2024年2月
TEXT:TET 編集部
水力発電した電気のEV用急速充電器活用でゼロエミッション東京を目指す

奥多摩の白丸発電所に急速充電器を設置 東京都はゼロエミッション東京(CO2を排出しない環境先進都市)の実現に向けて、ゼロエミッションビークル(電気自動車、プラグインハイブリッド自動車、燃料電池自動車)の普及を促進している。 そしてこのたび、東京都交通局及び環境局が連携し、東京都交通局が所有・運営する白丸発電所・白丸調整池ダムの近傍に電気自動車用急速充電器を設置することを決定した。 白丸発電所は、CO2を排出しないクリーンな電気を創る水力発電所。急速充電器の電力に水力発電所の電気を活用する取り組みは、東京都内で初となる。 設置基数は1基、充電規格はCHAdeMOで、定格出力は50kWだ。運用開始は令和7年4月頃を予定している。

TAG: #急速充電器 #水力発電所
TEXT:山崎元裕
日本に初上陸した異次元のデザインを見逃すな! テスラ・サイバートラックが全国展示ツアーを開催

日本発売は予定なしもサイバートラックをお披露目 アメリカ、テスラ社の新型ピックアップ・トラック型EV、「サーバートラック」が2024年2月15日、東京で初披露された。このジャパンプレミアイベントは、これから約10日間をかけて、関東、東海、関西、九州の各地を展示ツアーでまわる予定になっているが、残念ながら現在の段階では日本市場における販売の計画は立っていない。 それにもかかわらず、これだけのツアーを実施する背景には、やはりその市場として、日本もまた重要視されていること、そしてEVブランドとしてさらなる認知を狙うことが理由としてあげられるのだろう。 サイバートラックには3タイプのモデルが用意されている。違いはパワーユニットにあり、シングルモーターの後輪駆動モデルをベースに、前後それぞれのアクスルを駆動するデュアルモーターのAWD、そしてさらに後輪の駆動に用いられる3つめのモーターを搭載したサイバービーストがそのラインアップとなる。 テスラはこの3タイプのコンフィギュレーションに対して、すべて同じモーターを使用しており、注目の最高出力はもっとも高性能なサイバービーストが845馬力、デュアルモーターのAWDは600馬力、シングルモーターのRWDは315馬力がスペックシート上には記載されている。 一方、最大航続距離は、それぞれ510km、550km、400kmを可能とするから、実用性の面でもまずは満足できる性能を持つと考えられる。さらにAWDとサイバービーストでは、リヤのデッキ部にレンジエクステンダーを搭載することもでき、それを使用した場合には最大航続距離は各々710km、760kmを実現する。 フロア下に搭載されるバッテリーは4680個のリチウムイオンバッテリーセルで構成されたもの。もちろんその安全性は十分に担保されており、クラッシュ時などにはそれ自身が安全構造体としての役割も担う。気になる最大容量は123kWhで重量は約790kg。DC400Vからの15分間の充電で206km、もしくは219kmの航続距離を伸ばすことができる。また、このサイバートラックは、停車時にはクルマから家に電気を供給する「ビークル・ツー・ホーム」機能を備えているのも特徴だ。 全長×全幅×全高で5682.9×2413.1×1790.8mmというボディが演出するサイズ感は、直線を基調としたボディデザインが採用されていることもあり、この日本ではかなり大きな印象を受ける。これはボディパネルがウルトラハードステンレススチールエクソスケルトンという、非常に加工の難しいステンレス系の素材で作られていることに理由があり、その強靭さと未来的な感覚は、仮に日本に導入されることがあれば、新たなアーリーアダプターに大きな人気を呼びそうな予感を抱かせてくれた。参考までにデッキの最大収納力は3423.5L、また最大牽引力は4990kgを誇る。 じっさいの運動性能にも、この車重から考えると魅力的に思える数字が並ぶ。0-96km/h加速はもっとも強力なサイバービーストが2.6秒。4WDでも4.1秒、シングルモーターのRWDでも6.5秒でそれを走り抜いてしまうのだ。サスペンションにはセルフレベリング機能を持つエアサスペンションを採用。最大で10度の操舵が可能な後輪駆動システムは、混雑した市街地などでは大いに役立つだろう。 アメリカではサイバービーストで9万9990ドル、AWDが7万9990ドル、RWDは6万990ドルと値づけられているテスラ・サイバートラック。はたしてそのステアリングを、日本で握ることができる日はやってくるだろうか。

