#EVバイク
TEXT:TET 編集部
e-スノーバイクで安比の雪原を駆け抜けろ! e-スノーパーク・e-スノーツアー開催

EVバイクでの雪上走行をたっぷり楽しめるプランも設定 宮城県仙台市に本社を置く自転車・オートバイの販売店「ハヤサカサイクル」が、3月20日までまったく新しいウインターアクティビティの体験会を、岩手県の安比高原スキー場で開催している。 アクティビティに用いられるのは、「e-スノーバイク」だ。これは、EVバイクとしてデザインと性能の両面で世界的に高い評価を受けている「Sur-ron」をベースに、前輪にスキー、後輪にクローラーを採用したアタッチメントキット「TRACKN GO」を装着したものだ。 e-スノーバイクは、燃焼機関を持たないEVバイクの魅力でもある静粛性と瞬発力、強いトルクにより30度程度の勾配を走破できるパワーがあり、時速40km程まで加速することができる。一般的なレジャーで活用されるスノーモービル等と比べると、車体自体が軽量なため取りまわしがしやすく、オートマチック機構を採用しているので操作も簡単。だから初めて乗っても気構えることなく雪上を楽しむことができるという。 操作に慣れれば雪原のあらゆる場所を走破することも可能だ。二輪車の特性を持ちながら積雪路を走破できるe-スノーバイクは、スキーやスノーボード、スノーモービルとはまた違った楽しさを持つ新しいウィンターアクティビティなのだ。 そんなe-スノーバイクを気軽に楽しめるアクティビティが、3月20日まで安比高原スキー場で開催されている。アクティビティは2種類ある。ひとつ目は「e-スノーパーク」と呼ばれる、1周約200mのコースをe-スノーバイクで駆けまわるプランだ。雪上を走行するEVバイクをちょっとだけ試してみたいという方に向けて、コブや緩やかな起伏のあるコースで気軽に体験できるプランになっている。 体験時間は、お試しコースの10分と体験型コースの30分に分かれる。参加費用は10分コースがひとり税込み2000円。30分コースはひとり税込み6000円だ。満15歳以上で自転車を運転可能な方、e-スノーバイクにまたがって両足が地面につくことが参加条件となる。推奨身長は150cm以上で、未成年の体験者は家族の同伴が必要になるという。 ふたつ目のアクティビティは「e-スノーツアー」だ。約60分の体験時間が設けられ、雪原をクルージング。e-スノーバイクの魅力を存分に味わえるだけでなく、安比高原スキー場の林間コースを走って岩手山が見えるビューポイントを目指す往復8kmのコースや、早朝の山頂を目指す特別なツアーも開催され、安比高原の大自然も堪能することができる。 e-スノーツアーは午前10時と午後2時の1日2回開催され、参加費用はひとり税込み1万円。参加条件はe-スノーパークと同様だ。また、出発前にはe-スノーパークでe-スノーバイクに慣れるための時間も設けられているというから、いきなりe-スノーツアーに申し込んだとしても安心だ。 なお、運転にあたっては各種免許や資格は不要だが、安全面を考慮し現地で貸し出されるヘルメットと胸部プロテクターの装着は必須となる。 電動モビリティで楽しむスノースポーツ。一度、体験してみてはいかがだろう。

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カワサキ・ニンジャe-1(photo=磐城 蟻光)
TEXT:磐城 蟻光
THE“ローコスト”ナナハンキラー……「カワサキ・ニンジャe-1」はサーキットでこそ輝く

カワサキはエコよりも趣味性 カワサキモータースジャパンは、「ジャパン・モビリティ・ショー2023」で2台のEVバイク「ニンジャe-1」「ニンジャ7ハイブリッド」を国内初公開した。 現在日本で普及しているEVバイクはスクーターが中心だと言ってよい。カワサキにも実は「J300」というスクーターモデルもあるのだが、そこには手を出さずにスポーツモデル「ニンジャ」のブランドで登場させた。 カワサキは、バイクは趣味のものとして割り切っている傾向が強い。カーボンニュートラルももちろん意識しているのだろうが、それよりも“面白いものをより面白く作る”というスタイルを優先しているように感じる。スーパーチャージドエンジンを積んだ「ニンジャH2」は最たる例だろう。 今回発表した2台のEVバイクも電動の面白さを優先したものだ。会場で2台のバイクを見ていると楽しい気持ちが生まれ、購入後のバイクライフが頭に浮かんできた。今回は「ニンジャe-1」が創り出すバイクライフを考察してみたい。 コンパクトな着脱式バッテリーの採用はスポーツへのこだわりからか 「ニンジャe-1」は、強力な加速性能と軽さからくる異次元の運動性を味わえるはずだ。航続距離はフル充電で72kmと一般的なガソリンモデルよりも短いが、軽量の市販EVスポーツバイクとしてみれば立派な数値と言える。もちろんパワーを抑えればこれ以上の航続距離も出せただろう。しかしそれではカワサキらしさが損なわれると設計陣は考えたのではないだろうか。 その代わり……と言えるかは微妙なところながら、バッテリーは着脱交換式を採用している。残念ながら「JMS」の会場では、バッテリーまわりはマル秘であったが、フランス・フォーシーパワー製のものを採用したことが明らかにされた。 着脱交換式といえばホンダが「モバイルパワーパックe:」を開発し、メーカーを超えて採用が進んでいるが、カワサキは独自にフォーシーパワー製を採用した。同社のバッテリーは薄型なので、ニンジャのスタイルを崩さずに搭載することが可能。この特徴が採用の決め手のひとつとなったのではないだろうか。詳細の正式発表が待たれる。

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カワサキ・ニンジャe-1(photo=磐城 蟻光)
TEXT:磐城 蟻光
漢の「ニンジャ」“エコで売らない”次世代の電動スポーツ登場……カワサキ、2台のEVバイクを日本公開

