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電力供給・充電設備体制の構築が追いついていない
今回のイベントを見て、筆者が思う以上に建機のEV化が進んでいることがわかった。しかし同時に気がかりなことも出てきた。それが充電インフラの問題である。
EV建機を動かすためには、電力のインフラを追いつかせないことには役に立たない。しかし一口に電力供給とは言っても、ガソリンを注ぎ入れるような単純な話ではなく、充電する場所や充電コネクターの問題が出てくる。
充電場所については、現場に特設の充電ステーションを設けることが考えられるが、現場で使用する莫大な電力を供給できる設備が必要になるだろう。現場の1ヵ所にジェネレーターを集めて、臨時の発電施設を作るという力技もなくはない。
充電コネクターについては、日本のEVの充電規格である「CHAdeMO」に統一するなどしなければ、効率的な運用が困難になる。たとえば充電器がひとつ壊れたとしても、「CHAdeMO」に対応していれば、違うメーカーの充電器を使用することが可能だ。
EV建機はメリットが大きい。建機が出すエンジンの騒音は相当のもので、小型のパワーショベル1台でも、周囲にはかなりのエンジン音が響いてしまう。近くの住民もそうだが、何より運転手の耳をその騒音が直撃していることを忘れてはならない。EV化すれば、少なくとも建機のうなるエンジン音はなくなるわけだ。また、屋内の作業に積極的に建機を導入できるようにもなる。EVは排出ガスを出さないため場所を選ばないのだ。
このように考えると、建機のEV導入を積極的に推し進めた方が良い。建機をEV化することで環境と人々に与える好影響は大変に大きいだろう。次回の「建設・測量生産性向上展」では、ぜひEV建機用の充電インフラ系の展示が増えることを願う。
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