伝統と先進を融合させたネオ・クラシックEV
ミニバン大国日本において先陣となる可能性あり
【THE 視点】フォルクスワーゲンは6月2日、EVのミニバン「ID.Buzz」に、ロング・ホイールベース(LWB)のモデルを追加したと発表した。欧州と北米に導入される。
今回のLWBモデルは、ベーシックからホイールベースが250mm延長され、全長は4,962mmに。3列目のシートが追加され、最大7名の乗車が可能で、積載容量も最大2,469Lとなった。
搭載されるバッテリーの容量も85kWhに拡大され、航続距離が延長。ヒートポンプを備えているため、冬場の電力効率も改善するという。
モーターの最高出力は210kW(286ps)で、0-100km/h加速は7.9秒。さらに最高250kW(340ps)のAWDグレード「GTX」の用意もあるという(2024年に発表予定)。このサイズのクルマとしては、かなりのハイパワー車である。
運転支援系もアップデートが行われ、ヘッドアップディスプレイ、次世代インフォテインメント・システム、スマートフォンによるリモートパーキングなどが装備されている。また、スマートガラスを採用したパノラマサンルーフも用意された。
日本で「ID.Buzz」は、フォルクスワーゲンのイベントにて展示・公開が行われ、2024年末の日本導入が発表された。しかし、その後の進展はアナウンスされていない。
日本においてのミニバンは、まだまだ内燃エンジン式の牙城かつドル箱市場である。純粋なEVミニバンの登場は、どの国内メーカーからも噂すら聞こえてこない。
「ID.Buzz」が予定通り2024年末に日本導入されれば、日本でのEVミニバンの先陣となるだろう。ある意味固着化してしまった日本のミニバン市場に、強いインパクトを与えてほしい。
なお、TETに寄稿しているモータージャーナリストの小川フミオ氏が海外にて「ID.Buzz」の試乗を終えている。そのインプレッションを公開予定なので、ご期待いただきたい。
(福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー)
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デイリーEVヘッドライン[2023.06.06]