電動化でも漢の「ニンジャ」スタイル 硬派なバイクメーカーが電動化にシフトした。カワサキモータースジャパンは、「ジャパン・モビリティ・ショー2023」の会場において、2台のEVバイクを公開した。完全電動の「ニンジャe-1」とエンジン・モーターの両方を積んだ「ニンジャ7ハイブリッド」である。 両車はただ時代に合わせて電動化したモデルではない。硬派なスポーツモデルを作り続けるカワサキらしいスタイルが込められた新世代のスポーツバイクである。 250ccより軽く普通二輪No.1のトルク……「ニンジャe-1」 両車とも諸元が公開されていた。まず「ニンジャe-1」の値を確認してみよう。 ・パワートレイン:交流同期モーター ・最高出力9.0kW(12ps)/2,600〜4,000rpm ・最大トルク40.5Nm(4.1kgm)/0〜1,600rpm ・全長1,980×全幅690×全高1,105mm ・シート高785mm ・車重140kg 「e-1」はニンジャ250/400の車体をベースに電動化したものと考えて良い。最高出力こそエンジン車には及ばないが(ニンジャ250は35ps)、最大トルクは「ニンジャ400」の3.8kgm/8,000rpm以上どころか、カワサキの他のどの普通二輪(400cc以下)モデルよりも強力な数値である。そのうえ車重は「ニンジャ250」の166kgに対してかなり軽く作られている。 ただ、航続距離は72kmとエンジンモデルに比べると短い。しかし、バッテリーは着脱交換式を採用し、家庭のコンセントを使用して充電が可能とのこと。追加のバッテリーを手に入れれば充電を待たずに走ることも可能だろうが、車体価格が未発表なので、追加バッテリーもどれほどの値段がつくか気になるところだ。

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「ニンジャ e-1」(カワサキモータースジャパン)
TEXT:福田 雅敏/ABT werke
漢カワサキ、電動化……バッテリー交換式のEVスポーツバイク「ニンジャ e-1」を発表[2023.10.16]

交換式バッテリーを採用した400ccクラスのスポーツEVバイク ストロングハイブリッド方式の「ニンジャ」も発表し電動に本腰 【THE 視点】カワサキモータースジャパンは、「ジャパン・モビリティ・ショー2023」で新型のEVバイクを世界初公開する。初公開モデルは全5機種あるが、そのうち2機種が電動モデルとなる。 「ニンジャ e-1」はバッテリー式のEVバイクとなる。車体のデザインは現行の「ニンジャ」シリーズを踏襲しているが、右後方にあったマフラーはもちろん取り除かれている。車体サイズは400ccクラスがベースとのことで、現行型の「ニンジャ400」と同等のボディと考えて良いだろう。 低速域で力強いレスポンスを持つ小型のモーターと軽量なフレームを組み合わせたことで、優れた加速性能と軽快なハンドリングを実現しているという。またEVならではの機能として、短時間の出力アップができる「e-ブースト」や、車両の取り回しをサポートする「ウォークモード」を備えている。従来のタンクに相当する部分はストレージボックスになっている。 バッテリーは交換式を採用した。家庭用コンセントから充電が可能で、1回の充電あたり72kmの航続距離を実現したとのこと。 400ccクラスのEVバイクに電池交換式を採用したのには驚いた。重い車体をコンセントの近くまで引き回さなくて良いので利便性が高まるだろう。バッテリーの供給は仏フォーシーパワーとパートナーシップを結んだ。 交換式バッテリーといえば、「ホンダ・モバイルパワーパックe:」がメーカーを超えて採用され、「ガチャコ」というバッテリーシェアリングサービスが徐々に開始されているが、おそらく容量の問題で採用されなかったのだろう。独自展開を見据えているのなら「CHAdeMO」への対応も期待したい。 ちなみにフォーシーパワーは、今年2月に日本法人とアフターサービスを担う「テクニカルサービスラボ」を神奈川県内に新設した。これまでに電動スクーター10万台に製品を供給してきた実績を持つメーカーでもある。日本では三井物産からの出資を受けるなど、今後の日本での拡販にも期待できる。 さらにカワサキは、もう一つの電動車として「ニンジャ7・ハイブリッド」を発表した(JMSに出展)。451ccの並列2気筒エンジンにモーターを組み合わせたもので、世界初のストロングハイブリッド方式のEVバイクだという。EVのみの走行も可能とのことだ。 量産・市販型本格スポーツEVバイクの先陣を、“漢カワサキ”が切ってみせた。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★「ハイエース」がEVに ……トヨタ車体は「ジャパン・モビリティ・ショー」で商用バン「ハイエース」のEVコンセプト「グローバル・ハイエースBEVコンセプト」を初公開する。デザインも現行型から一新し、ボンネット部分を前に出した「グランエース」のようなデザインを採用した。 ★★いすゞ、EVピックアップトラックの登場を予告 ……海外モデルのピックアップトラック「D-マックス」の改良型を10月6日にタイで発表した。それと関連し今後はタイでバッテリー式EVのピックアップトラックの生産を計画し、欧州から世界に順次導入するという。「D-マックス」のEVと考えて間違いないだろう。 ★★「VW・ID.5/ID.4」を本国でアップデート ……フォルクスワーゲンは、「ID.4」「ID.5」の改良を欧州で発表した。「プロ」と「GTX」のドライブシステムを刷新。GTXの最高出力は250kW(340ps)となり、0-100km/h加速は5.4秒とのこと。 ★アバルト、EVホットハッチ「500e」を発売 ……10月28日(土)より正規ディーラーで販売を開始する。価格は615万円から。発売記念車「スコーピオニッシマ」も200台限定で用意する。0-100km/h加速は「アバルト695」と同等の7秒だが、中間加速は1秒ほど速いという。 ★津市が公用車に小型EV「トヨタ・C+ポッド」を導入 ……三重県津市と三重トヨペットがパートナーシップを結んだ。三重トヨペットが「C+ポッド」を津市に貸与し、公用車として活用する実証実験を10月13日から開始した。 ★インフィニティ、EVの登場を予告 ……日産自動車の北米高級ブランドのインフィニティは、EVコンセプトモデル「ヴィジョンQe」を10月24日に発表するという。 ★アストンマーティン、EVプラットフォームのイメージを公開 ……床面にバッテリーを敷き詰めたプラットフォームで前後2モーター式のAWD方式が画像から確認できる。800Vの高電圧ユニットで、スーパーカーからSUVまで対応可能なモジュラープラットフォームだという。 ★BMW、米サウスカロライナ州にバッテリー工場を着工 ……高電圧バッテリーの組み立て工場をサウスカロライナ州ウッドラフに着工した。2026年に完成予定で、2030年までに6機種のEVの生産を開始する予定。 ★パナソニック、集合住宅向けの充電サービスを開始 ……パナソニック傘下のエレクトリックワークス社は、集合住宅向けのEV用充電サービス「レジチャージ」の提供を2024年1月から開始する。補助金を活用して充電器の導入を支援。EVユーザーは利用実績に応じて課金され、管理者には電気代相当額を還元するという。 ★ブガッティ・リマック、イタリアにR&Dセンターを開設 ……研究開発・イノベーションセンターを新規に開設した。パートナーやサプライヤーとの距離が近くなることで、迅速なサポート体制も構築できるという。 ★メルセデス・ベンツ、オフセット衝突実験で安全性を証明 ……「EQA」と「EQS SUV」の衝突実験を公開した。正面が半分ずれた状態で56km/hでオフセット衝突させた。ドアを開けられる状態が保たれバッテリーにも異常は見られず、高電圧システムも自動停止したという。 ★EVに雷が落ちても人間は安心とJAF ……日本自動車連盟(JAF)は、「日産・リーフ」で落雷(人工)実験を行なった。落雷後は起動しなかったという。異常電流を検知しセーフシステムが作動した可能性があるとのこと。タイヤからの放電痕は見られた。また、車内のマネキンには焦げ跡は見られなかったという。 ★浜名湖名物「うなぎパイ」の工場に従量課金の充電器 ……グリーンチャージは、「うなぎパイファクトリー」<静岡県浜松市>に従量課金方式の急速充電器を設置した。最高出力50kWで、最大60分の利用時間。クレジットカード他QRコード決済サービスが利用できる。 デイリーEVヘッドライン[2023.10.16]

