星の数に匹敵しそうな44,000通りもの選択肢
スペクターで新たに加えられたビスポークプログラムに「スターライトドア」がある。これは、後ろヒンジで前が開くコーチドアの内側に4,796個もの星が刻まれるものだ。これまでのロールス・ロイスでも天井一面に星を散りばめた「シューティングスターヘッドライナー」が用意されていたが、2ドア車の場合、フロントシートの乗員はあまりその星空を見られなかった。そこでドアの内側にも星を施すスターライトドアを追加したという訳だ。
後席の側面にも星が広がるため、シューティングスターヘッドライナーと合わせて、4人全員が星に包まれた特別な空間で、102kWhのバッテリーにより最長530kmのドライブを楽しむことができる。
ロールス・ロイスで初めて採用されたフルデジタルのビスポーク・インストルメント・ダイヤル(ドライバー前のメーター)も、オーダーメイドで文字盤の色を選ぶことができるので、インテリアの色合いに合わせることも可能だ。
さらにジャケットのラぺル(襟の部分)をインスピレーションして、シートにラぺルが採用された。これにより、オーナーはさらなるパーソナリゼーションの可能性を増やすことができる。内外装の特別な注文の組み合わせは、なんと44,000通りだ。
ボディカラーの「エアロツートーン」も新たにビスポークメニューに加わった。これはこれまでのボンネット、ピラー、ルーフ、トランクの全てを別色にするのではなく、ピラーとその延長線上のトランクの外側部分はボディカラーにするという新しい塗り分けだ。ツートーンが好きなオーナーは、悩みの種が増えてしまった。
同ブランドならではの、フェンダーに格納した傘も引き続き装備される。ボンネットのエンジンが無くなったため、使用後の傘は乾きづらいかもしれない。
ヘンリーが見ていた海の青
この日、ロールス・ロイスが日本のメディアに公開したスペクターは 「プロフェシー」という名のビスポークモデルだった。
エクステリアは、 創業者ヘンリー・ロイス卿のゆかりの地であるウェスト・ウィッタリング・ビーチの美しい色合いにインスパイアした「ウィッタリングス・ブルー(ソリッドカラー)」。マンダリン・ カラーのショルダー・ラインも入っている。
インテリアはシヴァロ・グレーとチャールズ・ブルー(ラペル)の組み合わせ、マンダリン・カラーのシートのパイピングとステッチ・ポイントがインテリアとエクステリアの絶妙なバランスを生み出していた。