ステランティス・グループに属する伊フィアットは7月4日、新型電動コンパクトSUV「600e」をワールドプレミアした。先に登場する500eの兄弟分にあたるこのモデル、サイズアップに併せ、デザインも差別化が図られている。詳しく見ていこう。
EVに加え、ハイブリッドも設定予定
今回デビューした600eは、日本国内でも販売されている「500e」の兄貴分(ちなみにフィアットでは“姉貴分”と表現している)にあたるBセグメントSUV。全長は4.17m で、500eに比べて50cmほど長い。こうしたサイズ感でピンと来た方もいると思うが、この600eは現行「500X」の事実上の後継モデルといえるだろう。もっとも、全長が4,295mmある500Xに比べると、600eは若干コンパクトになっている。
600eの発売時に用意されるのは54kWhのリチウムイオン・バッテリーを搭載したバッテリー電気自動車(BEV)仕様。フィアットによれば、600eはWLTP都市サイクルで600km以上、複合サイクルで400km以上の航続距離を持ち、100kW級の急速充電にも対応する。バッテリーを0%から80%までチャージするのに30分以下で済むという。
また、モーターの最高出力は115kW(約156ps)、0-100km/h加速は9.0秒とアナウンスされており、500eの87kW(約118ps)に比べ出力は強化されているが、ボディの大型化等により0-100km/h加速はまったく同じ値となる。なお、600eは500eと異なりBEV専用車ではなく、2024年半ばまでにハイブリッド(HV)仕様も追加されるというから、現行500Xからの乗り換え組も安心だ。
600eのエクステリアは、500eをそのまま大きくして5ドア化したようなスタイリングで、半開きの目を想像させるヘッドライト周囲の処理や、フロントノーズの大きなモデルロゴなどもフィアットの新世代EVとして500eと共通のデザインになっている。ただし、よく見ると、500eではリング状のフォグランプが、600eでは上下に分割された形状とされ、500eではフラットなドアハンドルが600eではグリップ式になるなど細かな違いは多い。また、ハイブリッドが設定されるため、600eのフロントグリルには開口部が設けられていることも目立つ差異となる。