TAG: #EVバイク #THE視点 #ニューモデル
「e-チョイノリ」(photo=スズキ)
TEXT:福田 雅敏/ABT werke
伝説の格安原付「チョイノリ」がEVで復活!……「JMS」のスズキはクルマ以外も激アツだ[2023.10.05]

かつてのコンセプトとデザインをEVになっても完全踏襲 原付一種は電動化により便利な新モビリティに生まれ変わる 【THE 視点】スズキは、「ジャパン・モビリティ・ショー2023」<東京ビッグサイト(東京都江東区)/10月26日〜11月05日>への出展概要を発表した。四輪・二輪の各分野でEVを展示し、特に二輪においては、かつて格安原付として販売した「チョイノリ」をEV化した「e-チョイノリ」の展示が予告された。 出展テーマは「世界中に、ワクワクの、アンサーを」とし、「将来のカーボンニュートラルにむけたスズキの多様な取り組みを、スズキらしいモビリティやサービスでお客様にお届けする」というもの。ブース内では、四輪・二輪車のコンセプトモデルをはじめ、次世代モビリティや船外機なども出展・提案する。 出展車両のなかで特に気になったのは、かつて低価格で人気のあったスクーター「チョイノリ」のEV版である「e-choinori(イーチョイノリ)」だ。 「チョイノリ」は2003年1月に発表され、国内生産にも関わらず5万9,800円という圧倒的低価格を実現した原付一種(50cc)のスクーターだ。廉価な分、ボディパネルといった装備類は最小限に抑えられたため、パイプフレームが剥き出しのスタイルだったのだが、それがかえって個性を際立たせていた。 「e-チョイノリ」は、アシスト自転車の電動ユニットを採用するなど、販売実現時には低価格を期待出来るモデルだ。パナソニックサイクルテックの電動アシスト自転車のバッテリーと駆動ユニットを使用し、原付一種相当のパッケージに仕上げた。 実は9月15日、スズキは、パナソニックサイクルテックと新モビリティの共同開発を発表していた。その答えの一つがこの「e-チョイノリ」というわけである。 さらに嬉しいのはデザインの完全踏襲である。個性的なカウルや車体構造を大きく変えることなく踏襲。当時のコンセプトもそのまま、誰でも気軽に近距離移動ができるモビリティとして提案される。ちなみにバッテリーも電動アシスト自転車のバッテリーが採用されているので、取り外しや交換が可能と予想している。 第一種原動機付自転車(原付一種)は、排ガス対策などで、どんどんラインアップが削られ高価格となり、さらに原付二種(125cc)に主導権を譲るような構図になっている。しかしEV化でモーター特有の高トルク性能が活かされるため、原付一種でも日常の足として耐える性能とコストパフォーマンスを持つものに仕上がっていると期待できる。「e-チョイノリ」は是非とも市販化してほしいものである。 スズキのはこのほかにも、「e-チョイノリ」と同様にパナソニックサイクルテックと共同開発した折り畳み式電動モペッド「e-PO(イーポ)」(原付一種相当)、交換式バッテリーシェアリングサービスの「ガチャコ」を採用し実証実験中の原付二種の電動スクーター「e-BURGMAN(イーバーグマン)」、市販モデル「バ―グマン400 ABS」に高圧70MPaの水素タンクと水素エンジンを搭載した「バーグマン」、湖西工場での水素燃料電池荷役運搬車実証のパネル展示を行なう。 さらに、電動の船外機「スモール・e-アウトボード・コンセプト」や電動パーソナル/マルチユースモビリティ「スズ-ライド/スズ-カーゴ」、電動新モビリティ「スズキ・ゴー!」、ラストマイル配送ロボット「LM-A」、そしてスカイドライブと共同開発している「空飛ぶクルマ」も持ち込む。 四輪車は、今年1月にインドで開催された「オート・エキスポ2023」で発表した「eXV」、軽ワゴンEVの「eWX」、そして軽商用EVバン「eエブリィ・コンセプト」を出展する。 「ジャパン・モビリティ・ショー」でのスズキのブースは四輪・二輪ともに、魅力が満載である。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★フォード、「F-150・ライトニングフラッシュ」を発表 ……EVのピックアップトラックモデルとなる。価格は6万9,995ドル(約1,040万円)で、2024年初頭からオンライン注文が可能となるようだ。航続距離は320マイル(約515km/EPA値)となる。 ★トヨタ、2024年パリオリンピック・パラリンピックに3,000台以上のEVを提供 ……FCVの「ミライ」やバッテリーEVのほか、パーソナルモビリティの「C+ウォークS」など計3,374台の電動車を提供するという。 ★ボルボ、「EX30」のアメリカでの価格を公表 ……コンパクトSUV「EV30」のアメリカでの価格は、3万4,950ドル(約520万円)〜4万6,600ドル(約695万円)と発表。RWDが3グレード、デュアルモーターAWDが2グレード用意されている。 ★GM、SUV型EVの販売が第二四半期よりも増進 ……SUVとトラックの第三四半期(6月〜9月)の販売台数は67万4,336台となり、EVの販売は第二四半期に比べて28%伸びたようだ。 ★ルーシッド、デュッセルドルフにショールームを開設 ……米振興のルーシッドは、ドイツ・デュッセルドルフにショールームを新規オープンした。ドイツ国内では2ヵ所目、ヨーロッパとしては5ヵ所目とショールームとのこと。 ★オフロードEVのマンロー、2024年納車分の受注開始 ……スコットランドのEVメーカーのマンローは、ヘヴィ・デューティなオフロードEV「シリーズM」の2024年納車分の受注を開始した。最高出力170kW(231ps)の「M170」と、同280kW(380ps)の「M280」をラインアップする。 ★電動バイクシェアのシェアロ、八丈島で実証実験 ……折りたたみ電動バイクのシェアリングサービス「シェアロ」を展開するシェアード・モビリティ・ネットワークスは、東京都が主体となるAIデマンドタクシーとシェリングモビリティの実証実験に参加する。その一環で、八条島に「シェアロバイク」30台と「シェアロトライク」4台を導入するという。 ★小型EVのハンドレッス、特定小型原付などを発売 ……長野県のマイクロモビリティ企業ハンドレッスは、特定小型原付扱いのEVバイク「エベサー」と小型EVカート「チャットバイク」を発売した。どちらもレトロモダンなデザインを採用しており、着座が可能。「エベサー」は原付一種、「チャットカート」はミニカーへの登録変更にも対応予定。 デイリーEVヘッドライン[2023.10.05]