TAG: #TESLA #トラック #輸入車
TEXT:TET 編集部
EV3車種で国内最高峰の壁に挑む! 日産のTVCM・特別ムービー「THE WALL篇」を公開

日産の新たなCMを見逃すな! 日産自動車は、電気自動車「サクラ」、「リーフ」、「アリア」の3車種でレーシングドライバーの千代勝正選手、高星明誠選手、プロドライバーのシルビア氏が国内最高峰のバンク走行にチャレンジした新TVCM『THE WALL篇』を、2024年2月16日より全国でオンエアする。 日産が電気自動車に対して感じているイメージや魅力についての調査を実施すると、先進的・革新的なイメージを約7割の方が持つ一方で、加速感や走りについてはいまだ懐疑的だという声があがった。 この結果を受けて、日産の電気自動車がパワフルな加速力やドライバーをワクワクさせる走行性能を備えていることをより多くの方に伝えるべく、リーフとジェット機との加速力対決を行うTVCM『日産 電気自動車 vs JET篇』を公開した。 そして今回はリーフに加えて、軽自動車のサクラとクロスオーバーSUVのアリアの3車種で国内最高峰のバンク走行にチャレンジする新TVCM『THE WALL篇』を制作。 なお、今回のチャレンジに参加した3名のドライバーがチャレンジの様子を紹介する特別ムービーも、日産自動車公式YouTubeチャンネルにて公開されている。

TAG: #CM #NISSAN #アリア
TEXT:TET 編集部
EV生活をスマートにこなすなら自宅充電の「映え」にもこだわりたい! リクシルからスタイリッシュな充電器が誕生

住宅周辺機器メーカーならではの「自宅と調和する充電器」 現在、充電機器メーカー各社からリリースされている自宅用充電設備は、建物の外観に馴染むようにデザイン的配慮がなされているものの、どうも機械然とした佇まいに異物感を感じるという方は多いのではないだろうか。 住宅周辺機器の大手メーカーであるリクシルが2024年3月1日に発売する「EV充電器」と「EVコンセントポール」は、住宅周辺機器メーカーとしての知見とデザインセンスを取り入れ、同社の住宅用エクステリア製品と組み合わせることで、より一層住宅の外観に馴染むようデザインされた充電設備となっている。 リクシルの「EV充電器」は、充電ケーブルが搭載されており時短充電が可能な6kWタイプと、スタンダードな3kWタイプの2種類が用意される。「EVコンセントポール」は、自身で用意した充電ケーブルを使用することができる、EV・PHEV充電用コンセントのポールとなっている。 今回発売されるふたつの製品は、リクシルのデザイナーズパーツ枕木材を使ったポールのため、エクステリア製品の枕木材と並べてコーディネートすることが可能だ。また、ポールタイプなので、自宅駐車スペースの自由な位置に設置することができ、スタイリッシュな外観づくりにも貢献してくれる。 それぞれの製品の詳細は以下の通りだ。 「EV充電器」は充電器本体に充電ケーブルを搭載した製品で、充電用コネクタをクルマに差し込むだけで充電することができる。仕様は時短充電を可能にした6kWタイプとスタンダードな3kWタイプに分かれ、必要に応じてどちらかを選ぶことになる。 カラーラインアップは本体カラーが1色、ポールのカラーは6色設定されていて、使用環境や好みに合わせて枕木材や機能門柱と組み合わせることで外観をコーディネートできる。 もう一方の「EVコンセントポール」は、車載の充電ケーブルや自身で購入した充電ケーブルを使用することで、本体価格を抑えたコンセントポールだ。ポールタイプだから好みの場所に設置でき、制御器ホルダやコネクタホルダなどのアクセサリの取り付けが可能となっている。EV・PHEV充電用屋外コンセントはAC200VもしくははAC100Vから選択が可能。 また、コネクタホルダはダイヤルロック付きで、コネクタを保持することができるほか、ホルダの取付位置を変更することができるため、自宅の外観や駐車位置、自車の充電口に合わせてコーディネートできる自由度を持つ。 リクシルのデザイナーズパーツの枕木材100角と同じサイズのため、並べて使用することで自分好みの外観づくりができる。こちらのカラーラインアップも、本体カラー1色、ポールカラー6色の展開となる。 発売は3月1日からで、EV充電器の価格は、6kWタイプのアルミ色が38万7000円、木調色が39万7000円。3kWタイプのアルミ色が32万5000円、木調色が33万5000円だ。 充電ケーブルを自身で用意するEVコンセントポールは、AC200V仕様の場合でアルミ色が5万5600円、木調色が7万1600円。 EVユーザーで戸建て住宅の新築、リフォームを検討中の方は、自宅外観と調和したスタイリッシュな充電環境の整備に、この製品の導入を検討してみてはいかがだろうか。

