小型車企業がタッグを組み普及を加速
軽バンは日本の商用EVの強みとなるか
【THE 視点】トヨタ/ダイハツ/スズキは、3社共同開発の軽商用EVバンのプロトタイプを発表した。「G7広島サミット(主要国首脳会議)」と並行して行われる(一社)日本自動車工業会の展示イベントで実車を公開する。
この軽商用EVバンは、スズキとダイハツの小型車開発のノウハウと、トヨタのEV技術を持ち寄り共同開発。さらに商用EVの開発団体であるコマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ(CJPT)も企画に参画することで、ラスト・ワンマイルの輸送に最適化したという。現在発表されている仕様では、最大航続距離が200km。生産はダイハツが請け負い、トヨタ/ダイハツ/スズキの3社が2023年度中に導入を目指すとのこと。
ダイハツの車体にスズキがバッジをつけることには驚いたが、この軽商用EVバンは今後競争が激化するカテゴリーであり、技術開発の加速や普及拡大のためには、これまでの垣根を超えたアライアンスは必然なのだろう。
三菱自動車も「ミニキャブMiEV」の再生産を開始し、ホンダも今年度より配送会社と実証試験を始め、来年には「N-VAN」ベースの量産EVを販売する計画だ。価格はホンダが100万円台を目指すと言っているが、200万円前後がこのジャンルの基準価格となると予想する。
ラスト・ワンマイルの配送には軽商用バンが最適なのは間違いない。日本の商用EV普及の鍵を握る重要なカテゴリーだと認識している。
(福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー)
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