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ホンダ・モトコンパクト(photo=アメリカン・ホンダ・モーター)
TEXT:福田 雅敏/ABT werke
「モトコンポ」がEVで復活……米ホンダ、超小型電動スクーター「モトコンパクト」を発表[2023.09.21]

ラストワンマイルに特化した仕様だが従来のコンセプト通りの機能性 EVならではのゼロベースの二輪開発は原付一種に変革をもたらすか 【THE 視点】本田技研工業のアメリカ現地法人アメリカン・ホンダ・モーターは9月14日、超小型EVスクーター「モトコンパクト」を発表した。1980年代に日本で販売していた折りたたみ型の第一種原動機付自転車「モトコンポ」が事実上復活したことになる。 「モトコンパクト」は、かつての「モトコンポ」をオマージュしながら、都市型の近距離モビリティとして再デザインされた。ラストワンマイルの移動を主な用途とし、航続距離は20kmに設定されている。充電は家庭用コンセントで3.5時間だという。専用充電器を本体内に収納可能だ。 ボディは、旧型の「モトコンポ」よりさらにコンパクトで折りたたむとスクエアな箱型となり、キャリングケースのように持ち運べる。もちろん乗用車のトランクに積載可能だ。 パワートレインには、永久磁石式のダイレクトドライブ(インホイールモーター)を採用し前輪を駆動する。最高出力は0.49kW(0.7ps)で最高速度は24km/h、車重は18kgとなっている。 今回の「EVモトコンポ」の発売は大歓迎である。 旧型「モトコンポ」の元オーナーである筆者は羨ましさを感じている。エンジン版モトコンポは、クルマの中に入れるとどうしてもガソリンの匂いがしてしまったが、EV版「モトコンポ」ではそれに悩むことはない。 元々「モトコンポ」は、ハンドル等を畳み車載できることがコンセプトだ。あのスクエアなデザインは、そのための機能性重視のデザインなのだ。 その観点でみれば、「モトコンパクト」は「モトコンポ」の正常進化系であり、名前は違えど後継車と言って問題なかろう。むしろ電動化でよりコンパクトになり積載がしやすくなった点を考えれば、「モトコンポ」の究極の姿と言えるかもしれない。 残念なのは、現在のところ「米国でのアナウンスのみ」という点である。 現在、原付一種という日本独自のカテゴリは存在意義が薄れている。普通免許で原付二種(125cc)に乗れるようにする動きもあり、原付一種はメーカーにとってもお荷物のようなカテゴリになっている。 しかし、電動技術を活用すれば原付一種の存在意義が出てくる。今回の「モトコンパクト」が良い例だ。 EVバイクは、これまでのバイクの車体設計を踏襲する必要がない。車体の中でかなりの場所をとってしまうエンジン/トランスミッション/燃料タンクがないため、パワートレインやエネルギー系統のレイアウトが比較的自由にできる。「バイクはこうじゃなければいけない」という固定概念から外れ、より自由でユニークなモビリティをゼロベースで設計・提案することができるのだ。これはメーカーにとって商機なのである。 「モトコンパクト」が日本で発売されたら筆者自身もぜひ欲しいと思う。もう少し要望を言わせてもらうと、バッテリーは「ホンダモバイルパワーパックe」のように取り外しが可能で、バッテリーのみを持ち運んで充電しモバイル機器などにも給電できるような機能をつけてほしい。 いずれにせよ、日本での発売を待つしかないのがもどかしい。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★トヨタ、FCVの「ミライを」2024年パリオリンピックに提供 ……2024年に開催予定の「パリオリンピック」並びに「パラリンピック」に500台を提供する。トヨタは「パリオリンピック」の公式パートナーとなっており、前回の大会よりもCO2を50%削減することを目標としている。 ★★レクサス、次世代EVを「ジャパン・モビリティショー」で公開 ……2026年初頭に次世代のバッテリー式EVをレクサスから投入するという。車体のモジュール構造を変え、生産方法も見直し、ソフトウエアプラットフォームも全面刷新したEVとなるようだ。この車両を「ジャパン・モビリティショー2023」にてワールドプレミアする。 ★★BYD、コンパクトEV「ドルフィン」を日本発売 ……「アット3」に続く日本導入第二弾となる。価格は363〜407万円で、9月20日より全国の正規ディーラー(開業準備室含む)で注文が可能となっている[詳細はこちら<click>]。 ★経済産業省、電気代の値引きを継続 ……エネルギー価格の高騰を受けて、9月分に対する措置を今年12月分まで延長することを決定した。値引き額は、低圧3.5円/kWh/高圧1.8円/kWhを据え置く。 ★「DS 3」の特別仕様車「ESPRIT DE VOYAGE」が欧州で発売 ……EVの「DS 3 E-テンス」にも設定される。価格は4万5,050ユーロ(約714万円)。彫刻のような薄いグレーの内外装を纏っているのが特徴。 ★フィアット、小型EV「トポリーノ」の受注をイタリアで開始 ……オンラインのみでの受注となり、宅配まで行なわれる。2023年末にはイタリア/フランス/ドイツの3ヵ国でオープントップ/クローズドの2種類の注文が可能になるという。 ★ヒョンデ、新型EV「コナ」のPRにアーティストを起用 ……「コナ」のPRとして、アーティストのyama氏とキタニタツヤ氏とコラボし、楽曲「憧れのままに」を制作した。SUVの「コナ」は年内の日本発売予定。 ★ボルボ、ディーゼルエンジンの生産を終了 ……2024年初頭を最後にディーゼルエンジンの生産を終了するという。完全電動メーカー化に向けて一歩前進した形となる。 ★テスラ、みなとみらいとおおたかの森で特別展示会を実施 ……「リビングタウンみなとみらい」<横浜市西区みなとみらい4-2-1>で9月29日(金)・30日(土)に行なう。「モデル3」と「モデルY」を展示する。オンラインから試乗予約も可能。 デイリーEVヘッドライン[2023.09.21]