TAG: #EV充電器 #リクシル #普通充電
TEXT:TET 編集部
「Vintage Club by KINTO」が「AE86 BEV Concept」に試乗できる企画を実施!

抽選の申し込みを受付中! 株式会社KINTOは旧車コミュニティ「Vintage Club by KINTO」で、トヨタ自動車が東京オートサロン2023および2024で公開した電気自動車「AE86 BEV Concept」に乗れる企画を実施する。 事前の抽選に当選した方限定で約3時間の試乗が可能。トヨタ自動車の開発スタッフから直接車両の特徴や、車両への想いについて聞くこともできるという。 日程は2024年3月13日(水)~4月24日(水)の期間中の毎週水曜/土曜(祝日含む)、時間は13~16時、場所はトヨタ会館(愛知県豊田市トヨタ町1)。参加費用は税込み2万円だ。 抽選の申し込み期間は2024年2月13日(火)~2月26日(月)。なお、申し込みをした方全員に「AE86 BEV Concept NFT画像」がプレゼントされる。 申し込みはコチラから 「AE86 BEV Concept」はLEXUSで培ってきた電動化ノウハウを活用し、AE86のボディや車重の軽さ、前後の重量のバランスは維持しつつも、BEVの特徴である高い駆動力やマニュアルトランスミッションの採用により、従来以上の「走りの楽しさ」を感じられる車両を目指してトヨタ自動車が開発。初出展となった東京オートサロン2023以降、トヨタ自動車が開発を続け、出力・トルクともに向上している。 「AE86 BEV Concept」は直近だと、2024年2月17日(土)~18日(日)にパシフィコ横浜で開催される「第14回 Nostalgic 2days 2024」のVintage Clubブースで目にすることができる。 ぜひ今回の企画や「AE86 BEV Concept」に注目してみてほしい!

TAG: #AE86 BEV Concept #KINTO
TEXT:西川昇吾
日本導入も予定されている! 中国のライトウエイトEVスポーツ「SC-01」の全容とは

