コラム
share:

トヨタBEV戦略で新たな事実が判明!「テクニカルワークショップ2023」のフォローアップ。全固体電池に自信のワケ?


TEXT:桃田 健史
TAG:

トヨタが2023年6月上旬に東富士研究所で開催した「トヨタテクニカルワークショップ2023」は、自動車産業のみならずグローバルの産業界に大きなインパクトが与えた。それから約1ヵ月、トヨタがオンラインでメディア向けにBEV戦略に関するフォローアップ会見を行った。

ギガキャストはいつ頃から、なぜ検討したのか?

「トヨタテクニカルワークショップ2023」では多様な次世代技術が世界初公開された。そのなかでもBEV(バッテリー電気自動車)に関する製造工程や電池技術にメディアの注目が集まった。

製造工程では従来の車体製造工程である、プレス機で切り出した部材を溶接ロボット等でつなぐことから一変。鋳造によって大きなボディの一部を一体成型する工法として、トヨタは「ギガキャスト」と呼ぶ。

ギガキャストに対応できる製造機器は海外で市販されており、トヨタは2018年に先行研究開発用として購入した。ただし、その時点では「BEVありき」という発想ではなく、鋳造技術を次世代車開発の手段のひとつとして捉え、新しいモノづくりに応用することを目的としていたという。

その上で、エンジンやトランスミッションでの鋳造の設計と生産のノウハウをギガキャストに活かすため現在、研究開発を進めている。

また、ギガキャストになっても、部品の共有性はTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)以上に部品の共有性が上がるとも考えている。

別の視点では、車両事故に対する修理のプロセスについて、ギガキャストになると車体のかなり大きな部分を丸ごと交換する必要性があるように思われる。この点については、車体の構造は従来車と同様にクラッシャブルゾーンの領域をしっかり分ける考え方を継承するため、ユーザーにとって大きな課題にならないという判断だ。

>>>次ページ BEVハーフが目指す意味は?

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
ブレーキダストを封じ込めて環境対策! メルセデス・ベンツが開発したEVならではの技術「インドライブ・ブレーキ」ってどんなもの?
ヒョンデの魅力を日本に伝える新たな拠点! 「ヒョンデ みなとみらい 本社ショールーム」がグランドオープン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
more
ニュース
テスラ・モデル3が特別価格調整で実質400万円切り!  新ストアにギガファクトリー招待のコンテストなど一挙発表
シーライオン7が大好評で他モデルも絶好調! BYDが国内の単月登録台数で過去最高を記録
中古EVの購入不安が一気に解消! BYDが「10年30万km」のバッテリーSoH延長保証を認定中古車にも採用
more
コラム
テスラ・モデルYキラーに世界が驚いた! 中国シャオミの新型SUV「YU7」の「安ウマ」っぷりがスゴイ
自動車メーカーですら苦戦する「EV」に電子やITメーカーが参入するのはなぜ? どこに「勝ち筋」を見いだしているのか
EVのスペシャリストが選出! 後世に語り継ぐべきEV遺産!!
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
more
イベント
公道レース「フォーミュラE東京」が帰って来る! チケットを持っていなくとも無料で1日遊び尽くせる2日間
災害に備えて未来を楽しむ! 「AWAJI EV MEET 2025」の参加はまだまだ受付中
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択