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ENNE T250(photo=ENNE)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
“人力シリーズハイブリッド”の二輪EV「ENNE T250」に大容量バッテリーモデル追加[2023.08.07]

ペダルを漕いで発電しモーターを駆動するユニークな機構 外部給電機能などを付ければ災害時にも有効な発電/電源車に 【THE 視点】特定小型原動機付自転車(特定原付)を販売するENNEは、6月3日から先行販売しているEVバイク「T250」に、大容量バッテリー(14.0Ah)を搭載したモデルを追加した。同時に、従来の7.8Ahモデルの購入者に対して14.0Ahへのアップグレード(有料)も行う。14.0Ahモデルは8月10日まで、アップグレードは8月9日までの受付となる。 「T250」はユニークな機構を持つEVバイクだ。自転車と同形状なのだが、ペダルは発電機につながっていて、後輪はモーターで駆動する。走行は、アクセル操作でバイクと同様に走るモードと、ペダルで発電した分に応じて走る自転車モードの2つがある。 最高速度は特定原付の制限である20km/hで、これ以上の速度は出ないように設定されている。しかし、モーターの性能は40km/hほどで走行ができる高性能なものだという。 発電機は、バッテリーを介さずモーターに直接電力を供給する仕組みだ。この仕様により、漕いだら漕いだ分だけ(発電した分だけ)ホイールが回り、自転車に近い感覚でバイクが進む。ちなみにバッテリーへの充電は、自転車本体にプラグを直接繋ぐか、取り外して充電を行なう。ペダルを漕いでの充電はできない。 定格出力250Wの駆動用モーターに対して、発電機は定格350Wの性能があるが、ペダルの回転数が低い場合や坂道などで発電量が足りない場合は、バッテリーから不足分の電力を補って走行をアシストするという。運転者は、坂道だからといって一生懸命に漕ぐ必要はない。この辺の仕組みは電動アシスト自転車のようでもある。 ちなみに「T250」はドイツでの販売も決定した。日本モデルに装備される最高速度灯や20km/h制限などは廃して販売するという。独創的な仕組みが評価されたようだ。 「T250」は、簡単に言えば“人力シリーズハイブリッド”である。“走るフィットネスバイク”とも言えようか。どちらにせよ立派なEVバイクである。 希望を言わせてもらうと、回生ブレーキ機構を備えたらどうか。坂道を下る際の減速エネルギーを無駄にせずに済む。それから発電機からモーターへ直接充電する「チャージモード」があっても良い。USBなどを介して外部給電機能も付ければ、非常用の発電/電源車として重宝するはずだ。燃料が要らないのは非常に大きな利点となる。 いずれにせよ、海外勢に圧されているEV業界にメイド・イン・ジャパンのユニークなモデルが登場するのは嬉しい。今後の成功と発展を期待するとともに、ぜひとも試乗してみたい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★フィスカー、EVのラインアップを拡充……ピックアップ・トラックの「アラスカ」とスポーツモデルの「ローニン」の予約を開始 ★★ウーバー・ジャパン、「テスラ・モデルY」を配車サービス「Uberプレミアム」に導入……日の丸交通と協業、専用車として100台を用意 ★テスラ、2泊3日の試乗「Go Outdoor キャンペーン」を開始……8月31日(木)までエントリー受付、9月に車両貸与 ★信越化学工業、高機能シリコン製品の開発に1,000億円規模の投資……EVなどによる重要増に対応 ★東北大学、EVに関わる数々の研究成果を発表  ・燃料電池用触媒の白金材料「ハイエントロピー合金」の有用性を確認  ・X線顕微鏡で薄膜型全固体電池の全可視化に成功  ・充放電によるバッテリーの劣化の経時的進行を3次元で測定する技術を開発 デイリーEVヘッドライン[2023.08.07]

