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2035年にラインナップ全てをBEV(バッテリー電気自動車)にするとの目標を掲げるレクサスより、ブランド初のBEV専用モデルのRZ450eがデビューした。公道でのテストドライブがかなった自動車ジャーナリスト・小川フミオ氏による試乗記をお届けする。
待ちに待ったRZ450eの発売
ゼロからBEV専用モデルとして設計された、レクサスRZ450eが2023年3月30日に発売された。
じつは私、何度かテストコースで乗る機会に恵まれていたので、本心、“ようやくか”という思いが強かった。
東京都内で乗れたのは、「version L」。発売とともに設定された特別仕様車「First Edition」は限定モデルで、ほんらいのRZは、RZ450eバージョンLのモノグレード(いまのところ)。
全長4805mmの車体を、2850mmのホイールベースをもつシャシーに載せている。トヨタbZ4Xとホイールベースは同一で、全長は115mm長く、全幅も35mm広い。全高だけは15mm低い。
タイヤは前が235/50R20、後ろが255/50R20。偏平率が低くなるいっぽうの昨今ではめずらしい厚めのタイヤだ。
そのせいか、路面の凹凸を感じる場面は少ないようにかんじられたし、いっぽう、タイヤのふんばり感はしっかりある。
バッテリー駆動のピュアEV専用の「e-TNGA」なるプラットフォームを用い、「軽量かつ高剛性なボディにより基本性能を大幅に進化させた」とレクサスは謳う。
大きな特徴は、「DIRECT4(ダイレクトフォー)」なる4輪の駆動力制御。減速、加速、操舵をシームレスにつなげる技術だ。
車輪速度センサー、加速度センサー、舵角センサーなどを用いて、前後輪の駆動力を制御する。これに、前後のモーター出力を制御する「eAxle(イーアクスル)」の組み合わせだ。
たとえば、カーブを曲がるとき、「DIRECT4」システムが働く。ステアリングホイールを切り始めたときは前モーターを重視した駆動力配分(割合ではフロント75対リア25から50対50のあいだ)。
カーブを抜けたときは、駆動力配分は50対50から20対80まで変化。これで、車両を後ろから押しだすような加速感を与えてくれるという。運転すると、じっさい、そのとおりの印象だ。