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速いだけじゃない! BMW iXの知的な回生ブレーキにも注目だ! [BMW iX試乗記]


TEXT:生方 聡 PHOTO:小河原 認
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使い慣れると便利な回生ブレーキ

アクセルペダルから足を離したり緩めたりしたときに、モーターを発電させて減速とエネルギー回収を行うのが回生ブレーキだ。当然このiXでもその機能があり、計5つのパターンから好みの動きを選ぶことができる。

Dレンジでは、「駆動システムとシャシー」のメニューを呼び出すことで、「高い」、「中」、「低い」、「アダプティブ」が選択可能。軽い利きの「低い」とやや強めの「高い」、その中間の「普通」というのは理解できるとして、気になるのが「アダプティブ」だ。

この「アダプティブ」は、前を走るクルマとの距離を監視しながら自動的に回生ブレーキの強さを調節するという便利なプログラム。比較的交通量の多い高速道路や都市高速などで、車間距離を絶妙に保つことができるのがいい。ただ弱点もあり、先行するクルマがないと惰力走行するので、コーナーや信号で減速したくとも回生が行われず、あわててブレーキを踏む……なんてこともあるから要注意だ。どんな場面でも回生ブレーキを利かせたければ「高い」〜「低い」を選んでおく必要があるのだ。

もうひとつがシフトレバーでBレンジを選択したときのパターンで、回生ブレーキの利きが強めで、アクセルペダルから足を離すとクルマは停止にいたる。Dレンジではクリープがあるが、Bレンジではクリープがないのも大きな違いだ。これを使えば、アクセルペダルの操作だけで発進から加速、減速、停止までが可能な、いわゆる“ワンペダルドライブ”が利用できる。慣れてしまうととても便利なうえ、車庫入れなどの場面ではRレンジやDレンジを選択することで簡単にクリープするようになるのもうれしいところだ。個人的には、一般道ではBレンジ、高速ではDレンジのアダプティブと使いわけるのがお勧めであり、シフトレバーを操作するだけで簡単に切り替えられるところもお気に入りのポイントだ

BMW iX xDrive50

全長:4,955mm
全幅:1,965mm
全高:1,695mm
ホイールベース:3,000mm
車両重量:2,560kg
前後重量配分:前1,230g、後1,330kg
乗車定員:5名
交流電力量消費率:190Wh/km(WLTCモード)
一充電走行距離:650km
システム最高出力:385kW(523ps)
システム最大トルク:765Nm(78.0kgm)
フロントモーター最高出力:190kW(258ps)/8,000rpm
フロントモーター最大トルク:365Nm(37.2kgm)/0-5,000rpm
リアモーター最高出力:230kW(313ps)/8,000rpm
リアモーター最大トルク:400Nm(40.8kgm)/0-5,000rpm
バッテリー総電力量:111.5kWh
モーター数:前1基 後1基
トランスミッション:1速固定
駆動方式:4WD
フロントサスペンション:ダブルウィッシュボーン式
リアサスペンション:マルチリンク式
フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク
リアブレーキ:ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:255/50R21
最小回転半径:6.0m
荷室容量:500L
車体本体価格:13,980,000円

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