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ヤマハ発動機のEVトライアルバイク「TY-E 2.2」(photo=ヤマハ発動機)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
蘇る、40年前の興奮……ヤマハ、新型EVトライアルバイク「TY-E 2.2」を実戦投入[2023.07.14]

パワーユニットなどを一新し今後も継続的に参戦と開発 筆者が40年前に開発を経験したマシンと似た構造 【THE 視点】ヤマハ発動機は7月13日、「全日本トライアル選手権第5戦・北海道・和寒大会(わっさむサーキット)」(7月16日開催)に、新型のEVトライアルバイク「TY-E 2.2」を投入することを発表した。「ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チーム」の黒山健一選手とともに出場する。「TY-E 2.2」は、全日本選手権の参戦を通じて開発を行ってきた電動トライアルバイク「TY-E 2.1」の改良新型となる。 「TY-E 2.2」の開発コンセプトは「FUN×EV」。軽量化と高強度化に加えて熱対策の熟成を目指した積層材モノコック・フレームや、出力密度を高めた新設計モーター、小型・高効率・高機能化したモーター・コントローラーなどの新コンポーネントを投入。実戦とともに車両の検証・データ収集・技術開発を続け、後半戦も随時アップデートを続ける予定だという。 「TY-E」は2018・2019年のFIMトライアル選手権のEV専用クラス「TrialE Cup」への出場を皮切りに、2022年には「TY-E 2.0」として同選手権の「Trial2」クラスにスポット参戦。2023年には「TY-E 2.1」を開発し、黒山選手とともに史上初となる全日本選手権へのフル参戦を開始した。 筆者は実は、現在所属する会社が1984年に電動トライアルを開発したことを雑誌記事で知り入社を決めた過去がある。そこからEVに興味を抱いたのだ。 およそ40年前のことだが、当時開発していたマシンの構造は「TY-E 2.2」に近いものだった。当時としては最先端のフルカーボン・モノコックボディに、インホイール・モーターが採用されていた。 一番の違いは、インホイール・モーターであったことに加えて、何よりもバッテリーが鉛だったことだろう。液式の大変重いものだった記憶がある。当時は、現在のように「EV用」などというバッテリーはない時代だった。それがリチウムイオン・バッテリーとなり、バッテリーの性能と軽さのおかげで「TY-E 2.2」は相当の性能を持ち、扱いやすさも備えていることだろう。 試作車の試験のたびに重たい鉛のバッテリーを交換したことを思い出す。もしリチウムイオン・バッテリーであったなら、ほとんど交換せずに試験走行もできたのではないだろうか。企業は違えど、かつて筆者も開発を経験したものに類似したマシンなだけに、「TY-E 2.2」には非常に親しみを覚える。実戦での勇姿を是非見てみたいものである。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★BYD、「アット3」が自動車導入促進補助金(CEV)対象車に新決定……型式指定認証を取得し、85万円の補助[詳細はこちら<click>] ★★ルノー、新型EV「セニック E-Tech エレクトリック」のプロトタイプを発表……CセグメントのSUV ★★BMW、新型「5シリーズ」のEVモデル「i5」を日本で発売……表参道のイベントスペース「OMOTESANDO CROSSING PARK」<港区南青山>内「ポップアップ・エキシビション」にて「i7」と共に展示<7月14日(金)〜9月17日(日)>[詳細はこちら<click>] ★★エネチェンジ、「ISP・池袋東口公共地下駐車場」<池袋駅直結>にEV用充電器を設置……最高出力6kWタイプを5基 ★★東京ガス、「千住水素ステーション」<東京都荒川区>にて水素を現場製造……エナプター社の「AEM水電解装置」を使用しCO2フリーの水素を製造、販売を開始 ※AIM:Anion Exchange Membrane(陰イオン交換膜)の略 ★ポールスター、SUV型のEV「ポールスター5」のプロトタイプが実走を披露……イギリス「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」にて公開 ★ワイトリシティ、EV用ワイヤレス充電器のOEMを推進……OEM導入・採用をスピードアップする「ファストトラック・インテグレーション・プログラム」を開始 ★ボッシュ、FCモジュールの量産を開始……2030年までに水素技術で50ユーロ(約7,700億円)の売り上げを目指す ★ジゴワッツ、日本最小の充電器「Ella」を極東開発グループ本社ビル<大阪市中央区>の立体駐車場に設置……極東開発が展開する充電サービス専用品の共同開発も検討 ★ルノー、EV向けの効果音を開発……対歩行者向けの近接接近音と車内向けのウェルカム・サウンドの2種類、音楽家のJean-Michel Jarreと協力 ★パーク24、カーシェアリング・サービス「タイムズカー」会員向けに「EV体験キャンペーン」を実施……大阪府の会員限定、「日産リーフ」「トヨタbZ4X」を用意 ★ISレンタリース、「レクサスRZ450eファースト・エディション」のレンタカーを導入……7月19日よりレンタル開始、料金5万9,950円〜 ★二輪用品店のナップス、EVモトクロッサー「SUN-RON」の販売を開始……横浜店/埼玉店/浜松店/春日井店/京都八幡店/ららぽーと立川立飛店の計6店舗にて ★テラモーターズ、沖縄の不動産系企業のマルユウグループと提携……マルユウグループ所有の物件52ヵ所に先行導入 ★凸版印刷、リチウムイオン・バッテリー用の消火フィルム「FSfilm」について国際団体が効果を認証……アメリカの試験・検査認証のUL社から「UL検証マーク」のお墨付き、EV用への展開も期待 ★ローム、ソーラーフロンティアの旧国富工場の資産を取得へ……EV向けSiC(炭化ケイ素)パワー半導体の生産を拡大 ★テスラ、「テスラ サービスセンター大宮」<さいたま市中央区>にて特別試乗会を開催……7月22日(土)、「モデル Y」「モデル 3」を用意 ★ブレイズ、「オートプラザラビット稲沢店」<愛知県稲沢市>のイベントにて展示・即売会を開催……7月15日(土)・17日(日)の2日間、「ブレイズ スマートEV」など出展 ★フォーミュラE第13・14戦ローマ、今週末に開催……両日ともに予選と決勝を開催、現在のポイントリーダーはジェイク・デニス(アバランチ・アンドレッティ) […]

