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FCEVは実用的だが一般普及はまだ早いか……現役EV開発エンジニアが「ホンダ・クラリティFUEL CELL」を愛用して実感した燃料電池の可能性(前編) [THE視点]


TEXT:福田 雅敏 PHOTO:福田 雅敏
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気になる水素の充填方法

EVと大きく異なるのが、エネルギーの充填に要する時間、すなわち水素の充電時間である。平均で3分ぐらい。決済時間を入れても5分程度で確実に満タンになる。ガソリンを満タンに入れる時間と変わらないのだ。EVの超急速充電でもここまでの利便性はない。

水素の充填プロセスはEVともガソリンとも少し異なる。まず、クラリティをパワーOFF(キーOFF)する。

すると、メーターに「FCシステム停止処理中です」と表示され、リアバンパー下から水が排出される。場所は内燃エンジンのマフラーぐらいの位置である。「クラリティ」は左側だが、「トヨタ・ミライ」は右側にある。この間も充填は可能だ。

充填はセルフではなくスタッフが行う。その流れは、

「車両の充填口リッドを開放」

「充填口に貼られた水素タンクの検査証(高圧タンク使用期限)を確認」(メモをとるステーションも)

「レセプタクル(充填口)のゴムカバーを外す⇒(雨の日は、エアブローし水滴を飛ばす)」

「地上側のディスペンサー(充填機)からノズルガンをレセプタクルと接続」

「水素を充填」(終わると圧力が抜ける音がする)

「ノズルを外す」

「レセプタクルにゴムカバーを差込む」

「充填口リッドを閉める」

というもの。ここまでが3分程度である。これで概ね400~500km走れることになる。

ただ、同じFCEVでも「クラリティ」と「ミライ」とでは充填圧力が異なるようである。FCEVは高圧水素を利用し、その圧力が70MPa(700気圧)と耳にした人も多いと思うが、充填圧力は「ミライ」の場合で80MPaに達するのに対して、「クラリティ」の場合は、ディスペンサーにもよるようだが、75~78MPaと少し低めである。

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