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ホンダ、EVスクーター「EM1 e:」を発売……デイリーEVヘッドライン[2023.05.22]


TEXT:福田 雅敏、ABT werke
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ホンダ初の市販EVスクーターがいよいよ発売
着脱式バッテリーを採用した原付一種クラス

【THE 視点】本田技研工業は、EVスクーター「EM1 e:(イー・エム・ワン・イー)」を8月24日に発売すると発表した。

「EM1 e:(イー・エム・ワン・イー)」は、交換式バッテリー「ホンダ・モバイル・パワー・パックe:」(以下、MPP)を電源に採用。車両自体は、内燃エンジンの50cc未満に相当する原付一種の扱いとなる。

価格は29万9,200円で、内訳は「EM1 e:」の車両本体価格が15万6,200円。「MPP」が8万8,000円。MPP専用充電器の「ホンダ・パワー・パック・チャージャーe:」が5万5,000円(各税込み)。電源系が価格の半分を占めている。

「EM1 e:」は、今年3月に大阪と東京で開催された「モーターサイクルショー」にて展示はされていた。今回は発売日と価格が公表された形だ。

電源を含むパワートレインは、「MPP」1個をシート下に搭載。駆動は後輪の「インホイールモーター」(交流同期モーター)が行う。モーターの最高出力は1.7kW(2.3ps)で最大トルクは90Nm(9.2kgm)。

内燃機関車であるホンダの原付一種「ダンク」<3.3kW(4.5ps)/4.1Nm(0.42ps)>と比べて最高出力は劣るものの、最大トルクはなんと倍の数値を出している。なお、航続距離は53km(30km/h定地走行テスト値)。「USB Type-A」のソケットを搭載しているため、電子機器の充電も可能だ。

ホンダはこれまで、日本郵便などフリート向けにEVスクーターを販売していたが、ようやく一般向けEVバイクが市販化となった。大きな特徴は、交換式バッテリーの「MPP」を採用したことだろう。筆者もこれまで何度も「MPP」をレポートをしてきたが、「MPP」は汎用性が高く、バイク以外への活用も期待できる。万が一の際には非常用電源としても利用可能だろう。

また、「MPP」は、バッテリーのシェアリング事業を手がける「Gachaco」(ガチャコ)も導入している。サービスの整備が進めば、充電要らずのEVバイクという新しい市場が生まれてもおかしくはない。今後利便性もさらに向上すると思われるので期待したい。
(福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー)

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