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5月16日、ゼット・エフ・ジャパン、伊藤忠商事、パワーエックスの3社合同で、新たな商用汎用EVプラットフォーム「Enerlity Platform(エナリティプラットフォーム)」とバッテリーを主軸としたエコシステム「Energy meets mobility」の発表が行われた。
用途に合わせて自由にデザインできるEnerlity Platform
まず、ゼット・エフ・ジャパンの多田直純社長より商用汎用EVプラットフォーム「Enerlity Platform」が発表された。
「Enerlity Platform」のEnerlityは、energy(エネルギー)とMobility(モビリティ)を掛け合わせて名づけられた。今回はこのプラットフォームを用いた、低床の商用EVバンが発表された。35kWhのバッテリーパックを床下に3パック(合計105kWh)置き、後輪駆動、AKC(アクティブ・キネマティクス・システム、後輪操舵システム)を持つロングホイールベースであることが特徴だ。
今回のイメージでは、後輪がステアするため、狭い場所での縦列駐車も可能としており、後部のドア(リアゲート)を持たないという。荷物の出し入れは、横のスライドドアから行う配送向けラストワンマイルを狙ったEVだ。
その後輪に配置されたイー・アクスル(モーター一体型駆動装置)は、350kWと大出力とされるが、最大積載量は明らかにされなかった。
会場内にEVである、「メルセデスAMG EQS 53 4MATIC」が展示されていた理由は、EQSにも、ゼット・エフ製の後輪ステア機構が装備されていたからだった。
「Enerlity Platform」のコンセプトは、アッパー・レイヤーに、フレキシブルなデザインのボディを乗せることを可能としており、ミッド・レイヤーには、電動制御、ADAS(先進運転システム)等アーキテクチャーが乗り、ボトム・レイヤーには、バッテリー、イー・アクスルなどモーションコントロールが乗る3層構造となっていることだ。
ゼット・エフ・ジャパンが提案するのは、ボトムとミッドのレイヤーを構成するサスペンションシステムとシャシーの統合制御を行うソフトウェア「cubiX」や「ADAS」、イー・アクスルなどの製品と技術だ。
この「Enerlity Platform」に搭載されるバッテリーは、2年程度の使用後に、まずは定置型にリユースされる。その後、再度リチウムイオン・バッテリーに生まれ変わるというサイクルを想定している。