中国からまた新たなるEVスポーツカーが登場 大阪オートメッセでBEVのスポーツカーSC-01が日本初公開された。これまでに見たことがなかった新たなスポーツカーということで注目を集めていたが、このニューモデルはどんなメーカーがどんなコンセプトで作ったのか? 日本での販売はあるのか? 現段階でわかっていることを中心に紹介していく。 SC-01は中国のカスタムカーブランドである工匠派汽車科技(Tianjin Gongjiangpai Auto Technology)が初めて自社で開発と設計を手がけたモデルだ。工匠派汽車科技は「Feng Xiao Tong」という創設者が作り上げたブランドで、彼は中国の工業系大学である天津科技大学工学部で自動車工学を学んだ後に、工匠派汽車科技を立ち上げた。カスタムカーを手がけるだけでなく、現在ではラリーカーの開発なども行っているという。 そして、IoT機器大手企業である「Xiaomi」の出資を受け、自社開発のモデルを作ることとなった工匠派汽車科技。カスタムカーを手がけているブランドなだけに、SC-01は操る歓びやデザインを重視したスポーツカーとなっている。 高性能を予感させるデザインはデザイナーで共同創設者である「Hou Wen」氏によるもの。彼はドイツのシュツットガルト大学にて自動車デザインを専攻し、卒業後はヨーロッパのメーカーにてスポーツモデルの開発などに携わってきた。ヨーロッパの高性能モデルを思わせるようなデザインは、ドイツでの経験が生きているからこそといえるだろう。 インテリアは非常にシンプル。可能な限り運転に必要なもののみを設置したといった印象だ。また、重量配分を気にしてか、センター寄りにオフセットしたシートも特徴的。スイッチ類はルーフ部分に集約されているのはレーシングカーを彷彿とさせる。 シャシーフレームは「He Jingming」氏が手がけた。彼は世界基準のツーリングカーレースであるWTCRR(現TCR)の開発にエンジニアとして携わった経験があるほか、日本向けのエアロパーツキットの技術責任者も務めた経験がある。モータースポーツの考え方が取り入れられたシャシーとなっているのだ。 モータースポーツの考え方が取り入れられていると述べたが、特徴的なのはスポーツカーでオーソドックスなモノコックやバスタブフレームを用いているのではなく、パイプフレームを採用している点だ。また、水平式プッシュロッドサスペンションを採用しているのもプロトタイプマシンを彷彿とさせる。 バッテリーはBEVによく見られる床下レイアウトではなく、シートとリヤモーターの間にレイアウトされる。これは、前後重量配分48:52やリヤトラクションにこだわったことによる部分もあるようだ。 また、BEVとして気になるのがバッテリー性能だ。バッテリー容量は60kWhとなっていて、航続距離はテスラなどと同じ測定方法で約500kmとなっている。ハイスペックをアピールするBEVと比べて、あまり大きくないバッテリー容量ながら、ある程度の航続距離が確保されているのは、1370kgという軽量な車両重量も影響していることだろう。 モーターは前後に配置され、総出力320kW、最大トルク560Nm。0‐100加速は2.95秒という俊足を誇る。 日本での販売は2025年度中を予定しているとのこと。販売元は興和産業だ。すでにヨーロッパでは認可の最終段階に入っているそうで、今年の春の発売を予定している。

TAG: #スポーツカー #中国車 #輸入車
TEXT:西川昇吾
誰もが感じる「ポルシェに乗っている」という感覚! ポルシェはBEVでもやっぱりスポーツカーだった

