メルセデス・ベンツ日本は5月29日、電気自動車専門ブランド「EQ」シリーズ6番目のモデルとなるラージサイズSUV「EQS SUV」を発表、同日販売を開始した。世界初となるEQ専売拠点として2022年12月にオープンした「EQ横浜」(神奈川県・東神奈川)にて開催された、発表会の模様を報告する。
長距離移動をこなす最大593kmの航続距離
「EQS SUV」は、EQシリーズの最上級にあたるEQSシリーズのSUVモデルだ。ボディサイズは全長5,130mm×全幅2,035mm×全高1,725mm(EQS 450 4MATIC SUV)と、同クラスにあたる内燃機関モデルの「GLS」(同5,210mm×1,955mm×1,825mm)に並ぶサイズ感となる。
実車を目の前にすると、EQS SUVはかなり大柄に見える。ただドヤ顔ではないため、見る者を圧倒するような威圧感はなく、むしろリッチなクルマ感が際立って見えた。登壇したメルセデス・ベンツ日本 上野金太郎 代表取締役社長 兼 CEOは、「大人7人が快適に過ごせる広い室内空間や多くの荷物を載せられる積載性など、SUVとしての魅力に磨きをかけた」と述べる。
このやや丸みを帯びたプレーンなデザインは空力の向上にも寄与しており、EQS SUVは背高ボディにもかかわらず、空気抵抗の目安となるCD値は0.26と優れた値を達成。ヘッドライトと一体化したブラックパネル・フロントグリルがEQシリーズの一員であることを伝える。
ホイールベースは、既にデビュー済みのEQSセダンと同等の3,210mmに達する。EQS SUVは、EQシリーズ専用に開発されたプラットフォームを採用しており、広い床下に敷き詰められた107.8kWhの大容量リチウムイオン・バッテリーにより、1充電あたりの航続距離は最大でEQS 450 4MATIC SUVが593km、EQS 580 4MATIC SUVスポーツは589kmを達成している。
インテリアは、メインや助手席のディスプレイに有機ELを採用したデジタル感の溢れたコクピットに仕上げられている。EQSセダンに対して約5cm引き上げられた全高と、3列7人乗りのパッケージングにより、車内はセダンよりも広々しており、積載性にも優れている。
シートはダイヤモンドステッチをあしらったナッパレザーを採用。またオプションのショーファーパッケージを搭載すると、MBUXリアエンターテインメントシステムやリアタブレットが装備され、2列目シートの快適性がアップする。加えて、1列目、2列目に加え、3列目シートにまでシートヒーターを採用しており、最上級セグメントらしい高級感ある室内空間が追求されている。
ラゲッジルーム容量は、3列目シート使用時で195Lを確保。3列目シート格納時にはゴルフバッグが4つ積載可能とのこと。さらに2列目シートも格納すると2,020Lの広大なスペースが出現し、大型の荷物も積載可能だ。