ニュース
share:

日本導入も予定されている! 中国のライトウエイトEVスポーツ「SC-01」の全容とは


TEXT:西川昇吾 PHOTO:西川昇吾
TAG:

中国からまた新たなるEVスポーツカーが登場

大阪オートメッセでBEVのスポーツカーSC-01が日本初公開された。これまでに見たことがなかった新たなスポーツカーということで注目を集めていたが、このニューモデルはどんなメーカーがどんなコンセプトで作ったのか? 日本での販売はあるのか? 現段階でわかっていることを中心に紹介していく。

SC-01のフロントスタイリング

SC-01は中国のカスタムカーブランドである工匠派汽車科技(Tianjin Gongjiangpai Auto Technology)が初めて自社で開発と設計を手がけたモデルだ。工匠派汽車科技は「Feng Xiao Tong」という創設者が作り上げたブランドで、彼は中国の工業系大学である天津科技大学工学部で自動車工学を学んだ後に、工匠派汽車科技を立ち上げた。カスタムカーを手がけるだけでなく、現在ではラリーカーの開発なども行っているという。

そして、IoT機器大手企業である「Xiaomi」の出資を受け、自社開発のモデルを作ることとなった工匠派汽車科技。カスタムカーを手がけているブランドなだけに、SC-01は操る歓びやデザインを重視したスポーツカーとなっている。

高性能を予感させるデザインはデザイナーで共同創設者である「Hou Wen」氏によるもの。彼はドイツのシュツットガルト大学にて自動車デザインを専攻し、卒業後はヨーロッパのメーカーにてスポーツモデルの開発などに携わってきた。ヨーロッパの高性能モデルを思わせるようなデザインは、ドイツでの経験が生きているからこそといえるだろう。

SC-01のリヤスタイリング

インテリアは非常にシンプル。可能な限り運転に必要なもののみを設置したといった印象だ。また、重量配分を気にしてか、センター寄りにオフセットしたシートも特徴的。スイッチ類はルーフ部分に集約されているのはレーシングカーを彷彿とさせる。

SC-01のインテリア

シャシーフレームは「He Jingming」氏が手がけた。彼は世界基準のツーリングカーレースであるWTCRR(現TCR)の開発にエンジニアとして携わった経験があるほか、日本向けのエアロパーツキットの技術責任者も務めた経験がある。モータースポーツの考え方が取り入れられたシャシーとなっているのだ。

モータースポーツの考え方が取り入れられていると述べたが、特徴的なのはスポーツカーでオーソドックスなモノコックやバスタブフレームを用いているのではなく、パイプフレームを採用している点だ。また、水平式プッシュロッドサスペンションを採用しているのもプロトタイプマシンを彷彿とさせる。

SC-01のパイプフレームシャシー

バッテリーはBEVによく見られる床下レイアウトではなく、シートとリヤモーターの間にレイアウトされる。これは、前後重量配分48:52やリヤトラクションにこだわったことによる部分もあるようだ。

また、BEVとして気になるのがバッテリー性能だ。バッテリー容量は60kWhとなっていて、航続距離はテスラなどと同じ測定方法で約500kmとなっている。ハイスペックをアピールするBEVと比べて、あまり大きくないバッテリー容量ながら、ある程度の航続距離が確保されているのは、1370kgという軽量な車両重量も影響していることだろう。

モーターは前後に配置され、総出力320kW、最大トルク560Nm。0‐100加速は2.95秒という俊足を誇る。

SC-01のモーター

日本での販売は2025年度中を予定しているとのこと。販売元は興和産業だ。すでにヨーロッパでは認可の最終段階に入っているそうで、今年の春の発売を予定している。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
いすゞがピックアップトラック「D-MAX」にBEVを用意! バンコク国際モーターショーでワールドプレミア予定
BEV大国の中国で販売が失速! ここ数年でPHEVのシェアが伸びていた
中国市場でファーウェイのEVが爆発的人気! ライバルを凌ぐ激安っぷりと超豪華内装のAITO M9とは
more
ニュース
レンジローバーPHEVの使用済みバッテリーを再利用! エネルギー貯蔵システム「BESS」で真の循環型経済の実現を目指す
家を買ったらヒョンデのEVもついてくる!? ヒョンデKONAとYAMADAスマートハウスのセット販売が開始
日産は中国市場で年間販売台数100万台達成を目指す! 経営計画「The Arc」に沿って戦略的コンセプトカー4台を公開
more
コラム
テスラ・モデルYに600km走れるRWD登場も日本導入はナシの予想! 日本は「ジュニパー」の登場に期待
爆速充電と超豪華な内装を引っ提げたミニバン「MEGA」が爆誕! 驚きの中身とひしめくライバルとの比較
テスラが日本で全車30万円一律値下げ! 補助金が制限されるもお買い得度ではモデルYが圧倒!!
more
インタビュー
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
災害に強いクルマは「PHEV+SUV+4WD」! 特務機関NERVがアウトランダーPHEVを選ぶ当然の理由
more
試乗
EV専業の「テスラ」とEVに力を入れる従来の自動車メーカー「ヒョンデ」! モデルYとコナを乗り比べるとまったく違う「乗りもの」だった
誰もが感じる「ポルシェに乗っている」という感覚! ポルシェはBEVでもやっぱりスポーツカーだった
佐川急便とASFが共同開発した軽商用EV「ASF2.0」に乗った! 走りは要改善も将来性を感じる中身
more
イベント
中国市場のニーズに合わせて開発! 日産が北京モーターショー2024で新エネルギー車のコンセプトカーを出展
レース前に特別に潜入! フォーミュラEに参戦する日産チームのテント内は驚きと発見が詰まっていた
日産がフォーミュラE「Tokyo E-Prix」開催前スペシャルイベントを開催! 六本木ヒルズアリーナに1夜限りのサーキットが出現
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択