ニュース
share:

ロールス・ロイス、ブランド初のEV「スペクター」にブランド史上最も厳しいテストを実施。2023年後半の発売に向け、250万kmのテストは最終ステージへ


TEXT:曽宮岳大
TAG:

ロールス・ロイス初となる電気自動車「スペクター」。イギリスの超高級車ブランドは、2023年第4四半期に予定するそのラグジュアリー4シータークーペの発売に向け、現在世界各地で走行テストを実施している。ブランド初のEVとなるだけに、そのテストはブランド史上最も厳格に実施されているという。どんなテストが行われているのか。

氷点下40度から摂氏50度の猛暑まで

スペクターは、ロールス・ロイスが2022年10月に発表したラグジュアリー2ドアクーペ。ロールス・ロイスは2030年までに全モデルを電動化するとしており、スペクターはその第一弾として、ブランドの歴史に名を刻む重要なモデルとなる。

それだけに開発テストは通常以上に入念に行っているようだ。設定されたテストプログラムは総走行距離で250万kmにも及ぶという。テストは2021年冬、北極圏にほど近いスウェーデン・アリエプローグにおいて開始され、−40℃の世界でパフォーマンスや雪道におけるハンドリング性能が試された。

現在は南アフリカの北ケープ州と西ケープ州の2箇所において猛暑地のテストを実施している。北部は乾燥した猛暑、南部は多湿の地中海性気候という異なる状況下で、最高気温は50℃を超えることがあるという。そうした厳しい条件のなか砂利道や砂塵など様々な路面を走らせ、あらゆる状況下における信頼性の検証や、ハードウェアおよびソフトウェアの調整を行ない、改良を加えているという。

こうした検証を通じて、2万5000に及ぶパフォーマンス関連パーツ機能の調整が行われる。テストでは、“マージナル・ゲイン”の法則なる手法を取り入れているという。これは個々の部品の小さな改良の積み重ねにより、大きな成果を得ようという考え方。EVという新たな分野における開発となるだけに、これまで以上に幅広い検証プロセスを用いて、品質向上に努めているようだ。

具体的な例では、電気自動車に欠かせない回生ブレーキ。スペクターの開発では、そのフィーリングの検証や調整に実に1500時間が費やされたという。他にもロールス・ロイスの特長とされる“マジックカーペットライド(魔法の絨毯のような乗り心地)”を実現するため、ゴム製サスペンションブッシュの硬度変化が起こる高温下においても適切なブッシュ特性が発揮されるように検証を行っているという。乗り心地は「超」が付く高級車にとって非常に重要な要素となるだけに、入念に開発を進めているようだ。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
ブレーキダストを封じ込めて環境対策! メルセデス・ベンツが開発したEVならではの技術「インドライブ・ブレーキ」ってどんなもの?
ヒョンデの魅力を日本に伝える新たな拠点! 「ヒョンデ みなとみらい 本社ショールーム」がグランドオープン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
more
ニュース
42番目の正規ディーラーは初の千葉県! 「BYD AUTO 船橋」がオープン
テスラ・モデル3が特別価格調整で実質400万円切り!  新ストアにギガファクトリー招待のコンテストなど一挙発表
シーライオン7が大好評で他モデルも絶好調! BYDが国内の単月登録台数で過去最高を記録
more
コラム
オワコン化した世界のモーターショーが身の丈にあった提案で復活しつつある! いまのモーターショーの役割とは?
EVを蓄電池代わりにして電気代を浮かして得する……のは不可能! V2Hに経済的なメリットを求めるのは間違いだった
テスラ・モデルYキラーに世界が驚いた! 中国シャオミの新型SUV「YU7」の「安ウマ」っぷりがスゴイ
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
more
イベント
公道レース「フォーミュラE東京」が帰って来る! チケットを持っていなくとも無料で1日遊び尽くせる2日間
災害に備えて未来を楽しむ! 「AWAJI EV MEET 2025」の参加はまだまだ受付中
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択