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[ID.4をチャージせよ!:その1]1993年の出逢いが私の人生を変えた!


TEXT:生方 聡 PHOTO:生方 聡
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ID.4のオーナーになりました

2022年11月末、晴れてID.4プロ ローンチエディションが納車されました。EVを所有するのはこれが2台目で、PHEV(プラグインハイブリッド車)を入れると3台目になります。そのすべてがフォルクスワーゲンというのは、世の中でもかなり珍しいのではないでしょうか!? ID.4オーナーの視点で、さまざまな情報を発信していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!

ご挨拶が遅れましたが、この連載を担当する生方 聡です。フリーランスのモータージャーナリストで、THE EV TIMESにもレポートを寄稿しています。大学卒業後、外資系のIT企業に入社し、システムエンジニアとして勤務していましたが、自動車メディアの仕事に携わりたいという気持ちから、専門誌「カーグラフィック」で新しいキャリアを始めることになりました。

カーグラフィックには1992年2月に入社。そこから5年ほど修行を積んでフリーランスになるのですが、入社翌年の1993年に私の人生を変えるあのクルマに巡り逢ったのです。

IZA(イザ)との遭遇

それが、東京電力が手がけた2ドアクーペのEVであるIZA(イザ)です。1991年の東京モーターショーに出展されたワンオフのクルマで、実際に走行も可能です。

雑誌の取材に少しずつなれてきた1993年1月のある日、当時の編集長から「明日、面白いクルマに乗るから、取材についてこい!」と言われ、事情を知らずに取材現場に行ったところ、目の前にあったのがIZAでした。「1台数億円もするワンオフのクルマを運転できるなんて、編集長ってすごいなぁ」と感心したのも束の間、「試乗するのは君だよ」と言う編集長。正直なところ、そこからのことはよく覚えてませんが、真冬なのに体中から汗を吹き出しながら、第三京浜を駆け抜けたことは記憶にあります。そして、IZAの圧倒的な加速も。

この日を境に、私は編集部のEV担当になり、「アリゾナではEVレースが盛り上がってるらしい」、「スカンジナビアでEV初の本格的なラリーが行われることになった」、「オーストラリアを縦断するソーラーカーレースが面白いらしい」といった情報をもとに、世界各地を飛び回ることになります。

さらに、編集部のサニートラックをEVに“コンバート”して公道を走らせたりと、いろいろ貴重な体験を積むことができました。

家で充電できなくてもEVは乗れる

その後、編集部を卒業してからは、EVの取材とは離れていましたが、「いつかEVを手に入れたい」という思いは忘れませんでした。ただ、自宅に充電設備がなく、日産リーフや三菱i-MiEVが発売されても、なかなか一歩踏み出せずにいたのも事実です。

そんなとき、PHEVのフォルクスワーゲン ゴルフGTEにドイツで試乗し、これなら家で充電できなくてもなんとかなりそうだと思い、日本で発売後に購入したのが2015年末のこと。その性能にはとても満足しましたが、PHEVこそ家での充電が重要という結論になり、2年後にはガソリン車との生活に戻りました。

転機が訪れたのは2020年でした。その年の9月、アウディがe-tronスポーツバックを発売し、これを少し長めに借りることに。当然、充電は自動車ディーラーや高速道路にある急速充電器を使うのですが、多少面倒とはいえ、なんとかそれで乗り切れてしまったのです。それが妙な自信になり、「家で充電できなくてもEVは乗れる」という考えに変わったのです。

「じゃあ何を買う?」という段階で、目にとまったのがフォルクスワーゲンのeゴルフでした。eゴルフの発売は2017年10月のことで、発売時の価格は499万円と、ゴルフにしては高価でした。しかし、2020年の秋、3年落ちの認定中古車が300万円を切っており、あまりのお買い得さに、ついにEVヘの一歩を踏み出してしまいました。

市場では不人気のeゴルフでしたが、その完成度はかなり高く、購入して正解でした。ただ、急速に進化するEVの世界では、eゴルフの航続距離や急速充電の能力は一世代前のもの、というのも事実で、最新世代のEVで新しい世界を見てみたいという気持ちが募っていきます。

そこで、思い切って乗り換えたのがID.4でした。

〈つづく〉

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