高級サルーンのような走りが印象的 自動車メディアでは毎年恒例となっている日本自動車輸入組合(JAIA)主催のメディア向け試乗会。この試乗会に若手自動車ライターの筆者も参加させて頂いた。多くの輸入車に触れたが、今回はポルシェのBEVモデルであるタイカンをリポートしていく。 ■中間グレードでもビックリなハイパフォーマンス いまさら説明する必要もないかもしれないが、タイカンはポルシェ初のBEVモデルだ。デザインを見ると全体的なシルエットはパナメーラに近いものを感じるが、灯火類やダクト類の少ないフロントバンパーといったデザインが、タイカンがBEVモデルであることを感じさせる。誰もがひと目見てポルシェと分かる見た目にもかかわらず、BEVモデルに必要な未来的な要素を感じさせるデザインは、個人的にはかなり好印象。 今回試乗したのはGTSというグレード。タイカンのラインアップのなかでは中間に位置している。最高出力598馬力、最大トルク850Nmというスーパースポーツもビックリなパフォーマンスを誇っていて、気になる航続距離は492kmとされている。 ■伝統を感じるインテリア 未来的なエクステリアの印象とは異なり、インテリアはポルシェらしい伝統を残した雰囲気で、良い意味でBEVらしくない印象だ。メインとなるメーターパネルはドライバーの前に独立して配置され、若干アーチした形状となっている。ポルシェ人気のオプションであるスポーツクロノパッケージもそのままだ。 実際にドライバーズシートに座ってみると、BEVとしては低いシートポジションにも驚かされる。BEVはバッテリーを床下に搭載するため、どうしてもシートポジションが高くなりがちだ。このシートポジションと、BEVとしては保守的なインパネまわりに、「ポルシェに乗っている」と印象付けられる感じだ。 ■サルーン的な乗り味のなかにスポーツカーの要素 ポルシェに……というかドイツ車のサルーンに乗っている印象は、走り始めるとより強く感じるものとなった。不快な振動が少なくフラットな乗り心地は、長距離ドライブでの疲労感の少なさを感じさせてくれる。 スポーツモードでも比較的乗り心地が良く、GT的というかサルーンな感触が強い。また、スピードメーターが示す速度に対して体感速度が低く感じるのも高性能サルーンらしい特徴だ。高速域でもドライバーに対して無駄な緊張感を与えないのは、ハイスピードでの長距離移動を考えたドイツの高性能車らしい特徴と感じる。 しかし、ステアリングはダイレクト感と剛性感を高い次元で両立したスポーツカーそのもの。ドライバーの意思に対して素早く反応してくれる。車重は2380kgとスポーツカーとしてはかなり重いが、ドライバーが思った通りの反応が返ってくるドライブフィールで、ドライビングが楽しいと感じさせる味付けをしてくるのはさすがポルシェといった印象。 全体的な印象として、ポルシェはBEVでもICEのスポーツカーのようなドライブフィールを意識しているのかなと感じた。ブレーキのタッチやアクセルオフ時の回生ブレーキの介入感覚はとくにそのような印象を受ける部分だ。 ただ、個人的にちょっと惜しいなと思ったのが、パドルシフトが無いことだ。近年はパドルシフトで回生ブレーキの段階を強弱できる電動車も増えてきた。筆者はエンジンブレーキのように使えるこのメカニズムが好きなのだが、ICEのスポーツカーのような乗り味を狙うなら、パドルシフトがあっても良いのではないかと思う。 加速の瞬発力やトラクションの高さはハイパフォーマンスなBEVといった感触だが、全体的な乗り味は伝統を大切にしており、ポルシェらしさを感じた。新しさと伝統が融合している。そんなモデルがこのタイカンなのだ。

TAG: #PORSCHE #タイカン #試乗
TEXT:西川昇吾
佐川急便とASFが共同開発した軽商用EV「ASF2.0」に乗った! 走りは要改善も将来性を感じる中身

