「三菱ふそう・eキャンター」ベースで2023年度中に販売予定
早朝のごみ収集作業が低騒音に
【THE 視点】モリタホールディングス傘下のモリタエコノスは5月24日、EV回転式塵芥収集車「eパックマスター」を開発したと発表した。EVのいわゆる「パッカー車」である。
ベース車には、三菱ふそうトラック・バスのEVトラック「eキャンター」を採用した。価格は1,900万円(標準仕様・税込)で、年間販売台数目標は5台。
ごみ収集事業は地方公共団体が運営しているところも多く、その現場では、カーボンニュートラルへの取り組みや労働環境の改善が進められている。今回のEV塵芥車は、電動化により脱炭素化と低騒音化、そして省力化と安全性の向上を目指して開発された。
筆者もこれまでに、ディーゼルからEVへ改造した塵芥車を開発したことがある。塵芥車の油圧駆動部分は、別途PTO(パワー・テイク・オフ:動力取り出し装置)が必要となるため、駆動用モーターを低速で回転させるか、PTO専用に電気モーターを用意し駆動させる必要があり、改造には手間がかかった。
しかし「eキャンター」は、動力取り出し装置「ePTO(エレクトリックPTO)」をオプションで装備できるため改造が容易になったと思われる。そのため、ベース価格で1,370万円程度の「eキャンター」を塵芥車に改造しても、2,000万円を切る価格に抑えることができたのではないだろうか。
自治体によっては、早朝にごみ収集作業が行われるため、EVによる低騒音化は住民も歓迎するはずだ。多くの自治体で導入を進めてほしいものである。
(福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー)
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