いきなり8.6km/kWhをマーク
充電サービスの準備が整ったところで、ずっと気になっていた「電費」をチェックしてみることに。すでにメディア向け試乗会でID.4 プロ・ローンチエディションをドライブする機会はありましたが、短時間・短距離の走行だったため、参考にできるような電費が計測できなかったのです。
まずは、走り慣れた有料道路を乗り継ぎ、のんびりとドライブ。途中で停まることはなく、また、高速道路に比べると遅い流れにあわせて走ったところ、なんと8.6km/kWhをマーク! ちなみに、エアコンはオンの状態です。
「8km/kWh超えはすごい!」といわれてもピンとこないでしょうが、このクラスのEVとしてはかなり立派です。
カタログによると、ID.4 プロ・ローンチエディションの燃費は次のとおりです。
交流電力量消費率 | 換算値 | |
WLTCモード | 153Wh/km | 6.5km/kWh |
市街地モード(WLTC-L) | 135Wh/km | 7.4km/kWh |
郊外モード(WLTC-M) | 143Wh/km | 7.0km/kWh |
高速モード(WLTC-H) | 168Wh/km | 6.0km/kWh |
ちなみに、カタログでは1km走行あたりの消費電力の[Wh/km]で電費が表されていますが、1kWhで走行できる距離の[km/kWh]で表したほうがわかりやすいと思いますし、メーターの表示も初期設定が[km/kWh]となっているので、換算した値を併記しました。数字が大きいほど、電費が良いことになります。今後電費を扱う場合にも、基本的には[km/kWh]で進めることにします。
それはさておき、8.6km/kWhという電費は、WLTCモードや高速モードを大きく上回る数字で、ID.4 プロのオーナーとしてはまずはひと安心というところです。
スピードを上げると目に見えて電費は低下
カタログの電費を見てお気づきのように、EVの場合は速度が高くなるにしたがって、電費は悪くなる傾向にあります。以前所有していたフォルクスワーゲン・ゴルフeTSIスタイルとは真逆です。
ID.4 プロ・ローンチエディション | ゴルフeTSIスタイル | |
WLTCモード | 6.5km/kWh | 17.3km/L |
市街地モード(WLTC-L) | 7.4km/kWh | 12.8km/L |
郊外モード(WLTC-M) | 7.0km/kWh | 18.0km/L |
高速モード(WLTC-H) | 6.0km/kWh | 19.8km/L |
とくに高速では空気抵抗の影響が大きく、スピードを上げると目に見えて電費は低下します。
実際にそれを確認するため、80km/h、100km/h、120km/hで高速道路を巡行してみました。リアルな環境でチェックした数字ですのであくまで参考です。走行時はアダプティブ・クルーズコントロール(ACC)を使いました。
設定速度 | 平均電費 | (参考)平均速度 |
80km/h | 7.5km/kWh | 75km/h |
100km/h | 6.4km/kWh | 94km/h |
120km/h | 5.4km/kWh | 115km/h |
できるだけ加減速を控えて走ったのが良かったのか、80km/hと100km/hの電費はカタログ値の6.0km/kWhを上回りました。一方、120km/hでは下回る結果に。
速度と電費の関係については、速度が20km/h上がると、電費は約15%低下しています。電費が落ちればそのぶん航続距離も短くなり、移動の途中で予定以上の急速充電が必要になることもあるので、高速道路では控えめなペースを維持するのが上手な走り方といえそうです。