佐川急便と共同開発した軽商用EV 自動車メディアでは毎年恒例となっている日本自動車輸入組合(JAIA)主催のメディア向け試乗会。この試乗会に若手自動車ライターの筆者も参加させて頂いた。多くの輸入車に触れたが、今回はEVベンチャー企業「株式会社ASF」が手がけた軽商用バンであるASF2.0をリポートしていく。 ■ASF2.0ってどんなクルマ? ASFという会社に関してピンと来ない人もいるかもしれないので、簡単に紹介する。ASFは2020年に設立された日本の企業で、日本での電気自動車普及促進を図るためファブレスメーカーとして設立された。ファブレスメーカーとは自社での製造設備を持たない会社のことを指し、ASFはEV車の企画や設計、販売、リースなどを含めたユーザー展開などEVモビリティ事業を基軸としている。 今回試乗したASF2.0は佐川急便と共同開発した軽商用バンで、配送ドライバーの意見をフィードバックした車両となっているそうだ。なお、ASFは中国EVと思われがちだが、正確には違う。既存のEVをASFが輸入しているのではなく、ASFが日本市場を考えて一から企画、設計されたEVで製造は中国のメーカーが行っている形になる。 日本市場を考えている面としては右ハンドルなのはもちろんだが、右側にウインカーが設置されているのも日本市場を強く意識していると感じるポイントだ。気になる航続距離は243kmとされていて、これは現在国内で展開されている軽自動車のBEVのなかでも最長とのことだ。 ■軽バンながら新鮮な灯火類 エクステリアを見てみると商用軽バンでありながら、LEDなどを使った灯火類が新鮮な印象だ。日本の商用軽バンはまだまだウインカーはバルブ灯だし、ライトはハロゲンだったりすることも多い。消耗品の寿命を考えると、ビジネスユースならばコチラのほうがいいのかもしれない。12インチ145幅というタイヤサイズは乗用車では見かけなくなったが、まだまだ軽トラックや軽バンでは純正採用されているサイズだ。安くてスグにタイヤが手に入るというのもビジネスユースには重要なポイントと言える。 インテリアを見てみると小物入れの収納が多いのが印象的だ。オーバヘッドコンソールが備わっているのには驚かされた。しかもちゃんと蓋が付いている。この辺りは現場の声を取り入れた結果と言えるだろう。 ■動力性能は不満なし 実際に試乗してみると、正直「快適性」という面ではあまり印象は良くない。モーター音をワザと発生させているとは思うが、25km/hくらいまで音がうるさいと感じるし、スロットル操作の初期に騒音が大きい。また、パワステのアシストが遅れて安定するような感じで不自然だし、ブレーキも初期のタッチが不自然で荷物を安定させるのに適していない印象を受ける(荷物を積めばまた違った印象になるかもしれない)。 また、不安に感じた面としてはヒルホールド機能が弱いことだ。最初は装備されていないのかと思ったほど、こちらは安全面にも関わるので改善を望みたい。 しかし、動力性能に関して不満はない。バイパスへもスムースに合流が出来たし、上り坂でも不満を感じることはなかった。また、シフトにはドライブの下にEと書かれたエコモードが存在するが、エコモード時であっても加速で不満を感じることはなかった。荷物を運ぶ商用と考えれば十分と言えるかもしれない。 ASF2.0は現在リース販売のみの展開になっているとのこと。今後はどのような展開や進化を見せるのか? まだまだな部分はあるかもしれないが、ベンチャーEVの歴史は始まったばかり、今後の展開に注目していきたいところだ。

TAG: #商用車 #軽自動車
TEXT:TET 編集部
0-100㎞/h驚愕の2.4秒! 80%までの充電は18分! 驚異的進化を遂げた新型ポルシェ・タイカンの受注予約開始

