イベント
share:

トヨタの本気、次世代電気自動車は「ギガキャスト」導入で欧米中陣営に反転攻勢へ


TEXT:桃田 健史 PHOTO:桃田 健史、トヨタ自動車
TAG:

「86部品・33工程」を「1部品・1工程」に超短縮

トヨタが東富士研究所(静岡県裾野市)で「トヨタテクニカルワークショップ2023」を実施し、「電動化」「知能化」「多様化」の最新技術を「見える化」した。なかでも注目されるのがアルミ鋳造による車体製造工法「ギガキャスト」だ。

ワークショップでは、室内での各種技術の実物を見ながら、担当技術者から詳しい説明を受けたほか、複数のテストコースでは、軽商用BEVから大型燃料電池トラックまで多様な実験車両に試乗した。大型トラック以外はすべて、参加者自身が運転することができた。

写真:試乗したBEV、燃料電池車、水素自動車。出典:トヨタ。

「電動化」の中で、筆者として最も大きなインパクトがあったのが、車体の成型工法である「ギガキャスト」だ。車体製造といえば、鉄系材料からプレス工程で部材を打ち抜き、これらを溶接する工程が一般的だ。

それをギガキャストでは、アルミ鋳造で一気に造形化する。これまで日系大手自動車メーカーでは本格的な導入事例のない全く新しい工法である。

関連する技術展示では、車体後部の比較をした。部品点数86・工程数33の現行品が、ギガキャストでは部品点数も工程も一気に1となるとの説明だ。

一般的には、“鋳物はもろい”というイメージがあるが、開発担当者は「エンジン製造などで培った技術を応用する」と強度や“もろさ”に対する懸念はないという。

また、アルミ鋳造品と鉄系部材との溶接についても「弊社にはエンジン等で十分な知見があり、今後具体的な製造工程を考慮していく」と新工法の実現に向けた自信を見せた。

こうしたギガキャストを利用し、車体の前部・中間部・後部の3分割構造モジュール化し「電池の進化をすばやく取り込む」という。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
ブレーキダストを封じ込めて環境対策! メルセデス・ベンツが開発したEVならではの技術「インドライブ・ブレーキ」ってどんなもの?
ヒョンデの魅力を日本に伝える新たな拠点! 「ヒョンデ みなとみらい 本社ショールーム」がグランドオープン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
more
ニュース
BEV用の新開発プラットフォーム「PPE」初採用! アウディQ6 e-tron/SQ6 e-tronがついに日本デビュー
交換式バッテリーの実用化は商用・フリートから! 米Ample社と三菱ふそうが提携し都内で実証実験開始
ホワイトで統一されたアクセサリーがカワイイ!  フィアット600eの特別仕様車「600e La Prima White Package」が登場
more
コラム
「セダンであり、5ドアクーペであり、SUV的でもある」という謎の表現! でも確かにカッコイイ「ボルボES90」をデザインのプロはどう見る?
そういや「スマートグリッド」ってドコいった? EVを蓄電池として利用する流れのいま
白ばっかりだったテスラだが今度はグレーだらけになるハズ! アメリカのEVテスラのボディカラーが偏るワケ
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
more
イベント
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
売り物ではなく概念を展示するモデリスタ! 正体不明なトヨタbZ4Xはブランドの「新化」という概念を示すスタディモデルだった【大阪オートメッセ2025】
子どもに大人気の電動バギーに大迫力のエアロキットや色が変わるフィルムまで登場! 大阪オートメッセのEV関連出展物はどれもユニークすぎた
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択