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ワンランク上の走りに
さっそくドライバーズシートに身を委ねると、愛車よりも少しソフトな座り心地。これまでよりも手前にレイアウトされたドライブモードセレクター(シフトスイッチ)をひねってDモードを選び走り出すと、動き出しこそ穏やかですが、新設計のモーターは従来型よりもトルクに余裕ある印象を受けます。さらにアクセルペダルを踏み込むと、これまでにも増して力強い加速が得られました。
高速道路での加速も余裕たっぷり。伸びやかな加速がずっと続くのです。今回はアウトバーンの速度無制限区間を走るチャンスがあり、160km/hを越えてもなお加速に衰えはありませんでした。資料によれば、ID.4 プロ・パフォーマンスの最高速は180km/hに制限されていますが、どの速度域でもストレスなくスピードを上げるのは頼もしいのひと言です。
一方、乗り心地については、日本で乗り慣れたID.4 プロ・ローンチエディションが20インチタイヤを装着するのに対して、この2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスは21インチになるにもかかわらず、これまで以上に乗り心地がマイルドになったうえに、揺れの少ない落ち着いた挙動を見せてくれます。
ただし、ID.4 プロ・パフォーマンスには日本仕様では選べなかったDCC(ダンパーの減衰力をコントロールできる)が装着されており、果たしてこの乗り心地の向上がサスペンションによるものなのか、それともDCCの効果が大きいのか判断できない……というのが正直なところです。DCCの設定を最も快適なレベルに設定すると、きわめて滑らかな乗り味を示すのには驚くばかりでした。
ということで、加速性能も乗り心地も確実にレベルアップしていた2024年式ID.4 プロ・パフォーマンス。日本向けはグレード名や細かい仕様が異なる可能性はありますが、2024年秋冬に日本へ上陸するのが楽しみです。その際、価格が上昇するかどうかが気がかりではありますが。