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BMWモトラッド CE 02(photo=BMW)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
ブランド2機種目のEVはネイキッド…BMWモトラッド、新型EVバイク「CE 02」を発表[2023.07.10]

「ホンダCB125R」のパッケージに近く遊び心は満点 日本の公式WEBにもラインナップされ国内導入は確実 【THE 視点】BMWの二輪部門であるBMWモトラッド(以下、BMW)は7月7日、新型のEVモデル「CE 02」を欧州で発表した。ブランドの3機種目にあたるモデルで、オートバイらしいネイキッドのスタイルを持つ。 BMWはこれまで、EVバイクとしては「Cエボリューション」(2017年)と「CE 04」(2022年)を導入してきた。いずれもスクーターのスタイルをとったが、「CE 02」は先にも述べたようにオーソドックスなネイキッドのスタイルをとったことがデザイン面での大きな特徴である。 都市や市街地での利用をターゲットにしていて、「eParkourer」がコンセプトだという。「Parkourer」とは「パルクーラー」と読むことができ、昨今注目を浴びているスポーツである「パルクール」が語源になろう。「CE 02」はパルクールのスタイルをバイクで表現したモデルと言え、自転車で言えばBMXが近い存在かもしれない。 「CE 02」は、ドイツ本国では免許制度に合わせモーター出力を数種類か用意するが、一番出力の大きいものは最高出力11kW(15ps)/定格出力6kW(8.2ps)で、車体重量は132kgとなる。最高出力を見ると125cc〜150ccのクラスとなるが、EVバイクの場合、定格1.0kW以上20kW未満は普通二輪となるので、「CE 02」に乗るには普通二輪免許が必要だ。ちなみにホンダの原付二種のスポーツモデル「CB125R」は、最高出力11kW(15ps)・重量130kgで、「CE 02」と同等と言える性能だ。 シャシーは、ねじり剛性に優れたダブルループ・フレームを採用。エンジン式のようなベルト駆動を採用したスイングアームも目立つ。BMWのロゴが入れられたアルミホイールにワイドタイヤを装着し、前後にディスクブレーキを採用。フロントにはABSが装備される。 ハンドル周りでは、メーターは「TFTディスプレイ」のデジタル式を採用。USB-Cの充電ポートを備え、ディスプレイに「充電終了」のアナウンスもなされる。 さらに、パワーモード選択機能が装備されているのも楽しいポイントであろう。基本的には「フロー」と「サーフ」の2つが設定されていて、「フロー」がノーマルで「サーフ」がスポーツモードと捉えて良い。さらに「ハイライン」のオプション装備車には、スポーツ・プラスに当たる「フラッシュ」モードも備わる。ちなみに航続距離は90km(WMTC)で、充電は0.9kWの普通充電と、オプションで1.5kWの急速充電が用意される。 ここまで「CE 02」を概略的に紹介したが、このモデルの大きな特徴はデザインにあると思う。昔は「ホンダ・ダックス」「モンキー」といったユニークなデザインの原付が多くあった。昨今、それらは続々と復活を遂げているが、いずれもエンジン車である。今回、それらにみられるようなテイストを取り入れたEVバイクが出たことは、古き良きホビーバイクを知る筆者にとっても嬉しいニュースであり、日本メーカーへの好影響を期待したい。 実は筆者もEVバイクの制作をした経験がある。開発に関わった30年前のEVスクーターは、定格出力0.6kW(0.8ps)のパワーで、鉛電池のため重量が130kgあり、街中の走行で30km程度の航続距離であった。それに比べれば、「CE 02」の航続距離は非常に長い。技術の進化とともに、このような楽しいEVバイクが登場してきたのは非常に嬉しい。 なお、「CE 02」の日本導入は正式発表はないが、実は日本の公式WEBに2024年モデルとしてラインナップに載っている。価格は未公表だが、日本導入は確実であろう。正式発表を待ちたい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★堀江貴文発案のEV軽トラのクラウドファンディングが開始……株式会社縁恩(エノン)が開発と生産を担当、2024年に合弁会社を設立しアメリカ市場への売り込みも狙う ★★アウディ、クラシックカー「NSUプリンツ」をオマージュしたコンセプトEV「EP4」を発表……「e-tron」のモーターと「Q7 TFSI eクワトロ」のバッテリーを流用 ★★メルセデス・ベンツ、北米にてテスラの急速充電ネットワーク「スーパーチャージャー」の利用が可能に……2025年より北米の充電規格「NACS」対応モデルを導入 ★★工学院大学、ソーラーカーレース用の新型マシン「Koga」を発表……学生自ら設計と製作を担当、「2023ブリヂストンワールドソーラーチャレンジ(BWSC)」<オーストラリア/10月開催>に出場 ★東京工業大学、次世代の材料を用いた全固体電池を開発……伝導率が世界最高の固体電解質の超リチウムイオン伝導体を開発、電極面積あたりの容量が現行の1.8倍 ★三菱造船、新世代のEV輸送船「あすか」が竣工……総トン数は499tでEVのバイオマス輸送船としては世界初、蓄電池と発電機を搭載し推進装置は完全電動化 ★ホンダ、IT企業のSCSKと協業……EVや自動運転に対応したソフトウェアを共同開発 ★NTTコミュニケーションズ、EVのカーボンニュートラルの貢献度を検証……日本カーソリューションズ(NCS)・クレアトゥラと共同で実施、NCSがリースするEVのデータを活用 ★BMW、2023年4月〜6月期に合計8万8,289台のEV(MINIを含む)を納入……前年同期比117.5%増 ★ポールスター、2023年前半で約2万7,900台を納入……今年中に6万〜7万台の納入を予定 ★ステランティス、アメリカの鉱物企業NioCorpと契約……ネブラスカ州生産のレアアースを調達 ★ワイトリシティ、EV用充電器利用のエチケットをアドバイス……「バッテリー容量100%までの充電は避けるべき、80%までの充電が最も早い」 ★テラモーターズ、ドライブステーション「神楽の里 舞乃市」<島根県江津市>に、EV用充電器を設置 ★テスラ、ポップアップストア「テスラ おおたかの森」<千葉県流山市>にて特別展示・試乗会を開催<2024年5月19日(日)まで>……「有明 ガーデン」<東京都江東区>でも特別展示を開催<7月15日(土)> ★ブレイズ、新型電動キックボード「KICKBOARD EV」の第二次予約を開始……改正道交法に対応した特定小型原付、7月1日(土)〜8月31日(木)まで受付 ★BMWモトラッド、「CE 02」のプロモーションにメタバースを活用……「BMW Motorrad MetaRide」をオープン デイリーEVヘッドライン[2023.07.10]

