システム最高出力523psを誇る「BMW iX xDrive50」。その加速は想像以上だった!
アクセルひとつで高級車にもスポーツカーにも
スタートボタンを押す儀式が省かれたEVが増えるなか、このiXはキラキラと輝くクリスタル製のスイッチを操作してはじめて走行可能な状態になる。やはりクリスタルのシフトレバーでDレンジを選んでブレーキペダルを緩めると、iXはゆっくりとクリープを始めた。
まずは様子見でアクセルペダルを軽く踏んでみると、iX xDrive50は余裕ある加速を見せ、2,560kgの車両重量が嘘のように思えるほどである。しかも動きは滑らかで、走り出した瞬間からiXの高級車としての資質を思い知らされた。
一般道でも高速道路でも、アクセルペダルを深く踏み踏み込む必要はなく、たいていのシーンではパワーメーターの表示上せいぜい25%程度で、加速は事足りてしまう。しかも、アクセルペダル操作に対してモーターは瞬時に反応し、即座にスピードを上げるiXは、ストレスとは無縁である。
アプローチが短い高速の合流などの場面で、アクセルペダルに載せた右足に力をこめると、圧倒的な加速に襲われる。その際、キャビンに響くブーンという効果音がなんとも未来的だ。iX xDrive50のパフォーマンスはスポーツカー顔負けといえるが、その実力を解き放つ機会がなかなかないというのが悩ましいところである。
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