランツーリズモのオープンバージョンとなるグランカブリオのBEV、すなわちフォルゴレだ。イタリア語で「稲妻」や「雷電」を意味する言葉である「フォルゴレ」を車名に冠した同モデルは、これまでのモデルと同様に、100%モデナ製、そして100%フル電動カーと主張されるこのニューモデルは、ラグジュアリーセグメント初の電動オープンカーであり、またその市場において世界最速のBEVというタイトルも持つ。

マセラティ・グランカブリオ・フォルゴレのエンブレム

マセラティが2023年からABB FIAフォーミュラE世界選手権でレースの世界に復活していることは、モータースポーツのファンには良く知られているところだが、そこで見られるマセラティのDNAともいえるレーシングスピリットは、まさに電動モビリティの頂点にあるともいえるフォルゴレが発する、エネルギーに満ち溢れた強力な電気を想像させるものともいえる。

先代モデルと同様に、ロングノーズを特徴とした美しいラインを描く、グランカブリオのボディは、全長×全幅×全高で4960×1957×1375mm。ホイールベースは2929mmに達するが、これは2名分の後席に身を委ねるパッセンジャーができるだけ自然なスタイルでドライブを楽しめるようにという配慮であることは間違いない。

マセラティ・グランカブリオ・フォルゴレのサイドビュー

トップは軽量化を意識したソフトトップで、タッチスクリーンの操作で約14秒という時間で、さらには50km/h以下の車速ならば走行中にもオープン&クローズの操作ができる。

後席の背後にはオープン時にそのソフトトップを効率的に収める専用スペースが設けられており、ラゲッジルームへの干渉も最小限に抑えられている。フロントシートには首まわりを温風で温めるネックウォーマーを標準装備。

マセラティ・グランカブリオ・フォルゴレの真正面リヤスタイリング俯瞰

マセラティはこのグランカブリオ・フォルゴレの最高速を325km/h、0→100km/h加速のデータを2.7秒と発表しているが、そのタイムにはやはり驚きを隠せない。

注目のパワートレインは、グランツーリズモのフォルゴレと同様に、3モーター方式。フロントに1基、リヤに2基のエレクトリックモーターが搭載され、それらは各々300kW(402馬力)の最高出力を発揮する。システム全体の最高出力は760馬力に抑えられているものの、最大トルクはじつに1350Nmという数字になる。

マセラティ・グランカブリオ・フォルゴレのリヤスタイリング

実効蓄電池容量は92.5kWh。放電容量が560kWというバッテリーは独自のバッテリーパックに収納され、フロアの低い位置に搭載される。一方、満充電からの走行可能距離はWLTC値で約450km。その実用性は十分に確保されているといえる。

持続可能な長期的ビジョンを2024年に発表し、そのなかで最初に触れたとおり、当初2030年としていた自社製品の完全BEV化を2028年に自ら前倒ししたマセラティ。そのスポーティでエレガント、そしてもちろん高級なブランドに、新たな魅力が加わったことは、マセラティに新たなカスタマーを呼び込む大きな追い風となるに違いない。

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