TAG: #EVバイク #THE視点 #ニューモデル
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
ホンダ、「ジャイロ e:」などビジネス向けEVスクーターの一般販売を開始[2023.06.05]

ホンダのEVスクーターのバリエーションが増加 駆動ユニット上に積載する「ジャイロ・アップ」が事実上の復活 【THE 視点】本田技研工業(ホンダ)およびホンダモーターサイクルジャパンは6月1日、ビジネス向けEVスクーターの一般販売を同日から開始したと発表した。 これまで法人向けの販売となっていた「ベンリィ e:」「ベンリィ e: プロ」「ジャイロ e:」「ジャイロ・キャノピー e:」が一般でも購入可能になる。全国のHonda二輪EV取扱店にての取り扱いとなる。 ホンダは先日、着脱交換式バッテリー「ホンダ・モバイル・パワー・パック e:」(MPP)を採用したEVスクーター「EM1 e:」を8月に発売すると発表した。今回の発表も合わせて、ホンダの市販EVバイクのラインナップが一気に増えることとなる。 「ベンリィ e:」および「ベンリィ e: プロ」は、積載性を最上級に高めた配達業務向けスクーターだ。特に「プロ」は、スタンダードよりも大きな荷台と前カゴ、そしてナックルガードを装備し、新聞配達向けの最適化モデルと言えるものだ。価格は64万9,000円(税込・バッテリー込み/以下同)からの設定で、ガソリン車の50ccにあたる原付一種扱いの「Ⅰ」と、125ccの原付二種の「Ⅱ」を用意している。 「ジャイロ e:」(83万9,000円)および「ジャイロ・キャノピー e:」(100万1,000円)は、後輪がふたつ並んだ三輪のスクーターである。ちなみに両車とも原付一種扱い。 「ジャイロ e:」は、駆動ユニットの上部がそのまま荷台になっているのが特徴。対して「ジャイロ・キャノピー e:」は、大型のルーフを備えているのが特徴となる。 「ジャイロ e:」は、駆動ユニットの天板にそのまま荷物を乗せられるので、積載性と安定性が高い。対して「ジャイロ・キャノピー e:」は、荷台は運転席側のユニットに備え付けのため左右にスイングするが、雨などからライダーを守ってくれる快適仕様車だ。 ちなみに現行型のエンジン式の「ジャイロX」は、天板積載仕様ではなく、運転席型と一緒に左右にスイングする仕様となっている。しかしかつては、エンジンの駆動ユニットの天板をそのまま荷台にした「ジャイロ・アップ」というモデルがあった。「ジャイロ e:」の仕様がまさにそれで、「ジャイロ・アップ」の復刻と言えよう。 「EM1 e:」と、今回のビジネスモデルの大きな差は、「MPP」の搭載数の違いと言える。「EM1 e:」が「MPP」1個の搭載に対して、ビジネスモデルは、2個を搭載(直列接続)。強力な電圧(96V)に対応したEVシステムを採用したプロ仕様である。 「EM1 e:」の価格は29万9,000円とリーズナブル。ビジネスモデルの価格は、その倍以上となるが、信頼性の高さや長い航続距離(EM1 e:が53kmに対して、ベンリィ e:Ⅰが87km)が魅力的。バリエーションも豊富で選ぶ楽しみもある。軽トラックのように、経済的かつ便利な日常のアシとなってくれるのは間違いないし、何よりガソリン代とメインテナンス・コストが浮くのは大変にありがたい。 個人でもこれらのビジネスモデルを購入できるようになったのは、朗報だと感じた。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★フォルクスワーゲン、ロングホールベースの「ID.Buzz」を発表……ヨーロッパと北米に導入、「ワーゲンバス」としての北米導入は20年ぶり ★★メルセデス・ベンツ、アメリカにて「メルセデス・マイバッハEQS SUV」に限定車を設定……ダークカラーをまとったデザイン・パッケージ「ナイト・シリーズ」[詳細はこちら<click>] ★神奈川県、「令和5年度神奈川県燃料電池自動車導入費補助金」の申請先を変更……6月1日より「神奈川県環境農政局脱炭素戦略本部室」へ、12月28日(木)まで受付 ★GM、韓国のバッテリー企業ポスコと提携……カソード活性材料(CAM)などをEV36万台分/年、アメリカで生産 ※カソード:外部へ電流が流れ出す電極 ★マック・トラックス、EVトラックの「MDエレクトリック」が米カリフォルニア州でHVIPに認定……8万5,000ドル(約1,190万円)の購入補助 ※HVIP:トラック・バスの補助金制度 ★台湾のバッテリー企業プロロジアム、全固体電池の工場をフランスに建設……EVへの採用を見据え、52億ユーロ(約7,800億円)を投資 ★テスラ、「東名厚木スーパーチャージャー」<神奈川県厚木市>にて特別試乗会を開催……6月10日(土)、「モデルY」「モデル3」を用意 ★パナソニックエナジー、車載バッテリーのグローバル生産能力を増強……2030年度に200GWhへ ★警察庁、電動キックボードの安全を啓発……7月1日より新制度、公式WEBにてルールを紹介 ★フォーミュラE第10・11戦ジャカルタ、第10戦はパスカル・ウェーレイン(タグホイヤー・ポルシェ)、第11戦はマキシミリアン・ギュンター(マセラティMSG)が優勝……2連戦後のポイント・リーダーはパスカル・ウェーレイン デイリーEVヘッドライン[2023.06.05]

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