ホンダの燃料電池をいすゞの大型トラックに搭載
大型車対応の水素ステーションの整備にも期待
【THE 視点】いすゞ自動車は5月15日、大型のFCEV(燃料電池車)トラックの燃料電子システムの開発・供給パートナーを本田技研工業(ホンダ)に決定し、両社で基本合意書を締結したと発表した。このFCEV大型トラックは、2027年をめどに市場に導入予定だという。
両社は、2020年1月にFCEV大型トラックの共同研究契約を締結し、燃料電池の大型トラックへの適合性や車両制御など基礎技術基盤の構築を進めている。
モニター車を使った公道での実証実験を2023年度中に開始予定で、共同研究で得られた経験や知見を市販車へとフィードバックし、FCEV大型トラックの実用性を高めていくという。
実は今年3月に行われた「FC-EXPO」のホンダのブースでは、既にこの写真の大型トラックの走行シーンがムービーで流れていた。
筆者もFCEVに乗るが、FCEVは何といっても充填時間の短さが大きなメリットだ。EVの急速充電と比較して単純計算で1/10程度の時間で済むだろう。特に大型トラックになれば、大容量の電池を搭載するEVに比べればはるかに短い時間で水素を充填できる。そのため物流業界では、FCEVとの相性が良いと思われる。
トヨタは先日、アメリカやオランダの大型トラックメーカーとFCEVトラック開発で提携を発表したばかりだが、日本国内ではホンダがいすゞをパートナーにした。燃料電池の業界では、アライアンスが欠かせないようである。あとは、大型車に対応した水素ステーションの整備が課題となるだろう。
(福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー)
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