蓄電池型超急速充電器で再エネ利用を加速
前述のとおり、蓄電池型のハイパーチャージャーは、太陽光発電など、再生可能エネルギーを蓄えて、電気自動車の充電に利用することも可能である。実際、アウディ八王子の屋上には定格出力49.5kWの太陽光パネルが設置され、電力需要が低い場面ではハイパーチャージャーの蓄電池に電気を蓄え、必要に応じて急速充電に利用できる。
アウディ八王子のオープニングセレモニーにはアウディ ジャパン・ブランドディレクターのマティアス・シェーパース氏が訪れ、「ハイパーチャージャーを採用するメリットはサステイナビリティです。二酸化炭素を排出せずに得られた電気で走らせることがEVの使命であると考えています。そのために太陽光パネルで発電した電力を利用するには、蓄電池型の急速充電器が不可欠であり、業界初の導入は画期的な取り組みです」と強調する。
現在アウディ ジャパンは、ポルシェジャパンとフォルクスワーゲン ジャパンとともに超急速充電ネットワークの「プレミアムチャージングアライアンス(PCA)」を構築しており、「日本で最も早く、もっとも利便性が高く、最も大きな充電ネットワークをつくるのがPCAのビジョンです」とはシェーパース氏。アウディ ジャパンでは、アウディ正規ディーラーにすでに設置されている50kW急速充電器の置き換えと、EVの新規取扱店に超急速充電器の新規導入を進めているが、2023年末までに19基、2024年前半までに30基のハイパーチャージャーを設置する予定だ。“プレミアムEVのナンバーワンブランド”を目指すアウディにとって、パワーエックス社とのコラボレーションは、大きな強みになるに違いない。
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