より速く! より遠くまで! 圧倒的パフォーマンスの進化ポイント ポルシェジャパンは、数多くの改良を施した新型タイカンおよび新型タイカンクロスツーリスモの受注予約を、全国のポルシェ正規販売店で、2024年2月7日から開始した。 ポルシェ初のフル電動スポーツカーであるタイカンは、これまで約15万台が生産された人気モデルであり、今回の改良では、「より高い出力」、「長い航続距離」、「速い加速」、「迅速な充電」、「優れた安定性」をキーワードに、広範囲におよぶアップグレードが施された。 市販化に向けたテストでは、開発エンジニアとテストドライバーがカモフラージュされたテストカーに乗り込み、世界中を360万km以上走行したという。 アップグレードされたすべての改良モデルは、先代モデルよりも出力を増し、より素早い加速を実現している。スポーツセダンのベーシックモデルにあたるタイカンは、先代モデルから出力を60kW向上させ、静止状態から時速100km/hに到達するまでのタイムは4.8秒とし、0.6秒の短縮に成功している。トップグレードのタイカンターボSに至っては140kWのローンチコントロールが追加され、システム出力は700kWにもなる。その結果、先代を0.4秒上まわる、わずか2.4秒で時速100km/hに達してしまうほどの驚異的な加速力を手に入れた。 また、スポーツクロノパッケージの新しい「プッシュトゥパス」機能を使用すると、ボタンに触れるだけでモデルに応じて最大70kWのブーストを10秒間利用することができる。 ボディタイプとエンジンに応じて、航続距離は先代比で35%増加し、最大678km(WLTPモード)まで足が伸びた。高出力、高加速を実現しつつ航続距離を延ばすために、ポルシェはすべての仕様で先代モデルの出力を最大80kW上まわる新しいリヤアクスルモーターを備えたパワートレインの採用や、改良型パルスインバーター、より強力で容量を増やしながら軽量化されたバッテリーの搭載、次世代ヒートポンプの投入、サーマルマネージメントの改良、ホイールの空力見直しとタイヤ転がり抵抗の低減化などといった多岐にわたる改良を施した。 とくに高速からの減速時の最大回生性能は、290kWから400kWへと30%以上の向上を果たしたことで、長距離走行時の充電回数を減らし、航続距離を延ばすことに大きく貢献している。充電性能は50kW増の320kW。電池残量10%から80%までの充電は18分で可能だ。なお、タイカン4Sにはパフォーマンスバッテリープラスが標準搭載される。 改良型タイカンシリーズにはアダプティブエアサスペンションが標準装備されている。サスペンションはダイナミックなブレーキングやステアリング操作、加速操作中であっても、ボディを常に水平に保つようにコントロールする一方で、なめらかな乗り心地で段差をほぼ完全に吸収するという。 4WD仕様車ではホイールの荷重をバランスよく配分することで、路面とのほぼ完璧な接続性を実現する新たなポルシェアクティブライドサスペンションを選択することができる。適切なモードが稼働状態になっている場合には、サスペンションがピッチとロールを補正して乗員に作用するGを低減してくれる。

TAG: #スポーツ #タイカン #ポルシェ #新型
TEXT:TET 編集部
ひとり乗りだけど「これでいいのだ!」 KGモーターズが開発中の超小型EV「ミニマムモビリティ」試作1台目の完成を発表

レトロだけど未来的なデザインはインパクト抜群! 「今日より明日が良くなる未来」をミッションのテーマとし、超小型モビリティの開発を進める広島県のベンチャー企業、KGモーターズが、2024年1月31日にひとり乗り超小型EV「ミニマムモビリティ」の試作1台目が完成したことを発表した。今後、この車両を用いて各試験の評価項目を検証・設定していき、2025年には車両価格100万円を目標に300台の量産販売を目指すという。 ミニマムモビリティは全長わずか2450mm、全幅も1090mmという原付ミニカー規格のひとり乗り超小型EVだ。運転席は車体中央に設定され、走る楽しさと気軽さに加え、エコを追求した「次世代のチョイ乗りモビリティ」をコンセプトに開発されている。 車体デザインのモチーフとなっているのは1980年代のポラロイドカメラ。レトロでありながら、近未来を感じさせる前後対称の独特なデザインを採用している。2023年の東京オートサロンと大阪オートメッセでコンセプトモデルが展示されていたので、そのファニーな姿をご記憶の読者もおられるのではないだろうか。 小型で軽量なため環境性能に優れ、原付ミニカー規格だから車検が不要で自動車税も安く収まる。乗車定員は1名だが、ドアとエアコンが付いているので快適な走行環境が得られる。 充電はAC100Vの家庭用コンセントで行い、5時間で満充電となる。航続距離は100kmだ。また、ソフトウェアはOTAによってアップデートすることができ、進化するモビリティを目指していると同社からアナウンスがあった。

TAG: #KGモータース #ベンチャー #超小型EV #超小型モビリティ

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